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2015年11月30日 (月)

(番外編・大阪その2)海遊館やら道頓堀やら

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番外編の大阪その2です。

天保山の大観覧車はカラフルで、夜に映えます。

その足元の水族館『海遊館』を初めて訪れました。

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レベルが全体的に高い水族館です。

エスカレーターでやたらと高い所まで上がった後は、ぐるぐるとらせん状に回りながら下りて来るというスタイル。

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ジンベエザメもエイもアザラシもマンボウもアジもラッコもペンギンもウミガメもクラゲもカニもいます。

ただ、これという目玉がいないような気も致しました(しいて挙げればジンベエザメなのでしょうけれど)。

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そういえば昔、「気合の入っている魚は?」「エイ!」ってのがありましたな。

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海遊館からは離れて、道頓堀のたこ焼き屋さんなのですけど、ご覧ください。大阪名物、即物的な看板(動いてないけど、もし動いてたら凄いですよね、コレ)。

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昨年LED化された6代目グリコ看板@道頓堀も元気に輝いておりました。

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道頓堀では、あの『アンドリューのエッグタルト』が、今もこうしてきっちりお店を構えているのも、エッグタルト・ファンの大江戸としては嬉しかったですねえ。定番の他にチョコとかキャラメルとかもあって、アップルシナモンとレギュラーを買ったけど、やはりレギュラーのエッグタルトが一番ですよね。あのタマゴ感がたまらんです!

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中之島そばの土佐堀川近くにあった郵便ポスト。「郵便は世界を結ぶ」というメッセージがついてるし、彫刻が乗ってるし、ポスト自体も彫刻色で彫刻テクスチャーで・・・、いやー、こんな装飾的なポストって初めて見ました。パブリックアートとしてのポスト。ポストモダンなのでしょうか?

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2015年11月29日 (日)

(番外編・大阪その1)フィナーレ迫る心斎橋大丸など

「東京温度」番外編の『大阪その1』です。

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梅田阪急のクリスマス・アーケードがすっごくキレイ。しかも大型のショーウインドウが動く人形たちのクリスマス仕様になっていて(雪の降るウインドウまであって)、しかも子供が見やすい1段のステップまであって、さながらパリの百貨店のウインドウのよう。

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古典的ながらお見事です。やたらとお金かかってます。

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さてそもそも今回大阪に来た理由は、心斎橋大丸が12月30日で閉店しちゃうからなのです。1933年に完成した建物も築80年を過ぎて老朽化のため、取り壊して建て替えるのだそうです。何とも残念です。

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大江戸が、建築や内外装において一番美しい百貨店だと思っている心斎橋の大丸。

かのヴォーリズの設計による華麗なるアール・デコの館。

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凝った意匠がいたる所に見られます。

夢とあこがれの塊みたいな美術性です。アール・デコらしい白と黒の効かせ方もたまりません。

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1Fの中央部の天井の壮麗さにうっとり。

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装飾性の粋を尽くしたエレベーターホールも圧巻です。

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階段の手すりも実に美しくデザインされています。もらっていきたいぐらい素敵です。

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そしてエスカレーター脇の壁面にある階数表示がこれまた見事にアール・デコの文字で、素晴らしき個性なのです。

1448803907370_2で、建物裏側の入口上部には、なんとも見事なクジャクのレリーフ。そう、大丸と言えばクジャクですもんね。

ほかにも美しい場所はいろいろありました。百貨店という、老若男女多くの人々に親しまれる場で、このような美を環境として提供し続けてきたことの意義は大きいと思います。

ファサードの保存は決まっているようなことも聞きましたが、願わくは他の箇所も何らかの形で保存・復元されて、新しいお店でもその歴史的意義と美しさを伝え続けてもらいたいと思います。 ちなみに案内所でこの建物の絵ハガキセットを売っているというので、買い求めました。

1448803787150夜は夜で、見事なクリスマス・イルミネーションなのでした。落ち着いたヨーロッパ調の「雪の結晶」モチーフで、クラシカルな貫録を感じさせるものでありました。

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2015年11月27日 (金)

神保町あたりで最近・・・

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先日神保町界隈を歩いた時の画像。

もともと博報堂があった所には今年5月に竣工したテラススクエアというビルディングが建っておりました。が、博報堂のファサードは歴史的建造物として復元して、ご覧の通り。

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これ、もともとは明治生命館などを手掛けた岡田信一郎の設計なんですって。いいですよねえ。

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こちらはそこから程近い「神保町シアター」。何と申しましょうか、シルバー仮面みたいな特徴的なビルです。異彩を放っています。

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で、昼食は老舗の「ランチョン」に入りました。注文したのはオムライス。

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オーセンティックなオムライスです。当然生ビールをつけます。クリーミーな泡が絶品でした。

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で、ランチョンの外側ウインドウに目をやると、不思議な雰囲気の方が・・・。

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ユニークなヘアスタイルのこのお方、黒ビール手にしてます。で、目がちょっと虚ろです。いったい何を想うのでしょうね?

そういえばこの前は「いもや」を訪れ、天ぷら定食を食したのですが、今どき700円でした。その場で揚げてくれるのに、安いねえ。ああ、永遠の白木カウンター。

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2015年11月26日 (木)

「ザ・ビートルズ 1」:お宝映像の数々

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話題のザ・ビートルズ『1』の期間限定スペシャルプライス盤=CD(27曲入り)+DVD(同じ27曲入り)を買いました。これで3,980円はお買い得。

あ、ちなみに大江戸はビートルズの大ファンです。ほぼ全曲歌詞が頭に入っていて、歌えます。

2000年に発売された同アルバムは、全米+全英チャート1位の曲ばかりを集めたベストアルバム。今回はその音源を最新のミックスで、最高の音にしたのですとか。そして今回の売りは、ミュージックビデオ集が作られたこと。そもそもビートルズの時代には、MVとかビデオクリップなんてものはなかったので、いろいろと苦労して映像を集めて修復してあります。TV出演時の演奏とか、ライブ映像とか、映画からの映像とか、見たことあるものも無いものも取り混ぜて、まさに玉石混淆。まあ、ファンには楽しめる内容ですが、繰り返し見たくなるかどうかは・・・ちょっと疑問ですね。とはいえ、間違いなく「お宝」ではあります。

現在も生きている2人のビートルたち=ポールとリンゴがそれぞれ、数曲のクリップを見ながらコメンタリーを入れると言う特典映像がついておりました(日本語訳なし)。あと当然のごとくブックレット付き。

