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2016年3月31日 (木)

「シェル・コレクター」:気取り過ぎてませんか?

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映画『シェル・コレクター』は、ちょっと気取り過ぎじゃありませんかねえ。いかにも「アーティスティックなフィルム作りましたが、何か?」って感じが、ちょっと鼻につきます。 寓意いっぱい、メタファーいっぱいといった作為も、うーん、どうなんでしょ? 思わせぶり過ぎて、「だから、何?」と返したくもなります。消化不良なんじゃないの?

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リリーさんがかなり素晴らしいのですが、今や「これぐらいの好演は当然」とみなされる程レベルの高い役者になってしまいました。10年前にはご本人も想像できなかったでしょうね、日本トップレベルの性格俳優になっているなんて。リリーさんは、声がいいんですよねー。

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それにしても貝毒はこわいですねー。で、このイモガイって、『リップヴァンウィンクルの花嫁』においても重要な役割を果たしてますよね。不思議な偶然。サトイモっぽいからイモガイって言うらしいんですけど、これ、むしろカメっぽいですよね。テアトル新宿のロビーには、左のようなイモガイの標本が展示してありました。くわばらくわばら。

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そしてテアトル新宿名物の衣装展示。左から橋本愛、池松壮亮、寺島しのぶ、リリー・フランキーの衣装です。リリーさんって、小柄に見えるけど実は174cmあるんですってね。びっくりです。

撮影監督は名手・芦澤明子(『わが母の記』『岸辺の旅』『さようなら』など)ですが、この人ならもっとできる気がしました。絵にもっと力が欲しかったです。

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2016年3月29日 (火)

日本、シリアに5-0の爆勝!

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埼玉スタジアムで、ワールドカップ・アジア二次予選の最終戦 日本vs.シリアを見ました。先日のアフガニスタン戦では空席が目立ったと話題になっていましたが、今日は5万7千人台の大入り。で、満員の観客も大満足の5対0で完勝、いや爆勝しました。

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試合は終始危なげなく日本ペース。でも前半は、(いつも通り)チャンスの山を作りながらも決めきれず、シリアのオウンゴールによる1点のみ。 けれど後半のゴールラッシュで大勝って、アフガニスタン戦と同じですね。

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香川も2つの得点シーン以外は、あまり役に立っていなかったのですが、今日は決めるとこ決めてくれました。特に1点目は反転からの見事なボレーシュート! うまさを見せつけてくれました。香川、本田のアベック弾も見られたし、岡崎の代表100試合目(キャプテンマーク巻いてました)だし、日本がグループ1位で最終予選に進めたし、いやー、今日は入場料のもとが十分取れました。

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大江戸は、メイン側アッパースタンドの天井桟敷で見てたのですが、香川の2発、本田、原口と、目の前、いや目の下で見られて、満足でした(ハリルホジッチがラインを割ったボールに大きく足を上げて止めようとしたけど届かなかったシーンも!)。写真とは違って、かなり近くで見えるんですよ。

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相手との接触プレーで途中退場となった山口蛍が心配ですが、2次予選を無失点で切り抜けたというのは立派です。この調子をキープしてアジア最終予選も、きっちり勝ち抜いていただきたいものです。

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代表戦に行くと必ずもらえるプレゼント、今日のはミニ・トートバッグでした。うーん、女子のお弁当箱ぐらいのサイズなので、なかなか使いみちがないなあ・・・。

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2016年3月28日 (月)

LS北見、世界2位の偉業達成!

世界女子カーリング選手権、決勝で日本がスイスに敗れ、銀メダル(世界選手権、オリンピックを通じて初のメダル!)。残念とは思いません。出来すぎでした。胸張って帰国できる準優勝です。

今大会はほとんど見ていなかったんですけど、 今日の試合を見る限りではLS(ロコソラーレ)北見、ミスしませんねー。抜群の精度で、緻密なカーリングをやってました。さすがに7エンド以降は、疲れからかミスが出ていましたけど。考えてみれば、日本-スイスの決勝ってのも、精密機械で知られる両国だけに、その精密な国民性がカーリングに合ってるんだろうなって気がいたしました。

見なかったことの一因には、スキップ藤沢の顔がけっこう苦手なタイプだってこともあるのですが、まあ実力ありますよね。でも今日の9エンド、10エンドは、「勝てるかも」がちらついたためか、正確なコントロールが狂ってしまいましたけど・・・。 試合後には泣いてましたけど、まだ24歳。これを糧に、まだまだ伸びてくれることでしょう。

出産後ということで、リザーヴに回った本橋麻里さん。ロコソラーレ=本橋というイメージなだけに、小生としても実に残念だったのですが、その彼女がが試合後のインタビューを受けてました。いやー、美しく立派な言葉がよどみなく出て来て、彼女の真摯な姿勢と凛とした生き方までが感じられるような見事な応答でした。トリノ五輪でおどけて耳を引っ張ってた、あのマリリンとは思えないほど成長した姿でしたね。感慨深いです。

一度でも日本がこれだけのことを成し遂げたというのは、今後いろんな面で効いてきます。ピョンチャン五輪に向けて、そしてその先へと、LS北見および日本カーリング界の成功と発展を祈念いたしまして、私からのお祝いの言葉とさせていただきます。←式典??

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2016年3月27日 (日)

「リップヴァンウィンクルの花嫁」:まさに岩井俊二的傑作

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『リップヴァンウィンクルの花嫁』は、岩井俊二が国内で撮った長編実写映画としては、『花とアリス』以来12年ぶりなんですと! で、久々の岩井俊二は、やっぱり岩井俊二でした。篠田昇撮影監督が亡くなっても、あの独特の清潔な映像は健在でした(本作の撮影=神戸千木)。ああ、脂の乗り切った年代の岩井俊二が「かくも長き不在」だったことは、日本映画界にとって大きな損失でした。

それにしてもこれ、冒頭に東映マークが出るんですよ! そのミスマッチ(ユーロスペースで鑑賞したので、ますますもってミスマッチ!)たるや。

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上映時間3時間! でも全く飽きませんし、素敵な3時間です。まぎれもない傑作です。気持ちの良い映像を観ながら、黒木華の受難と成長を目で追っていることが、そのか弱い声を聞いていることがなぜか至福だという、近来稀な映画体験ができるのです。

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『リリィ・シュシュのすべて』『花とアリス』で蒼井優を使った岩井俊二が、空白期間を挟んで主役に据えたのが、蒼井と同系統の顔である黒木だというのが興味深いですね。実際、黒木とCoccoが楽しく交流するシーンは、あたかも『花とアリス』の蒼井と鈴木杏の大人バージョンのようでした。 でも黒木華って、昨年の3作品(『幕が上がる』『ソロモンの偽証』『母と暮せば』)といい本作といい、先生役ばっかりですね。似合うけど。

一方で、綾野剛の正体不明の影をはらんだ軽みも、見事でした。 そして、終盤に場面をかっさらう りりィ!(まさに「りりィのすべて」か? いや、岩井作品だから「シュシュ」が入るか?) 本年度助演女優賞の有力候補でしょう。

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それはそうと重要なカギとなる毒貝が、『シェル・コレクター』で目にしたばかりだったイモガイだというのは、どういう偶然なんでしょうか?

