「人生を面白くする 本物の教養」by出口治明
幻冬舎新書の『人生を面白くする 本物の教養』出口治明 を読みました。結構売れているようなのですが、いやー、面白かった!
著者はライフネット生命(株)の会長兼CEO。この人の話のわかりやすく明解なこと! はっきりした論旨を持ち、平明に誰にでもわかるような説明ができる--こういう人こそが、真の教養人なのだと痛感できます。出口氏はとにかく本をたくさん読み、そこから知識と知恵を広げています。その上で人と会い、旅に出ることで、教養に磨きをかけ、インターナショナルかつ実践的なものにしているようです。英語も大きな武器となっています。
冒頭に紹介されたココ・シャネルの言葉「私のような大学を出ていない年をとった無知な女でも、まだ道端に咲いている花の名前を一日に一つぐらいは覚えることができる。一つ名前を知れば、世界の謎が一つ解けたことになる。その分だけ人生と世界は単純になっていく。だからこそ、人生は楽しく、生きることは素晴らしい。」には唸りますね。これだけでもこの本を買って良かったと言いたいぐらいです。
「日本のリーダー層は勉強が足りない」という章における数々の例証にも「なるほどなあ」と瞠目させられ、感心&共感しました。著者が危惧するように、このままだと日本は本当にまずいことになってしまいます。逆に中国は大したものだということが、よくわかります。
「数字・ファクト・ロジックで考える」「常識を疑う」「行動をルール化する」など、どれもこれも合理的で実利的な氏の行動指針にも感心するばかりです。さらに時事問題への見解も、ことごとく正鵠を射ています。
「速読は百害あって一利なし」というのにも、わが意を得たりでした。また「連合王国(UK)が没落を運命づけられた国家だという事実を過不足なく認識させる」のがオックスフォード大学の教育方針だというのにも、驚きつつ畏敬の念を抱きました。
そんなこんなで、どの章もたまらなく面白いのです。もっと本を読んで、もっと勉強しなくちゃと思いました。モチベーションを上げてくれる本でもあるのです。
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