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2015年12月31日 (木)

「湘南ベルマーレあるある」と、主力3人の移籍

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先ごろ発刊された『湘南ベルマーレあるある』(TO出版・1100円+税)を買い、あっという間に読みました。だって内容薄いんだもーん。

この手のJリーグ・クラブのあるあるシリーズがあるのは知っていましたが、それらに較べても物足りないというか、そんなこたぁ知ってるよというか、取材不足というか、値段に見合わない内容でありました。

例えば川崎フロンターレのなんかだと220項目もあるのに、ベルマーレのは100項目。さらにフロンターレのは現役3選手の対談が掲載されているのに、こっちはそんなのは一切なし。また、多くのページで見開きの右側が文章、左側がまるまるカット画だったりするのですけど、この画が「似ていない」のみならず、「あんた、この選手たちのこと全然知らないでしょ」って感じにポイント外し過ぎなので、ちょっとイラッと来ます。それを言ったら、文章の方もやけにここ2年ぐらいの話が多くて、間に合わせ感たっぷりです。

まあ非公認の本ですけど、出されたらサポーターとしては買っちまいますからねえ。そもそもが「あるある」ネタじゃないし・・・。キングベルのこともベルマーレクイーンのこともロンドさんやかすみんのことも全く触れてないし・・・。

そんなことは置いといて、ベルマーレに激震というか、遠藤航の浦和行きに続いて年末ギリギリに発表された移籍ニュースに心が砕けそうです。永木亮太の鹿島アントラーズ行きと、秋元陽太のFC東京行きが決定しました。 早い話が、チームで最も能力の高い3選手が出て行ってしまったということです。 10日ぐらい前に、クラブ事務局から電話で「来シーズンのサポーターズクラブ会員継続手続きをお早めに」なんてお知らせが初めて来たのも、この3人が去ったら会員から抜ける人が出ることを危惧していたのだろうか?などと勘繰りたくもなってしまいます。

J2降格とかでそうなるのならあきらめもつきますが、18チーム中8位と堂々の残留を果たし、晴れて「J1の住人」となったと言うのにこれは、辛いものがあります。まあ結果を残しただけに、選手たちの給料も上げてやらないといけない。だけどスタジアムのキャパの少なさ(1万4千数百名で札止めになります)のせいで、いつも満席に近くても収入がそうは伸びない。大きなスポンサー企業の無い市民クラブなので、広告収入もそこそこの規模でしかない。だから成長して、他チームから目を付けられるようになった選手は売りに出していくしかないという、悲しい循環が宿命なのですね。

だーかーらー、平塚市さん、関係者の方々、一刻も早く客席数の多いスタジアムを作ってください! 伏してお願い申し上げます!!

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2015年12月30日 (水)

「クリード チャンプを継ぐ男」:「ロッキー」を継ぐ作品

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映画『クリード チャンプを継ぐ男』は、いわば『ロッキー7』。昨年のスタローン&デニーロ共演作『リベンジ・マッチ』も、『ロッキー』にインスパイアされた番外編といった感じでしたが、本作は正当な新シリーズ?への継承作として、堂々たる仕上がりになっています。

『ロッキー』へのオマージュがいろいろなシーンや音楽に溢れています。スタローン自身がミッキー(バージェス・メレディス)+ポーリー(バート・ヤング)みたいですし。

試合のド迫力も『ロッキー』シリーズならでは、です。本作においては、最初の試合で延々2ラウンド(インターバルを含む)の打ち合いを、至近距離で1カットの長回しで撮った(ように見える)場面に驚愕しました。実際には『バードマン』のようにデジタル編集で1カットに見せているのかもと思いましたが、どうなのでしょうか?

主役であるアポロ・クリードの息子アドニスを演じるマイケル・B・ジョーダンが細マッチョなため、対戦するボクサーもドラゴやアポロほどの巨魁ではなく、そんなに強そうには見えません。クライマックスの対戦相手コンランなんて、筋肉も少なくてやや脂肪もついていて、むしろ弱そう。でもこの人、実はプロボクシングのチャンピオンなんですってね! へー、人は見かけによらぬものです・・・けど、映画はそれじゃあ困りますよね。説得力に欠けて。

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それにしてもこの主人公、大学出でエリート・ビジネスマンの経験もある“square”な性質のくせに、やけにキレやすくって、敵の挑発にも簡単に乗ってしまうって、キャラクターがおかしいだろって感じでした。脚本上の歪(ひずみ)のしわ寄せが彼のキャラクターに来ちゃった感じで、ここも難点です。

けれどスタローンが脚本・演出に関与していないのに、見事に『ロッキー』の世界を受け継いでおりましたね。でも2時間13分はちょっと長いかなあ。『ロッキー』1作目の1時間59分と同程度の方が、作品が締まったろうと感じました。 

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2015年12月29日 (火)

「ハッピーアワー」:愛おしい5時間17分

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映画『ハッピーアワー』は、5時間17分。上映は3部に分けて行われます。東京のシアター・イメージフォーラムでは午後1時開映で2度の休憩(そのたびに客席の入れ替えをします。その日に1部だけとか3部だけとかを観る人もいるので)をはさんで午後7時終映です。長いと思うでしょ。大江戸もそう思ってました。ところが嘘のようにあっという間の5時間余なのです。むしろもっと観たいというか、あと5時間分の『ハッピーアワー2』があっても観続けたいって感じの作品なのです。イメージフォーラムの椅子のおかげか、お尻や背中もちっとも痛くなりませんでした。ただ、整理番号順の入場なので、最前列とか極端にサイド前寄りの席だったりすると、しんどいでしょうねえ。

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映画を観るというより、主要登場人物である4人の女性の人生のひと時を共に過ごしたと言う感じ。演者たちが無名のワークショップ参加者たちであるということも、リアルな市井の人々=どこにでもある人生 って感じを強く出していますし、5時間と言う長さが「他人事じゃない」「よく知った人たちの」あれこれだという感情を観る者に与えるのです。観てるうちに、この人たちと「お友だち」になっちゃうような感じ。

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一つのシークェンスがえんえん10分、20分と続くようなことが結構あって、他の映画では味わったことの無い感覚を味あわせてくれます。例えば第1部において、打ち上げの長い会話の中に、流れの変化や進展があり、トイレに立つ者がしばらくして戻って来るといったリアルさもあり、まさに私たちの日常の光景。でも面白くて全く飽きないってのは、気の合った人たちとの飲み会では3時間、4時間があっという間に経ってしまうことと似ているように思えました。 第3部におけるもう一つの打ち上げ場面でも、社交的な雰囲気から、どんどんヤバイ領域に入って行くあたりの流れと空気の変化が、恐ろしくも見事でした。「省略せずに全部見せる」ことによって浮かび上がってくる真実ってのがあるんですね。

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全編を通して描かれているのは、「大人が生きていくのってめんどくさい」っていうこと。いや、みんなそれぞれのめんどくささを抱えて生きていますね。(離婚した1人を除く)3人とも、そのめんどくささの中心にあるのが配偶者っていうのが、なんだか身もフタもない感じですが・・・。

それと、男性は「言葉」をコミュニケーション・ツールとして信じているのに対して、女性はあまり言葉に重きを置いていないというか、言葉以外の空気をとても重視しているって真実が、よーくわかります。 

また女性において、「友人」の占める重要性は男性の比ではないってこともよくわかります。男って、(極端に言えば)別に友だちなんてどうでもいいってとこありますもんね。

こういうことって小生も人生経験の中でようやくわかってきたのですが、本作の脚本チーム(はたのこうぼう)って男3人なのによく書けたなあと感心しました。

面白くって、新しくって、でも普遍的で、ある意味で革命的な映画です。愛おしい5時間17分です(あ、だからこのタイトルなのか?)。 2015年の大きな収穫だと思います。

