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2016年1月24日 (日)

「ザ・ウォーク」:ぞわっとし、手に汗握る緊張感

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映画『ザ・ウォーク』は、2009年日本公開のドキュメンタリー『マン・オン・ワイヤー』でも描かれていたフランス人ワイヤー・ウォーカーのフィリップ・プティが挑んだワールドトレードセンター・ツインタワー間の綱渡りの劇映画。ええ、もちろん3Dで観ましたとも。

『マン・オン・ワイヤー』の当ブログ記事はこちら↓

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2009/06/post.html

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ほんのちょっとでもミスをすれば死に直結する地上411m、命綱なしの狂ったチャレンジ。そのクライマックスに至る彼の人生と、このプロジェクトの入念な準備を描いていくあたりは『マン・オン・ワイヤー』とも共通しています。いちばんの違いは、『ザ・ウォーク』にはジョセフ・ゴードン=レヴィットがいるってこと。彼が軽やかに、そして狂気をにじませながら演じたことによって、この主人公フィリップに人間の命が吹き込まれました。いろんな感情を持ち、長所も短所もある彼への感情移入が可能になり、クライマックスではあたかも自分がロープを渡っているかのような一体感と恐怖を感じるようになるのです。

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それにしても建設中のWTCの屋上で展開されるスリリングな準備と、その後のウォーキング場面では、高所恐怖症ではない大江戸ですらぞわっとしたり、体をねじったり、緊張で手に汗を握っていました。VFXのクォリティと、エンターテインメントに徹した演出力は、さすがゼメキスなのです。

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(以降ネタバレあり) 一度渡り終えてホッとしたのも束の間。彼はふと戻りたくなって、今来た道を戻って行くのです。ここがキチ○イというか狂気の部分です。信じられません。結果はわかっているのに、ハラハラするったらありゃしません。ましてや、ロープ上でのパフォーマンスの数々ときたら! ここまで死の淵で遊んだ男は、何を得たのでしょうか。神を見たのでしょうか。見る私たちの胸にも(あきれることを通り越して)畏敬の念が押し寄せるのです。

どうでもいいけど、フィリップの彼女アニーの顔が栗原類くんに似ていたなあ。

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