« 今日の点取占い240 | トップページ | 「アメリカン・ドリーマー 理想の代償」:’81年NYと現実の苦さ »

2015年11月 9日 (月)

「起終点駅 ターミナル」:健さんみたいな佐藤浩市

353133_0021
映画『起終点駅 ターミナル』は、今日びよくこんな地味な企画が通ったなあ・・・って作品。でも、いいじゃないですか、こういう映画が(客の入りが悪くても)正月作品を前に東映の映画館にかかっているのって。そういう作品って昔からあったけど、大傑作じゃないけど「ちょっといい」作品があったりして、支持したいなあ。まあ関係者としては興行成績に目をつぶってもいいとは言っていられないのでしょうけれど。

353133_009

篠原哲雄監督らしい端正な佳品。静かに、ゆったりとした描写だけれど、飽きることはありませんでした。むしろ、メジャーの日本映画らしい日本映画として、こういう作品って常に必要だよねって感じ。声高ではないけれど、大きな話ではないけれど、「小さないい話」なんです。出て来る人たちも、(一人を除いて)大体はいい人ですし。 終盤の、じんわりとそくそくと胸に染み入る味わいには捨て難いものがありますね。

353133_008アヴァン・タイトルが20分近くもあって、「おお、東映系の映画でそんなのって『処刑遊戯』以来では?」と思った次第。まあ、主人公(佐藤浩市)の若き日と現代をタイトルの前後で分けているのですけどね。

佐藤浩市はあんまり好きではないのですが、本作の彼はなかなか良かったですよ。しょぼくれた味が出ておりまして。着てる服もいちいちダサいんです。でも終盤に彼が本田翼を突き放す「だめだ! 絶対に戻ってくるな」は、カッコ良かったなあ。東映映画のストイックなヒーローの系譜を継いでおります。そういえば、ふた昔前の健さんが演じたらぴったりの役ですもんね。彼と本田翼の親子のような恋人のような微妙な感情の揺らぎもなかなかです。

353133_0051_2本田翼は柄に合った役をさらりと演じておりましたが、この人は不思議な存在感を持っていますよね。決して演技が巧くはない(むしろヘタ)のですが、目を離せないような素材の魅力があります。モデル出身だからということはないと思うのですが、何かどの役者とも違う感覚が常に漂うのです。ただ、これまでにもひどい芝居をいろいろ見ているので、「使い方次第」の人なのだと思います。

観ていて、とってもザンギが食べたくなりました。帰りにスーパーで味付き唐揚げを買ったのですが、映画の方がうまそうだったなあ。

|

« 今日の点取占い240 | トップページ | 「アメリカン・ドリーマー 理想の代償」:’81年NYと現実の苦さ »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/42098/62437137

この記事へのトラックバック一覧です: 「起終点駅 ターミナル」:健さんみたいな佐藤浩市:

» 起終点駅 ターミナル〜無縁の時代 [佐藤秀の徒然幻視録]
公式サイト。桜木紫乃原作、篠原哲雄監督。佐藤浩市、本田翼、尾野真千子、中村獅童、泉谷しげる。原作者の桜木紫乃は釧路出身で、同じく釧路を舞台にした小説で2年前に直木賞を受 ... [続きを読む]

受信: 2015年11月10日 (火) 19時08分

» 起終点駅 ターミナル [とりあえず、コメントです]
桜木紫乃著の同名小説を佐藤浩市&本田翼主演で映画化したヒューマンドラマです。 東京国際映画祭のクロージング作品でしたけど観に行けなかったので、公開を楽しみにしていました。じっくりと心情を映し出すようなシーンの数々に導かれながら、 曇り空の下で静かに暮らしている主人公たちの心の行方を一緒に追いかけていました。 ... [続きを読む]

受信: 2015年11月10日 (火) 23時39分

» 起終点駅 ターミナル ★★★★ [パピとママ映画のblog]
「ホテルローヤル」で直木賞を受賞した、桜木紫乃の短編小説を原作にした人間ドラマ。判事だったころに体験した苦い出来事を引きずる55歳の弁護士が、孤独な25歳の女との出会いを経て再生していくさまを追い掛ける。メガホンを取るのは、『小川の辺』などの篠原哲雄。『壬...... [続きを読む]

受信: 2015年11月12日 (木) 18時22分

» 起終点駅 ターミナル [象のロケット]
北海道・旭川で裁判官として働く鷲田完治は、裁判で再会した学生時代の恋人・結城冴子と逢瀬を重ねるようになるが、ある日冴子は自殺してしまう。 …25年後、妻子と別れ釧路で弁護士をしている鷲田を、以前弁護を担当した若い女性・椎名敦子が訪ねてくる。 国選弁護人以外の仕事は引き受けないと決めている鷲田は、敦子の依頼を断るが、行き場のない彼女を追い払うことも出来なかった…。 ヒューマンドラマ。... [続きを読む]

受信: 2015年11月13日 (金) 01時02分

» 起終点駅 ターミナル [映画的・絵画的・音楽的]
 『起終点駅 ターミナル』を渋谷TOEIで見ました。 (1)佐藤浩市の主演の映画だということで、映画館に行ってきました。  本作(注1)の舞台は北海道で、冒頭は、吹雪の中の駅で呆然と立ちつくす主人公・鷲田完治(佐藤浩市)の姿。  そして、25年前の旭川地方裁判...... [続きを読む]

受信: 2015年11月17日 (火) 06時08分

» 起終点駅 ターミナル [映画好きパパの鑑賞日記]
 昭和のテイストプンプンの恋愛映画。今風女子の本田翼を投入して、化学変化を狙ったのでしょうが、男にとって都合の良いストーリーになっており、原作者が女性としり、ちょっと意外でした。北海道の寒そうな風景は良かったです。  作品情報 2015年日本映画 監督:篠…... [続きを読む]

受信: 2015年11月23日 (月) 11時58分

» 『起終点駅 ターミナル』 [京の昼寝〜♪]
□作品オフィシャルサイト 「起終点駅 ターミナル」□監督 篠原哲雄□脚本 長谷川康夫□原作 桜木紫乃□キャスト 佐藤浩市、本田 翼、尾野真千子、中村獅童■鑑賞日 11月14日(土)■劇場  TOHOシネマズ川崎■cyazの満足度 ★★★☆(5★満点、☆は0.5)<感想...... [続きを読む]

受信: 2015年11月26日 (木) 16時53分

« 今日の点取占い240 | トップページ | 「アメリカン・ドリーマー 理想の代償」:’81年NYと現実の苦さ »