「ロバート・アルトマン ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男」:あんまり好きではないけれど
映画『ロバート・アルトマン ハリウッドに最も嫌われ、そして愛された男』は、アルトマン(正しい発音は「オールトマン」ですけどね)に関わった人たちへのインタビュー+映画作品のフッテージで成り立つ伝記ドキュメンタリー。昨日紹介したペキンパーのと同様の作品です。でも、こちらの方が予算が高そうというか、しっかりした作り。作品フッテージもふんだんに使っています。
ペキンパーとは全く違ったスタイルだけど、「ハリウッドの反逆児」ってことにおいては共通しています。まあアルトマンの方が映画芸術としての評価は概ね高かったわけですが、二人とも娯楽映画を独自のスタイルで作りながら、同時にアーティスティックな名声も手にした人気のある監督でした。
素直に時系列で作品群を追っかけて行く手法もペキンパーのと同じ。ただ、こちらにはホーム・ムービーが箸休め的に使われていて、(ペキンパーとは違って)良き家庭人であったアルトマンの人となりを表していました。
エリオット・グールド、サリー・ケラーマン、ジェームズ・カーンからP.T.アンダーソン、ジュリアン・ムーアに至るインタビュイーも豪華。彼らが一言で語る「Altmanesqueとは?」もなるほどでした。ただ映画全体としては、普通によく出来ていて、ちょっと「浅い」というか、物足りない感もあります。
(早送りを交ぜながら)『ザ・プレイヤー』冒頭の8分以上の1カット長回しを見せてくれたのは、良かったです。でも、たいていの作品はほんの短い紹介だったので、ちょっと残念。1時間35分の作品ですが、2時間ぐらいにして、もう少したっぷり見せてもらいたかったところです。
ちなみに大江戸の一番好きなアルトマン作品は、『三人の女』です(滝本誠さんもそうだってことで、光栄です)。でも実はそんなに好きな監督じゃないんです(むしろ性が合わない)。あしからず。
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