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2015年12月28日 (月)

「完全なるチェックメイト」:天才とナントカは紙一重

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映画『完全なるチェックメイト』は、かの有名なチェスの天才ボビー・フィッシャーの物語。思えば『ボビー・フィッシャーを探して』(この作品ではボビー・フィッシャーが登場するのではなく、あくまでも象徴的に扱われています)を観たのも本作と同じ日比谷のシャンテシネ(現・TOHOシネマズ シャンテ)だったことを思い出します。

大江戸は子供の頃はチェス好きだったのですが、その後全然やっていないので、今では駒の動かし方を知っている程度です。でも、この映画も当然ながら、チェスを全く知らなくても楽しめるように作られています。ってゆーか、チェスを知っていたら物足りないくらい、どういう手で戦っているのかがわかりません、見えません。

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それにしても(奇人とは聞いていましたが)ボビー・フィッシャーがここまで精神異常と言っていい人(または「とんでもないキチ○イ」)だとは知りませんでした。神経をすり減らして戦っていることはわかりますが、周囲への迷惑のかけ方がハンパないっす。また、トビー・マグワイアって、こういう役大好きだから、狂気ムンムンで演じちゃってますよね。

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ボビーがかなり困ったちゃんなので、ライバルのスパスキー(ソ連)が、とても紳士でいい奴に見えますね。その彼も対局を重ねるうちに、ちょっとおかしくなっちゃうんですが・・・。演じるリーヴ・シュレイバーはこれまで大味な肉体派だと思っていたのですが、ここでは奥の深さと天才的頭脳を感じさせる緻密な芝居を見せておりまして、いやー、認識を改めてしまいました。演技賞ものです。

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クライマックスで描かれる、第6局において敗れた対戦相手が拍手してしまうぐらい凄い手ってのは、いったいどういうのだったんだろうと興味津々になりますが、まあ映画でそれを丁寧に描くわけにもいかないでしょうから、こういう感じの処理しかないのでしょう。そこが難しいところですね。 同様に、映画全体もまあまあ面白いけれど、ちょっと隔靴掻痒ってところなのです。

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2015年12月27日 (日)

「SAINT LAUREN サンローラン」:チャレンジングな力作

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映画『SAINT LAUREN  サンローラン』は、もう少し公開時期を遅らせても良かったのではないかなあ。昨年公開された『イヴ・サンローラン』との間隔があまりにも近くて、映画に疎い人だと、「あれ?あの映画まだやってなかったの?」とか「この前やってたのだよねえ」とかなってしまいそうですもん。でも映画としては、普通の伝記映画となっていた『イヴ・サンローラン』に較べて、こちらの2時間31分の方が力が入っているし上等です。

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まあ昨年の『イヴ・サンローラン』は、サンローラン財団公認でもありましたので、イヴのゲイとしての奔放な部分などはそこそこの描写だったのですが、本作ではかなり思い切った描写が多く、なるほど非公認さもありなんと思った次第。時代も’67年からの10年に絞って描いているので、ドラッグなんかもガンガン出て来ます(その犠牲になってしまったワンちゃんも出て来ますが、あの描写は愛犬家には耐えられないところなのでは?)。

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ギャスパー・ウリエル演じるサンローランが、とっても雰囲気を出していてお見事。渡り幅が広いパンタロンのスーツをスタイリッシュに着こなしています。 また晩年の彼をヘルムート・バーガー!が演じているのですが、顔の形などは似ていないのに、写真で見る晩年のサンローランの雰囲気をまとわせていました。彼が、バーガーが主演したヴィスコンティの『地獄に堕ちた勇者ども』をTVで見ているという楽屋オチ的場面までありました。 さらには懐かしやドミニク・サンダ!まで出てきたので(出演を知らなかっただけに)驚きましたが、おばあちゃんになっても確かにドミニク・サンダだとすぐわかりましたね。

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終盤のファッションショーの場面で画面が複雑なスプリット・スクリーンになるのですが、これはサンローランのモンドリアン・ルックを連想させるもの。

中盤、ビジネスウーマンがサンローランのパンツスーツを仮縫いで試着しながら、「こんなに男性的だとは思わなかった」と戸惑っていると、イヴが着こなしをアドバイスし、冴えなかった彼女があれよあれよと素敵に変わっていくシーンは本作の白眉ですね。

省略も多く、時間も交錯したりするので、サンローランの生涯や人物をざっと知っていないとわかりにくい作品かも知れませんが、映画としてのチャレンジングな魅力には溢れています。英語と仏語の同時通訳を交えたYSLのビジネス交渉を延々と描く場面を臆せず入れているあたりも、本作の真骨頂。ベルトラン・ボネロ監督、骨のある仕事を見せました。

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映画1カ月フリーパスポートGET

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TOHOシネマズのシネマイレージカード最大の特典である「映画1カ月フリーパスポート」をゲットしました。観た作品の上映分数がマイルになるってシステムで、6,000マイルたまるとパスポートに交換できるのです。大江戸は、おととしに次ぐ2回目の獲得です。

実のところ10月末には到達していたのですが、公私ともに多忙な時期が続いたので、もっと有効に使えるタイミングを待っていたのです。マイルの有効期間は2年間なので、年を越えることはできませんでしたし。

1451221858165今年はTOHOシネマズ新宿がオープンしたのが大きかったのです。それまでは日比谷・有楽町界隈か渋谷あたり(+稀に六本木)の使用だったので、そんなには貯まらなかったのですが、新宿が出来てからは大江戸のメイン館のようになり、マイルもぐんぐん貯まって行ったのでした。これからは楽勝だぜ。

前回はその場で写真を撮って写真入りのカードを作ってくれたのですが、今回はご覧のように写真なし。一応このカードとシネマイレージカードを一緒に提示してくださいと書いてありますが、シネマイレージカードにも写真は入っていないので、やろうと思えば「成りすまし」も可能なのではないでしょうか?(やりませんけど)

一方で相変わらずネット予約の対応はしていないので、窓口発券しなければならないため、土日祝などは使い勝手が悪いことは否めません。

まあ、あまり無理せずに観ていきますが、さて何本観られるのでしょうかね。

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2015年12月25日 (金)

「友だちのパパが好き」:意あって力足らず

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映画『友だちのパパが好き』は、有名CMディレクターであり、舞台劇の人でもあり、その一方で『ミツコ感覚』('11)で映画監督デビューも果たしている山内ケンジの脚本・監督による異色作。まあ、『ミツコ感覚』も相当ヘンテコな映画でしたから、それに比べればわりかしマトモな映画に仕上がっていることも確かです。題材の目の付け所は良いですね。

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「変態」がキーワードとも言える本作なので、友だちのパパを好きになっちゃうマヤ(安藤輪子)のぶっとんだ言動には、ハラハラしたりイライラしたり・・・この人、変態と言うよりは「キ○ガイ」ですよね。おまけにパパさん(吹越満)が夢中になってしまうような魅力(キュートだったりコケティッシュだったり)に乏しいもので、いくらメガネっ娘好きの大江戸と言えども、ぜんぜんダメでした。この子がもっと小悪魔的な魅力を放っていたら、1ランク上の作品になったのにねえ。

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それに比べると、パパの娘役の岸井ゆきのは、そこらにいそうなリアルなキャラクターで、実にナチュラルな芝居を見せていて、結構現実的な魅力を放っていました。素人っぽさとの境界線で、きっちりと「アリ」になっていました。