結局、迷宮をさまよった少女(というよりは、「若い女性」なのでしょうが)の成長物語になっているところが、いかにも岩井さんです。

エンドロール冒頭のイメージカットで、紙製の「角つき角隠し」みたいなものをかぶっている華さんも、なんだかわからないけどサイコーでした(あれ、「ねこかんむり」って言って、グッズも出ているみたいですね。びっくり)。

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帰りにユーロスペースの入口上部の壁面に、大きな大きな看板が入っているのに、これまたびっくり(あのロケーションで効果あるのかしらん?)。その右下には、岩井監督、黒木さん、Coccoさんのサインが入っていました。

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2016年3月26日 (土)

佐野元春35周年ライブ@東京国際フォーラム

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「佐野元春35周年アニバーサリー・コンサートツアー」も今日明日でファイナル。有楽町の東京国際フォーラム・ホールAに行って来ました。

さすがアニバーサリーだけに、な、なんと3時間半近くに及ぶビッグ・コンサートでした。古い曲から新しい曲まで、たっぷりとあれこれ堪能できました。今日はカメラも入ってました。

佐野元春& THE COYOTE GRAND ROCHESTRA BAND ってことで、いつものザ・コヨーテバンド+αの10人編成(佐野を含む)。もともとポール・マッカートニーが始めたロケストラだとすべての楽器が複数名って感じですけど、こちらはそこまでの厚みはありませんでした。でもツイン・ギターをはじめ、見事なミュージシャンが揃ってまして、レベル高いっす。一番不安定なのは、佐野さんのボーカルだ(笑)ってのは、まあいつも通りのご愛嬌。でもあのボーカルは、それを補って余りあるものだってのは、言うまでもありません。

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ステージの造作はいつもながらシンプル。今回はそこに照明で、表情と華やかさを加えておりました。 長丁場になることがわかっているので、スローな曲になると観客を気遣って手で「座って、座って」と着席を促していた佐野さん、ちょっと笑えました。

『シュガータイム』とか『ジュジュ』とか『ボヘミアン・グレイブヤード』とか、珍しいんだけど最近よくやってくれる曲がやはり素敵でうれしかったですね。『バルセロナの夜』はライブで聴いたこと無かったかも、って感じで、ひたすら美しかったです。『グッドバイからはじめよう』も初めてナマで聴いたかもってぐらい珍しいのでは?

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2回のアンコール。最後は定番の『悲しきRadio』で終わりました。 今回はご本人もMCで言っていたように、「できるだけレコード(CD)の原曲に忠実」な演奏だったので、よけいノリやすかったですね(例外はハードロック・アレンジの『君をさがしている』のみ)。

アンコールで降ってきたのはこんな風船。ゲットしたので、とりあえず空気抜いて持ち帰りました。

佐野さんがデビューした’80年頃の常識としては、ロックのアーティストが30代後半を過ぎて活躍しているなんてありえませんでした。思えばロックが成熟した時代になったものですね。ファンがアーティストと並走して、共に年を重ねる。佐野さんもMCで言っていたように、それは35年前には想像もできなかった「奇跡」なのです。

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2016年3月25日 (金)

「マジカル・ガール」:奇妙な味の純愛映画?

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映画『マジカル・ガール』は不思議な作品。ジャンルが何なのやら、どう展開するのやら、どう着地するのやら、まったく読めません。シリアスなのかコメディなのか、サスペンスなのかホラーなのか、犯罪映画なのか恋愛映画なのか・・・そんなことすらわからないほどに、予測を裏切りながら進んで行くのです。うーん、「奇妙な味」です。

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関係のない者たち同士が、ある偶然から結びついて、予想外の方向に転がって行くっていうストーリーに関しては、コーエン兄弟とかがやりそうです。でも、人間の闇を宿した奇妙な展開にはデイヴィッド・リンチを連想しますし、オフビートな不条理にはルイス・ブニュエルを、オタクっぽさにはクェンティン・タランティーノを思ったりもしちゃうのです。

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この人間界、片方がハッピーになれば片方がアンハッピーに沈む・・・と、なかなかみんなオッケーな状態にはならないものですね。そういったあれこれを物語るにあたって、この監督は「皆まで言うな」とばかりに、描きません。直截に描写せずに、観客の想像力をフル動員させる手法。「余白」が大きな可能性を生んでいるのです。

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(以降ややネタバレあり) それにしてもラストは不思議な感動を湛えています。何十年の時を越えたオープニングとラスト・シーンの呼応。時を貫く愛。もしかしたら究極の純愛映画かもと思わせるものがあります(かなりトリッキーな意匠ですが)。いずれにせよ、この「奇妙な味」は捨てがたいものがあります。印象的な「顔面包帯映画」としても、『透明人間』『他人の顔』『殺し屋1』などと並ぶものがありました。

劇場デビュー作だというカルロス・ベルムト監督。ユニークな個性です。この名前は覚えておくべきでしょう。

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2016年3月24日 (木)

サッカー日本代表、予定通りアフガンに完勝

サッカーW杯アジア2次予選、日本vs.アフガニスタン@埼玉スタジアムをTV観戦。まあ順当に5-0の勝利でしたが、1点目が入ったのが43分。それまでは「またか」という感じに、チャンスの山を築きながらも得点できないって展開でした。

