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2016年2月 3日 (水)

「サリンジャー」(角川書店)をようやく読了

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ようやくです。昨年8月に購入してから、半年近くかかってようやく読了したのがこちら。デイヴィッド・シールズ/シェーン・サレルノ著『サリンジャー』(角川書店・4,200円+税)。742ページ+αという分厚い本なので、その重量や鞄に入りにくいことから、持ち歩くのも大変なのです。だから、つい持ち歩くのを躊躇したりしましたし、それ以前にいろんな本や雑誌を「割り込み」で読んで、こいつはちびちびちびちびと呼んでいたので、あきれるほどの月日がかかってしまいました。でも裏を返せば、それだけ長持ちしたってことであり、日割りにするとコストも結構安い計算になるので、これはこれで良かったんじゃないでしょうか。

決定版的なサリンジャー伝なのですが、ほとんど全てが200人を超える人々へのインタビューで成り立っているということ(インタビューには9年以上かかったそうです!)。しかも、インタビューの断片を少しずつ組み合わせていく手法で、時系列に沿って詳細に彼の生涯を浮かび上がらせていきます。 これ実はアメリカでは同時進行的に制作されたドキュメンタリー映画になっているのだそうです(2013年公開)。観てみたいなあ。日本公開希望です!

小生は英文学科出身で、大学の卒論が『J.D.サリンジャーの作品におけるイノセンス』でしたので、卒業後もサリンジャーの名が出るたびに読んだり買ったりしていたのですが、ここまでの資料はかつてありませんでした。新発見や初めて聞く話も多かったですし、これがあると、今の学生は随分研究がやりやすくなったり密度が濃くなったりしそうですね(かえって大変なのかも知れませんが)。

ただ、全体的には彼の秘められたダークサイドも、かなり白日の下にさらされてしまっているので、かの「無垢なる聖人」が「堕ちた偶像」になってしまうことは覚悟しなければなりません。正直、かなり面倒くさい人ですし、人格的にも精神的にも問題の多い人だったことが、これまで以上にはっきりわかりました。

写真も豊富で、これまで見たことのないものが多数含まれていました。戦争従軍中の写真など貴重ですし驚きです。 本書で一番読み応えのある部分は、この戦時中のあれこれと、彼の女性(特に少女たち)関係でしょう。

そして最後の最後に書かれている、サリンジャーが隠遁中に書き続けた多くの作品がこれから死後出版されていくという情報! 本当なら凄いことです。なにしろ学生時代からそれらを読める日が来ることを願っていただけに、いよいよ本当にと思うと、うーん、感無量です(でも本当に読めるのかなあ・・・)。

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