やたらと長回しが多い作品でしたが、それがどれだけ効果を上げているかと言うと、うーん、まあそれほどでもないのです。マヤと関係のあった学校教師との別れの場面では、引きの絵の長回しが冷徹で客観的な視線として効いていましたが、それ以外はねえ・・・。 それと製作費の問題に直結するのかも知れませんが、いかにも「安い」絵になってしまっていて、ヌケが悪くて、そこは残念でした。

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終盤はアッと驚く展開になりましたが、ラストが作品全体の帰結として物足りません。(ユーモアの中にも)もっと人間の「業(ごう)」や不可思議を叩きつけて欲しかった気がいたします。

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2015年12月24日 (木)

キャッツ・オン・ザ・スクリーン

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ここ1-2年で、映画やテレビやCMに登場する動物って、それまでの犬優勢状態から一変して、猫の天下になりましたねえ。ペットの人気も猫が犬を逆転して優勢と聞いておりますし、まさに「時代は今、ネコ」なのですねえ。

今年の映画にも『猫侍 南の島へ行く』や『先生と迷い猫』や『4/猫 ねこぶんのよん』などがありましたが、まだマイナー系。 

でも来年の公開作はメジャーに躍り出ますよ。最近映画館でチラシをもらってきた作品だけでも、風間俊介主演『猫なんかよんでもこない。』、松坂桃李・宮﨑あおい主演『世界から猫が消えたなら』、国産アニメ『ルドルフとイッパイアッテナ』があり、猫ブームはまだまだ収まらない様子です。

まあ小生も犬よりはだんぜん猫派なので、嬉しく思っておりますにゃー(って、猫ひろしか??)。

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2015年12月23日 (水)

遠藤航レッズ移籍の悲報

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うーん、ベルマーレの主力選手であり唯一の日本代表選手でもある遠藤航の浦和レッズへの完全移籍が発表されました。まあ昨年も誘いがあったのを断って残留してくれたわけだし、ベルマーレのような予算規模の小さな育成型のチームでは、大きく育てた好選手を他チームに売ることで経営を回して行かざるを得ないことはわかっておりますものの、ちょっとブルー。 悔しいですし、残念ですし、あの暑苦しいM野選手やM脇選手とDFラインを組む図を考えると、なんだかなー(ⓒ阿藤海)ですよね。まあ彼は阿部勇樹みたいな選手を目指すべきだとも思うので、(U-22代表と同じように)ボランチ起用もあり得るとは思いますけどね。

湘南は他にも、GKの秋元がFC東京に行きそうだとか永木亮太キャプテンの鹿島入りが濃厚だとか報道されていますが、頼むから永木だけでも残してくれい!

ベルマーレとしては、サンフレッチェ広島が良い選手をどんどんレッズに引き抜かれても次々と育成に成功して、分厚い選手層で世界3位にまで上り詰めた、あのような形を目指したいものです。

でも道のりは遠いよなあ。補強はどうなるのかなあ。やっぱりちょっとブルーです。

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2015年12月22日 (火)

今日の点取占い242

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お金が沢山あって困っています   8点

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2015年12月21日 (月)

クレミアのソフトクリーム

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数年前から某パーキングエリアとか、限られた場所でだけ食べられることで有名だった『クレミア ソフトクリーム』。最近はどんどん食べられる場所が増殖していて、「えっ、こんな所にまで!」っていうような普通の売店や飲食店にまでのぼりがはためいてます。新宿ピカデリーでも売ってましたね。

調べたらデビューは2013年7月で、あのソフトクリームの老舗「日世」が出しているプレミアム生ソフトクリームなのです。上品に小ぶりで、ラングドシャ・コーンに入っていて、北海道産の生クリーム25%使用、乳脂肪分12.5%と、ぶっとびの濃厚さ。

食べてみると、確かに素晴らしいおいしさ! なめらかで、まろやかで、濃厚で、芳醇で、上品で、味も香りも舌触りも抜群。溶けやすいのも、上質なればこそ。 世間で「超絶おいしい」とされているのにも納得ですね。

値段は500円ぐらいを基準に、それより高い所も安い所もあります。確かに高いんですけど、それに見合うだけのプレミアムな商品だと思います。「自分へのごほうび」感がありますよね。

ああ、久々にまた食べたいなあ!

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2015年12月20日 (日)

クラブW杯・広島の3位とバルサの完勝

FIFAクラブワールドカップの3位決定戦、サンフレッチェ広島が2-1と広州恒大に逆転勝ち! みごと世界の3位となりました。過去にレッズとガンバも3位になっているとはいえ、最近Jリーグの凋落があれこれ言われる中での健闘は、喜ばしい限りです。おめでとうございます!

森崎監督の采配が4試合を通して当たっていましたが、故障者が出ようとハードな連戦だろうと、ターンオーバーに近い形でサブの選手を出して、その選手たちが誰も皆高いクォリティーで活躍できるという事実に圧倒されました。確かに「2チーム分の戦力」と言えるものがありますね。しかも、そんなに資金のあるチームではないのに・・・。 そう考えると、ベルマーレだって、育成型のチームだし、スタジアム新設を切望しているところも一緒だし、なんだか「ここまでやれる」という目標に思えてきました。

続けてバルセロナ対リバープレートの決勝もTV観戦。序盤などはリーベルも踏ん張っていたものの、結局は番狂わせなしの3-0でバルサが完勝。やはりMSN(メッシ、スアレス、ネイマール)の技術と決定力、そして2人、3人がからむハーモニーは、只事ではありませんね。それにしてもメッシとネイマールが広州恒大戦を欠場したのって、仮病では?と思えてしまうほどのパフォーマンスでした。

ここ数日、新宿や渋谷で多くのリバープレート・サポーターを見かけました。あの特殊な赤オレンジ(鴇色?)のジャージやマフラーで、胸にはクラブ・エンブレムの入った大柄な外国人たち。優勝ならず残念だったでしょうが、地球の裏側までどうもお疲れ様でした。

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「スター・ウォーズ フォースの覚醒」:人生と並走していくサーガ

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『スター・ウォーズ』にはさほどの思い入れはないのですが、こういったイベント・ムービーは早目に観ないとねってわけで、『スター・ウォーズ フォースの覚醒』を3D&TCX/DOLBY ATMOSで鑑賞。 なんだかんだ言って、タイトルロゴが宇宙空間に浮かび、画面奥へと流れゆく文字に合わせてあのテーマ曲が流れると、ワクワクするものがありますね。

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J.J.エイブラムス監督によるこの新作(エピソード7/9)は、驚くほどシリーズへのリスペクトに溢れています。とりわけエピソード4(『新しい希望』)へのオマージュ捧げっぷりはハンパなくて、「ああ、あの時のアレね」っていうようなそっくりカットがそこかしこに出て来ます。

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ストームトゥルーパーズだとかミレニアム・ファルコン号だとかライトセーバーだとか、嬉し懐かしいものが次々と出て来ますし、ハン・ソロ、レイア将軍!、そしてルークと、嬉し懐かしい人たちも現れます。みんなたっぷり年を取っていて(初登場時から38年ですもんねえ)、気分は同窓会です。「うわー、随分と老けちゃって・・・」ってところを含めて、同窓会気分満開です。考えてみれば、こういうのって映画史上初めてのことなんですよね。 ハリソン・フォードに関しては、『インディ・ジョーンズ』的なシーンもありました(『レイダース』での大玉ころがしシーン)。

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外見が変わってしまった人たちの一方で、チューバッカやR2-D2やC-3POが昔のまんまなのには、懐かしさいっぱい。そして新型ドロイドのBB-8が、丸くてちっちゃくってカワイイったらありゃしません。

