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2016年4月13日 (水)

「ボーダーライン」:テンション張り詰める「重い球」

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映画『ボーダーライン』は、今最も注目されている映画監督といっても過言ではないカナダのドゥニ・ヴィルヌーヴ(『灼熱の魂』『プリズナーズ』『複製された男』)がメキシコの麻薬犯罪地帯を舞台に描くサスペンス。いやー、相変わらず重厚で緊迫感あふれる「重い球」でした。例えれば「斧」のような切れ味の映画です。

なにしろ音楽が重い重い。低音で、不安をあおるようなサウンドがぐわぁ~んと来ます。嫌な感じ。

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名手ロジャー・ディーキンスによる緊密な映像も素晴らしいものがあります。ある意味ジャンル映画なのに、全く観たことの無い絵が続々と出て来ます。殊に印象的だったのが、地獄のように美しい夕焼け空とか、おもちゃのような町並の空撮とか、ヘリが飛ぶ場面とか、爆発場面とか、「花火」と呼ばれる遠景での銃火器の場面とか、ことごとく新鮮なビジュアルなのです。

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エミリー・ブラント、ベニチオ・デル・トロ、ジョシュ・ブローリンら役者たちも見事に生かされまくってます。ことにベニチオは久々に、そのニヒルなハードボイルド感が最高でした。終盤の彼の見せ場ときたら!

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銃が「瞬時に人を殺す道具」だってことが、リアル過ぎるほどに感じられる映画でもあります。そのナマな恐怖がサスペンスのテンションを途切れさせません。「テンション」ってのはまさにこういうピンと張りつめた緊張感に使う言葉なのでありまして、「朝からテンション高い」とか「テンション上がった」とか聞くと、いまだに違和感を覚える大江戸なのであります。

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