「シャーリー&ヒンダ ウォール街を出禁になった2人」:最強のふたり?
映画『シャーリー&ヒンダ ウォール街を出禁になった2人』は、まあタイトルそのままのドキュメンタリーなのですが、かなりスリリング。シャーリー92歳とヒンダ86歳のおばあちゃん二人が、怖いもの知らずに猪突猛進。いやー、おばあちゃん無敵です。
この二人、役者みたいないい顔をしてるんです。だから、見飽きません。86歳のヒンダさんよりも92歳のシャーリーさんの方が、若々しくて元気。後から本作の公式サイトを見たら、二人とも若い頃は政治活動家だったようで、妙に納得。でも、そこらへんは映画の中では語られておりません。
「なんで経済成長し続けなきゃいけないの?」っていう疑問で、ひたすら突き進んでいくのですが、いつの間にやら「経済成長=不要、悪」みたいになっていて、そこらへんの考えの変化の筋道があまり描かれていないのが、映画としては不満なところ。ラストに至っては、完全に活動家の魂が蘇ってきた感じです。まさに原題“Two Raging Grannies”(二人の怒れるばあちゃんたち)の通りですね。
ただウォールストリート・ディナーに乗り込んで、ゲリラ的に疑問を投げかける場面(ここは隠し撮り)、及びその後で関係者から脅しと呪いの言葉を浴びせられる場面に関しては、ちょっと複雑でした。あの勇猛果敢な、見方によっては後先考えない常識はずれの行為によって、会の運営やセキュリティーを問われてクビになったり降格になったりする人が出ますよね、普通。そういうことを考えると、単純に「よくやった」などとは言えないのです。物事にはいろんな側面があるから、難しいものですね。
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