でも『ゲット・バック』のアップルビル屋上の映像などを見ると、どうしても(DVDやブルーレイとして発売されていない)映画『レット・イット・ビー』のソフト発売が期待されますよね。よろしくお願いしますよ(誰に頼んだらいいんだ??)。

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2015年11月25日 (水)

「ムーンウォーカーズ」:センスが無くてグダグダで

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映画『ムーンウォーカーズ』のネタとなっている都市伝説「アポロ11号の月面着陸映像は、スタンリー・キューブリックによる捏造」ってのは、小生もどこかで読んだことがありました。まあ、ヨタ話です。それをもとにして映画1本こしらえちゃいました。でも、あまりいい出来とは言えませんねえ。

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タイトルバックのアニメーションはもろにビートルズの『イエロー・サブマリン』的で、おお!と思いましたが、その後がもたつきます。いや、話自体はとんとんと進んでいくのですが、なんか切れ味が悪いというか、笑うに笑えないというか、まあ言っちまえばセンスが良さそうで良くないのですね。

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終盤の銃撃シーンなんて、やはりマシュー・ボーンの『キングスマン』に較べると、物量の問題以上に映画的センスが違うんですよねー。

魁偉なるゴリラ男=ロン・パールマンが迫力を見せつける一方で、小物感たっぷりにチョコマカしてるルパート・グリントは、『小さな恋のメロディ』のジャック・ワイルドそっくりでした。

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このネタなら、もっと面白く作れそうなものですけどねー。複雑な話ではないのに、なんか「とっ散らかった感」が出てるんです。月面着陸シーンなんかももっと気の利いた笑いが取れる場面だろうに、どうしようもなくグダグダで・・・。 フランス人の監督さんなんですけど、どうもエンタテインメントの適性がないような気がしてなりませんでした。

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2015年11月24日 (火)

「わたしの名前は・・・」:素敵な色だけど、自主映画みたいで

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映画『わたしの名前は・・・』は、アニエス・ベーが本名のアニエス・トゥルブレ名義で初監督した作品。これまでもギャスパー・ノエ、ハーモニー・コリンらの作品をプロデュースし、映画大好きな姿勢を見せていたアニエスですが、満を持しての監督作がどうたったかというと、・・・うーん今一つですね。みずみずしいのはいいけれど、なんか学生の自主映画みたいなテイストで・・・。

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坊主頭&ヒゲの大柄な男と少女という取り合わせは、まさに『レオン』。この二人の自然な交流が孤独な魂の結びつきめいて、いいムードなのです(でもまあジャン・レノ&ナタリー・ポートマンには負けますが)。この二人のロード・ムービーとしての味わいが魅力の作品です。

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でも時折見せる心象的インサート・カットの積み重ねだとか、(山海塾みたいな)白塗り舞踏の男女とかが、妙にゲージツっぽいというか青臭い学生映画みたいになっていて、しらけちゃうんですよねー。

ラストも「え? どうして??」ってな結末なのです。解釈の幅を持たせたと言えば聞こえはいいものの、「なぜ?」の部分が不明瞭過ぎませんか? まあ自分なりに2つばかりの仮説を考えてみましたが、なんかモヤモヤです。

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画面の、色の美しさはやはり特筆すべきものでしょう。澄んだ青空のブルーの中に、絶妙に配置されたオレンジに近い赤がなんとも美しいのです。あの独特の赤は、アニエスベーの服やバッグで見かける色ですもんね。視神経のごちそうみたいな色遣いでした。

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2015年11月23日 (月)

2015湘南ベルマーレ感謝の集い

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湘南ベルマーレの「2015感謝の集い」に参加するために、はるばる大磯プリンスホテルに行って来ました。毎年シーズン終了後にやってるイベントですが、大江戸は初の参加。だってシーズンチケット・ホールダーのためのイベントで、これまで大江戸はシーチケ持ってなかったから。今期は、セカンドステージのみのハーフシーズン・チケットを買ったので資格ができて、「まあどんなものか、一度だけ行ってみよう」と、参加チケット7,500円を買ったのでありました。

 

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ところが大江戸はそのチケットを忘れてしまい、都内某駅まで行ってから気づき、慌てて家に戻って 30分以上のタイムロス。早目に出ていたから良かったものの、 大磯からの無料シャトルバスには間に合わず、タクシーで行くはめになりました(駅から4kmぐらいあって、結構遠いのです)。

 

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メイン宴会場には見たとこ4~500人の老若男女のサポーターたち。司会はスタジアムでもおなじみの三村ロンドさんと、相澤香純(かすみん)さん。 選手たちが入場し、壇上に並び、真壁会長の挨拶、平塚市長の乾杯と進みます。
乾杯はライトグリーン、またはブルーというペルマーレ・カラーの変なドリンク(飲んだ後に秋元がオエッとしておりました)。

 

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その後は選手たちが会場内に散り、サインや写真撮影、そして飲食タイム。世間ではホテルの立食パーティーでそんなにガンガン食べる人は少ないですが、今日の方々はかなりしっかり食べてましたよ。やはり有料だと、元を取ろうと必死になりますもんね。

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列の長さでは一番が遠藤航、二番が永木亮太、三番が菊池大介って感じでした。小生は永木キャプテンと坪井慶介選手と記念撮影しました。これって、人気のある選手とそうでもない選手 がもろにわかっちゃいますねえ。

近くで見ると、選手たちが意外と小さいのに、そして細いのにびっくり。がっしりと見える島村やコバショーなんかも意外に細いのです。まあ、そうでなきゃあれだけ走れないですよね。

 

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抽選会やいくつかのイベントの後に、今シーズンを振り返ってのチーム内表彰。ベスト・アシストは藤田征也選手、ベスト・シュートは永木選手のフリーキック弾でした。

最後に 曺貴裁監督の挨拶と、なぜか新人の澤田選手によるラップからの手締めでお開きに。

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全選手、スタッフとハイタッチして、会場を後にしました。

今日のベルマーレクイーンは最後のユニフォーム姿で、5人でドリンクコーナーを担当。ビールやジュースをサーブし続け、大忙し。 終盤にはかなりくたくたの様子でしたが、でも最後まで走り切るのがベルマーレ流なんだあ!ってわけで、はい、スマイル!  1年間(正確には9ヶ月間)お疲れさまでした!

 

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また、スタジアムのアシスタント・ナビゲーターの相澤さんは今シーズン限りでサヨナラだそうです。2シーズン(クイーン時代からは3シーズン)の間どうもお疲れさまでした!