その1点目、岡崎のシュート技術も確かに素晴らしかったけど、清武のパスも絶妙でしたよ。2点目も清武の反応もシュートも良かったですし、今日は清武の日。とにかく気の利いたプレー、センスの良いプレーのオンパレードでした。はっきり言ってこの1~2年、香川よりもずっと頼りになってます。

抜擢された選手の中では、積極的過ぎるほど積極的だった金崎がちょっと笑えました。まあ好調な感じはありましたけど。あげくにあの体ごとのシュートですもん。 柏木はあまり機能せず。原口も今一つ。GK東口はさすがに見せ場がなかったですね。 交代でハーフナーや小林悠を使うこともできたし、今日はいろんな選手を試しながら完勝できて、予定通りだったことでしょう。ま、相手がアフガニスタンですから、当然なんですけど。

次のシリア戦はこううまくはまいりません。てなわけで、大江戸は応援に行く予定です。スカッと勝って、アジア最終予選に駒を進めましょう。

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2016年3月23日 (水)

「家族はつらいよ」:笑いのツボがはずれてて

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映画『家族はつらいよ』は、山田洋次監督の『東京家族』の人物設定を借りたコメディ。珍しい創作パターンです。確かにこの8人(+風吹ジュンや小林稔二)の個性のばらつき具合はなかなか良くって、同メンバーでもう1作と思った気持ちは理解できます。でも、その仕上がりはねえ・・・。 横尾忠則によるタイトルデザインのように、狙ってハズしちゃったような気が・・・。

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コメディって、年取った人が作ると、なんか笑いのツボがずれちゃって、古めかしく感じられたり、イタくなったりしちゃうんですよねー。それはまあ一般論ですが、さしもの山田洋次と言えども寄る年波には勝てなかったような気がいたします。この程度でいいんですかい?って感じ。老いも若きもやたらと滑ったり転んだりして、それで笑いを取ろうってのはどうなんでしょ?  まあそれでも、この時代にこんなトラディショナルな松竹喜劇映画が観られるってだけでも、貴重と言えるのかも知れませんね。

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それはそうと『東京家族』の老父=笠智衆を離れて、本作の橋爪功さんは随分と性格変わっちゃいましたねえ。あの枯れて淡々とした良い父親から、日本オトコの悪い面のカリカチュアみたいに変貌してしまいました。他のメンバーは、そこまで変わらないんんですけどね。

妻夫木聡の古風な好青年、こういう人を見られるってのが、山田洋次作品ならでは。こういう人を見て「ケッ」って思う人もいるかも知れませんが、大江戸は好きですね、こういう人。

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それを言ったら、蒼井優の役だって同じことですね。山田洋次以外の人がこんなキャラクターを描いたら、リアルじゃないと非難ごうごうでしょう。でもスクリーンでこういう人を観るのって、良いではありませんか。大江戸は良いと思います。真面目ないい人、バンザイ。

結末はなんだか腰砕けで、うやむやに甘い感じです。そこは残念ですね。 あと、作中に『東京家族』のポスターが壁に貼ってあるシーンがありましたが、それはないでしょ。本作の登場人物とポスターの人物の顔がもろに同じなんですから。ほかにも『男はつらいよ』や『東京物語』へのオマージュというか言及がトゥー・マッチでした。山田監督にストップをかける人がいないってことが、不幸なんでしょうね。たぶん。

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2016年3月22日 (火)

渋谷にて:マック赤坂やらラグビーボールやらラテやら

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昨日、渋谷にて×3題。

ハチ公前にマック! 

久々に見たな、生マック。

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夏の選挙に備えているのかしらん? 何と言っても、スマイル党総裁ですからね、マック赤坂さん。 

いつも通りのスローな踊りでした。ブレない人です。

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2つ目は、パルコPART1前に「なんだこりゃー!」の落下物? めりこんでます。黄色い「CAUTION」テープが張り巡らされてます。

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これはラグビーボールのようですね。で

かいです。

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どうもアサヒビールが五郎丸歩選手をCMに起用して新発売するビールの宣伝プロモーションの一環のようですね。五郎丸が渋谷のどこかから蹴り込んだボールという設定のようでした。

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そして3つ目は、「大人のマルイ」こと公園通り入口の「渋谷MODI」の上層階にあるカフェ『STREAMER ESPRESSO』。

しゃれた本屋の中にある、しゃれた、でもちっぽけなお店です。

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「ストリーマーラテ」が、濃厚で美味です。いや、実においしい。ブルーボトルよりもうまいかも。

ラテアートもご覧の通り、お見事です。

その上、カップの底の方に手書きでメッセージを添えてくれるのです。こんなことされたら、また来たくなっちゃいますよねー。この商売上手ぅ!

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2016年3月21日 (月)

「リリーのすべて」:真っ正直のつまらなさ

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映画『リリーのすべて』は、今から80年以上も前の実話だということに驚いてしまいますが、トランスジェンダーの物語ということにプラスして、何があろうとも変わらぬ「愛」の物語でもあります。でも小生は、そんなにノレなかったですねえ。

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エディ・レッドメインが演じるリリーが、さほど美人ではないというか、やはり女装顔の範疇に留まっていて、背も高いし、あれでパーティーとかで人の目に触れたら、絶対男って思われますよねえ。声も低いし。本物はどうだったのか、気になります。

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ストーリーは直線的で、性別違和に目覚めた主人公が心も体も女性に変わって(変えて)いくまでを、ひたすらぐいぐいと前進していきます。そこになんだか芸がないというか、主人公や妻も苦悩しているんですけど、あまり迫って来ません。実話だけに、脚色が自由にならない部分もあったのでしょうけれど、映画としてのドラマを盛り上げていく作業が足りないように感じました。真っ正直のつまらなさというか・・・。

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1930年前後のヨーロッパを表したセットの美術をはじめ、ロケ地や衣装もレベル高かったです。 演技だって、各賞に輝く二人の熱演は疑いのないところ。それだけに、物語に映画的工夫が足りなかったのが惜しまれるのです。

それにしても、この邦題を聞くと「リリー・フランキーさんのドキュメンタリー?」なんて思ってしまう大江戸はヘンなのでしょうか?

