「エヴェレスト 神々の山嶺」:映画になっていないような・・・
映画『エヴェレスト 神々の山嶺』は、うーん、映画として成り立っているんですかね、これ? それぞれのシーンはそれなりに力が入っているし、一応のストーリーはあるのですけれど、いかんせん物語がとってつけたようで、全く迫って来ません。逆に言えば、物語なんかなくても似たようなものって感じ。全編がプロモーション・ビデオ的で、ストーリーが生きることがないのです。パッと見は映画になってるんですけど、実のところかなりスカスカな映像ショーになっています。平山秀行監督だというのに・・・。
役者だって悪くないんですよ。でも、力入れ過ぎです。阿部寛にしても岡田准一にしても、「ぬぉおおおおおー!」「ぐぉおおおーー!」「ふぁいとおおおー!」「いっぱぁああーつ!」って感じで、血管切れそうです。ただでさえ濃い人たちなのに。 おかげで尾野真千子なんか、影が薄い薄い。ほとんど出てる意味がないような・・・。
山登りに何の興味もない大江戸にしてみれば、まったく意味の分からない世界です。なぜこんな危険なことしなくちゃいけないのか? 理解の遥か先ですね。そもそもヒゲが凍るほど寒いなんて、まっぴら御免です。くわばらくわばら。
そもそもが、登山の訓練などほとんどしていない岡田が、なんであんなに登れちゃうのか? そんな根本からして謎すぎます。
角川映画の40周年記念作って、『セーラー服と機関銃 ~卒業~』にしても本作にしても、かなり滑っちゃってますよねえ。まあ春樹さんは本屋というよりは映画屋だったんだけど、歴彦さんは映画屋じゃなくて本屋なんでしょうねえ、やっぱり。
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