あと女性や黒人を主人公に持って来たあたりが、いかにも今日的。レイのフィジカルな強さも、レイア姫から格段にレベルアップしていますね。

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とにかくどこを切っても空気感が『スター・ウォーズ』の世界なのです。VFXも、キャラクターも、そして一抹の闇を宿しているあたりも『スター・ウォーズ』的です。それが好きかと問われればそんなに好きではないのですが、これだけ長期にわたって、つまり観客の人生に併走しながら展開していくサーガってのは映画史上例のない試みなので、そういった意味での意義と興味深さは、これからの2作でも見届けたいポイントなのであります。

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2015年12月19日 (土)

「杉原千畝 スギハラチウネ」:善意の判断が世界を救う

353177_003_2映画『杉原千畝 スギハラチウネ』は、そんなに大々的に公開されたけではないし、何かしら地味な扱いなのですけど、観てみたら結構な大作というか、しっかり製作費がかかっているのがわかります。他人事ながら回収が心配になってしまいます。12月5日公開ですが、正月映画とは言えない雰囲気ですし、ってゆーか正月までもつのかしらん? 日テレの映画ではあるけれど、TVの露出もそれほど多くなかった気がしますし・・・。

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「日本のシンドラー」と言われる杉原千畝さんの長編映画って、これまで作られていなかったんですね。意外な気もします。でもTVではいろんな形で取り上げられてきて、活字メディアを含めて新鮮味は薄い素材と言えるかも知れません。ただこの映画自体が正攻法ではありますが、映画としてのコクが無いというか、TVのスペシャル・ドラマ的というか、残念ながら平凡なんですよねえ。

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唐沢寿明の英語が板についていました。発音やスピードに問題がなく、丁寧さや威厳をまとわせながら、ちゃんと英語に感情が入っていました。つまり、台詞を思い出すだけでいっぱいいっぱいってな状況ではなかったということです。素晴らしい。

妻役の小雪は、以前より大江戸の苦手なタイプなのですが、うーん、本作でもいろんな意味でしんどかったですねえ(日本のしんどらー)。

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それにしてもナチスドイツに反抗し欺くようなことをあれだけやっておきながら、杉原に対しては「(ルーマニアに行って)何もするな!」という以外のおとがめなしだったというのも、驚くべき話ではあります。おそらく周囲の人々も、心の中では杉原の行動に賛同していたということかも知れません。 ウラジオストックでのエピソードからも推測できるように、日本人もその他の国(ドイツも含む)の人々も含めて、多くの善意の人々がこの脱出(evacuation)を後押ししてくれたのでしょう。 そういう大なり小なりルールや命令を超えた判断こそが、(ハンナ・アーレント言うところの)「悪の凡庸さ」を超えて世界を守っていくのだと感じています。

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2015年12月18日 (金)

「村上春樹 雑文集」:文庫になったので買いました

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『村上春樹 雑文集』(新潮文庫)を買いました。2011年に新潮社から刊行された同書の文庫化。1979-2010年に村上さんが雑誌、会報誌などに発表したり、講演会や受賞式でスピーチしたりしたさまざまな雑文69編を収録したものです。 文学のこと、ジャズのこと、友人のことから結婚式のスピーチ(これが短くて傑作)まで、いろんなテーマで語るように書かれた文章たちが短いのから長いのまで揃ってます。

あの有名な「壁と卵」のスピーチもはいっております。全文をちゃんと読めるのはありがたいですね。

全体的にはまあ玉石混淆で、かなりバカバカしいものも含まれていますけど、評論を書いてもスピーチ原稿でもやはり村上さんの文体ですねえ。スラスラと読みながら文章の巧さを堪能できるのです。村上主義者必読の書です。

巻末には和田誠×安西水丸対談もあって、ハルキさんをサカナにしたこのトークが面白いのなんの。改めて昨年水丸さんが急逝してしまったことがウソのようですし、残念です。ちなみにこの表紙も、左のネズミが和田さん、右のウサギが水丸さんの絵なのであります。

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2015年12月17日 (木)

今日の点取占い241

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遠足に行ってまい子になった   1点

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2015年12月16日 (水)

サンフレッチェ、惜しかったなあ

うーん、サンフレッチェ惜しかったですね。 FIFAクラブ・ワールドカップの準決勝、南米代表リバープレートvs.サンフレッチェ広島の試合をTV観戦しましたが、中2日のサンフレッチェが本当にいいサッカーを見せました。まあ、素晴らしいサッカーといったら3日前のマゼンベ(アフリカ王者)戦の方が、さらに見事な試合運びでの完勝でしたが、誰もが認める伝統の強豪リーベルを相手にこういう試合ができたっていうのは、過去のJチームの戦いぶりと較べても、最も決勝に近い地点まで行ったのではないでしょうか?

中3日、中2日という強行日程ですが、サンフレッチェの凄いところはターンオーバー制でうまく対応できちゃうってこと。いわゆるBチームの選手が出て来ても、同じサッカーを遜色なくできてしまう層の厚さにびっくりぽんです。マゼンベ戦で活躍した茶島が今日も良かったですし、1トップの皆川もあと一歩までゴールに迫り続けました。

(実は前半19分から見たので、序盤のリバープレートの圧力というのは目にしていないのですが)広島が前半の裏を取ったり抜け出したりの大チャンスを一つぐらい決められていたらなあと、かえすがえすも残念です。後半はリーベルも広島に対応して来ちゃったし、広島の選手も少しずつ疲れが出てきたようでしたから。

それにしても広島のあの堂々たる戦い方。プレッシャーがあっても落ち着いてパス回しを成功させるテクニックと自信。無理せずにバックパスを多用しながら、確率の高い組み立てを行う余裕。攻守の切り替えの早さ及び全員守備全員攻撃の見事さ。両サイドの攻撃参加のパワー。そしてコンダクター青山の見事なパスと、ドウグラスや浅野のスピード。 隙のない、質の高い、圧巻の完成度を誇れるチームになりました。J1最終節でベルマーレが0-5で敗れたのも納得のいく強さでした。

なので、今日の失点場面・・・あそこでGK林がキャッチできてたら、できなくてもパンチングで弾いてたら、そう思うと残念で残念でなりません。世界に奇跡を見せつけることが出来たかも知れなかったのに・・・。 日曜の3位決定戦での勝利をお祈りいたします。

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2015年12月15日 (火)

「アンジェリカの微笑み」:プリミティブな自由さ

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映画『アンジェリカの微笑み』は、今年106歳で大往生を遂げたマノエル・ド・オリヴェイラ監督が101歳の時に撮った作品。うーん、古めかしい中に、とてもとても「自由」です。アラン・レネ晩年(と言っても80代後半ですが)の『風にそよぐ草』や『愛して飲んで歌って』にも、老境の自由さを強く感じましたが、オリヴェイラ監督の「自分が映画を発明した」的な自由さには、もう何も言えませんよね。

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最重要ポイントは、あの半生記以上前の映画を思わせる、プリミティブな特撮です。パッと現われ、パッと消え、モノクロ半透明になって空を飛んだり、部屋に浮かんだりする様が、「今日び、これやっちゃいますか?」って感じに、ある意味衝撃的。でもオリヴェイラさんとしては、「これでかまわんだろ。十分伝わるだろ。」って感じなんでしょうね。伝わります。楽しいです。特に男女二人の滑空シーンは、『スーパーマン』におけるスーパーマンとロイス・レインの空中デートや『世界中がアイ・ラヴ・ユー』においてゴールディー・ホーンがセーヌ河畔で浮遊・滑空するダンス・シーンのように、映画ならではの幸福さに満ちているのです。

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撮影中ピントが合ったファインダー越しにアンジェリカが微笑みかける場面も、原初的な映画のワンダー(写真が動き出した)に溢れています。本当にオリヴェイラって人は、「生きる映画史」だったのだなあと、感慨深いですね。全体的には、ポルトガルの『雨月物語』とでもいった趣きが滲んでおります。