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2016年3月20日 (日)

湘南、いいとこなく浦和に完敗

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Jリーグ第4節、湘南ベルマーレvs.浦和レッズ戦をBMWスタジアムで見ました。天気予報に反してやけに肌寒かったし、途中から雨も降ってきて、参りました。でも天候以上に試合内容が寒かったので、トホホな観戦となりました。

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まあ、それでもスタジアムに入ると自動的にビールという決まりにはなっているのすが・・・。

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遠藤航、まだ赤いユニフォーム似合ってないなあ、と我々としては思います。スターティングメンバーの発表時には、拍手とブーイングが半々という感じでした。心優しいベルサポは、たいていの場合あたたかい拍手のみなのですが(今日も石原直樹には拍手だけでした)、航に関しては複雑な思いがあるんですねえ、みんな。

Dsc_2824_convert_20160320225945開始5分ぐらいは、いつものように激しく元気よくプレスをかけてレッズを押し込む展開もあったのですが、そこから後は完全に試合を支配されました。しかも時間が経てば経つほど「歯が立たない」感が強くなっていきます。シュートを打つことさえ、なかなかままならなくって・・・。

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言っても栓ないことですが、相手には李とか興梠とか、チャンスを逃さずにきっちり決める選手がいますからねえ。そもそも先発メンバーがほぼ日本代表経験者。代表経験がないのって、関根と宇賀神だけではないでしょうか(しかも関根もU-23代表ですし、宇賀神は入力ミスで代表メンバーリストに載ったことがありました)。 

こういう試合って、ゴルフのようなハンディキャップが欲しくなりますね。ベルマーレは12人で戦っていいとか、1-0状態からスタートするとか・・・。

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0-2という点差以上の、厳しい完敗という印象でした。なんか昨年のレッズとの2試合には見えていた「希望」が見えなくて・・・。 あ、でも86分に投入された青森山田高校卒のルーキー神谷優太(デビュー戦)が積極的なプレーでシュートも放ちながらゴールに向かっていたのが、未来への希望です。

しかし、満員の14,419名のお客さんの前でこの試合はちょっときついなあ。シュートも4本だけ。打てる場面でも(確実性を狙ってか)回してましたけど、もっとシュート打とうよ。

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2016年3月19日 (土)

「セーラー服と機関銃 卒業」:環奈ちゃんに華はあるけれど・・・

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映画『セーラー服と機関銃 卒業』は、角川映画の40周年記念作品の一つですが、結構地味な公開規模。まあ今の時代で、橋本環奈のアイドル映画っていうことでは、この程度なんでしょうかね。

前作から(なんと!)35年ってことで、設定やストーリーにはだいぶ改変が加えられています。ただ根本のところで、「なんで彼女が組を継ぐの?」ってところが納得できないんすけど。

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篇中でも言われてましたけど、橋本環奈って(背が)小さいですねえ。思わず調べちゃいました。152cmですって。あのチビッコに見える深津絵里さんだって156㎝あるというのに。小さくて童顔で、高校生に見えません。むしろ子役時代の安達祐実にどんどん似てきてるような気がします。なのに声は結構ハスキーで、可憐ではないというアンバランスさ。しかしやっぱり「1000年に一人」かどうかは別として、なかなかの逸材。堂々たるスター性、つまり「華」があるのです。

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でもこうしてみると、角川春樹さんって偉かったですね。相米慎二監督+田中陽造脚本って、トップアイドルの東映系正月映画で、よくぞそんなチャレンジングなことをしておりました。コンテンツではなく、「映画」を創ろうとしてました。当時の角川映画ってのは、おしなべてそんな感じでしたね。 

本作では無難に前田弘二監督で、まあ当世のアイドル映画だから、こんなもんでしょって出来。映画ならではの味とか情感なんてものは、立ち上って来やしません。冒頭からヒロインにブリッジしながら懐メロ歌わせたり、新宿の路上でセーラー服のスカートをマリリン・モンローにさせたりみたいなムチャは、しておりません(まあ、今ああいうことやると、色々大変でしょうけれど)。

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長谷川博己はやはり「昭和の俳優」っぽさを出してハマっておりました。彼に本格的なインテリやくざを演じさせたいですね。 武田鉄矢も危惧したほどクサくなかったので何より。

(以降少々ネタバレあり) エンドタイトル後の環奈ちゃんのゆかた姿と「カイ カン」は、ただのサービスカットだったので、なんかバカにされてるような、もったいない使い方でした。

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2016年3月18日 (金)

「ロブスター」:自由過ぎる不条理

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映画『ロブスター』は、怪作『籠の中の乙女』のギリシャ人監督(ヨルゴス・ランティモス)による新作。今度も相当ヘンです。いや、最上級にヘンです。ヘンなもの好きの大江戸にとっても気になるところでしたが、うーん、ヘンだけどメチャクチャ過ぎると言うか、押さえるところ押さえてないというか、面白味は薄いですねえ。

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前半はいいんですよ。「ザ・奇想SF」ってところで。ぶっ飛んだ不条理な設定で、「いいぞ、もっとやれ。」って感じ。まあその各種設定をきっちり説明してはくれないので、観る方としては「たぶんこういうことなんだろう」と想像しながら進んでいくしかないのです。ただ「?」マークが頭の中に残ることもあり、なんだかもどかしいのです。

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そして中盤以降は「自由」すぎて、もうナンダカワカラナイ状態に突入していきます。ほとんど不条理な夢にも似た展開。観ていて置いてけぼりになっては、周回遅れで追っかけた感じです。 ラストはなぜか『春琴抄』的な世界だし。 結局、『ゴジラ・エビラ・モスラ 南海の大決闘』『えびボクサー』に並ぶ「エビ映画」とならなかったのが、かえすがえすも残念です。

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意外に充実したキャストなのでびっくりしたのですが、前情報なしで観たのでコリン・ファレルに最後まで気づきませんでした。なんか(ブラッド・ピット+そこらのおっさん)÷2 かと思っていたら、いやーコリンさん、あの「濃い」テイストを完全に消し去っていましたね。だらしなくデブってたし。オーラ=ゼロだし。

新宿シネマカリテで観たのですが、シネカリ名物の水槽には当然のごとくロブスター・・・かと思いきや、伊勢海老が入っていたのでありました! 上映期間が終わったら、スタッフがゆでて食べちゃうのかなあ・・・。ちょっと気になります。

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2016年3月17日 (木)

エビスwithロブション×2

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エビスwithジョエル・ロブションの限定醸造ビール。まずは赤い缶の『華やぎの時間』。