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お土産に配られたのはミニブックみたいなカバーのついた付箋セット。なかなかしゃれてます。監督のお言葉もついていました。

さてさて移籍の可能性が取り沙汰されている  曺貴裁監督や遠藤や永木は、来シーズンも残ってくれるでしょうか? この3人には残ってもらった上で、この素晴らしいチームが更に高い地平を目指してチャレンジしてくれることを切に願います。

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2015年11月22日 (日)

二つのフランク・ゲーリー建築展

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六本木の21_21デザインサイトへ行き、『建築家 フランク・ゲーリー展 I Have an Idea』(~2/7)を観ました(会場内撮影可)。

フランク・ゲーリーといえば、グシャッとつぶしたりグインッとねじったりしたような建物で有名なアーキテクトですが、日本には神戸の「フィッシュダンス」というオブジェぐらいしか作品が無いので、小生としては今一つ全体像がつかめておりません。果たしてその実像は?っていう興味で、やって来たのです。

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→まあ、こういうビルを作っている人です。でも、そのような作品を作れるってことは、ものすごい技術に裏打ちされているってことですよね。本展を観ると、「遊び心のある天才肌」かのように見えたゲーリーが、実は理論の人、テクノロジーの人、ソフトウェアの人でもあることがよくわかります。

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その上で発想を大切にする人であることは、言うまでもありません。さらに、外観ばかりに目が奪われがちですが、実は「内側から設計する」人であることもわかって、目からウロコでありました。

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段ボールを使った椅子なども彼の作品(会場内で座ってみました)。 そして会場壁面のそこかしこに書かれた彼の言葉が、なかなか含蓄に富んでいて、いいんです。魚好き、鯉好き(形態が)ってことも、わかりました。

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近年の代表作であるパリはブローニュの森に昨年完成した「フォンダシオン ルイ・ヴィトン」の模型もありました。帆船のような白鯨のような、アッと驚きながらも美しさに圧倒される建築です。

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で、その建物だけを取り上げた展覧会が表参道のルイ・ヴィトンで開かれているというので、ハシゴで行って来ました。『フランク・ゲーリー パリ-フォンダシオン ルイ・ヴィトン建築展』(~1/31)です。こちらは入場無料。ただヴィトンの店内からエレベーターで行くので、ちょっと敷居が高いです(小生はわけあってオシャレしていたので、堂々と入れましたが)。

一つの建築物にフォーカスした展覧会なので、小ぶりなスペースとはいえ、スケッチ、模型、映像などで総合的に紹介してくれました。まあ、「この人と組んで、こんな斬新な建物を作ったルイ・ヴィトン社はエライでしょ」っていう手前味噌感は否めませんが、入場無料だしヴィトンでお買物してもいないので、文句は言えませんよね。

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2015年11月21日 (土)

「流れ星が消えないうちに」:静かでゆったりとした波瑠主演作

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映画『流れ星が消えないうちに』、初日の舞台挨拶があるというので、角川シネマ新宿に観に行きました。初回終了後に、波瑠、入江甚儀、葉山奨之、黒島結菜、小市慢太郎と柴山健次監督が登壇し、映画にまつわるお話をいろいろと。途中からは主題歌と挿入歌に携わった女性アーティスト2名も登壇しました。今朝大阪から来たという波瑠さんはやはりお綺麗でした。出るだろうなーと思っていたらやっぱり「びっくりぽんや」が飛び出しました。黒島結菜さんは風邪だとのことで、かなり咳込んでいてかわいそうでした。

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静かで地味な映画です。夜の場面が多いので、画面も暗めです。その上、非常にゆったりとしたテンポで撮っていて、主人公(波瑠)と父(小市慢太郎)との会話、妹(黒島結菜)との会話などを、丁寧過ぎるほど延々とゆっくりと5分、10分と撮っているのです。まあ、そこから立ち上がって来る情感みたいなものもなくはないのですが、映画全体がテンポ悪くなっています。でも普通ここまではしないので、貴重と言えば貴重と言えるのでしょうけれど・・・。

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波瑠さんは『あさが来た』とは違って、レギュラーモードと言いましょうか、等身大の現代女性の役。いつもの「体温の低そうな」波瑠さんって感じですし、高校時代の回想場面ではロングヘアー姿を見せてくれます(ウイッグですが)。背負うものを背負いながらもナチュラルな感じで、なかなか良かったですよ。 

小市さんのお父さんは、ちょっとカッコ良すぎかもなあ。でも好感度高そうな役柄でした。そういえば舞台挨拶でみんなより一足先に会場を後にしてました。司会のクロさんによると、近所で行われる別の作品の初日舞台挨拶に行くのだとか・・・→きっと新宿ピカデリーの『劇場霊』ですね。

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(以降ややネタバレあり) 長ーい「喪の仕事」を終えて、「喪失」から「再生」へと踏み出すラストの彼女。希望の感じられるすがすがしいエンディングでした。控え目にじわりとくる作品です。

それにしても1年ちょっと前にこのビル内の別の劇場で見た波瑠主演『がじまる食堂の恋』(やはり初日の初回)は、キャパ60人ぐらいの小さなスクリーンだったのに、今日は300人の劇場が満席。この1年(というかここ数か月)の波瑠さんの変化を如実に表しておりました。

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2015年11月20日 (金)

「ザ・トゥルー・コスト ファストファッション 真の代償」:エシカル消費のきっかけに

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映画『ザ・トゥルー・コスト ファストファッション 真の代償』は、近年ファッションを考える上で避けて通れないキーワードである「エシカル」の教科書的な作品。エシカル(ethical)、つまり倫理的な消費を通して、生産を倫理的な方向にシフトさせて行こうというアティテュードや運動の入門編として、よく扱われている素材(バングラデシュのラナ・プラザの崩落事故とか、インドの皮革製品工場での薬品被害とか・・・)をはじめ、啓蒙的要素がたっぷりです。

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そこにあるのはまさに「搾取」の構造。発展途上国の(他に仕事の選択肢を持たない)低賃金労働者たちを、更には経営者たちをも、資本主義の競争原理で締め付けていくファストファッションの姿に、私たちはどう対峙すればいいのでしょうか。一人一人できることは違うかも知れませんが、少なくとも「知ること」が大切なことは確かです。おいしすぎることの裏には闇があるものなのです。

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ここ10年、15年でファッション(主にファストファッション)の価格というのは、あきれるほどに下落しました。でもTシャツが1,000円以下だとか、ジーンズが3,000円を割るとかって、その手間や何段階もの流通過程を考えると異常ですよね。無理をすれば、どこかに歪(ひずみ)が出ます。それを負わされ搾取されているのは、常に弱者ですし、一方では当然儲けている人もいるわけです。彼らをハッピーにするために、人間も自然も壊れていくのです。

