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2015年10月31日 (土)

「ヴィジット」:シャマランの本家帰りですが・・・

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映画『ヴィジット』は、『エアベンダー』『アフター・アース』と柄に合わないアクション&VFX大作が続いたM・ナイト・シャマランの本家帰り的小品。上映時間も94分とコンパクト。 でも、かなり変な作品です。恐怖の中に奇妙な笑いを挿し込んで来るというか・・・。

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(以降少々ネタバレあり) シャマランだから、相当すごいトリックを仕組んであるんだろう。アッと驚くどんでん返しがあるんだろう。驚天動地の真相が明らかになるのだろう・・・と思って観ちゃいますよね。シャマランで、この作風なんですから。でもそうすると、絶対肩すかしを食らいますよ。「え? ただそれだけですかい?」と。

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「いやいや、この後に真のどんでん返しが待ち受けているのだろう」、「いやいや、タイトルロールが終わったところで、びっくりぽんになるのだろう」と待ち続けましたが、・・・待ち人来たらずでした。 まあ確かにヒッチコック作品も、さんざん怖がらせたりハラハラさせたりした割にラストがあっさりってパターンが結構多かったのですが、そんなとこマネしなくてもいいのにね。

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まあそれでもこういうフィールドにシャマランが戻って来てくれたことは嬉しいですよね。ケレン味と変な感覚とがあって、謎で押していく語り口はやはり巧くて。でもどうせなら、もっとヘンなもの作ってくれれば良かったのに・・・。

1ヶ所、「暗闇でワッ!!と言うような驚かせ方」にやられたところがありました。スレた観客としては、久々にマジ驚きました!

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2015年10月29日 (木)

自由劇場で劇団四季の『コーラスライン』

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浜松町の自由劇場に行き、劇団四季のミュージカル『コーラスライン』を観ました。ここの劇場は初めて。もともと四季がストレート・プレイをやるために作った中規模(定員521人)の劇場。オーケストラ・ボックスも設けられるそうなのですが、本公演ではありませんでした。

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その大きさが、ちょうど本場ブロードウェイの劇場のよう。受付やバーや狭いロビーの様子が、そして客席のコンパクトに詰まった感じや2階席の急傾斜が、実に昔ながらのシアターの(狭苦しいような)感覚なのです。

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内装が素敵な劇場でして、赤を基調に鉄の黒を生かしながらセンス良くまとめています。円窓、らせん階段、サークル状のシャンデリア、装飾を施した手すり・・・うーん、いいなあ。

2階席だったのですが、コンパクトな劇場だけに舞台が遠くはなく、スロープのおかげで前の人の頭が邪魔になることもなく、椅子も長時間の観劇にちょうどいい硬さだったので、2時間25分休憩なしの舞台でも何の問題もありませんでした。

『コーラスライン』のNY初演は1975年(40年前!)。日本で四季がスタートさせたのは1979年と、もう36年たっています。先月、四季として2,000回目の公演を行ったのだそうです。1985年には映画にもなりましたよね(リチャード・アッテンボロー監督)。 大江戸はNYに行った際にブロードウェイ公演を観たことがありますが、劇団四季バージョンは初めてです。

うーん、やはり翻訳ミュージカルならではの歌詞が曲に乗らない不自然さはありますね。だって、“One”の“She's the one~”ってところが「みごーとなーひとー」ですもん。難しいのはわかるけど、こなれてないですよねー。 あと日本人がやってるもんで、どうにも脚が短く感じらて・・・まあ、これは2階から見下ろしているからだと思うんですけど。

1446121565372それでも全体的には、伝統の演目だけにきちんとした水準ではありました。しかしモノローグ場面をはじめ、会話のテンポが少しゆっくりし過ぎじゃないかなあ。 多くの場面が静的ですし、場面展開なしのシンプルな(製作費が安く済みそうな)舞台なだけに、華やかな「動」の部分をいかに爆発させ、輝かせるかが勝負ですが、そこは成功しています。オープニングのエキサイティングなダンス・オーディション。中盤の華やかな群舞。そしてラストの(きらびやかな衣装とミラー、照明を活用しての)キラキラ群舞! 話を知っていても、合格者の発表場面からフィナーレに至る部分には心震えます。涙腺に来ます。やはり最後は感動して劇場を出ることが出来る作品って、強いですね。

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2015年10月28日 (水)

今日の点取占い239

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犬にほえられてびっくりした   3点

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2015年10月27日 (火)

ハロウィン限定ビール/発泡酒

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31日のハロウィンが近づいて、世間は年ごとに加熱してまいります。各種ハロウィン限定商品・便乗商品もうれまくっているようです。ビール・発泡酒の世界も・・・

まずは『サッポロ黒ラベル』の限定ハロウィン缶。まあ、見ての通り、地味目にハロウィンです。

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同じくサッポロの『麦とホップ』の限定缶。ジャックオーランタン(お化けカボチャ)が笑っております。紫も効いてます(ハロウィンといえば、オレンジ、黒、紫が三原色ですからね)。

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でも決定版はこちら。サントリーの『クラフトセレクト パンプキン』。なんとカボチャの発泡酒です!

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普通にアルコール5%だし、泡は出るし、オレンジっぽい色の発泡酒みたいなのですが、飲むと確かに・・・カボチャの味と香りです。わお。

まあ苦みとかコクとかもちゃんとしてるし、そんなに悪いものではありませんが、でも一度飲めばもういいかなって感じではありました。

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2015年10月26日 (月)

「ヴィヴィアン・マイヤーを探して」:天才≒変人

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映画『ヴィヴィアン・マイヤーを探して』には、ちょっと驚かされました。たまたまの偶然で発見、いや「発掘」された偉大な才能。ほとんど「酔狂」と言えそうな好事家の探究がなければ、そのまま歴史の表舞台に出ることなく埋もれ続けていたはずの女性写真家にまつわる物語。非常に興味深い題材です。何が興味深くさせるかと言うと、彼女の作品が真の力を持つ「本物」だからです。

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大江戸は一頃多くの写真を見ましたが、スクリーンで初めて接したヴィヴィアン・マイヤーのモノクロ作品群(人物写真が中心)は、どれも見事にクォリティーが高く、発するインテンシティ(強度)が並大抵ではありません。構図の見事さ。人々の表情の見事さ。被写体の内面にまで迫る透徹した視線の鋭さ。街の表情の捉え方の素晴らしさ。モノクロ写真としての美しさ。まぎれもなく20世紀を代表する写真家の一人となっていたはずなのです、作品が発表されていさえすれば・・・。

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でも作品は一切発表されず封印され続け、彼女の死と共に消失するはずだったのです。あるもの好きな男がその封印を解かなければ。