お味は確かに華やいでリッチな風味。強くて、豊かで、キレが良い。

缶のデザインもいい感じにステキです。入れ込む要素がバカみたいにたくさんあるのに、うまいこと処理してます。

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ジョエル・ロブションとのコラボ、もう一つは『余韻の時間』。

紫缶が珍しくて、やけにカッコイイです。いい色です。

ただこちらはやけに香り高いのです、柑橘系のニュアンスもあって。ここまでクセが強いと、大江戸的にはちょっとムムムって感じです。食べ物も合うものと合わないものがあるでしょうし。

まあ、リピートするとしたら赤の方でしょうね。 とは言え、やはりゴールドの方がテッパンなのであります。

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2016年3月16日 (水)

東京大江戸化計画28

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有楽町・東京国際フォーラムにて

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新聞の書籍広告ふたつ

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2016年3月15日 (火)

「ちはやふる 上の句」:「下の句」への期待大

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映画『ちはやふる 上の句』を試写会で観ました。2作に分けた公開形態ですが、普通に「前篇/後篇」じゃなくって、「上の句/下の句」ってあたりのセンスが実に素敵ですね。 いわゆる『がんばれ!ベアーズ』型のダメ軍団の奮闘サクセス・ストーリー。努力あり苦悩あり恋愛あり栄光ありの王道ストーリーです。

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ある程度知ってはいましたが、競技かるたの激しさ、迫力に圧倒されます。小学生の時に落語の『千早振る』からこの句を知った大江戸としても、びっくりです。まさにアスリートの戦いなのです。広瀬すずちゃんも上白石萌音も凄い顔して札を飛ばしてますもんね。凄い顔といえば、すずちゃんの白目昏睡顔もマンガの絵が思い浮かぶ感じで、笑えました。

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娯楽映画としては及第点でしょうか。ちょっとテレビ的(通俗的)ではありあますが、要所要所を押さえていて、そこそこ楽しめます。

広瀬すずが魅力的なキャラとして(ショットによっては、シュッとした土屋太鳳みたいでしたけど)立っていることで、まずは合格なのです。男たちはイマイチでも、まあいいんです。

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最後に「下の句」の映像が予告的に付くのですが、ちょっとだけ出て来る松岡茉優がえらく気になるというか、オーラを放って魅力的なのです。彼女もあっという間に名優の領域に近づいてきましたね。てなわけで、「下の句」は絶対に観ないとねって気持ちになりました。『寄生獣』『ソロモンの偽証』『進撃の巨人』など、前後篇2部作の公開(しかも後篇が失速するパターン)を良しとしない大江戸ですが、これはオッケーです。話の展開的にもたぶん後篇の方が盛り上がって面白くなるはずなのです。

終盤の試合場面におけるすずちゃんの着物が和ポップにかわいかったですね。そしてオープニングとエンディングのタイトルバックもカラフルに和ポップで、イケてました。

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2016年3月14日 (月)

「女が眠る時」:ちょっと気取り過ぎでは?

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『女が眠る時』は、ウェイン・ワン監督作品だけど電通&C.A.L製作で、日本(伊豆)が舞台の日本映画。良くこの映画が東映系のメイン番組として公開されたよなあって感じにびっくりぽんなアート作品です。まあビートたけし×西島秀俊っていう保険は掛けてあるわけですが。

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いくらアート系とは言え、今日びここまで気取らなくってもいいのに、って感じ。『スモーク』『ブルー・イン・ザ・フェイス』『ジョイ・ラック・クラブ』など、ウェイン・ワンって平明に人生の機微を描いていた人なのに。まあ人間は変わっていくものですけどね。

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(以降ややネタバレあり) あえて限定的な解釈を避けたような曖昧な、多義的な作り。その最たるものがラストのたけしの微妙な笑顔。当然『戦場のメリークリスマス』を連想するわけですが、本作には『戦メリ』のイノセンスは無く、もっと複雑かつ空虚な微笑み。

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まあ終始タナトスが、画面に充満しておりました。そんな映画です。 でも西島があわててベッドの下に隠れる場面の呼吸などは実にコメディ的で、ちょっと笑ってしまいました。

それはそうと、たけしと西島の役名が「佐原」と「健二」。佐原健二って・・・ウェイン・ワン監督、東宝の特撮映画がお好きなのかしらん?

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2016年3月13日 (日)

「ヘイトフル・エイト」:好きな人は好きなんでしょうが・・・

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映画『ヘイトフル・エイト』は、タランティーノらしさたっぷりの西部劇。だけど、序盤はほぼ馬車の内外、それ以降は洋品店(ってことだけど、キャンディ程度しか置いてなくて、全然洋品店じゃないじゃん!)だけで展開される「密室ドラマ」なので、かなり舞台劇的な雰囲気です。

(以降ネタバレあり) それにしても宣伝では犯人探しの本格密室ミステリーみたいに言ってますけど、そうじゃないじゃん! ま、あくまでも饒舌であくまでもヴァイオレントなタランティーノ映画なのですけど(168分という“長さ”も含めて)。

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そもそも「エイト」って何?(まあタランティーノの8作目だそうですが) 9人いるじゃん! まるで「名古屋グランパスエイト」という正式チーム名のようです。サッカーなのにエイトって・・・(まあ名古屋市の市章が丸に八の字だし、末広がりだしっていうんでエイトがついてるそうですが)。あ、関係ない?

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相変わらずアクの強い悪人たちがあーだこーだくっちゃべるし、冗談みたいに血がドバっと出たり、頭が吹っ飛んだりしてますし、突然時間が前に戻るし・・・と、タランティーノ節炸裂です。ファンにとってはたまらないのでしょうけれど、特に思い入れのない大江戸にとっては、ちょっと長過ぎる168分なのでありました(まあタラの多くの作品で感じることなのですけど)。

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冒頭に流れるエンニオ・モリコーネの大仰で「いかにも」なスコアが、もうタランティーノ大喜びだったことでしょうってぐらいドンピシャ。モリコーネって、まだ生きてたんですねっていうか、しっかり現役だったんですね(今、87歳ですと)。しかもこの作品でアカデミー作曲賞受賞! まあ功労賞的色合いが濃いとは思いますが・・・。

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2016年3月12日 (土)