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大江戸はオリヴェイラ監督をあまり高く評価する者ではありませんし、本作もそれほど気に入っているわけではありません。でも、(どこまで自覚的かわかりませんが)この変なユーモアは稀少であり、隣国スペインの巨匠ルイス・ブニュエルとの近さを感じる部分だったりして、チャーミングだなあと思っております。

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2015年12月14日 (月)

「グリーン・インフェルノ」:恐怖と絶望とバイヤー

1450098540238東京では新宿・武蔵野館だけで公開中の映画『グリーン・インフェルノ』を観たら、劇場にこんなタペストリーが(ちなみに手前の黒いのはゴミ箱じゃなくて、発券機ね)。 「バイヤー!」って、百貨店とかセレクトショップとかのバイヤーを呼んでいるのでしょうか? 「バイヤー、あの商品まだ入って来ないんすかぁ?」とか。それとも、映画の買付けをする人のことでしょうか? 「バイヤーさん、こんなヤバイ映画、よく買ってくれました。ヤバイヤー!」とか?? (本篇中で、確かに「バイヤー!」って言ってました)

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すみません、妙なネタで引っ張ってしまいましたが、作品自体は「今日び、よくこんな映画作ったなあ」って感じのアホ&グロ一直線です。ですけれどグロ過ぎないというか、それなりに抑制が効かせてあるのです。いろいろとヒドイ映画も観ている大江戸にしてみれば、むしろ物足りないくらい。

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そもそも食人族が出て来るまで、(たしか)40分ぐらいですもん(映画全体は1時間41分)。かったるいというか、じれったいというか、・・・抑制してます。目いっぱい「タメ」を作ってます。

つかまって、檻に入れられて、目の前で仲間を(生きながらにして)さばかれて、・・・その恐怖と絶望たるやどれほどのものか、と想像するだけで失神しそうです。まさに「生き地獄」ですね。こんな目にだけは遭いたくないものです。

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それにしても食人族の親分は、なぜにジャック・スパロウ船長?? どっかでDVDでも見たのでしょうか? でもこの人、実においしそうに食べるんですよねー。TVで食レポやらせたいぐらいです。

教訓:過激派環境運動家とバイヤーには気をつけろ!

教訓2:武蔵野館やル・シネマでは、前の席に座高が高いヤツが座ったら絶望するしかない(スロープがほとんどないので、画面隠れちゃうからねー)。

 

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2015年12月13日 (日)

「RE:LIFE リライフ」:人物がみんな魅力的な娯楽映画

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映画『RE:LIFE リライフ』は55歳になったヒュー・グラントが、やっぱりチャーミングな役者であることを確認できるウェルメイドなコメディー。ヒューとのコンビが4作目というマーク・ローレンス監督(脚本も)が、「良質なアメリカ映画とはこういうもの」って感じに行き届いた作品を仕上げてくれました。

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裏ぶれているようで結構有名だとか、いいトシのようでまだまだ現役だとか、いろいろアンビヴァレントな主人公なのですが、弱さ、ダメさもひっくるめて、なかなかイイ奴です。魅力的な主人公(protagonist)がすべてだって、彼も教室で教えていたじゃないですか。彼が次から次へと繰り出す軽口が、実にヒュー・グラント的であり、良質な大人のハリウッド映画的でもあり、何より脚本家の腕だよなあ(だから、この作品にふさわしい)と感心してしまいます。

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こういう作品は主人公を取り巻く人物(character)の魅力もカギとなりますが、マリサ・トメイ、J・K・シモンズをはじめ、ベラ・ヒースコート(メガネの女子大生)、アリソン・ジャネイ(ジェーン・オースティン命のカタブツ教授)、クリス・エリオット(隣家に住む同僚教授)や他の学生たちも含めて、ほぼ全ての登場人物が魅力的に、そして肯定的に描かれています。だから作品がすがすがしく、良い気分なのです。娯楽映画はそれでいいじゃないですか。

353722_004本作の原題は“The Rewrite”。脚本家の「書き直し」と、主人公の人生のやり直しをひっかけてあって、正統派の良いタイトルですね。まあ、邦題の方も、結構頭をひねった発明だとは思いますが・・・。

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2015年12月12日 (土)

「美術館を手玉にとった男」:アートとは? クラフトとは?

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映画『美術館を手玉にとった男』の原題は“ART AND CRAFT”。本作のテーマをよく表したタイトルです。どこまでがアートでどこからがクラフトになるのか? 贋作を見て感動したら、その贋作に価値や美点があるということでは? などなど、昔からある命題を、改めて考えるきっかけとなる作品です。

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ドキュメンタリーではありますが、ヤラセすれすれというか、結構劇映画的な手法を使っています。電話を挟んで対決ムードの両者のカットを重ねて行く場面とか、展覧会に乗り込んでいく主人公と待ち受ける敵対者とか・・・。 そこらへんの微妙な作為、うさんくささもまた贋作を扱う本作に似合っていると言えましょうか。

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贋作画家のマーク・ランディスが、なかなか興味深いキャラクターです。フレッド・アステアにジョン・マルコヴィッチをまぶしたような顔で、おとなしく自信なさそうな、ねちゃっとした話し方。統合失調症をはじめ、いろんな精神疾患を持っているようで、その一方での天才的画才にはほとほと驚かされます。

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詐欺や金儲けが目的ではないことからもわかるように、ランディスの行動にはある種のイノセンスが溢れています。だからこそ、そこには上記したような「贋作とは?」という問いが、滲み出て来るのです。

さらに人間の不可思議の深奥にまで踏み込めるテーマだったのに、今一つ掘り下げが足りないようにも思えました。そこらの淡泊さがちょっと残念ではありますねえ。

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2015年12月11日 (金)

「恋人たち」:リアルな重い球

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映画『恋人たち』は、橋口亮輔監督7年ぶりの力作。映画から滲み出す覚悟や、映画としての強度が、ハンパないです。プロの役者たちを使いながらも、メインの3人が知らない顔ってことで、そのリアルな市井感が息苦しい程に迫って来るのです(あのおばちゃんの、いろんな意味での見苦しさも凄かったなあ)。

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現代日本の病が集約されたような映画でもあります。人生のハンディキャップを背負っているような人々の、あえぎやうめきが聞こえそうな物語。それでも時折挟み込まれるユーモアに救われる思いがします。

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橋口監督の(映画的)筆致は、あくまでも骨太です。普通、顔の知られていない役者を中心にすると、映画が痩せて貧相になってしまったりするものですが、本作のゴツゴツしたダイナミズムは、野球に例えれば「ストレートの重い球」です。観る者のキャッチーミットにズシリと響きます。

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(以降ややネタバレあり) 終始重く苦しい物語だったので、ラストの「空気の変化」=一条の光というか、ほの見える希望にはほっとしました。それでこそ映画の厚みが増し、作品の格が上がるというものです。

それにしてもどうして『恋人たち』というタイトルなのでしょうか? 残念ながら小生は、いくら考えても答えを見出せませんでした。

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2015年12月10日 (木)

「FOUJITA」:映像の強度はすごいけど・・・

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小栗康平監督10年ぶりの映画『FOUJITA』は、ある程度藤田嗣治のことを知っていないと、わかりにくいかも知れません。彼の人生の一時期のエピソードを断片的に重ねていき、「順を追った展開」や「物語の面白さ」とは無縁です。

352950_001_21920年代パリの狂騒を描きながらも、静かな静かな作品です。その静けさの中で美しい映像を追いながら、観る者が無の境地に誘われるという、いわば「禅」のような映画です。ショットのサイズはロングショットかフルショットがほとんどで、決して寄りません。アップはありません。感情的なものを排除しようという監督の強い意志を感じます。