その男というのが、とりもなおさず本作の監督であるジョン・マルーフ(チャーリー・シスケルと共同監督)なのですが、彼の辛抱強く根気のいる地道な探究の果てに、徐々にヴィヴィアン・マイヤーがどんな人だったのかがわかってくるあたりの面白さが本作のキモです。

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そこで知らされる彼女の人となりは、理解を超えるほどの変人でした。乳母を生業としながら、常にローライ・フレックスの二眼レフ・カメラをぶら下げて写真を撮り続け、人を寄せ付けずにただただ保管していた人。かなりパラノイア気味で、男性恐怖症で、多くのダークサイドをか抱えていた孤独な人。 関わりのある人々にインタビューをすると、時間が経つに従って徐々に彼女の困った性癖やダークサイドの話が出て来るあたりもスリリングです。

観終わって決して晴れやかな気分になる作品ではありません。我々にできることは、人間の不可思議に思いを馳せることだけです。 ともあれ、彼女の作品が今後本格的に評価され、(美術館の保守的権威に負けず)写真史にその名を残すことを願っております。

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2015年10月25日 (日)

「ギャラクシー街道」:寒々と、冷え冷えと

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映画『ギャラクシー街道』は、シットコム仕立てのスペースSFコメディーという発想自体はいいのだけど、やっちまいましたね。客席の雰囲気も「笑うに笑えず」って感じで、映画内の風景同様、寒々とした感じでした。

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そうなんです。とにかく宇宙に浮かぶハンバーガー・ショップのセットが広いのに、客がほとんどいなくて寒々とした感じ。おまけにBGMが何もなくて、宇宙の無機質で寂しげな音がうっすら聞こえるだけなので、ほんと心まで冷え冷えとして来るのです。テンポも意外なほどゆっくりで、これまた寒いのです。これでは笑えったってなかなか笑えません。そもそも、どのエピソードもあんまり楽しい話じゃないですし。

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(以降少々ネタバレあり) 一番面白かったのは、キャプテン・ソックスのカッコ悪い造形(リーゼント!)と、ソックスのずり下がりばかり気にしてるところでしょうか。エンケン(遠藤憲一)さんの顔した子供が8人ずらりってところも。 どちらも、三谷さんらしくない部分、従来の三谷さんには無かった種類の笑いです。いったいどうしちゃったんでしょうか? 何か模索してるのでしょうか? 恋愛ネタやセクシャル・ネタも、従来の三谷さんから外れてますもんね。

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でも後は、優香の頭がデカい花畑であろうが、スポック博士の耳の奴がいようが、シラノかピノキオみたいな鼻の奴がいようが、アジア訛りの熟女コールガールがいようが、西田敏行がお茶の水博士みたいだろうが、なぜか『天井桟敷の人々』のバチストそのものの道化師がいようが、エンケンさんがボンデージ・ルックで卵を産もうが、特段面白くはないのです。むしろ、それら悪ふざけに「やっちまった」感を覚えて、心が冷えて来ます。残念なことです。 

予告編やTVCMに出てきた三谷幸喜さんがタキシード着てるシーンってありました? 見落としたのか、いや、さすがに「そこまでの悪ふざけは・・・」とカットしたのでしょうか?

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2015年10月24日 (土)

湘南、鹿島に連勝!! ホーム最終戦

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湘南ベルマーレのホーム最終戦の相手は鹿島アントラーズ。

今年は最終節とその前の2試合がアウェイなので、今日がホーム最終戦。早えーよ! まだ10月なのに。

BMWスタジアム前の広場のステージでは、自由が丘のご当地アイドルであり、産能大の取り持つ仲で、ベルマーレの応援ソングを出すことになった“ALLOVER”の皆さんがショーを行っていました。

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ALLOVERは、試合前にサポ席前で、その公認応援ソング『全力でベルマーレ』を歌い踊っておりました。

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そうそう、大江戸の敬愛するジャーンさまが、観戦に来ておりました。風貌も体型も、全く変わっていませんでした(まさか、もう復帰はないでしょうけれど)。

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そしてホーム最終戦なもんで、恒例の「ベルマーレクイーン功労賞贈呈式」も催されました。 早いなー。この1シーズン、明るく笑顔で応援してくれました。でも式では結構皆さん涙ぐんでいらっしゃいましたよ。

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さてさて試合は、2-1で湘南の勝利! 前節のFC東京に続いて、難敵を下しました。鹿島にはファーストステージでも勝っているので、今年は2勝!さすがに試合後は、鹿島サポから選手たちに罵声が飛んでおりました。おー、こわ。

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5分に菊地俊介、32分に古林将太と早いうちに2-0にして、勝負あった感じでした。2点とも、横に揺さぶって、中で決めるという最近お得意のパターン。人数も多くからんで、湘南らしい素晴らしい得点でした。古林はシャドーFWを務めるようになって、2戦連続弾ですよ!

マン・オブ・ザ・マッチは永木キャプテン。今日も亮太は素晴らしかったですよ。完全に柴崎に勝ってました。もう十分に日本代表のクオリティですよね。

後半、特に終盤はいつものように雨あられのシュートを浴びせられ、それをGK秋元と全選手がはね返すというパターン。危ないシーンやポストに救われた場面もありましたが、アディショナルタイムの1点に押さえ、ホーム最終戦を嬉しい勝利で飾りました。最後に勝利のダンスを踊れたのは大きいですねー。今日は選手たちのプレイも、サポーターたちの応援も、満員の観客も含めて、完全に「J1の住人」になった思いのする試合で、感無量でした。

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試合後にはホーム最終戦のセレモニーが行われました。まだ2試合を残してますし、いつもはもっと寒くてコート着ている時期なので、今一つピンと来ません。真壁会長はいつもながらの名調子。でも、「チョウ監督と永木キャプテンは、まだ大事な2試合が残っているので、あまり長くはしゃべりません。」ってことで、二人の話は短くなりました。 

監督、永木、そして遠藤航あたりの移籍が取りざたされているのですが、来期のACL挑戦権獲得という目標のためにも残って欲しいですねー。

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ロンドさんと一緒にスタジアム・ナビゲーターを務めた相澤<かすみん>香純さんもお疲れさまでした。彼女も成長して、最近はあまり噛まなくなりました。

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それから、ベルマーレクイーンはキングベルとお別れ。(原則)1年代わりの女王ですから、王様も大変ですよね。

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5人とも1年間お疲れさまでした。今までのJ1クイーンとは違って随分勝てて、勝利のダンスも数多く踊れたので、良かったですね(ホーム最終戦がベンチコート姿じゃないなんて、今年ならではです)。 来季もまたスタンドに応援に来てください(今日も来ていた2013クイーンのみっさちゃんやゆきちさんのように)。

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2015年10月23日 (金)

着替えする地蔵軍団

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井の頭線「新代田」駅から徒歩2分ぐらい。

環七を渡った所にある4体のお地蔵さん。

大江戸は「地蔵軍団」と呼んでおります。

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見るたびに、季節ごとに、お召し物が違うんですよね。

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夏はTシャツですし。

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ノースリーブの時もあったりします。

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で、冬はフリース。

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春や秋はスエット(トレーナー)ですかね。

頭巾をかぶってるのが基本形ですが、たまに頭巾レスの時もあるのです。

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頭巾の赤だって、鮮やかな時もあれば、かなり色褪せてることもあります。

真ん中にお花がある時などは華やかですよね。

似たようなルックでも微妙に新作が混ざっていたり、着てる人が違ったりするので、いつも新鮮。

目が離せませんね。

着せてあげてる人のおうちには、雪の深夜に地蔵軍団がそりに乗せたお米を届けてくれたりするのかも知れません。

ありがたい、ありがたい。

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2015年10月22日 (木)

今日の点取占い238

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ビフテキが一番うまい   9点

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2015年10月21日 (水)

「先生と迷い猫」:もしかしてブラック?