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ドキュメンタリー映画の作りとしては、まあどうってことないレベルなのですが、そのメッセージは明快で力があります。多くの人に観てもらいたい作品です。そしてできる範囲で構わないから、小さくても何らかのエシカルなアクションを起こしてもらいたいと思います。

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2015年11月19日 (木)

「黄金のアデーレ 名画の帰還」:年の差コンビの掛け合いの妙

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映画『黄金のアデーレ 名画の帰還』を試写会で観ました。また出たナチスがらみの作品ですが、『マリリン 7日間の恋』のサイモン・カーティス監督が職人的にきっちりと上出来の娯楽映画に仕立てています。裁判劇としても脱出劇としてもよく出来ていて、人と人とのドラマ部分がしっかりしているので、作品が揺るがないのです。

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なにしろ作品を支えるのがヘレン・ミレンなので、隙はありません。本当に彼女の一つ一つの表情にいろんなものが滲んで、見事です。対するライアン・レイノルズも、公開中の『白い沈黙』の彼とは随分感じが違いますが、素直で好感の持てる役柄&演技です。 とにかくこの「年の差コンビ」の掛け合いと、近寄ったり離れたりする心の距離が、ドラマを転がして行くのです。 『マリリン 7日間の恋』において、大スターと下っ端助監督という「身分の差」がドラマを転がしたのに共通するものがありますね。

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強大な権力に対抗する個人の物語なので、観てるこちらも判官びいき的に主人公たちを応援してしまいますし、もともとナチスに略奪されたという経緯があるのでなおさらです。 ナチスがらみの回想場面もよく出来ていて、特に若き日の主人公夫妻がアメリカに脱出できるかどうかの逃走劇は、よく描けていました。『ジュリア』('77)に並ぶほどとまでは言いませんが、なかなかのサスペンスでした。

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ただ、よくよく考えると、本当にこれで良かったのかどうか微妙ですよね。幾星霜を過ぎて「恩讐の彼方に」って気もいたします。収奪品と認め、所有権は彼女に移しながらもベルベデーレ美術館に残すという妥協案を取らなかったオーストリア政府の失策でしょう。

宮殿、美術館、『第三の男』の観覧車などウイーンのロケ映像も素敵でした。

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2015年11月18日 (水)

「東京映画館 映画とコーヒーのある1日」

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キネマ旬報社からこの夏発行された『東京映画館 映画とコーヒーのある1日』を買いました。 タイトル通り東京の映画館(+横浜の3館&柏の1館)とそのそばにあるカフェ、喫茶店を紹介しているビジュアル・ブック。

映画好きであり、映画館好きである大江戸にとっては嬉しい本ですし、シネコンに押されて昔ながらの映画館がどんどん消えていく時代にこういう本で記録しておくことは重要だと思うのです。でも願わくはもう数年早く出して欲しかったなあ(それぐらいここ数年に消えた劇場は多いのです)。三軒茶屋の2館があるうち、ミラノ座があるうちに作って欲しかったのです。そして文章や写真も、この倍ぐらい欲しいと感じました(カフェ・喫茶店はナシでいいから)。

もっとも東京でもすべての映画館を網羅しているわけではなく、例えばTOHOシネマズ六本木とか品川プリンスシネマとかユナイテッドシネマ豊洲とかは掲載されていません。

表紙と巻頭のエッセイには門脇麦が登場し、更には「柄本佑の映画ぶらぶら日記」や「片桐はいりさんと行く、キネカ大森と、映画館のある街」なんて読み物もあって、なかなか結構でした。

これからも10年ごととかに繰り返し作られるべき本だと思います。それだけに、なぜこれまで作られなかったのか残念です。できれば現存する資料で、過去にさかのぼってもらいたいものです。

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2015年11月17日 (火)

サッカー日本代表、カンボジアにしょっぱい勝利

サッカー日本代表の年内最終戦は、アウェイでのW杯アジア2次予選=対カンボジア戦。FIFAランキング183位のカンボジア、まあ負ける心配はない相手なので先日のシンガポール戦から8人も先発メンバーを代えて来ました。ベルマーレの遠藤航も山口蛍と組んでボランチで先発です。

ところがまたしても手こずったんですよねー。5バック、7バックで守る相手をなかなか崩せないし、人工芝+ゴムチップの変なピッチとベトナム製の重いボールをなかなか克服できません。前半0-0で終わった時には、カンボジアのサッカー振興にそこまで協力しなくてもいいのにと思いましたが、後半から遠藤に代わって入った柏木が気の利いたパスで流れを変えました。 岡崎がPKを止められたのは「おいおい」でしたが、後半6分に相手のオウンゴールで日本が先制。ようやくちょっと安心しました。

でもその後も攻めながら加点できず、結局後半45分に途中出場の本田が代表戦5試合連続のゴールを決めて勝負あり。2-0の物足りない勝利で2015年を終了。試合後にベンチのハリルホジッチ監督が頭を抱えていたのが、なんとも「締め」にふさわしくない光景ではありました。やれやれ。

前半の遠藤と後半の柏木を比較すると圧倒的に柏木が良いように見えますが、ここには罠があって、相手が弱いからこうなったけど、相手が強い時には遠藤の方が真価を発揮すると思うのです。つまり柏木はプレッシャーの弱い状態だと自由に配球できるのだけれど、厳しいプレスを続けられると力を削がれる選手。 一方の遠藤は(基本的に弱いチームの中で強い相手にどう勝つかってことでやっているので)相手が強い時やガンガン攻めて来る時にこそ、守備力、ボール奪取力、危機察知能力、カウンターや縦に速い攻撃力が生きるタイプなのです。←と、まあこれはベルサポとしての見解。でも確かに今日の 航は、パスミスやパススピードの緩さが気になる場面も多かったです。

でもまあ予選を通じてまだ失点していないってのは、素晴らしいことですね。予選の次の試合は来年の3月24日、埼玉でのアフガニスタン戦だそうです(ずいぶん先だなあ)。

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2015年11月16日 (月)

「ラスト・ナイツ」:渋ーい騎士道版「忠臣蔵」

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映画『ラスト・ナイツ』は、紀里谷和明監督のハリウッド・デビュー作。なんと『忠臣蔵』の翻案。となると、どうしてもあのデタラメ過ぎる『47 RONIN』を思い出してしまうのですが、こちらはむしろ渋すぎるまでに実直な作品なのでした。人種の混交などは現代的なフィクションですが、根っこの部分では騎士道に置き換えた武士道を真摯に描いておりました。