352950_008_2オダギリジョーのフジタそっくりの変身ぶりは公開前に写真で見て「おお!」と思ったものでしたが、これだけ「引きの絵」ばかりではその妙味を鑑賞することができずじまいなのでした。

一方で、地眉を消したメイクの中谷美紀は、力なくしゃべるところも含めて、何か妖怪のようでありました。

352950_002_2一にも二にも映像が素晴らしい作品でした。単に美しいと言うよりも、構図が完璧で、光の具合も良く、とにかく「絵」に強度があるのです8撮影=町田博)。

でも結局作品としては、あまりにも言いたいことが不明瞭というか・・・。特に戦争画に関しては、何が言いたかったのか??って感じです。キツネが跳ねる絵なんかも、・・・理解不能でありました。

 

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クラブW杯、広島の勝利とアクシデント×3

日本開催のFIFAクラブワールドカップが始まりましたね。開幕戦のサンフレッチェ広島(開催国枠)vs.オークランドシティ(オセアニア)をTV観戦しました。横浜国際総合競技場、寒そうでした。そして客席もガラガラの冷え冷え。平日だし、雨も降って来たし、足が遠のくのはわかるけど、こんなガラガラのスタンドを世界180数カ国に中継されては、ほとんど日本の恥ではありませんか。もっとタダ券ばら撒くなり、関係者動員するなりしないとダメでしょ、日テレさんとかスポンサーの皆様!

Jのチャンピオンシップが終わってから(つまり広島の出場が決まってから)中4日、この試合勝つと次戦は中2日で日曜日。ってこともあって、サンフレッチェは1トップ2シャドーに皆川、浅野、野津田を使うなど若手を出して佐藤寿人、ドウグラス、ミキッチ、森崎和幸など年寄りを休ませる先発メンバー。

それでも試合を見てみれば、広島の力が上なのは歴然。前半9分に先制し、ゲームプランも問題なさそう。森保監督のマネージメントは適切だったってことです。しかーし、好事魔多し。野津田、柴崎、清水と3選手が相手との接触で膝や足首を怪我して、交代を余儀なくされるというびっくりぽんな緊急事態。これにより一人も戦術的交代が行えないというアクシデント、こんなの見たことありませんでした。

早々と後半20分で3人の交代枠を使い切った広島でしたが、その5分後に塩谷のゴールで加点できたのが大きかったです。塩谷も、角度のない所をよく決めました(DFに当たったとはいうものの)。 結局広島が2-0で逃げ切っての勝利。 チャンピオンシップではガンバの方を応援していた大江戸ですが、今日は完全に広島の応援。やはり日本チームを応援してしまいますよね。

それにしてもやはり柏好文はいい選手ですねえ。甲府時代から一目置いていましたが、理想的なサイドの槍です。そろそろ日本代表に呼ばれてもいい選手です。

ピッチを後にした3人が日曜日までに回復するのかどうかが気になりますね、いくら選手層が厚くなったサンフレッチェとは言え・・・。

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2015年12月 9日 (水)

「スノーマン展」と松屋銀座のクリスマス

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松屋銀座で本日初日の『スノーマン展』(~12/28)を観ました。1978年にレイモンド・ブリッグズにより創作されたスノーマンの絵本原画やアニメの制作資料などの展示です。

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会場前(タダで見られるゾーン)には、時節柄サンタと共演するスノーマンがいたり、松屋銀座の建物の上を飛んでいくスノーマンがいたり・・・。

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スノーマンって緑の帽子をかぶっているイメージなのですが、絵本の中ではけっこう帽子をかぶっていないシーンも多くて、・・・そういう時のスノーマンって「大福くん」って感じですよね。鼻にみかん(オレンジ?)がついているので、「おそなえ餅くん」みたいでもあります。 それにしてもスノーマンは、「溶ける」ってところが限りある人間の命を示唆していたりして、丸くて何も考えていないような顔の中に一抹のペーソスが漂っているところがキモなのですね。

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シンプルで小ぶりな展覧会ですが、会場を出た所のグッズはなかなかの充実ぶり。クッキーやチョコから絵ハガキ、クリアファイル、マグカップからぬいぐるみ、フィギュア、スノードームまで豊富に揃っていました。

で、そこにスノーマンが立っていて、びっくりぽん。(デパートの店内は暖かいけど)おまえ溶けないのか?

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ちなみに松屋銀座の店内外はスノーマン一色でした。

吹き抜けの中央ホール上空には巨大スノーマンが壁面から飛び出すように浮かんでおりました。これはなかなかの見ものです。

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正面入口脇のショーウインドウにもスノーマン。

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入口前の柱だとか、フロアの床面とか、ポスターとか・・・スノーマン大活躍のクリスマスなのでした。チャリティーバッジなんかも売ってましたよ。

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2015年12月 8日 (火)

「愛を語れば変態ですか」:黒川芽以を見る映画

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映画『愛を語れば変態ですか』は、自身劇団主宰者である福原充則さんの初監督作ということで、実に演劇調。もろに演劇調。実際、オープン前のカレー屋という1つの場所だけでほとんど完結するドラマですし(まあ、この映画では終盤町へ、世界へと飛び出して行きますが)、クセのある役者の芝居と台詞とで突っ走って行きます。

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その演劇的展開は、確かにカレー屋開店をめぐるドタバタに見えて、どんどんそこから逸脱して行きます。男の数が1人増えるごとに、どんどんとんでもない不条理世界に入って行くのです。野間口徹演じる旦那さん、全ての登場人物に振り回されちゃって、ほんとに思いもよらぬ災難ですよねえ。かわいそうに。

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何と言っても、黒川芽以を見る映画には違いありません。『ボーイズ・オン・ザ・ラン』での役をちょっと思わせる、コケティッシュな魅力。「触れなば落ちん」な感じ。ストーカー君と「目で話す」あたりも笑えましたが、やはり終盤の狂ったはじけ方にぶっとびます。「愛のテロリスト」! カッコイイなあ。ただ彼女のはじけ方ほどには映画がぶっとんで行かないので、どうにも「なんだかなー」なエンディングでした。

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彼女が語っていた「確かに愛は今、世界の中で劣勢だ」とかいう彼女の台詞、ここがキモでしたね。だからこそ彼女は愛のテロに走ったのでしょう。うーん、演劇的です。

73分というコンパクトな上映時間は、オッケーです。これ以上無駄に長くても、しょうがありません。ただ、ちょっと物足りないので、「2本立て上映を希望」って感じではありますけど。

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2015年12月 7日 (月)

「さようなら」:「ウルトラQ」の『虹の卵』だったとは!

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映画『さようなら』は、なかなかにぶっとんだ、ちょっと見たことのない世界。アンドロイドを実写劇映画の中で自然に機能させる試みであり、それを通して形而上的世界を描く意欲作です。

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とにかくアンドロイド(日本語、英語、フランス語を話す)のインパクトが大きくて、目を奪われます。で、「なんか見たことある顔なんだよなー」と思ってたら、思い出しました。『オー!マイキー』のマネキンに似ているのでした。リアルな風景や家屋の中で、動きがないのに、無表情なのに、流ちょうに話すあたりの感覚が、共通しているのです。 でも原案となった平田オリザさんの舞台劇で、アンドロイドが出て来て役者と芝居した時のインパクトはこんなもんじゃなく大きかったでしょうね。

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終始、どうしようもなくホープレスな終末観に溢れています。それでも変わらぬ風や光線の美しさが描かれた映画でもあります。そして「時間」が描かれた映画。限りある人間の時間と、アンドロイドの持つ異なる時間軸。『ブレードランナー』(原作はP・K・ディックの『アンドロイドは電気羊の夢を見るか』)と2本立てにしてもらいたい作品です。

353618_006(以降ネタバレあり) 終盤の主人公が眠るように死んだ後、時の経過と共に徐々にミイラ化、そして白骨化していくさまをワンカットで見せる映像は、なんとも驚異的でした。そこに美がありましたし。グリーナウェイの『ZOO』を思ったりもしました。 深田監督としても、あえて「映画でやった必然性」を“署名”として残しておいたってところでしょうね。この前後の粛然たるシーンには滅びの美学が漂い、只ならぬものがあります。 でも、その後のラストはうまくいかなかったかなあ。観念の罠に落ちた感じでした。

ラストに出て来る「竹の花」と言えば、小生としては「ウルトラQ」の『虹の卵』を思い出すのであります。あっそうだ! あの話では竹の花+虹の卵で奇跡が起きて、車椅子のおばあちゃん(≒車椅子のアンドロイド)が立ち上がるのです。それだったか! 虹の卵とはウランカプセルのことで、まさに本作の冒頭で描かれる原発事故とつながっているではありませんか!