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映画『先生と迷い猫』は、まあ可もなく不可もなくといったあたりが深川栄洋監督らしさでしょうか。大きな波風も立たず、ほどほどにヒューマンなあたりも、まさに深川栄洋ですね。まあ、そのように見えるのですが・・・

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何と言っても、カット割らずに役者にたーっぷり芝居させるのが深川流。そういうの役者としては嬉しいから、「この監督はいい!」となるんでしょうけれど、大江戸はいつもこの人の作品観るとカットの間延びした長さとテンポの悪さに辟易します。 さらに本作主役のイッセー尾形は、すっごいクセのある舞台の芝居をする人なので、映画で自由にやらせると「やりすぎ」の失敗になっちゃう、まさにそんな例となりました。ただの変な人(しかもリアルではない)になっちゃってます。

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(以降ネタバレあり) 結局ネコは見つからず・・・で終わる奇妙な結末。しかも途中で示唆されるカッターナイフでネコを傷つけている(であろう)小学生の存在を考えると、何とも不穏。この小学生のエピソードも中途半端に終わってしまうので、どうにもこうにも消化不良です。娯楽映画なんだから、ここはもっと明快な描写をしていただきたかったと351954_003ころです。でも、そうしたら娯楽映画にならなくなっちゃうようなブラックな話なのかもなあ。 そういえば、ラストのイッセー尾形のシャドーの後姿には、その恐ろしい事実に気づいてしまった苦悶が現われていたような気も・・・。でももしそうだとしたら、それって最も深川栄洋らしくない世界なのですけれどね。 監督の資質と、脚本家の意図と、お客さんが見たがっている世界とが、なんだかバラバラな向きを向いている印象を受けました。

どうでもいいけど、北乃きいが急激にオバサン化していて(まだ24なのに)、ちょっと唖然としたのでありました。

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2015年10月20日 (火)

「マイ・インターン」:ウェルメイドなスター映画

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映画『マイ・インターン』、ウェルメイドで気楽に楽しめること請け合いです。しっかり脚本を練って、手練れのスタッフ&キャストで作ったハリウッド映画らしいドラマ(まあ、分類的にはコメディーでしょうね)。そしてロバート・デニーロ、アン・ハサウェイの魅力をたっぷり見せる「スター映画」としても成り立っていて、小生などは「やっぱりこういう作品が(映画のスタンダードとして)常に公開されていない現状ってダメだよなあ」などと思ったのでありました。

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社長専属インターンから始まり、徐々に他の社員や社長の信頼を勝ち得ていく「木下藤吉郎」的なデニーロ。確かにぞうりを懐で温めるような目の配り方、気の利かせ方でめきめき頭角を現しますが、これは彼の出世物語ではありません。。でも久々にいいじゃないですか、このデニーロ(まあ最盛期の凄さとは較べられませんが)。これからの高齢化社会のロールモデルとなるような役柄です。さらには彼の存在を通して、同年代だけの同質的な組織の脆弱性を問いかけたりもしています。

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対するアン・ハサウェイも輝いてます。特にデニーロとの掛け合いシーンでは、相当頑張ってました。そりゃあ頑張りますよね。小生だって、デニーロと一つフレームに入るんだったら頑張っちゃうでしょう。 彼女は今のハリウッドにおいて、とびきりゴージャスな文句なしの美女の最右翼でしょう。10年前~20年前はニコール・キッドマンがその座にいました。5年前からはアン・ハサウェイです。本作ではファッション通販サイト社長の役ということもあり、お召し物も実にステキなのでございました。

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エンタテインメントの中に、現代社会における男と女の仕事や家庭へのスタンスとか古典的な男女役割の逆転が生む問題とかをしっかり盛り込んでいます。こういう形の方が後世に残るんですよね、社会の様相の記録として。未来の人々が見て、「あの頃は過渡期で、こんな感じだったんだねえ」などと驚いたり感慨にふけったりするのでありましょう。

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2015年10月19日 (月)

「罪の余白」:嫌な感じ

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映画『罪の余白』はチラシや予告編を見た時から嫌な感じだと思ってましたが、映画を観てもやはり嫌な感じでした。やっぱりその理由は、主演女優(吉本実憂の顔なんでしょうね。うーん、失礼ながらなんか嫌な感じなんです。まあ、思うツボのキャスティングだと言えるのでしょうけれど・・・。

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この(スケールの小さい)悪魔に対する内野聖陽が、あまりに失策を繰り返すので見ていてイライラするのもまた不快感をあおります。アル中になっちゃうし、変質者として通報されてしょっぴかれちゃうし、学校への対応、警察への対応など全て相手を敵に回す効果しかないし、ダメダメです。もっとスマートで戦略的な頭脳だったら、あの女子高生ぐらいは簡単に追い込めていたでしょう。・・・と言っても、そういう物語なんだからしょうがないですよね。

353195_002でも、そんな彼女を結構コテンパンに言葉のパンチでやっつけてくれるのが芸能プロのチーフマネージャー役の加藤雅也。いいぞいいぞ、もっとやっつけろ!と思って観てました(苦笑)。さすがは大江戸と同じ4月27日生まれの加藤さんだけあります(失笑)。

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(以降ネタバレあり) それにしても、あの終幕はなんなんですか?! あれで生きてたって、・・・えー? ほとんどギャグじゃないですか。「最初から狙って、突き落とさせた。服の下に防護ギアを着けていた。下の車は柔らかい素材にしておいた。」とか言い出すんじゃないかと思っちゃいましたよ。 最後まで嫌な感じで終わらせちゃまずいと思って、腰砕けで終わるように配慮してくれたんでしょうかね?

