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2016年3月 9日 (水)

「スティーブ・ジョブズ」:This is ゲスの極み男

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映画『スティーブ・ジョブズ』は、なかなかどうしてダニー・ボイルらしく時間をコントロールし、時間と戯れる作品。多くの人が指摘しているように、スティーブにとって重要だった3つの発表会の開始前に絞って彼の人生をあぶり出すという脚本構成がお見事です。 とは言え、それが成り立ったのも2013年の同名映画『スティーブ・ジョブズ』があったればこそ。あの映画でスティーブの人となりが、その生涯の概略がつかめたおかげで、この作品にすんなりと入れました。あの映画なり本なりでジョブズのことを知っていないと、いきなりこの作品観ても「??」って部分が多いと思います。

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オープニングでアーサー・C・クラークが出て来て、コンピューターの未来みたいな話をするのですが、うーん、やっぱりクラーク凄い!と感心しました。現代のITをしっかりと予言できています。「『2001年宇宙の旅』を手掛けたけど・・・」というような言葉もあるのですが、本作の映像って、結構キューブリックっぽいんですよ。映像がソリッドにキマッていて、構図や色調も見事で、シンメトリカルな絵も多くって、無機質感も妙に出ていて・・・。大江戸はこういう映像が大好物なので、かなり感銘を受けました。そんな絵とクラシック音楽がからみあうあたりも、まさにキューブリック感覚でしたし。

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それにしてもスティーブってば、ゲスの極み男ですねー。俺様で、他人は虫ケラで、自分は攻撃されるのを嫌がるくせに他人のことは攻撃しまくるし、恩義や信頼関係など屁とも思っていないし・・・。いやー、こんな人とは仕事したくないっていうか、近寄りたくないですね。娘から嫌われるのも当然です。 でも生き馬の目を抜く世界でトップに立つような人って、これぐらい周囲を振り回す傲慢なジャイアンが多いんですよね。

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(以降ネタバレあり) それなのに、ラストはいかにもハリウッド流に父娘の和解っぽく、甘く流れましたね。そこがちょっとムムムです。

でも作品としては実によく出来ていて、ここ10年ほどのダニー・ボイルの円熟を示す高クォリティの映画となっています。演出の冴えを実感できるのです。編集もキレがいいですねえ。

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