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2015年12月 6日 (日)

きゃりーぱみゅぱみゅライブ@東京国際フォーラム

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有楽町の東京国際フォーラム・ホールAで開催された、「きゃりーぱみゅぱみゅ JAPAN HALL TOUR 『Crazy Party Night 2015』」に行きました♡ 久々に行くきゃりーLIVEです。

会場には小学生の女の子からおじさんまで、バラエティーに富んだお客さんがわんさか。2階席のかなり後ろの方だったので結構ステージが遠く、(ホール・ルアーのためか)映像が無かったのできゃりーちゃんの顔なんか見えない状態。小生はオペラグラスを持参したので助かりましたが、持ってなかった人はちょっと辛かったんじゃないかなあ。

18時から10分押しでスタートし、アンコールを含めて20時に終わるというコンパクトなライブ。今回のステージは、ナイトクラブのショーをイメージさせる造り。いつもよりちょっとオトナな感じです。

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きゃりーちゃんの衣装は、ミラー貼りのキラキラな未来感覚を打ち出した’20年代調フラッパー→パニエでふくらませたピンクのふわふわスカートが印象的なアイドル調→(今日のドレスコード・カラーである)紫を効かせた超カラフルなカジュアルルック と、2度のお色直しがありました。

ヒット曲が次々と歌われて、どれもこれも盛り上がります。エンディング曲は『Crazy Party Night ~ぱんぷきんの逆襲~』、アンコールの最後は『もんだいガール』でした。後ろから見てると、観客が振っているカラフルなライトの波が凄かったなあ。それと、照明が客席両サイドの壁面をスクリーン的に利用していて、大いなる効果を上げておりました。きゃりーキッズのダンスはいつもながらキレッキレ。 「ツアー・ファイナルにしてはちょっと物足りない長さかな」でしたけど、まあ腹八分目が丁度いいって感じのライブでした。きゃりーちゃんの場合、バンドは入らなくて録音音源を使用しているので、そこが好き嫌いの分かれるところかも知れませんね。

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先ほども書いたように、今日のライブは一応ドレスコード・カラーを設定してあって(守らなくても、何のおとがめもありませんし、知らない人も多かったわけなのですが)、WEBサイトで読んでいた大江戸は紫を取り入れて参戦しました。今日はイレギュラーな仕事があったので、シャツ&ジャケット姿をベースにしつつも、一部衣装替えをして臨みました。写真のように、紫シャツ&紫タイ(ゆるめて)&紫チーフ&紫マフラーというトゥーマッチなコーディネイトで攻めてみました。これにロールアップしたデニムを合わせ、赤紫のソックスを覗かせるという寸法。頭はビーニーキャップをかぶって、チャッカーブーツでカジュアル感を出しました。

会場内にはけっこう「きゃりーコス」の方も多かったですよ。中学生ぐらいの女の子が、『ファッションモンスター』のコウモリ髪型を完コピしてたり、なかなか楽しかったです。 あ、そうそう、MCで言ってたんですけど、来年USJにきゃりーぱみゅぱみゅのアトラクションが出来るんですって(『進撃の巨人』とかみたいに)。モーションキャプチャーで動きのデータを取ったりしているそうですよ。びっくりぽんや。

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2015年12月 5日 (土)

Jチャンピオンシップ、広島が優勝

Jリーグ・チャンピオンシップ、サンフレッチェ広島vs.ガンバ大阪の第2戦@エディオンスタジアム広島をTV観戦。初戦を2-3で落としたガンバが優勝するためには、2-0とか3-1とかで勝つ必要があるので、今の広島相手ではかなりハードルが高いのです。

でも先制したのは前半27分のガンバ。2戦合計で3-3になり、あと1点取れば・・・と「奇跡が起きるか?」状態になりました。第1戦のアディショナルタイムのスローイン・ミスで、逆転の原因になってしまった今野のゴールだったってのも、なかなかにドラマティック。しかしかなり攻めまくった前半のうちにもう1点奪えなかったのが、残念ではありました。

後半もガンバに得点の匂いがしていたのですが、広島は交代で入った浅野がこれまた交代で入った柏からのクロスを頭で決めて1-1(2戦合計:広島4-3ガンバ)に。この時点(76分)でガンバはあと2点が必要となり、ほぼ勝負ありの状態。結局そのまま広島が逃げ切り、2015シーズンのチャンピオンとなりました。 サンフレッチェ、さすがですね。強いです。攻守ともに質が高いサッカーで、優勝にふさわしいチームだと思います。

まあ大江戸はやっぱり「1シーズン制に戻そうよ」派なのですが、Jリーグの窮状を救うべく設けられた収入確保のための施策と言われちゃうと、反対のしようがないですよね。

我らがベルマーレもいつか(できれば来年)このステージに上がってほしいものです。ってゆーか、見ていて「ドウグラスとかパトリックみたいな決定力のある外国人FWがいたら、湘南だって3位ぐらいになれそうだよなあ」と(ひいき目ながら)思っておりました。

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2015年12月 4日 (金)

「ラオスにいったい何があるというんですか?」:村上春樹紀行文集

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村上春樹の新著『ラオスにいったい何があるというんですか?』(文藝春秋)を読了。'95年~'15年に村上さんが雑誌に発表した紀行文10篇を集めた1冊。

昔っから村上さんが不定期的に書き続けている紀行文(『遠い太鼓』とか『辺境・近境』とか)の一環なので、リラックスしてすらすら読めます。さらさらと水のように流れていきます。読み進めることが気持ちよく、一方で後まで残るところはそんなに無い、そんな文章です。軽いお楽しみです。

扱われている場所もボストンからアイスランドからニューヨークからフィンランドからラオスから熊本まで、世界中多岐に及んでいます。

まあ読んでいると旅をしたくなるとは言えるでしょうね。旅は人間の幅を広げ、洞察力の深度を拡大してくれます。ただ村上さんの旅は相当のんびりゆったりした感じで、そこらへんは小生の旅の(あわただしいまでの)スタイルとはかなり違いますね。

文中に記事を補足する写真が挟み込まれ、村上さんが写っているショットも結構あります。久々に村上さんの写真をたっぷり見ることのできる本でもあります。

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2015年12月 3日 (木)

「母と暮せば」:最初の5分と最後の5分の落差

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映画『母と暮せば』を試写会で観ました。予告編や山田洋次監督密着のメイキング・ドキュメンタリーなどを見て、涙ボロボロ必至の傑作だと思っておりました。果たして涙ボロボロはその通りでしたが、傑作だったかというと・・・。

うーん、確かに開巻5分は傑作でしたし、長崎原爆の描写は凄いインパクトで慄然としましたし、山田洋次の原爆への怒りを感じる、力の入ったものでした。一方で最後の5分(要するにエンドクレジット)で、あまりといえばあまりの描写に腰が抜けました。笑っちゃいますし、それ以上にへなへな・・・って感じです。丹波哲郎ですかっ!!