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冷え冷えとしたモノトーンの映像が渋過ぎます! 雪降る遠景になったりすると、まるで水墨画の世界。そして、室内の映像における計算しつくされた光線は、あたかも中世絵画のようです。 映像の魔術師が抑制を効かせると、こういうことになるのですね。

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堂々たるモーガン・フリーマンはさすがですし、クライヴ・オーウェンも役所広司っぽく頑張っておりましたが、吉良上野介がちょっと小物っぽいというか、味わいに欠けましたね。まあ、その分伊原剛志がカッコよく見えたわけではありますが・・・。

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クライマックスのアクションも、今日び珍しい程に正攻法。派手にならぬよう、ヴァイオレントにならぬよう、抑えて抑えてを徹底させています。 全体を通して、欧米の方々にも理解しやすい『忠臣蔵』世界の創造に成功したのではないでしょうか。とはいえ、やっぱり「『忠臣蔵』って、本当はもっと面白いんだけどなあ」って思っちゃいますけどね。

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2015年11月15日 (日)

「下町ロケット」「掟上今日子の備忘録」「あさが来た」

TBS『下町ロケット』の前半戦=ロケット編が完結しましたね。これまでのTBS池井戸潤原作シリーズ(『半沢直樹』『ルーズヴェルト・ゲーム』)同様、ベタでアクの強い勧善懲悪もの。「倍返しだ!」みたいな決めゼリフがないのが残念ですが、小が大をうっちゃる展開は大江戸のような「判官(ほうがん)びいき」派にはたまりません。まあ悪い奴らに苦しめられている間は、見ているこちらもいたたまれないのですけど。 それにしても阿部寛(189cm)の隣だと吉川晃司(182cm)があまり高く感じられないから、すげーです。次回からのガウディ編もまた楽しみですね。

今クールでもうひとつ小生が楽しんで見ているのが、NTV『掟上(おきてがみ)今日子の備忘録』。これは一にも二にも新垣結衣演じる今日子さんの魅力によるもの。シルバーヘアにボストンメガネ、1日しか記憶が持たない「忘却探偵」。いやー、ガッキー、このスタイルが似合って似合ってしょうがないのです。あの髪であのメガネであの目で、ガッキー・スマイルが出たら、もう無敵です!その上ガッキーは相変わらず声がいい! いやー、掟上さんのビジュアルは、もう最高に大江戸好みです! 忘れた時用に、腕や腿に大切なことを書いてあるあたりも面白いですね。岡田将生くんとのコンビネーションもいいですよ。

そしてNHKの朝ドラ『あさが来た』は、よく出来てます。面白いです。夢を追う元気な女性の半生記という朝ドラの定石どおりではありますが、江戸から明治にかけてなので、時代劇。セットから衣装から美術から製作費も他の作品より多くかかっているでしょうが、さすがはNHKって感じです。波瑠と宮﨑あおいのダブル・ヒロインってのも、小生にしてみれば「盆と正月が一緒に来たような」魅力ですし、近藤正臣、玉木宏、ディーンフジオカ、柄本佑らの男優陣もいい感じです。あさの口癖「びっくりぽん」は小生も多用させていただいてますが、「ユーキャン新語・流行語大賞」にノミネートされなかったのが意外で、がっかりぽんです。

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2015年11月14日 (土)

「グラスホッパー」:役者たちを見るべき映画

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映画『グラスホッパー』は、どう見てもムリだらけ、ツッコミ所だらけのサスペンス・ミステリーですが、2時間をそれなりに楽しめる出来ではあります。

冒頭に波瑠さんがらみの渋谷スクランブル交差点での惨劇シーンがあり、つかみはOK。この渋谷は巨大セットを作って撮影したんですってね。びっくりぽんや。 その後もドラマはあれよあれよと、テンポよく進行します。

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ただ生田斗真がらみの本筋と、鯨(浅野忠信)だ蝉(山田涼介)だが出て来るサイドストーリーが、噛み合うような噛み合わないような・・・。ここらが評価の分かれる所でしょうね。 むしろサイドストーリーの方が魅力的に感じられたのは、浅野、山田、村上淳らの好演による部分が大きいと思います。最近は息子に押されがち?のムラジュンが久々に素晴らしい味を出してましたね。山田君も、狂気と闇をはらませた演技で、大健闘でした。

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そして吉岡秀隆! あの吉岡秀隆にこんな表情が出来るんだ、こんな空気が出せるんだと驚きました。これまでにもいろんなチャレンジを続けながら、どうしても抜けなかった「満男臭」が遂に抜けました! これから凄い俳優になりそうな予感が・・・。

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それはともかく、前作『脳男』でもハードでシャープな演出を見せた瀧本智行監督が、今作でもダーク系の娯楽職人として、まずまず楽しませてくれました。でも(原作のせいなのでしょうが)終盤に行くほど、無理の多い展開や嘘っぽい人物像や説得力のない行動に、ちょっと首をかしげざるを得なかったことは否めません。

波瑠と菜々緒、名字の無い二人の女が天使と悪魔のような役柄で共演しているのも興味深いところ。まあ小生としては、波瑠さんが(回想場面で)意外とたっぷり登場してくれたのでオッケーです。

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2015年11月13日 (金)

最近のポテトチップス×3種

1447419921011相変わらずポテトチップスがマイブームの大江戸です。特段メタボ化はしておりません。


こちらは『プリングルズ』の期間限定商品。なんと「エッグ・ベネディクト」です!

オドロキですよね。なぜにエッグ・ベネディクト? でも確かに濃厚なタマゴ風味に加えて、チーズとペッパーが感じられます。なるほどエッグ・ベネディクトなんですね。ハムの風味は無いから、エッグ・マフィンにはならないんですね。

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でもチーズと言えばこちら。コイケヤの『ポテトチップス プレミアム 石焼チーズフォンデュ味』です。北海道産カマンベールチーズ使用で、堅めタイプです。パッケージも黒と金だし、PREMIUMだし、なんだかグルメっぽいでしょ。

確かにチーズが濃厚です! スナックでここまでカマンベールチーズ感をたっぷりに出してるのって、初めてではないでしょうか?(って言えるほどいろいろ食べてはおりませんが) 「カール」のチーズ味なんぞとはチーズの次元が違う感じ。良いです。「ワインに合うポテチ」なのです。

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でも今の小生の好みからすると、むしろこっちが最高。コイケヤのポテトチップス『和が香るのりわさび』です。地域限定です(どこ?)。海苔の香りとツンと来るわさびがたまりません。無敵の組み合わせではありませんか。 そしてやっぱり堅いタイプよりも、普通のポテチの方が好きです。