ハーゲンダッツの期間限定品+α

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ハーゲンダッツの期間限定商品「ローズヒップ&ラズベリー」です。うむ、香水のような芳香剤のようなローズヒップが香ります。ベースとなっているバニラアイスと甘酸っぱいラズベリーの相性も鉄板ですし、まあ間違いのない商品でございます(でも特にローズヒップはいらないんですけど)。

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同シリーズの「ラベンダー&ブルーベリー」。うむ、香水のような芳香剤の(以下省略)。こちらも上出来のブルーベリーアイスです(やっぱりラベンダーはなくてもいいんですけど)。

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で、ハーゲンダッツで心底おいしかったのはこちら。「クリスピー・サンドの「ショコラベリー」。実はしばらく前、正月頃に食べた期間限定品ですが、うまいのなんの! やっぱりチョコとベリーの相性の良さは最高なので、それをハーゲンダッツが手掛けてくれたとなれば、もう最強です。甘くて酸っぱくて上質チョコ感たっぷりでクリスピーで、ああ至福。

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でも同系統でも、こちらは今一つ(お値段が違うから、ほんとは較べちゃいけないんでしょうけど)。ロッテの『ザクリッチ』。「濃厚ストロベリー&ベルギーチョコ」です。うーん、なんだか頼りない感じ。濃厚って言うほど濃厚じゃないし、ロッテってチョコが得意じゃないし。残念なことに、ストロベリーとチョコがハーモニーを奏でていないのでありました。

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2016年3月11日 (金)

「エターナル チカマツ」:やはり素敵なふかっちゃん

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渋谷Bunkamuraのシアター・コクーンで、『エターナル チカマツ』を観ました。近松の『心中天網島』にインスパイアされた作・谷賢一、演出・でデヴィッド・ルヴォーの芝居。深津絵里、中村七之助の共演です。やっぱり年に一度ぐらいはふかっちゃんの芝居を見ないとね。

映像の定式幕が開かれると、リーマン・ショックのニュース映像からという意表を突いたオープニング。そこに現れる娼婦役の深津さんから始まるドラマです。ここで、甘ったるいぶりっ子声を出すあたり、声の魅力のふかっちゃんの本領ですね。

そして時空を超越して登場する七之助さんは最終盤まで女形の芝居で女形の発声。さすがです。 他には中嶋しゅうさんが堂々たる芝居でしたねえ(この人、映画『日本のいちばん長い日』の東条英機役で括目しました)。

とにかく舞台演出が見事で、舞台装置の使い方だとか、照明の効果なども含めて「演劇の力」を感じさせるもんでした。とりわけ、第1幕の最後、心中の場面は黒い背景が真っ赤に転換して、そこに花びらが舞い降るという、歌舞伎的というか鈴木清順的というか、鮮烈なクライマックスがあり、ここには胸打ち震えました。鮮やかな演出に感動しました。ここに限らず、「赤」が効いてました。

現代の部分を含め、近松的な良さをたっぷり出した前半に較べると、後半は今一つだったかなあ。伊藤歩の関西弁が不安定なイントネーションだったし。ラストも、いいんだけど、まあ無難にまとめましたって感じだったし。 でも、全体を通して舞台の魅力をしっかり見せてくれる上等の出来でした。 

いつもながらカーテンコールで、ステージを演じ切った充実感を湛えた真摯な顔つきで上体をぐっと折り曲げてご挨拶する(ちびっこの)深津絵里さんは素敵でした。先ごろ『キネマ旬報』の主演女優賞に輝いたように、今、脂が乗り切った名女優なのです。

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2016年3月10日 (木)

サッカー女子代表、なんとか3位に

昨日の試合ですが、リオ五輪アジア最終予選のラスト・マッチ日本vs.北朝鮮を録画で見ました。後半35分、宮間→岩渕のゴールで1-0の勝利。5試合を2勝2敗1分けで終え、なんとか6チーム中3位にはなりました。なんとかギリギリ面目を保ち、今後へつなげるための重要な勝利でした。

雨でバシャバシャと水しぶきの上がるグラウンド・コンディションでしたが、みんな走ってスライディングしてパスも回して、かなり「なでしこ」らしいサッカーができていました。大会終盤でようやく「らしく」なってくるのも今までと同じなんですけど、これまでは悪くても運が味方して勝ってましたからねえ。

この試合でもまた中島依美がスゴイ運動量とゴールへの積極性で、圧倒的でした。なぜ昨年のW杯選考時に調子を落としていたのか、・・・残念です。 また大江戸がまったく信用してないGK山根も、比較的安定しておりました。でもやはり危なっかしい場面はありましたけどね。

さてさて、これから私たちにできることは、できだけ「なでしこリーグ」を応援してあげることと、新しい日本代表の生みの苦しみを長い目で見守ってあげることでしょう。大きい果実を得るためには、短期的には辛抱することも必要なのだと思います。

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2016年3月 9日 (水)

「スティーブ・ジョブズ」:This is ゲスの極み男

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映画『スティーブ・ジョブズ』は、なかなかどうしてダニー・ボイルらしく時間をコントロールし、時間と戯れる作品。多くの人が指摘しているように、スティーブにとって重要だった3つの発表会の開始前に絞って彼の人生をあぶり出すという脚本構成がお見事です。 とは言え、それが成り立ったのも2013年の同名映画『スティーブ・ジョブズ』があったればこそ。あの映画でスティーブの人となりが、その生涯の概略がつかめたおかげで、この作品にすんなりと入れました。あの映画なり本なりでジョブズのことを知っていないと、いきなりこの作品観ても「??」って部分が多いと思います。

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オープニングでアーサー・C・クラークが出て来て、コンピューターの未来みたいな話をするのですが、うーん、やっぱりクラーク凄い!と感心しました。現代のITをしっかりと予言できています。「『2001年宇宙の旅』を手掛けたけど・・・」というような言葉もあるのですが、本作の映像って、結構キューブリックっぽいんですよ。映像がソリッドにキマッていて、構図や色調も見事で、シンメトリカルな絵も多くって、無機質感も妙に出ていて・・・。大江戸はこういう映像が大好物なので、かなり感銘を受けました。そんな絵とクラシック音楽がからみあうあたりも、まさにキューブリック感覚でしたし。