そこに限らず随所にヘンテコな描写がありました。レコード・ジャケットが宙を行く「透明人間」だとか、お化け屋敷のような幽霊たちとか、シルエットの使い方とか、結末なども「え?? それやっちゃいますか?!」って感じでしたし。 言いたくはないけど、「古くさい」描写がそこかしこに出て来るのです。山田洋次監督、84歳になったそうですが、さT0019773すがに感覚の「ズレ」が出てきたのでは? 近作の『東京家族』や『小さいおうち』においては、こんなことはなかっただけに、ちょっと残念です。そういえば黒澤明監督の晩年の作品『夢』や『8月の狂詩曲』にも、そういう古くさいズレを感じましたっけ。

とは言え、それ以外の部分は悪くないですよ。名人芸です。最初から最後まで随分泣かせてもらいましたし。みんな、いい人だってのも気分いいし。

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吉永小百合さん、異常なまでに若かったなあ。70歳とは! まあ、それ言ったらニノさんも32歳なのに学生服似合い過ぎです。それと、(台詞にも「おしゃべり」とありましたが)あんなに母親としゃべる男の子なんていねーよ!と思いますけどね。

そして『小さいおうち』に続き出演の黒木華さんが、山田作品似合い過ぎです。そしてやっぱり巧いです。彼女の芝居で泣けた場面もありました。

反戦の思いを強く持つ3人(山田洋次、吉永小百合、坂本龍一)が魂を込めた作品だけに悪く言いたくはないのですが、ちょっと映画としての完成度には問題がありますよねえ。むしろ「 怪作」と言えるのではないかって気もいたします。

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2015年12月 2日 (水)

Jチャンピオオンシップ、広島がG大阪に先勝

11年ぶりの2ステージ制により開催されることになったJリーグ・チャンピオンシップ決勝第1戦、ガンバ大阪vs.サンフレッチェ広島@万博競技場をTV観戦。いやー、さすがにJ1王者決定戦にふさわしいレベルの高い試合でした。選手たち、みんな能力高いです。トラップやパスが正確です(結局はサッカーって、そこに尽きるのです)。

ホームのガンバはパトリックを温存し、リーグ戦で先発経験の無かった長沢駿をスタメン起用。結果的には、よく前からの守備をこなして走り回っていた彼が60分に先制ゴールを決めるという結果に。

しかしさすがは今シーズンの広島。79分に柏→ドウグラスで同点弾! 

だがガンバの今野も大事な試合で決めるヤツです。81分に2-1と再度のリードに成功!

そのままアディショナルタイムに入って、このままホームのガンバが先勝かと思っていたら、そこにドラマが待っていました。 90+1分に広島・佐々木がヘディングで同点ゴール。そして90+5分、終了間際のラストプレイでゴール前の攻防の果てに広島の柏が押し込んで、3-2と逆転。アウェイでの先勝、しかもアウェイゴールを3点も取って・・・ということで、第2戦はガンバとしては勝つしかなくなりました。1点差で勝てば、2戦合計3-3とか4-4とかで延長戦になりますから(もちろん2点差で勝てば、90分での勝利)。

やっぱり広島は強いですね。「2チーム分の戦力」と言われますが、控え選手層の厚さが凄いです。守備も堅いですが、両サイドの攻めが凄くって・・・。大江戸はミキッチ、柏という両翼はJで最高だと思っております。

3日後の12月5日に行われるセカンドレグ(第2試合)がいよいよ本当の最終決戦。どっちのチームに強く肩入れしているわけではないのですが(まあどっちかというと、「遠藤のチーム」ガンバの方に傾いておりますが)、やはり楽しみです。

P.S.  サンフレッチェ青山の「ピエール瀧」化が進行している気がしてならないのですが・・・。

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2015年12月 1日 (火)

(番外編・大阪その4)太陽の塔かっけー!

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『東京温度』番外編・大阪、最後に万博記念公園の「太陽の塔」です!

(年がバレますが)大江戸、1970年の大阪万国博に行ってます! なんと45年ぶりの再訪です。

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うわー、太陽の塔でかーい!

うわー、太陽の塔かっけー!

これだけ「大きさ」のインパクトがあるってことにビックリです。ちなみに70mだとか。

デカいがゆえに素晴らしい。大仏とか怪獣とかに共通するデカさのカッコよさ。

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やや離れた所から見てもカッコイイし、真下から見上げても素敵です。 いやー、よくこんなもん作りましたね。 最高です。

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やっぱり岡本太郎ってすごいなー。

背中の方に描かれた「過去の顔」もなんか味があります。あ、ちなみにてっぺんの金色のやつが「未来の顔」、腹部の不機嫌そうなやつが「現在の顔」です。

思わずこいつが「マシュマロマン」みたいに動き出したところを想像してしまいました。

で、公園の一角では「EXPO'70パビリオン」という展示を行っていました。これ、万博の「鉄鋼館」パビリオンを生かした、大阪万博全般の資料や写真や記念品や模型などの展示なんです。また中央の「スペースシアター」というイベントホールはそのままの形で眺めることができて、客席とステージを照らす照明演出が行われたりしています。45年たった今でも、「イベントの映像&音響ショーのスペースって、こんなもんだよね」って感じで、特に古びていません。なんかすごいです。 大阪万博グッズもいろいろと販売しておりました。

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、万博記念公園のお向かいに新しくできたのが「エキスポシティ」。11月19日にオープンしたばかりです。 ららぽーとやシネコンや各種エンタテインメント施設。来春完成予定の日本一の大観覧車は、まだ建設中でした。

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その向こうに見えるのが来シーズンからガンバ大阪のホームになる「吹田スタジアム」! サッカー専用で、32,000人収容。設備、環境面で、現在考えられる最高のスタジアムなんだそうです。しかも全額を市民や企業の寄付金(+国の助成金)で賄ったのだとか。総額140億円ですよ。それを聞くと、いったい新国立競技場の2千何百億って、いったいどうなっちゃってるんだろうと思わざるを得ませんよね。

いずれにしても湘南BMW スタジアム平塚の古さ、狭さに辟易している身には(もちろん「スタジアムを新しくしてください」の署名も致しましたが)、何ともうらやましい話です。いいなー。

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(番外編・大阪その3)レトロ建築の宝庫

1448788392627NHKの朝ドラ『あさが来た』にゆかりの土佐堀川界隈。古い建築が結構残っているのです。

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いきなりですが、こいつは古くありません。ポストモダンな大同生命の本社ビル。

大同生命と言えば、「あさちゃん」こと広岡浅子が創業者の一人だった会社。 ここ、古い地図と照らし合わせると、『あさが来た』の加野屋があった場所なのでありました。びっくりぽんや。

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その近くの三井住友銀行大阪本店=住友ビルディング。円柱と規則正しい窓による格式。規則正しさが美しいのです。

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茶色いレンガ造りの「大阪倶楽部」。レンガといいドアのアーチといい、東京の江東区佐賀町にあった「食糧会館」を彷彿とさせる建築です。

その他にも、こんなのやあんなのや、素敵なレトロ建築の数々が・・・。

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でもまだまだこんなものじゃなくて、多種多様な建築遺産が残っているらしいのです。おそるべし大阪!

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建築探偵のためだけに来る価値がありますよね。今回は25時間半ほどの滞在だったので、ぜんぜん物足りなかったのです。またいつか。

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最後の1枚(左下)は、日本銀行大阪支店旧館。大江橋のきのう紹介した郵便ポストの隣にあります。もう使われていないようで、「使命は終えた」感が漂っておりました。

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