「ラオスにいったい何があるというんですか?」:村上春樹紀行文集
村上春樹の新著『ラオスにいったい何があるというんですか?』(文藝春秋)を読了。'95年~'15年に村上さんが雑誌に発表した紀行文10篇を集めた1冊。
昔っから村上さんが不定期的に書き続けている紀行文(『遠い太鼓』とか『辺境・近境』とか)の一環なので、リラックスしてすらすら読めます。さらさらと水のように流れていきます。読み進めることが気持ちよく、一方で後まで残るところはそんなに無い、そんな文章です。軽いお楽しみです。
扱われている場所もボストンからアイスランドからニューヨークからフィンランドからラオスから熊本まで、世界中多岐に及んでいます。
まあ読んでいると旅をしたくなるとは言えるでしょうね。旅は人間の幅を広げ、洞察力の深度を拡大してくれます。ただ村上さんの旅は相当のんびりゆったりした感じで、そこらへんは小生の旅の(あわただしいまでの)スタイルとはかなり違いますね。
文中に記事を補足する写真が挟み込まれ、村上さんが写っているショットも結構あります。久々に村上さんの写真をたっぷり見ることのできる本でもあります。
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