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2015年10月18日 (日)

「バクマン。」:ラブリーで感動的な青春お仕事エンタテインメント

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いい! 映画『バクマン。』サイコーです(いや、主人公の名前じゃなくって)! ワクワクします。感動します。爽やかな気分になります。大根仁の快進撃が続いています。大抵の人にお勧めできる充実の快作に仕上がっています。

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神木隆之介もさることながら、’89年生まれの佐藤健がしっかり高校生に見えています(特に前半)。そして彼らを取り巻く同級生やライバルや大人たちが、みんな愛すべき人たち。(多分に原作マンガのおかげなのでしょうけれど)それぞれのキャラクターがきちんと立っています。生き生きとしています。それでもう映画としては、勝ったも同然です。 山田孝之は「電車男」のその後みたいな雰囲気がありましたし、リリー・フランキーさんはナチュラルなようできっちり演技してましたし、染谷将太はやっぱりうまいです。3人とも助演男優賞モノの芝居です。

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マンガを描くシーンにおいて、カリカリとかシューッとかグワンッというペンの音が、凄い効果を上げています。普段聞いたことの無い音であり、耳に心地良く、興奮を呼ぶ印象的なサウンドです。今はコンピューターで描く人が優勢という話も聞きますが、ペンとインク(墨汁?)でないと、映画的にはしんどいです。

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映像も、大根監督らしくいろんなことにチャレンジしながら、全体的には極めてオーソドックスに映画的だったりしています。「王道」です。この人も引き出しが多いなあ。 いずれにしてもこれだけキラキラしている(しかもほろ苦い)青春映画&エンタテインメントってのも、近年なかなかありません。まあ、大根監督の『モテキ!』もそうでしたね。ラブリーなんです。

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エンドタイトルバックが途中からマンガ(コミックス単行本)の並ぶ本棚になるのですが、横移動しながらそこに現れるフェイク本の背のタイトルやデザインが、途中からスタッフ表記になっていてニヤリ! 例えば、『ヒカルの照明 冨川英伸』とか『るろうに装飾 西尾共未』とか『キャスティング翼 おおずさわこ』とか・・・。これには感心しました。

そうそう、小松菜奈と染谷将太の顔が似ているというショーゲキ?の事実を発見してしまいました。

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2015年10月17日 (土)

湘南、FC東京に勝利!!!

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いよいよ終盤のJリーグ。味の素スタジアムでFC東京vs.湘南ベルマーレを観戦です。ここでは3年連続終盤の重要な試合--おととしはJ1降格が決まったし、昨年はJ2優勝を決めたし、そして今年は勝てば3試合を残して残留決定となる試合。初めて読む方のために言っておくと、ブログ・タイトルとは裏腹に小生はベルマーレ・サポです。あしからず。

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試合は序盤から湘南がハイプレスで、猛烈に球際激しく強くボールを奪い取ります。東京のパス回しを簡単には許しません。

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ところが10分にアンドレバイアが早々と負傷交代。こんな日に限って、坪井をベンチ入りさせておりません。島村が交代で3バックの右に入り、遠藤が真ん中に回ります。

しかし、このメンバーがしっかり頑張り、今日の右シャドー古林将太と右ウイング藤田征也の縦の関係も良く機能し、チャンスを作ります。 すると前半アディショナルタイムに、永木のフリーキックからこぼれ球を古林が流し込んで先制! あまり取ったことのない時間帯に、うまいこと先制できました。 その直後にFC東京の森重が負傷交代。両チームの3バックの真ん中が前半のうちに負傷交代という、大変珍しい状況になりました。

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ハーフタイムには湘南のサポーター前にも東京ドロンパがやって来て媚びを売っておりましたが、なんのこちらには神様(王様)がついてます。

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「安心して下さい! 勝ちますよ!!」という、とにかく明るいキングベルの愉快なゲーフラ。

1445089645159後半になって、50分に東のゴールでFC東京が追いつきます。しかし今日の湘南はそれで折れたりしません。5分後に見事な横のゆさぶりで崩して、藤田征也のクロスを菊池大介が決めて2-1! 見事なゴールでした!

東京は70分に早くも3人目の交代を投入。湘南も76分に3人目と、ここらも珍しい展開。そのあたりからは、ほとんど湘南が防戦一方。雨あられと降るシュートやFK、CKをGK秋元を中心にはね返し続けます。

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長めのアディショナルタイム4分も耐え抜き、ようやく終了の笛。いやー、またもハラハラドキドキでしたけど、勝ちました! エライ! 大江戸が見た試合では、ここでFC東京に勝ったのって、10年ぐらい前の天皇杯(延長後半に加藤大志が決めた)以来じゃないでしょうか→調べてみたら2002年のことでした。

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勝利のダンスも久しぶり。いやー、ジャイアント・キリングとまでは言えないでしょうけど、気持ちのいい勝利でした。

サポーター席に、いつものごとく「かすみん」と「みっさ」ちゃんの姿を目撃しました。アウェイでもいつも来てくれてます。えらいなあ。

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2015年10月16日 (金)

「ロバート・アルトマン ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男」:あんまり好きではないけれど

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映画『ロバート・アルトマン ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男』は、アルトマン(正しい発音は「オールトマン」ですけどね)に関わった人たちへのインタビュー+映画作品のフッテージで成り立つ伝記ドキュメンタリー。昨日紹介したペキンパーのと同様の作品です。でも、こちらの方が予算が高そうというか、しっかりした作り。作品フッテージもふんだんに使っています。

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ペキンパーとは全く違ったスタイルだけど、「ハリウッドの反逆児」ってことにおいては共通しています。まあアルトマンの方が映画芸術としての評価は概ね高かったわけですが、二人とも娯楽映画を独自のスタイルで作りながら、同時にアーティスティックな名声も手にした人気のある監督でした。

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素直に時系列で作品群を追っかけて行く手法もペキンパーのと同じ。ただ、こちらにはホーム・ムービーが箸休め的に使われていて、(ペキンパーとは違って)良き家庭人であったアルトマンの人となりを表していました。

エリオット・グールド、サリー・ケラーマン、ジェームズ・カーンからP.T.アンダーソン、ジュリアン・ムーアに至るインタビュイーも豪華。彼らが一言で語る「Altmanesqueとは?」もなるほどでした。ただ映画全体としては、普通によく出来ていて、ちょっと「浅い」というか、物足りない感もあります。

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(早送りを交ぜながら)『ザ・プレイヤー』冒頭の8分以上の1カット長回しを見せてくれたのは、良かったです。でも、たいていの作品はほんの短い紹介だったので、ちょっと残念。1時間35分の作品ですが、2時間ぐらいにして、もう少したっぷり見せてもらいたかったところです。

ちなみに大江戸の一番好きなアルトマン作品は、『三人の女』です(滝本誠さんもそうだってことで、光栄です)。でも実はそんなに好きな監督じゃないんです(むしろ性が合わない)。あしからず。

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2015年10月15日 (木)

