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2015年9月19日 (土)

「天空の蜂」:もっと重厚さが欲しかった

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映画『天空の蜂』は、今年やけに「攻めて」いる松竹を代表するチャレンジングな1本として期待しておりました。確かにハリウッド的な構えのエンタテインメントに社会性を盛り込んだ問題作ではあるのですが、そして悪くはないのですが、でも期待を少々下回ったかな。悪いけど堤幸彦監督の限界を観た思いも。

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つまり絵作りもサスペンスも、切れ味が鈍く、重厚さも足りないのです。監督の体質的な問題でしょうが、どうにも軽くなってしまうのです(TV的と言ってはアレですが・・・)。もちろんそれが生きる映画もありますが、本作の場合はちょっと・・・。 例えば原田眞人監督だったら、映像の重厚感と緩急自在な編集の技で、もっともっとハラハラさせながら、重いものを観客に残してくれたのではと思ってしまうのです。

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原作は未読ですが、少なくともこの映画では原発を賛成、反対という片方のサイドから描くのではなく、両方の考え方に配慮して公平な立場をとっています。 それでも終盤の大江戸は、「犯人」を応援していました。まあ、そういう性分なんです。というか、犯人の造形がなかなか魅力的であったというか、共鳴を呼ぶ部分があったということでしょう。

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いずれにしても、観ていると現代日本のあの問題、この問題につながってきます。だからこそ、原作通りの1995年ではなく、現在を舞台にアレンジしてもらいたかったところ。一基だけ動いているあそこを狙うとか・・・。でもそうすると、世間から「不謹慎」だとか言われちゃうんでしょうねえ。

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» 天空の蜂〜なぜ撃墜しない? [佐藤秀の徒然幻視録]
公式サイト。東野圭吾原作、堤幸彦監督。江口洋介、本木雅弘、仲間由紀恵、綾野剛、國村隼、柄本明、石橋蓮司、佐藤二朗、向井理、光石研、竹中直人、やべきょうすけ、手塚とおる ... [続きを読む]

受信: 2015年9月20日 (日) 00時24分

» 天空の蜂 [映画1ヵ月フリーパスポートもらうぞ〜]
評価:★★★【3点】(11) 原作を読破した同僚の強い勧めで映画を観ることに。 [続きを読む]

受信: 2015年9月20日 (日) 08時21分

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20年前に発表された東野圭吾著の同名小説を堤幸彦監督が映画化した作品です。 原作は未読だったので、どんな物語なのだろうと気になっていました。 社会の理不尽さに人生を狂わせた男たちの姿や、原発に関わる人々の複雑な想いと共に、 人としての家族への強い愛を感じるような作品でした。 ... [続きを読む]

受信: 2015年9月20日 (日) 10時01分

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作品について  http://cinema.pia.co.jp/title/165469/ ↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。 ・ 原作:東野圭吾   ~原作ファンは映像化は楽しみでしょう ・ヘリの技術者:江口洋介 ・原発の技術者:本木雅弘 奪われた大型ヘリ「ビッグB」が、ホバリングするのは 高速増殖炉「新陽」の真上。 犯行声明では、「ビッグB」の燃料が切れる8時..... [続きを読む]

受信: 2015年9月20日 (日) 16時13分

» 「天空の蜂」 [お楽しみはココからだ~ 映画をもっと楽しむ方法]
2015年・日本 配給:松竹 監督:堤 幸彦原作:東野圭吾脚本:楠野一郎 ベストセラー作家の東野圭吾が1995年に発表した、原発テロを題材とした同名小説の映画化。監督は「20世紀少年」「イニシエーショ... [続きを読む]

受信: 2015年9月21日 (月) 00時14分

» 天空の蜂 [象のロケット]
1995年8月8日。 最新鋭の超巨大ヘリ“ビッグB”が遠隔操縦によって突然動き出し、子供を一人乗せたまま福井県にある原子力発電所“新陽”の真上に静止した。 犯人は“天空の蜂”と名乗り、「全国すべての原発の破棄」を要求。 「従わなければ、大量の爆発物を搭載したヘリを原子炉に墜落させる。」と宣言する…。 クライム・サスペンス。 ≪巨大ヘリが原子炉に墜落するまで、あと8時間。≫ ... [続きを読む]

受信: 2015年9月22日 (火) 09時29分

» 映画「天空の蜂」 [FREE TIME]
映画「天空の蜂」を鑑賞しました。 [続きを読む]

受信: 2015年9月22日 (火) 18時57分

» 『天空の蜂』 [京の昼寝〜♪]
□作品オフィシャルサイト 「天空の蜂」□監督 堤 幸彦□脚本 楠野一郎□原作 東野圭吾□キャスト 江口洋介、本木雅弘、仲間由紀恵、綾野 剛、柄本 明■鑑賞日 9月13日(日)■劇場  TOHOシネマズ川崎■cyazの満足度 ★★★★(5★満点、☆は0.5)<感想> 自...... [続きを読む]

受信: 2015年9月24日 (木) 07時44分

» 天空の蜂 ★★★.5 [パピとママ映画のblog]
人気作家・東野圭吾が原子力発電所を題材に1995年に発表した傑作小説を、堤幸彦監督が映画化した社会派サスペンス。最新鋭の大型ヘリを手に入れたテロリストが、日本全国の原発の停止を求め稼働中の原発上空でホバリングさせるテロ事件を描く。困難な直面に立ち向かうヘリ...... [続きを読む]

受信: 2015年9月25日 (金) 09時29分

» 天空の蜂 [映画的・絵画的・音楽的]
 『天空の蜂』を新宿ピカデリーで見ました。 (1)東野圭吾氏の原作の映画化ということで映画館に行ってきました。  本作(注1)の冒頭は、1995年8月8日午前7時21分。  錦重工業小牧工場で開かれる「ビッグB」納入式典に参加するために、湯原(江口洋介)とその妻・篤...... [続きを読む]

受信: 2015年10月 2日 (金) 06時50分

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