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それにしてもスティーブってば、ゲスの極み男ですねー。俺様で、他人は虫ケラで、自分は攻撃されるのを嫌がるくせに他人のことは攻撃しまくるし、恩義や信頼関係など屁とも思っていないし・・・。いやー、こんな人とは仕事したくないっていうか、近寄りたくないですね。娘から嫌われるのも当然です。 でも生き馬の目を抜く世界でトップに立つような人って、これぐらい周囲を振り回す傲慢なジャイアンが多いんですよね。

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(以降ネタバレあり) それなのに、ラストはいかにもハリウッド流に父娘の和解っぽく、甘く流れましたね。そこがちょっとムムムです。

でも作品としては実によく出来ていて、ここ10年ほどのダニー・ボイルの円熟を示す高クォリティの映画となっています。演出の冴えを実感できるのです。編集もキレがいいですねえ。

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2016年3月 8日 (火)

永木亮太の代表候補合宿初召集に思う

今日の朝刊に載ったのは小さな小さな文字だけの記事でした。サッカー日本代表候補のトレーニング・キャンプ(3日間)で、故障の米本(FC東京)に代わって、湘南→鹿島に移籍したMF永木亮太が追加招集されたという情報。

今日、明日の二日間だけの合宿参加ですが、そして「日本代表」の合宿ではなくてあくまでも「代表候補」の合宿ですが、永木にとっては初めてのこと。いやー、ついにこの日が来ましたか。感無量です。

今オフにキャプテンとして活躍した湘南ベルマーレを離れてアントラーズに移籍した永木ですが、J1開幕戦ではベンチ外。第2節も70分からの交代出場と、まだレギュラーの座に着いてはいない状況です。それなのにこの合宿に呼ばれたというのは、湘南時代の実績を評価されてのことに違いありません(まあ昨年からハリルホジッチ監督が彼のことを気にしていたのは知ってましたが)。 でも、だったら去年呼んでくれてたら良かったのに!と思うのは、ベルマーレ・サポに共通の思いでしょう。ちょっと悔しいです。

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そもそも人材豊富な鹿島さんときたら、我らの宝である亮太を奪っといて、その程度の使い方しかしないのかよってのが腹立たしいですもんね。金持ちが隣のテーブルで自分より高い料理を注文して、ほとんど手を付けずに残すみたいな感覚。

でも良かったね、亮太。近いうちに正式なメンバーとして選出されるように精進して活躍してくださいね(湘南戦以外で)。 ベルマーレのサッカーが、ハリルホジッチの目指す方向性と似ていることは明らかなので、きっとフィットするはずだから。

てなわけで、写真は昨年暮れの「ベルマーレ感謝の集い」における永木選手と大江戸(の肩から胸の一部)であります。

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2016年3月 7日 (月)

サッカー女子日本代表、4戦目の初勝利

試合前の段階でリオ五輪行きの微かな可能性が正式に無くなったサッカー女子日本代表。今日の対戦相手はベトナム。結果は6-1の大勝。4戦目にしてやっと初勝利です。遅すぎましたねえ。

うーむ、「たられば」で言えば、初戦がベトナムとだったら、プレッシャーも取れて調子の波に乗れたのではないかなあ。初戦がオーストラリアってのは、このチームには厳しかったです。結果論ですが・・・。

今日も前半はいくつもの決定機を決め損ねて「またですか?」って感じでしたが、中島→岩渕で先制してからは(一時PKを取られて同点にされたものの)ほぼ安心して見ていられました。 今日も中島は運動量豊富で、ゴールに向かう意識も高く、素晴らしいパフォーマンスでした。後半、相手DFの足に当たってコースが変わったゴールは、これまでの奮闘と献身に対するサッカーの神様のプレゼントだったのではないでしょうか。 横山もこの大会を通して大いに成長しましたし、川村もどんどん頼もしい選手になって来ています。 今日は第3のGK、20歳の山下を使うことができたのも良かったですね。ワンサイド・ゲームなので、ほとんど出番はなかったけれど。これからは(山根に固執することなく)彼女を育ててもらいたいと願います。

宮間や大儀見を先発から外すことができたのも、気分を変えるためと体力回復のために良かったと思います。明後日の北朝鮮戦を勝って大会を終えるのと負けるのとでは、天地の開きがあります。今後の日本女子サッカーのためにも、ぜひ勝っていただきたいと切望いたします(則夫さんの最後を飾るためにも)。

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2016年3月 6日 (日)

「マネー・ショート 華麗なる大逆転」:ハルキが出て来てびっくりぽん

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映画『マネー・ショート 華麗なる大逆転』は、まだ記憶に新しいアメリカの住宅バブルとその崩壊を題材にした群像ドラマですが、こういうのをメジャーな娯楽映画にしちゃうあたりがハリウッドですよねー。日本で今、3.11を娯楽映画になんか出来っこありませんもん(諸般の事情で)。

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でも正直、経済方面が苦手な大江戸にとってはわかりにくかったです。観ていて、何が起きていて、それが誰にとってどういうことなのかを正確に把握できている自信がないって感じ。ざっくりとはわかる気がしますが、どうにも隔靴掻痒な気持ちが終始ついてまわりました。 丁寧にも(?)登場人物やゲストが「これはこういうことなんだよ」という解説をしてくれるのですが、その解説を聞いてもやっぱり腑に落ちないというか・・・。 『ウォール街』や『ウルフ・オブ・ウォールストリート』なんかは、金融や経済の知識が無くても問題なく楽しめるように作られていたんですけどねえ。 そもそもこちとらは「空売り」ってどういうことなのかすらわかっていないので、最初からつまずいてしまうのです。

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でもこの映画とか観てると、金融、銀行の関係者って、(少なくともアメリカでは)言葉の汚いろくでなしか変人しかいないのかしらん?と思ってしまいます。いや、小生の知人、友人にも金融、銀行にお勤めの人がいるので、日本は違うと信じておりますが。

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「華麗なる大逆転」ってのもピンと来ませんでした。ブラッド・ピットがたしなめたように、これで多くの自殺者が出て、何百万人もの人が失業したり家を失ったりしたんでしょ。どうにも「華麗」ではありませんよねえ。

映画内で画面に表される警句の一つとして、村上春樹『1Q84』からの一節が出て来てびっくりしました。おお、ハルキ、さすがじゃん。

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2016年3月 5日 (土)

湘南、川崎との「殴り合い」で4-4

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Jリーグ第2節の川崎vs.湘南戦を見に、等々力競技場に行きました。昨年初めて行きましたが、大改装を経てカッコよくなりましたよねえ。豪華客船みたいで。