「サム・ペキンパー 情熱と美学」:砂漠の破天荒オヤジ

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映画『サム・ペキンパー 情熱と美学』は、ペキンパーの伝記を書いた映画史家にして映画製作者のドイツ人監督が手掛けた伝記ドキュメンタリー。ペキンパーゆかりの人々へのインタビューと、作品からのフッテージでできているオーソドックスな作品ではあります。

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でも主人公であるペキンパーが、非常識極まりない「異常者」なので、アナーキーな香りが漂っています。いやー、聞きしに勝るヒドイ奴ですね。しかも後年は(酒に加えて)コカインにまで溺れて、そこから先を棒に振ってしまったようなものですから。ま、そういう破天荒な奴だから、こういう映画を作ってもらえるわけですけどね。映画監督になってなかったら、犯罪者として早死にしてたかも知れません。

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ボーグナイン、コバーン、アリ・マッグロー、クリス・クリストファーソンらが出て来るインタビュー・シーンは普通に及第なのですが、作品フッテージがあまり無く、スティル写真だったり予告編映像だったりするのが、かなり物足りないですね。ペキンパーのトレードマークであるスローモーションの使用例など皆無に近いんですから(『ワイルドバンチ』の橋落下シーンぐらいでしょうか?)、ペキンパーの「人と作品」ってことにおいては、後者の比重があまりにも少ないと思います。

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大江戸にとってのベスト・オブ・ペキンパーはもちろん『ワイルドバンチ』です。そして、あの傑作を作った彼の遺作がジュリアン・レノンのミュージック・ビデオだってのを知って、唖然としました。その2本のうち1本(“Valotte”)を検索して見たのですが、特にペキンパーらしいとも言えない、どうってことのないものでした。まあ、そんなもんかもね。

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2015年10月14日 (水)

日本vs.イラン戦に思う

昨夜の日本vs.イラン戦(国際親善試合)は、どうにも微妙な試合。いいんだか悪いんだか、悪いんだかいいんだかって感じで、どう判断したものやら・・・。それはやはりイランが強いってことがあるんでしょうね。FIFAランキングはアジア最高位の39位(日本は55位)。個人の強さには目を見張るものがありました(当たりの強さ、ボールキープ力、打点の高いヘディングなどなど)。それでも弱小国のようにゴール前を二重のブロックで固めたりしないだけ、日本にはやりやすい部分もあるはずと思ったのですが・・・。

かなり手ごわかったですね。時間帯によってはまるっきり防戦一方になりましたし、2-3点取られててもおかしくないようなピンチもありました。そして日本は、芝の長さを読み切れずにスピードの遅いパスをカットされたり、ミスが多かったですねえ。中盤で全然ボールを支配できませんでしたし、左右SBの上りが少なくて機能していませんでした(左の米倉は守備面では大いに気を吐きましたけど)。

そして吉田麻也のPK献上ファウル! 前半45分を過ぎてアディショナルタイム1分の中で、しかも大ピンチでもないのに後ろから追うように足を出してしまうなんて、不用意過ぎます。かと言って森重、槙野だって似たり寄ったり。ああ、日本ってホントにセンターバックとゴールキーパーが育たない国ですね(≒守備の文化が無いってことなんですけど)。

米倉とか柴崎とか森重とかのレギュラー・チャレンジ組も、今一つチャレンジャーとしての圧倒的なプレイが見られなかったですよねえ。交代選手では清武が良かったと思います(香川が悪かっただけに)。原口は相変わらずダメ。

数日前のシリア戦に引き続き、フジテレビのゲスト解説は闘莉王さんでしたが、この人意外なほど的確な良いコメントをするんですよねー。現役プレイヤーならではの視点から、「ああ、そうなんだ」と納得できたり、目からウロコだったりするお話をしてくれて、いつ聞いても新鮮でためになります。ちょっと滑舌が悪くてモゴモゴとしたしゃべり方になるのが難点ですが、将来は指導者よりも解説者に向いてるんじゃないでしょうか。

一方でフジの青島アナは相変わらずウザいというか不快ですねー。話すことがわざとらし過ぎるのです。敢えて(自分は知ってるのに)「これこれはこういうことなんですね?」などと、解説者の「イエス」を前提とした、いや解説者は「イエス」というしかないような当たり前の話をわざわざ大げさに話してみたり。要するに「犬が西を向いてるってことは尾が東なんですね」ってなことを、芝居気たっぷりな口跡で話すのです。後はいかにも「用意してきた感」たっぷりの決めフレーズを、これまた芝居気たっぷりにまくしたてたり。ある程度サッカーのことを知っていることもあり、多少解説者の領域の話までしゃべってしまう・・・なのに、「~ということなんでしょうか?」などと文末だけで疑問形に変えて、解説者としても「イエス」と言うしかない。などと、まあ言葉のキャッチボールだとか、解説者の話を引き出すことが出来ていないんですよね。自分を押し出し過ぎると言うか・・・。まいっちゃう人です。フジテレビさん、別のアナウンサーを育成すべきだと思うんですけれど。

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2015年10月13日 (火)

ラグビー日本代表の凱旋

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日曜日に渋谷で「ラグビー日本代表の大活躍を祝して」ってことで、桜のマーク入りの「リポビタンD」を無料配布していました。

エディ・ジョーンズ ヘッドコーチとジャパン・チームが帰国して、夕方に会見をしてましたね。大会前には考えられなかった盛り上がり方です。五郎丸やリーチ主将をはじめ、みんなCMのオファーとか来るんだろうなあ。

先日も書きましたが、大江戸は全くのラグビー知らず。今大会までは1度も試合を(もちろんTVで)見たことすらありませんでした。で、今大会の数試合を見ましたが、いやー、面白いですね。サッカーとはまた違った面白さがあります。少しずつ敵陣に歩を進めるゲインの感覚。“One for all, all for one”の実践。そしていろんなことがサッカーと反対。

例えば、反則の時の審判の挙げた手が示す向きが反対。フォワードが体を張って守り抜いて、バックの選手がランやトライを決める花形。 接触プレイが当たり前なので、よくあれだけぶち当たっても平気だなあと感心してしまいます。サッカーで、少しの接触で痛そうに倒れてるのって何なんだろうって思っちゃいます。実際、ラグビーの方々は苦笑しているんじゃないでしょうか?(豪州やNZの方々はそう思ってるってのを聞いたことがあります)

いずれにしても3勝1敗でも決勝トーナメントに進めないってことが、あまりにもサッカーのW杯と違うんで愕然としちゃいます。まあラグビーは5チーム、サッカーは4チームのグループ(プール)とは言え、サッカーの場合は1勝1敗1分けでもグループリーグ突破できちゃう場合がありますもん。それなのに(ラグビーW杯でも史上初とは言え)3勝1敗でグループリーグ止まりとは・・・びっくりぽんや。

