自由劇場で劇団四季の『コーラスライン』
浜松町の自由劇場に行き、劇団四季のミュージカル『コーラスライン』を観ました。ここの劇場は初めて。もともと四季がストレート・プレイをやるために作った中規模(定員521人)の劇場。オーケストラ・ボックスも設けられるそうなのですが、本公演ではありませんでした。
その大きさが、ちょうど本場ブロードウェイの劇場のよう。受付やバーや狭いロビーの様子が、そして客席のコンパクトに詰まった感じや2階席の急傾斜が、実に昔ながらのシアターの(狭苦しいような)感覚なのです。
内装が素敵な劇場でして、赤を基調に鉄の黒を生かしながらセンス良くまとめています。円窓、らせん階段、サークル状のシャンデリア、装飾を施した手すり・・・うーん、いいなあ。
2階席だったのですが、コンパクトな劇場だけに舞台が遠くはなく、スロープのおかげで前の人の頭が邪魔になることもなく、椅子も長時間の観劇にちょうどいい硬さだったので、2時間25分休憩なしの舞台でも何の問題もありませんでした。
『コーラスライン』のNY初演は1975年(40年前!)。日本で四季がスタートさせたのは1979年と、もう36年たっています。先月、四季として2,000回目の公演を行ったのだそうです。1985年には映画にもなりましたよね(リチャード・アッテンボロー監督)。 大江戸はNYに行った際にブロードウェイ公演を観たことがありますが、劇団四季バージョンは初めてです。
うーん、やはり翻訳ミュージカルならではの歌詞が曲に乗らない不自然さはありますね。だって、“One”の“She's the one~”ってところが「みごーとなーひとー」ですもん。難しいのはわかるけど、こなれてないですよねー。 あと日本人がやってるもんで、どうにも脚が短く感じらて・・・まあ、これは2階から見下ろしているからだと思うんですけど。
それでも全体的には、伝統の演目だけにきちんとした水準ではありました。しかしモノローグ場面をはじめ、会話のテンポが少しゆっくりし過ぎじゃないかなあ。 多くの場面が静的ですし、場面展開なしのシンプルな(製作費が安く済みそうな)舞台なだけに、華やかな「動」の部分をいかに爆発させ、輝かせるかが勝負ですが、そこは成功しています。オープニングのエキサイティングなダンス・オーディション。中盤の華やかな群舞。そしてラストの(きらびやかな衣装とミラー、照明を活用しての)キラキラ群舞! 話を知っていても、合格者の発表場面からフィナーレに至る部分には心震えます。涙腺に来ます。やはり最後は感動して劇場を出ることが出来る作品って、強いですね。
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