「女が眠る時」:ちょっと気取り過ぎでは?

『女が眠る時』は、ウェイン・ワン監督作品だけど電通&C.A.L製作で、日本(伊豆)が舞台の日本映画。良くこの映画が東映系のメイン番組として公開されたよなあって感じにびっくりぽんなアート作品です。まあビートたけし×西島秀俊っていう保険は掛けてあるわけですが。

いくらアート系とは言え、今日びここまで気取らなくってもいいのに、って感じ。『スモーク』『ブルー・イン・ザ・フェイス』『ジョイ・ラック・クラブ』など、ウェイン・ワンって平明に人生の機微を描いていた人なのに。まあ人間は変わっていくものですけどね。

(以降ややネタバレあり) あえて限定的な解釈を避けたような曖昧な、多義的な作り。その最たるものがラストのたけしの微妙な笑顔。当然『戦場のメリークリスマス』を連想するわけですが、本作には『戦メリ』のイノセンスは無く、もっと複雑かつ空虚な微笑み。

まあ終始タナトスが、画面に充満しておりました。そんな映画です。 でも西島があわててベッドの下に隠れる場面の呼吸などは実にコメディ的で、ちょっと笑ってしまいました。
それはそうと、たけしと西島の役名が「佐原」と「健二」。佐原健二って・・・ウェイン・ワン監督、東宝の特撮映画がお好きなのかしらん?
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受信: 2016年3月15日 (火) 00時17分
» 映画『女が眠る時』★西島秀俊さんの眼差しが誘うスリルとエロス(*^_^*) [**☆(yutake☆イヴのモノローグ)☆**]
作品について http://cinema.pia.co.jp/title/168282/
↑あらすじ・配役はこちらを参照ください。
・ビートたけし~佐原 (若い女とホテルステイ)
・ 西島秀俊 ~健二 (スランプ中の作家)
海辺のリゾートホテル。
プールサイドで見かけた年の差カップルが気になって
観察(のぞき?)する作家=西..... [続きを読む]
受信: 2016年3月15日 (火) 00時38分
» 女が眠る時 [映画的・絵画的・音楽的]
『女が眠る時』を渋谷TOEIで見ました。
〔本作は「ミステリー」とされていますが(注1)、以下かなりネタバレしますので、未見の方はご注意ください〕
(1)ビートたけしの主演作というので映画館に行ってみました。
本作(注2)の始めでは、「DAY 1」と字幕が出て、...... [続きを読む]
受信: 2016年3月15日 (火) 05時52分
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初めて書いた小説がヒットした作家の清水健二は、、その後ずっとスランプ状態で、既に就職することが決まっている。 編集者の妻・綾と共に、1週間の予定で郊外のリゾートホテルを訪れたものの、夫婦にはもう倦怠期のムードが漂っていた。 ホテルのプールサイドで、初老の男・佐原と若い女・美樹の不似合いなカップルに目を奪われた健二は、外出する二人の後をつけたり、部屋を覗き見するようになるが…。 セクシー・サスペンス。... [続きを読む]
受信: 2016年3月15日 (火) 09時46分
» 『女が眠る時』 生きているときの最期の姿 [映画批評的妄想覚え書き/日々是口実]
『スモーク』のウェイン・ワン監督作品。
原作はスペイン人作家ハヴィア・マリアスによる短編小説「WHILE THE WOMAN ARE SLEEPING」。原作は日本が舞台ではないのだろうと思うのだが、映画版では日本が舞台となっており、出演陣も日本人(ビートたけし、西島秀俊、忽那汐里など)である。川端康成の『眠れる美女』のことが念頭にあってのことなのかもしれない。
作家の...... [続きを読む]
受信: 2016年3月15日 (火) 18時40分
» 女が眠る時 ★★★ [パピとママ映画のblog]
『スモーク』などのウェイン・ワン監督がメガホンを取り、スペイン人作家ハビエル・マリアスの短編小説を映画化したミステリー。海辺のホテルを舞台に、偶然出会った男女の私生活をのぞかずにはいられない主人公の異様な心象風景を描写する。ビートたけしを筆頭に西島秀俊...... [続きを読む]
受信: 2016年3月20日 (日) 20時57分
» 女が眠る時 [映画好きパパの鑑賞日記]
香港のウェイン・ワン監督が、スペインのハビエル・マリアス原作のミステリーを、オール日本人キャストで伊豆で撮影したという国際色豊かな作品。ミステリーといってもどこまでが現実で、どこまでが白昼夢か分からない幻想的なところもあり、理屈よりも感性に身をゆだね…... [続きを読む]
受信: 2016年3月22日 (火) 06時49分
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