「富士ファミリー」:片桐はいりのおばあちゃん役が絶品
NHKで放映された新春スペシャルドラマ『富士ファミリー』を見ました。単発88分の、まあ軽い人情コメディーといったところ。脚本があの名作『すいか』の木皿泉だということで期待して見たのですが、それほどの傑作とは言えないものの、まずまず楽しませていただきました。
いくつかの心がちょっと波立つエピソードとか、ちょっとほっこりする話とかを紡いで織りなす佳作なのですが、老けメイクで75歳のお婆さんを演じる片桐はいりが、むしろ彼女が主役なのでは?と思うほど登場しますし、いいのです。老け作りで演じるおばあちゃん役ってことにおいて、その昔の樹木希林(当時は悠木千帆)さんを思わせるものがありました。今までの片桐はいりと較べても一番しっくり行っていたというか、これまでの彼女の女優歴はおばあちゃん役を演じるためにあったという感じさえしました。これからの彼女は、ユーモラスなおばあちゃん役で押し通してもいいんじゃないかと思ってしまった大江戸です。
薬師丸ひろ子と高橋克実のメイン・エピソードもいいのですが、脇筋の吉岡秀隆と仲里依紗も笑わせます。とりわけ仲さんが面白カワイイったらありゃしません。彼女は映画とTVの演技の落差が大きい(TVだとダメになる)人なのですが、今回は連続ドラマではないこともあり、小品の映画感覚でうまくいったようです。
あと朝ドラ『まれ』にも出演し、おととしの映画『ニシノユキヒコの愛と冒険』にも出ていた中村ゆりかが、そこらへんにいそうな可愛さを放っていて、ステキでした。若い頃の佐伯日菜子みたいな感じもちょっとありますね。
ふもとから見える大きな富士山がキレイで、正月にふさわしく気持ちの良いドラマでした。 でも、マツコロイドはいくらなんでも変化球過ぎたのではありませんかねえ・・・。
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