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2016年2月24日 (水)

「マンガ肉と僕」:「砂の女」ならぬ「肉の女」

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映画『マンガ肉と僕』は、杉野希妃の初監督作品(と言っても、第2作の『欲動』の方が早く、昨年公開されているのですが)。うーむ、すごくフェミニズム的な政治性を持った作品ですね。まあプロデューサー、女優としての杉野さんのこれまでを見ても、きちんと意見を持って社会にコミットしていく姿勢は明らかでしたから、なるほどと納得できる作品ではありました。かなりシュールだけど。

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杉野自身が特殊メイクでマツコデラックス的な、と言うよりは「ナンシー関的な」女に変貌して骨付きのマンガ肉(園山俊二的な)にかぶりつく異様さ。何か見てはいけない物をみているような違和感を禁じ得ませんが、当然杉野監督の狙いも「女性にとって外見とは」という問いかけや問題意識に集中していきます。ちょっと男たちには刃を突きつけているようなところがあると思います。

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徳永えりのエピソードにおいても、さらに男を攻撃、糾弾するという感覚があります。ただかなりストレートなので、映画的にはうまくこなせていない感じを持ちました。たぶん、これを訴えていくためには、もっとコメディーにしていかないとしんどいように思います。どうしても重くなりがちですから(主人公の体重も重いし)。どうせ重いんだったら、今村昌平的な「重喜劇」とか・・・。

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結局「男はバカ」って結論に落ち着いて行って、つまり「男がバカだから、社会が良くならない」みたいな話になっていくわけです。そしてそういうバカ男には、三浦貴大が似合っちゃうんですよねえ。彼が出て来ると、多くの場合バカ男そのものですから(『桜並木の満開の下に』『繕い裁つ人』『ローリング』『進撃の巨人』など)。

それにこの主人公って、安部公房の『砂の女』ばりの蟻地獄的怪女ですよね。三浦貴大は自由に部屋から出て行けるのですが、精神的な虜として、また部屋に戻って女を養わざるを得ないのです。「砂の女」ならぬ「肉の女」。いっそタイトルも『マンガ肉と僕』より『肉の女』の方が良かったのに・・・。

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