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2015年11月12日 (木)

日本、新ユニフォームでシンガポールに3-0快勝

サッカー日本代表のW杯2次予選、アウェイでの対シンガポール戦。日本代表はアウェイだけどホーム用の新デザイン・ユニフォームのお披露目。濃紺のベースにブルーのボーダーによるグラデーション。うーむ、これカッコイイんでしょうか。結構微妙ですよね。汗かくと背中なんかほぼ黒に見えるし、黒や濃紺は収縮色だから、日本人の体がよけい小さく細く感じられるでしょうし。 でも後半になって目が慣れて来たら、カッコイイ気もして来ました。まあチームが勝ち続けて行けば、ユニフォームも強そうに見えるってもんですよね。

0-0だった埼玉での試合同様がっちり守るシンガポール。あの試合で神がかりだったGKは今日も絶好調。アナウンサーが「今度Jリーグのトライアウトを受けるそうです」とか言ってたけど、なんなら帰化させて日本代表のGKにしちゃえば?と思った小生。

でも今日の日本は結構左右に揺さぶったり、変化をつけた攻撃で崩しました。前半の金崎夢生、本田圭祐のゴールでリードして、安心できる展開に。その後も、そして後半になってからも攻め続け、結局は宇佐美のシュートが吉田の足に当たって3点目となり、3-0で試合をクローズできました。

今日は固定メンバーに替わって先発出場した面々=金崎、武藤嘉紀、清武弘嗣、柏木洋介がとても良かったですね。みんな生き生きと力を発揮しました。あと怪我明けの酒井宏樹も良かったですよ。交代は武藤→宇佐美、清武→香川、本田→原口と前の方の選手ばかり。それでも岡崎なんか最後までベンチでしたもん。びっくりぽんや。

まあ当然と言えば当然の勝利ですが、前回の借りを(利子つけて)返したってことで、とりあえずめでたい。 でもハリルホジッチ監督の言うように「もっと点を取れたし、取らなければいけなかった」試合であったことも確かですけどね。

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2015年11月11日 (水)

Rumerの「B Sides & Rarities」

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大江戸が好きなアーティストRumer(ルーマー)が今年9月に出したアルバム『B Sides & Rarities』をようやく先日買ったのですが、今アマゾンやHMVで調べたら「絶版で再入荷のめどが立たないため」販売中止になっていました。早いなー。びっくりぽんです(そういえば「ユーキャン新語・流行語大賞に「びっくりぽん」がノミネートされてなくて、がっかりぽんでした)。

これまで出してきたシングルのBサイドの曲やボーナストラックなどを集めたアルバムですが、相変わらずの声の美しさと歌のうまさにうっとり。小生がこれまでに日本版ボーナストラックなどで聴いていた曲も3曲入っていました。既発表の「Dangerous」もボサノヴァ・ヴァージョンになっていて新鮮です。

彼女にはやっぱりバート・バカラックの曲がぴったり合うので、既発表の「Alfie」に加えて本作の第1曲目「Arthur's Theme(ニューヨーク・シティ・セレナーデ)」が聴けたってのはもう最高! ほんと素晴らしい歌唱です(本家クリストファー・クロスの何倍もステキ!)!

「Moon  River」やビートルズの「Here Comes the Sun」も入っているし、ディオンヌ・ワーウィックやステーヴン・ビショップとのデュエットも入っているしで、悪く言えば「寄せ集め」のアルバムなのですが、でも彼女の歌で全てオッケーになっています。 うーん、ルーマーおそるべしです。

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2015年11月10日 (火)

「アメリカン・ドリーマー 理想の代償」:’81年NYと現実の苦さ

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映画『アメリカン・ドリーマー 理想の代償』は、やけに堂々とした「本格」を感じさせるドラマ。苦み走っています。やはり『ゴッドファーザー』をはじめとした’70年代アメリカ映画を連想させるのですが、それよりももっとさかのぼった’50年代あたりの諸作の匂いも漂わせています。

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何と言っても、主役のオスカー・アイザックのオールバックが『ゴッドファーザー』のマイケル=アル・パチーノを連想させます。そうすると、ジェシカ・チャスティン=ダイアン・キートンでしょうか(ヤクザの娘って設定だから、もっとダーティーですが)。 また、地下鉄を使った追跡劇、特に高架下でのカーチェイスは当然『フレンチ・コネクション』の記憶と重なります。このチェイスが途中から真っ暗なトンネル内に入ってしまい、向こうから電車がやってくるんじゃないかと凄い緊張度のサスペンスになっているのですよね。

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1981年のニューヨークが舞台ですが、時代再現にはかなり力を入れています。ラクガキだらけの地下鉄、’70年代の香りを残しつつ次の時代を反映したファッション、黄色っぽいトーンで撮影されたビル群や橋・・・。 そしてその「絵」には、’50年代アメリカ映画の感覚が滲んでいるのです。 そういえばこの監督(J・C・チャンダー)の前作『オール・イズ・ロスト 最後の手紙』にも、そういう感覚がありましたっけ。

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(以降少々ネタバレあり) 理想と現実との相克のドラマですが、理想を夢見る「アメリカン・ドリーム」≒正義 の敗北を描いていますので、苦い後味です。その上、描写がなんとも微妙かつ複雑なニュアンスなので、ストレートな悲劇としての強さ(ギリシア悲劇や『ゴッドファーザー』のような)を持ち得ていません。そこが難点です。あとやはりオスカー・アイザックでは、本作を支えるには弱すぎたと思います。どうしても「若い頃のアル・パチーノだったら・・・」と、脳内で比較してしまうのであります。

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2015年11月 9日 (月)

「起終点駅 ターミナル」:健さんみたいな佐藤浩市

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映画『起終点駅 ターミナル』は、今日びよくこんな地味な企画が通ったなあ・・・って作品。でも、いいじゃないですか、こういう映画が(客の入りが悪くても)正月作品を前に東映の映画館にかかっているのって。そういう作品って昔からあったけど、大傑作じゃないけど「ちょっといい」作品があったりして、支持したいなあ。まあ関係者としては興行成績に目をつぶってもいいとは言っていられないのでしょうけれど。

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篠原哲雄監督らしい端正な佳品。静かに、ゆったりとした描写だけれど、飽きることはありませんでした。むしろ、メジャーの日本映画らしい日本映画として、こういう作品って常に必要だよねって感じ。声高ではないけれど、大きな話ではないけれど、「小さないい話」なんです。出て来る人たちも、(一人を除いて)大体はいい人ですし。 終盤の、じんわりとそくそくと胸に染み入る味わいには捨て難いものがありますね。