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キングベル1世とふろん太のふわふわが並んでおりました。中で子供が遊べるやつね。

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今日はバックスタンド2階から見たのですが、バックスタンド裏手にこんな大きな池があって、釣り人がいるんですね。びっくりぽんや。今まで知らなかったです。

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それからスタンド裏の通路に、こんなフロンターレ神社もあるんですね。これも見たことなかったです。

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ベルマーレのサポーターも大挙して駆けつけております。ここでやる時は必ずキングベルも参戦ですね。

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そしてキングベルとふろん太ら川崎のキャラクターたちとの試合前の交流。おじぎしたりして、いつも友好的な雰囲気での王様外交です(神様でもあるけど)。

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さてさて試合はというと、なかなかすごいことになりました。結果としては4-4の引き分け。「殴り合い」です。

特に前半38分(湘南)、39分(川崎)、41分(湘南)、45分(川崎)というゴールの応酬は、感心するよりむしろ「なんだ、この試合?」って感じでした。まあ、いか1457168214909にもこの両チームの対戦らしいといえばらしいのですけれど・・・。

湘南の1点目は川崎GKのオウンゴール。

2点目の菊池大介はよくDFに負けずにシュートを打ちました。えらいぞ、大ちゃん。

3点目のパウリーニョはCKに合わせたドンピシャのジャンピング・ボレー。いや、お見事。

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そして4点目はお手本のようなカウンターで、多くの選手がゴールに向かう中、逆サイドに振ったクロスを駆け込んだDF岡本が流し込むという、実にベルマーレらしい得点。いやー、77分のこの勝ち越し点は最高でした。 前の方の選手が得点しないってあたりも、いかにもベルマーレっぽいですね。

その後は体を張って守り続け、アディショナルタイムに突入して、勝てるぞと思っていたら、いやー川崎劇場は油断なりません。森本に同点ゴールを決められてしまい、悔しい引き分けとなりました。

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まあ、でも面白い試合でした。点は入るし、攻守の切り替えは激しいし。 ベルマーレ、2試合見た感じですと、(主力の流出で心配された)今年も悪くなさそうですよ。

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2016年3月 4日 (金)

サッカー日本女子、愕然のほぼ終戦

あーあ。1週間前に誰がこの状況を想像できたでしょうか。サッカー日本女子のリオ・オリンピック出場は、ほぼ絶望となりました。3試合で1分け2敗の勝ち点1。もう、数字のマジックみたいな微かな可能性しかありませんし、事実上の終戦となりました。

宮間が言ってたように、3試合とも特に悪いわけではなかったのです(まあ、初戦は確かに良くはなかったけど)。でも運が悪くて負けちゃったりするってのは、やはり「何かが足りないということ」だと宮間も言っていました。あと1歩、2歩の寄せが足りていないとか、そういうこと、澤さんが率先して行っていた部分なんでしょうね、きっと。

大会が終わったら佐々木監督も退陣するでしょうし、黄金期のW杯優勝メンバーはみんな30歳位になって来たし、きっとこれを機にまた1から出直しの新体制となるのでしょう。確かに一時代を制覇した「なでしこ」戦術は、研究され尽くし、他の国も見倣い、ある意味マンネリ化していました。一方で極限まで走り回って連携して粘り強く守ってようやく機能する戦術だっただけに、ハングリー精神が薄くなったメンバーの中ではなかなかうまくいかないように見えました。

試合後泣いているメンバーも多かったですが、本当に一つの時代が終わった感がありました。だからと言って、今後まったく新しいサッカーにトライしても、それが日本に合う確率は高くないかも知れませんし、いやー、難しいものです。しばらくは低迷の時代を覚悟しなければならないかも知れませんね。

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2016年3月 3日 (木)

ミイラ女

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いくら「細胞が若返る。」と言われてもねえ・・・。

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2016年3月 2日 (水)

なでしこ、悪夢のドローでリオ五輪「黄信号」

ああ、なぜあそこで失点してしまったのか?! なんとも悔やみきれない1-1ドローの韓国戦でした。日本女子、リオ五輪への出場が他力本願の奇跡の領域になってしまいました。

中1日の連戦ということもあり、先発を6人入れ替えて、でもそれがしっかりと機能したんですねー。オーストラリア戦に較べて、コンパクトになり選手間の距離が近いからパスがつながるしルーズボールも拾えます。 攻撃も果敢になり、シュートの積極性も目立ちました。完全にゲームの主導権を握り、日本にいつ点が入ってもおかしくないほど好調に見えました。いやむしろ韓国が、個人としてもチームとしても大したことなかったと言えます。しかし相変わらずの「決めきれない病」で、前半は0-0。後半になってもなかなかゴールをこじあけられません。

こうなると、圧倒的に攻めながらカウンターやミスがらみで逆に失点してしまうというのは、サッカーでよくあるパターン。案の定PKなんか取られてしまいます。でもGK福元が防いでホッ。 やっと先制できたのは後半39分。こうなりゃ守り倒せると誰もが思いますよね。はぁ、それがねえ・・・。その3分後に、悔やまれる形で失点してしまい、残り時間でもビッグチャンスを生かせずに終了の笛。重すぎるドローで2試合終わって勝ち点1(6チーム中5位)と、かなり絶望感の漂う状況となってしまいました。

ゲームの内容では最後まで韓国を凌駕していました。宮間も初戦に較べると(前目のポジションだったってこともあり)かなりボールを動かせて、素晴らしいパスを連発していました。川村のファイトする姿勢としっかりした技術、横山の突破力と積極性、上尾野辺の守備力、久々に登場した近賀が見せた躍動も良かったです。しかし何と言ってもGKが福元だったので、安心できました(あの失点場面までは)。ぜんぜん不安を感じませんもんね。その上今日はPKを止めましたもん! なんで佐々木監督は大事な初戦に山根を使ったのか・・・そこが間違いのはじまりです。

あとは3連勝、それもできるだけ多く点を取って、運を天にまかせるしかありません。ああ、宇津木瑠美がいてくれたら2試合とも勝てたろうに・・・と、意味のない「たられば」を考えることしかできません。澤さん、引退が半年早すぎましたね。

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2016年3月 1日 (火)

今日の点取占い244

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今日はよいお土産をもらえる   7点

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