選手&スタッフの皆さん、お疲れ様でした。まずはごゆっくりと現在の「変化」をエンジョイしてください。そして、2019年へ!よろしくお願いします。

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2015年10月12日 (月)

wearerとNORTON

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新宿は歌舞伎町裏のライブハウス「NINE SPICES」で、wearerのライブがあるということで、行って来ました。今回はポルトガルのバンドNORTONの公演のゲスト・アクト(日本代表とも言う)という扱いです。

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なんと久々に(ツインボーカルの一人である)えいちゃんが復活しました! 産休&育休明けです。メガネをかけて、一回り痩せた印象。でも、あのベイビー・ヴォイス、エンジェル・ヴォイス、キャンディ・ヴォイスが帰って来ました。YKが孤軍奮闘していた「男wearer」もそれはそれで良かったのですが、やっぱりこれぞ本来のwearer!って、どうしてもそんな気がしますね。「Survive」におけるツイン・ボーカルの受け渡しなんか、やっぱり最高です。

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ドラマーが新しい人になっておりました。5月に下北沢で見た時はかっこいいキーボードのお兄ちゃんが加入していましたが、今回のドラムスさんのルックスもなかなか。もしかして「wearerイケメン化計画」が進行しているのでしょうか?

 

それにしてもYKは相変わらずMCがイマイチだなあ。あまり考え過ぎ、仕込み過ぎは美学が許さないのかも知れませんし、あくまでも音楽で勝負したいのでしょうが、でももう少し考えてもいいのに。恥ずかしがりや屋さんなのかしらん(笑)。 あと今日も終始メガネでしたが、最後にはギターを弾きながらのヘドバンの際に飛んで行っちゃいました。 

それはともかく、いつもよりやや長めの40分を力一杯の歌と演奏。悪くなかったと思います。

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メイン・アクトのNORTONは、なかなか成熟した大人のロックって感じで、非常にセンスの良いバンド。ポップな耳触りの良さと音楽魂と今日的な音が、高いクォリテクで調和しています。ソリッドでカラフルなギターが良いですねー。 楽しいステージをエンジョイしました。

 

 

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2015年10月11日 (日)

「岸辺の旅」:黒沢の円熟期のはじまり

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映画『岸辺の旅』は、今年還暦となった黒沢清の新しい展開を感じさせる作品。今後10年間は「円熟期」として、世界から評価される名作を撮り続けるのではないでしょうか。

物語の中に普通に死者(幽霊)を登場させるというのは、能や多くの日本文学、映画が扱ってきたこと。そこから「限りある生」とか「人と人との思いや絆」、「世俗にまみれていると見えない真実」などが描き出されていきます。

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本作でも浅野忠信が淡々と動き、語ります。その演技以上に、演出が淡々と「普通のこと」として描いているので、死者には「恐怖」や「驚異」はなく、むしろ場面によってはそこはかとないユーモアすら漂っています。

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深津絵里の妻が、それを当然のごとく淡々と受け止めるのも面白いですね。最初っから何の疑問も違和感もなく、自然にこの事態を受け容れるのです。そこに「夫婦」の機微や、つながりの強さが浮かび上がるのが、本作のキモと言えましょうか。

そしてふかっちゃんはやはり、見事に巧くて、それ以上に魅力的なのです。42歳にして、この瑞々しい美しさ! ロングショットが多いもので、全身の動きから出ている「チビッコ感」がたまりませんね。地味な服の似合い方も、実にステキです。その上、相変わらず声が素晴らしいのです!

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そくそくとしみ入る良い話です。でも、最高にスリリングな名場面は、ふかっちゃんと蒼井優の「女の対決」シーン。ここだけは、カメラも(小津張りの)正面アップの切り返しになって、そのピーンと張りつめた緊張感の中に、女二人≒女優二人の火花が散っていました。いやー、静かにコワかったですね。

でも音楽に関しては、なんであんなに堂々たる感じのオーケストラで慣らし続けていたんでしょう? 黒沢監督が意図して狙ったのでしょうけれど、どうにも大げさ過ぎて違和感を禁じ得ませんでした。ちょっと残念なところです。

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そういえば序盤にはまだ深津、浅野の二人(『寄生獣』コンビ)の顔が割れて、変なバケモノに変身してしまう妄想が頭をよぎりましたが、その後は(映画に力があったので)すっかり忘れてしまいました。

テアトル新宿のロビーには、映画で使われた二人の衣装が展示してありました。腕を組んでいるところがキュートですね。

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2015年10月10日 (土)

「黒衣の刺客」:誰が何をどうしてるの?

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映画『黒衣の刺客』には全く歯が立たなかった感じ。正直言って、どんな物語で、今何が行われているのか、観てる間中ほとんどわかりませんでした。って言うのも極めてバカみたいで恥ずかしいのですが、本当のことだからしょうがありません。まあ、もともと侯孝賢とは相性の悪い大江戸なので、今回は降参ってことで・・・。とにかく無力感に満たされました。

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物語性があるはずの武侠映画なのに、ストーリーを語ろうという意志などさらさら無い感じで、不親切極まりないですね。監督が物語を把握していれば、映画ではそれを全て描くまでもないという考え方なのでしょうか?(へんなの) しかも、どのシーンもとにかく静謐で、動きも少ないのを長回しで撮ってるものですから、シーン後半になると集中力が失せてきたり、睡魔が襲って来たりするのです。あー、眠かった。

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レビューなどを読むと、多くの方が「物語や描写はわかりにくい」ことを指摘しながらも、口を揃えて「映像美が圧倒的」とおっしゃっています。でも、果たしてそうかなあ? まあ確かに、スタンダード画面に描かれる霧深い山中の場面とか、風に揺れる紗幕を通して見る室内の人物とかは印象的ですが、名手リー・ピンビンの撮影なら、もっとできるんじゃないかなあ。少なくとも大江戸の「圧倒的映像美」の基準は、ちょっと違うんですけどねえ。

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アクションはリアリズム。ワイヤーワークでピョーンと跳んだり、木の葉や花びらが舞ったりすることはありません。でも地味過ぎて、スタンダード(1:1.33)の画面内では動きも少なくて、見せ場とはなっておりません。そもそもどういう因果の誰と誰が、どういう文脈で戦っているのかがわからないので、アクションを見ていても眠くなる始末なのです。

カンヌで監督賞を取っているぐらいですから、本作を好きな人は多数いらっしゃるのでしょうけれど、大江戸とはとことん相性が悪かったようです。

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2015年10月 9日 (金)