353133_008アヴァン・タイトルが20分近くもあって、「おお、東映系の映画でそんなのって『処刑遊戯』以来では?」と思った次第。まあ、主人公(佐藤浩市)の若き日と現代をタイトルの前後で分けているのですけどね。

佐藤浩市はあんまり好きではないのですが、本作の彼はなかなか良かったですよ。しょぼくれた味が出ておりまして。着てる服もいちいちダサいんです。でも終盤に彼が本田翼を突き放す「だめだ! 絶対に戻ってくるな」は、カッコ良かったなあ。東映映画のストイックなヒーローの系譜を継いでおります。そういえば、ふた昔前の健さんが演じたらぴったりの役ですもんね。彼と本田翼の親子のような恋人のような微妙な感情の揺らぎもなかなかです。

353133_0051_2本田翼は柄に合った役をさらりと演じておりましたが、この人は不思議な存在感を持っていますよね。決して演技が巧くはない(むしろヘタ)のですが、目を離せないような素材の魅力があります。モデル出身だからということはないと思うのですが、何かどの役者とも違う感覚が常に漂うのです。ただ、これまでにもひどい芝居をいろいろ見ているので、「使い方次第」の人なのだと思います。

観ていて、とってもザンギが食べたくなりました。帰りにスーパーで味付き唐揚げを買ったのですが、映画の方がうまそうだったなあ。

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今日の点取占い240

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今日は負けるにきまっている   1点

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2015年11月 6日 (金)

「顔のないヒトラーたち」:「13分」より上出来ですよ

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映画『顔のないヒトラーたち』は、終戦から13年後=1958年のドイツでアウシュビッツは忘れ去られようとしていた!というアッと驚く事実を教えてくれます。「臭いものに蓋」というか「無かったことにする」というか、怖いけどありがちなことだと思います。日本人が我が身を振り返るのに好適な題材です。

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昨日紹介した『ヒトラー暗殺、13分の誤算』と較べて、テーマの明解さ、映画としてのメリハリやドラマ、メッセージの強さなど、大いに上回っています。単純に映画として面白いし、入魂の一作と言えるでしょう。 だけど、『13分』と較べて、公開規模や劇場、時間帯、マスコミ露出(『13分』には朝日新聞社がついてますから)と全てが悪条件で、上映期間も短く終了って感じです。まあここらは配給会社(『13分』はギャガ、本作はアットエンタテインメント)の規模の差ってことなんでしょうけど、判官びいきの小生としては非常に残念ですね。

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青臭い程に正義一直線の検察官が執念に燃えて告発しようと調査を重ねるのですが、終盤になってある事実がわかり一気にモチベーションダウンしてしまうのです。そのあたりの弱さ、だらしなさが見ていてイラッとくるところなのですが、まあセリフにもあったように「完璧な人間はいない」ので、これはしょうがないのでしょうね(このセリフを言った同僚検事が、その後に「オレ以外は」と付け加えたのには笑いました)。

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その同僚検事を演じたヨハン・フォン・ビューローは、『13分』にも出ていて、ナチスの党員を憎々しく演じてました。本作では結構いい人。

悪名高いナチスの医師メンゲレが出て来る悪夢の場面で、自分の手や目が縫い合わされているという映像は、短いけどかなりのインパクトがありました(ほとんどホラーでしたが)。 でもラストの字幕でも示されますが、メンゲレって結局1979年(67歳)まで逃亡先の南米で生きていたんですよね。そこがどうにも口惜しいというか納得できない事実です。

ラスト・シーンのみならず、正義派青年のまっすぐな熱意の勝利(少々の挫折を含む)みたいな展開は、あたかもハリウッド映画のようでありました。

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2015年11月 5日 (木)

「ヒトラー暗殺、13分の誤算」:淡々とし過ぎて・・・

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映画『ヒトラー暗殺、13分の誤算』は、題名からすると『ジャッカルの日』みたいなサスペンスなのかと思いきや、その部分はほとんどプロローグ的な扱い。その後の全編は、回想を織り交ぜながらの淡々としたドラマ。正直、少々退屈しました。

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この主人公がどうにもこうにも曖昧な男で、それこそ「何でこんな大それたことやっちゃったの?」ってぐらい普通の小市民なのです。まあ多少「反骨の闘志」っぽいところはありますが、基本的に強固な意志のテロリストなんかじゃなくて、ただの家具職人に見えます。 そんな彼が掴まって、数々の拷問で背後の黒幕を探られる話なんですよね、まあ。でも黒幕なんていないんだから答えようがありません。ってわけで、拷問は続くのです。ああ、いやだ。

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これ実話に基づいているんですってね。でもドラマとしては起伏がなく、サスペンスがなく、大事件がなく、クライマックスがなく、どうにもこうにも盛り上がらないのです。ナチスの怖さや卑劣さも(他のナチス映画に比べて)さほど強調して描かれているわけではないし・・・。あえて淡々と描いているのでしょうけれど、どうもそれが映画の強度を削いでいるような気がしてなりません。メッセージの力が放出されて来ないのです。

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それにしてもここのところ本作に加えて『顔のないヒトラーたち』、『ミケランジェロ・プロジェクト』、『杉原千畝』とナチスものの公開が続きますねえ。やはり「戦後70年」の影響なのでしょうか?

渋谷のシネマライズで観たのですが、年内で閉館なんですってね。残念無念です。東京の映画館の中でも個性的なことに関しては1,2を争うコヤだっただけに、悔しく悲しい思いです(詳しくはまた別の機会に)。

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2015年11月 4日 (水)

「悪いのは誰だ! 新国立競技場」:なるほどそういうことか!