日本、シリアに順当勝利

昨夜のサッカー日本代表のW杯2次予選、アウェイのシリア戦は、さほどピリッとした試合ではなかったけれど、3-0と実力差通りの勝利で、まあめでたしめでたしです。

シリアはそんなにひどいチームではないので、シンガポールやカンボジアほどにはガチガチにゴール前を固めて守り抜く感じではありませんでした。それでもやはり終始日本が押す展開になるので、畢竟シリア陣内の人口密度は高くなり、フィニッシュに至るのは難しくなります。なので、どうにもちゃんと決定機を作れない印象の前半なのでありました。ミスも多発してました。 相手キーパーも何かというと倒れて、虚弱かつ演技がヘタなので呆れましたよね。

後半は日本が持ち直して、パスも回るようになり、先制してからは前に重心を移したシリアのスペースを突けるってこともあり、結局3得点できたわけですが、1点目=岡崎倒れるタイミング見事/2点目=香川もさすがですが、岡崎やっぱり咄嗟の判断とシュートうまいなあ/3点目=清武のスルーパスが素敵で、宇佐美も落ち着いていました。まあ、そんなところです。

でも左FWで先発起用された原口が良くなかったですねー。考えられないようなミスの多さに呆れました。ボランチ山口蛍も、珍しくミス連発でした。

さて2次予選もようやく半分を終えました。日本は3勝1分けの勝ち点10でグループ首位に立ちましたが、いまだ失点0なのは喜ばしいところ(まあ当然ですが)。来週火曜の(現在アジア最高順位の)イラン戦(親善試合)も楽しみです。

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2015年10月 8日 (木)

予告編が好き

映画の予告編、好きですか? 大江戸は大好きです。

昨日、所ジョージさんの番組に堤幸彦監督が出ていて、映画の予告編制作会社のガル・エンタープライズを紹介していました。その中で(宣伝の意味で)『天空の蜂』の予告編を画面内に流して、堤監督と番組スタッフが一緒に見て興奮していたのですが、それを見終えて堤監督が一言。

「ヤバイでしょ、コレ! 本編の5倍ぐらい面白いです。」・・・って、監督がそれ言っちゃダメでしょー!

でも、確かに日本の予告編って(ここの会社で作っているのをはじめとして)秀逸で、本編を上回るようなものも多いですよね。予告編で泣けたのに、本編ではちっとも泣けなかったとか・・・。

番組では来春公開の東宝映画『ちはやふる』の30秒特報制作に密着した数日間のドキュメンタリーも流していましたが、いやー、「ザ・仕事」って感じで、感動したり身につまされたり、もっと1時間ものとかでしっかり見たいぐらいの面白さでした。その光景や、完成した特報を見ただけで、泣けましたもん。

近作の予告編で良かったのは、『岸辺の旅』。でも、深津絵里と浅野忠信が主演なので、見ていて「今に顔がパカッと割れてバケモノに変わるんじゃないか と、気が気じゃありませんでしたけど(『寄生獣』コンビなもので・・・)。

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2015年10月 7日 (水)

今日の点取占い237

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あくびばかりしてなみだがでた   1点

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2015年10月 6日 (火)

「シャーリー&ヒンダ ウォール街を出禁になった2人」:最強のふたり?

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映画『シャーリー&ヒンダ ウォール街を出禁になった2人』は、まあタイトルそのままのドキュメンタリーなのですが、かなりスリリング。シャーリー92歳とヒンダ86歳のおばあちゃん二人が、怖いもの知らずに猪突猛進。いやー、おばあちゃん無敵です。

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この二人、役者みたいないい顔をしてるんです。だから、見飽きません。86歳のヒンダさんよりも92歳のシャーリーさんの方が、若々しくて元気。後から本作の公式サイトを見たら、二人とも若い頃は政治活動家だったようで、妙に納得。でも、そこらへんは映画の中では語られておりません。

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「なんで経済成長し続けなきゃいけないの?」っていう疑問で、ひたすら突き進んでいくのですが、いつの間にやら「経済成長=不要、悪」みたいになっていて、そこらへんの考えの変化の筋道があまり描かれていないのが、映画としては不満なところ。ラストに至っては、完全に活動家の魂が蘇ってきた感じです。まさに原題“Two Raging Grannies”(二人の怒れるばあちゃんたち)の通りですね。

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ただウォールストリート・ディナーに乗り込んで、ゲリラ的に疑問を投げかける場面(ここは隠し撮り)、及びその後で関係者から脅しと呪いの言葉を浴びせられる場面に関しては、ちょっと複雑でした。あの勇猛果敢な、見方によっては後先考えない常識はずれの行為によって、会の運営やセキュリティーを問われてクビになったり降格になったりする人が出ますよね、普通。そういうことを考えると、単純に「よくやった」などとは言えないのです。物事にはいろんな側面があるから、難しいものですね。

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2015年10月 5日 (月)

「アントマン」:センチメートルの決死圏

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映画『アントマン』は、マーヴェルのヒーローものにしてコメディーにしてファミリー・ピクチャー。まあ悪くはないのですが、物語の細部をきっちり語る、何がどう行われているかをきっちり表現するということにおいては、脚本も演出も今一つなのでした。

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冒頭のマイケル・ダグラスが若いんです! こういうCG修正をナチュラルに使えるようになってくると、女優さんなんか永遠に若いままってパターンが増えるんじゃないでしょうか(一頃のゴールディ・ホーンのように?)? でも、その後の年取った顔(正面から見たところ)なんて、ますますカーク・ダグラスに似てきましたね。

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小さな小さなヒーロー(身長1.5㎝)っていう発想は面白いのですが、最初に変身して風呂の水に慌てるあたりで思い出したのがザ・ビートルズの『ヘルプ! 4人はアイドル』('65)。ポールが謎の注射で小さくなってしまう場面の面白さは、50年も前の作品なのに本作を上回っていました。

それと、アントマンってずーっと小さいわけじゃなくて、目まぐるしい程に小さくなったり大きくなったりするんですね。『快獣ブースカ』も♪でーっかくちっちゃくなーれるんだー、でしたけど。

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(以降ややネタバレあり) でもクライマックスの対決により、アントマンは亜原子レベルまで縮小してしまうのですが、そうなった時って、あのスーツや操作ベルトは存在し得るのでしょうか? 形や機能を留めていられるのでしょうか? 文系の大江戸には、まったく想像もつきませんです。

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2015年10月 4日 (日)

日本ラグビー、スゴイですね!

いやー、ラグビー・ワールドカップ盛り上がってますね! 日本が南アフリカに次いで、サモアにも圧勝して2勝(1敗)! 凄いです。

とは言いつつも、大江戸はこれまでラグビーには全く無縁。高校ラグビーとか大学ラグビーとかを含めて、TVの試合も全然見たことありませんでした。ま、サッカーとカーリング以外のスポーツはどうでもいい大江戸なので、当然と言えば当然なのですが。

ところが、この盛り上がりに乗っかって、対スコットランド戦と対サモア戦を見たのですが、いやー面白いですね、ラグビー。分業制で、だけど協力し合って、目的に向かって少しずつゲインしていく感覚が新鮮でした。あ、「one for all, all for one」って、こういうことなのねと実感できました。ほかにも、サッカーと較べて、審判の手が示しているチームが逆とか、まあいろいろな新鮮ポイントがありますね。

それと、見ているうちに自然と体に力が入って(歯とか腹とか脚とか拳とか)、すっげー疲れるというか、我ながら笑っちゃいます。一緒に戦っちゃうんですね。

それにしても予期せぬジャイアント・キリング(番狂わせ)と、予想以上の日本国民の盛り上がり。隠れキリシタンのように潜んでいたラグビー・ファンも、わらわらと湧き出しているようですし。2019年のワールドカップ日本大会に向けて、願ってもない雰囲気作りとブーム化に成功してしまいました。 こうなると、(森喜朗氏じゃないけれど)やはり新国立競技場が2019年に間に合って欲しいなあ、突貫工事で何とかならないのかなあ・・・などと思ってしまう小生なのでありました。

でも次のアメリカ戦は、12日(月)の早朝4時キックオフなんだよなあ。うーん。サッカーのW杯なら、迷いなく起きて観戦する大江戸ですが、ラグビーとなると「まあ、録画でもいいか」などと思ってしまうのです、今のところ。

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2015年10月 3日 (土)

湘南、山形に痛い敗北

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秋晴れの午後4時キックオフ。早くもホームゲーム残り2試合となった湘南ベルマーレvs.モンテディオ山形戦を見に、BMWスタジアムに行って来ました。
永木亮太キャプテンが累積警告、遠藤航が怪我で出場できないってことで、難しい試合になるとは思っていました。しかして、結果は0-1でベルマーレの負け。降格圏内の山形を相手に、厳しい敗戦となってしまいました。

(ちなみに今日のキングベルふわふわは、お池のあたりに出現)

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キャプテンマークは菊地俊介が巻き、石川俊輝とダブルボランチ。遠藤の変わりには坪井が3バックの右に入る布陣。

山形はラインを高く上げてコンパクトな中、きっちり走って堅く守ります。両チーム、ミスも多く、じれったい展開のままスコアレスで前半が終了。

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すると後半開始から坪井(背番号20)に代わって(ミッドフィルダーの)可児が3バックの右に入るという不思議な交代。坪井、敵に走り勝ったりしてたし、悪くなかったんですけどね。ちょっとバックパスが多めで、遠藤に較べて前への推進力、展開力が足りないと判断されたのでしょうか?

しかし後半はモンテディオのペース。押され気味の湘南はいくつかのピンチの末に後半26分、コーナーキックからのこぼれ球をディエゴに押し込まれて、また今日も先制されてしまいます。

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で、交代でキリノや山田直輝を投入したものの、なかなか決定機を作れず、作っても決められずで、時間ばかりが過ぎ去り、遂にここ数試合の「先制されて、終盤なんとか追いつき1-1のドロー」というパターンも崩れてしまいました。

いや、もともと大抵のベルマーレサポーターは「今日は勝つ」って折り込み済みだったと思うのですが…。負けたこと以上に、えらい凡戦でした。消極的でミスも多く、山形は点取った後はゲームを殺しにかかったし。まさに、石崎監督(山形)の思い通りのゲームになってしまった感じです。 痛いなあ。

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試合後、湘南の選手たちに浴びせられたのは、ブーイング6割、拍手4割ってところ。確かに今シーズンのワーストゲームかも知れません(1stステージのマリノス戦と並んで)。選手や監督の表情は固かったです。次の試合からはきっちり勝とうよ!

一昨年もそうでしたけど、シーズン終盤に勝てなくなる(敵に研究、対応されてしまう)流れは、何とかならないもんですかねえ。

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本日のベルマーレクイーン、あれ1人ブラウス&スカートの地味な人が・・・(後ろで消防署の人も指さしてるし)。

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と思ったらハーフタイムに分かりました。小嶋栞ちゃんが、「1日平塚警察署長」になって、暴力追放キャンペーンの宣言を読み上げたのでありました。

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くやしくモヤモヤした試合終了後でしたが、ゴミ拾いキャンペーンを呼びかけるクイーンの皆様の笑Rscn1912_convert_20151003222816顔は、いつも通りに「救い」なのでありました。

 

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2015年10月 2日 (金)

「あさが来た」始まる

1443789857086始まりましたね、NHKの朝ドラ『あさが来た』。大江戸はごひいきの波瑠さんが主役なので、大いに推してます。しかも宮﨑あおいさんが共演(姉役)なので、盆と正月がいっぺんに来た感じです。

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まだ今のところは主人公が幼い頃なので、子役の女の子が出ていて、波瑠は第1話の冒頭に老けメイクで出たっきり。登場が待たれます。従来クールで、ぼーっとしてたり、おとなしかったりする印象の波瑠が、この探究心に富む明朗快活なヒロインをどのように演じるのかが、楽しみな半年間です。

ちなみに子役の女の子は、(主人公が「あさ」なので)「こあさちゃん」と呼ばれているそうです。

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AKB48初のドラマ主題歌も、爽やかでいいですね。

江戸時代から明治にかけてが舞台なので、衣装から結髪からセットから、現代ものに較べると随分と製作費がかかりそうに思えます。そういうのってNHK内ではどういう仕切りになっているのか、ちょっと興味がありますね。総額製作費を同じにするような工夫があるのか? 製作費が何割増しかになっても、時代劇だからしょうがあるまいとする不文律があるのか? ・・・考えると、夜も眠れないうちに、あさが来た。 ←うまい!

あ、写真は銀座の地下コンコース(ソニービルそば)です。

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2015年10月 1日 (木)

ヘチマコロン、いいですねー。

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大江戸が長年使っているものの一つがこれ。自然派スキンローションの『ヘチマコロン』です。風呂上がりやヒゲ剃り後に、お顔に ぺたぺたします。

ボトルデザインがシンプルでいいですねー。この“Hechima Cologne”の字体も、「ヘチマコロン」の字体も、レトロ素敵でいいですねー。半透明のプラスティックから透けて見える液体の、淡い緑色もいいですねー。

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貼ってあったシールを見ると、なんと100周年だそうですよ。「祖母から母へ。母から私へ。」というコピーも、このロングセラー商品の特質を表していて、いいですねー。

夢二の絵のステッカーまで貼ってあります。

香りも淡くて、いかにもヘチマ水って感じで、みずみずしく爽やかなのです。いいですねー。

夏はさっぱりしますし、冬は肌に湿度を与えてくれる感じ。植物のニュアンスが肌に優しい感じです。皆様も一度お使いになってはいかがですか?(ヘチマコロン株式会社からは何ももらってませんよ)

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