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扶桑社新書の『悪いのは誰だ! 新国立競技場』上杉隆著、いやー、面白かったです。面白いですませちゃいけませんけど、9月30日の緊急出版にしては、しっかり取材してよく書けています。ジャーナリストの上杉さんが自らの活動の集大成と書くのもわかります。

読んでみて、この問題を常に覆っているモヤモヤがだいぶ晴れたような気がしました。この一連のゴタゴタって、いろんな要素が複雑に絡み合いながらも、最終的な原因は「日本という国家の本質」にあるんじゃないかと喝破しています。「日本が意思決定できない国」という猪瀬直樹氏の指摘は、上杉氏も書くように最重要のポイントです。そして縦割り行政の中で、役人が自分のフィールドの利益ばかりを考えて動くから、グランドデザインを描けるリーダーが誰もいないからこうなるのだと思います。そしてここでも日本的な「忖度」の害毒が・・・。

團紀彦、松沢成文、玉木雄一郎、猪瀬直樹、有森裕子、笠浩史、玉木正之、下村博文という8人の証言で構成しているから信憑性がありますし、それ以外にも石原慎太郎、森喜朗らの発言も記されています。

3つの大きな利権という話も「やっぱりねえ」でしたが、それ以上にスリリングだったのは安藤忠雄vs.東大建築学科という構図。なるほど!と膝を打ちました。

いずれにせよ、これらのゴタゴタに翻弄されて大きな被害をこうむった人の一人がザハ・ハディド氏であることは、本書の中でも明らか。まったく申し訳なくも不幸な事実です。

一連のゴタゴタで国際的に失われた日本の信頼は、5年後に失地回復となるのでしょうか。それとも今以上にとんでもないことになっているのでしょうか。何としても前者であって欲しいものです。

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2015年11月 3日 (火)

「アデライン、100年目の恋」:宇宙とか電気ショックとか

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映画『アデライン、100年目の恋』は、「不老不死モノ」ではありますが、『ドリアン・グレイの肖像』にはなりませんでしたし、『永遠に美しく・・・』でもありませんでした。でも、このジャンル(あるのか、そんなの?)の宿命として、相当ヘンな話ではあります。何しろファースト・シーンとラスト・シーンが「宇宙」ですから。いやー、風呂敷大きいです。

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だって、この物語で宇宙の絵なんか見せられたら、ほとんどパロディーですよ。しかももっともらしいナレーションで科学的ななんたらかんたらを語るあたりの胡散臭さと言ったら・・・、「はい笑う所」って感じじゃないですか。 え?笑っちゃダメなの?? 電気ショックってのも、笑っちゃダメ?

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「時の流れの諸行無常モノ」(だからあんのか、そんなジャンル?)としては、『ある日どこかで』や『ベンジャミン・バトン』を思わせもするのですが、あの2作のような格調高さはないのです。そもそも時を超えて親子と関係してるって、結構ナマ臭い話ではありますよね。 でもまあハリソン・フォードの親父さん、自分が発見した星に「デラ」というアデラインの愛称(「叔母の名前から取った」という隠れ蓑を用意しつつ)を命名したってあたり、いかにもですけど男のロマンだなあ。

353040_007けれどこういう主演女優出ずっぱり作品って、その女優が好みかどうかってところも大きいですよね。本作のブレイク・ライブリーは全くのところ大江戸の好みではないので、愛すべき作品とはならなかったのでした。 「100年の時をかける愛モノ」(だから、あんのかソレ?)としては、小中和哉監督の『東京少女』の方が、ずーっとチャーミングで好きですね。だって夏帆ちゃんがかわいいんだもの。

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2015年11月 2日 (月)

「俺物語!!」:じれったいったらありゃしない

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映画『俺物語!!』は、ゴリラ的高校1年生・剛田猛男15歳を演じる鈴木亮平32歳を見ているだけで飽きない作品。ぶっとい眉毛ともみあげをつけて、平常時より10㎏太った(その前に平常時より20㎏痩せた役があったので、30㎏分の増量)彼が、いやーゴリラ高校生に見えますね。しかも魅力たっぷりに熱演して、こんな出落ちみたいなメイクなのに、十分引き込まれます。良い役者ではありませんか。走ってるシーンなんか、妙に足だけ細かったのですけれど・・・。

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(以降少々ネタバレあり) それにしてもこの「勘違い」ネタで最後まで引っ張るとは思いませんでした。普通、ある時点で勘違いに気づいてエーッ!!ってなるネタでしょ。あそこまで引っ張ると、さすがに不自然というか無理が多く、見ている方としてはじれったくてたまりません。日本語が主語を略したり、目的語なしでも通用したりするので成り立つ話かも知れませんけど、いずれにせよ悶絶しそうなほど焦らされました。ちゃんと話せよ、砂川!(そういえば砂川役の坂口健太郎くんは、ゆるふわにした及川光博みたいですね)

353113_012大和凛子役の永野芽郁は、目とか鼻とかが菊池桃子風。1999年生まれっていうんだから、びっくりぽんです。 彼女がらみの遊園地とかデートもどきとかお菓子がらみのシーンは、確かに若さのキラキラ感が映画に出ておりました。猛男がおっさんくさいだけに、良いバランスです。

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なかなかウェルメイドな娯楽作ではありました。 予告編でも笑えたラップ・キスの場面はなんとエンドロール後のオマケ映像。えーっ!それを予告でバラしちゃってたわけですかい? そういうのってアリですか? 最後の最後にオマケが出て来てもタネが割れちゃってるわけで、大江戸としてはちょっと抵抗がありましたねえ。

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2015年11月 1日 (日)

「白い沈黙」:エゴヤン印のサスペンス・ミステリー

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映画『白い沈黙』は、冷え冷えとした雪景色のオンタリオ州(カナダ)を舞台にしたアトム・エゴヤンのサスペンス・ミステリー。寒々しく無機質なエゴヤンらしさもありますし、一方ではかなり娯楽映画の領域に接近しております。でも誘拐、児童虐待組織、8年間の年月、父親の愛、犯人との対決といったハリウッド映画的な要素を盛り込みながらも、完全に明解なスカッとした作りにならないあたりは、エゴヤンだから当然なのであります。

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雪に閉ざされた田舎町での事件なんていうと、コーエン兄弟の『ファーゴ』を連想してしまいますが、やはりエゴヤンなので、深層に見え隠れする変態性はこっちの方が闇が深いです。

とりわけ犯人の造形などは、実にユニークかつ説得力に富んでいます。このケヴィン・デュランドって俳優さん、元はコメディアンなんだそうです。なるほど。人間の不可思議をノーマルさでくるんだ感じが、よーく出ておりました。

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時制を交錯させながら、徐々に物語の収束へと向かいますが、明かされないままの謎も残ったりするあたり、あるいは観客の想像力に委ねたりするあたりは、いかにもエゴヤンです。冷え冷えとした誘拐&捜索する父親モノ(そんなジャンルあるのか?)として、小生は『プリズナー』よりも好きですね。

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終盤にエゴヤンらしからぬカー・チェイス&銃撃のシークェンスもあったりするのですが、こういう作品の中に出て来ると(アクション映画という前提が無いので)リアルにコワイです。ヒーローには銃弾が当たらない、絶対に死なないなどというお約束が無いだけに、車なり自分なりが被弾して大変なことになるという恐怖をしっかり感じることが出来ました。 その後の犯人邸に警察が踏み込む場面の緊張感も同様。久々に味わえたリアルなサスペンス感でした。

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