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2016年4月23日 (土)

「レヴェナント 蘇えりし者」:大自然と激痛サバイバル

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映画『レヴェナント 蘇えりし者』は、明らかに映画史に残る作品。シンプルなサバイバル&復讐の物語ですが、エマニュエル・レベツキのキャメラ×アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥの演出力(あの『バードマン』の翌年にこれを生み出せるとは、凄過ぎます)のおかげで、パワフルな剛速球として観る者を圧倒します。

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開巻すぐのバトル・シーンがまずもって圧巻。長回しのキャメラがアクションを追ううちに、次々とフレームの中心にいる対象が移り変わっていく。つまりAが殺されると、殺したBのその後の動きをキャメラが追い、そのBが殺されると今度はBを殺したCを追って・・・って感じ。ヒチコックが『ファミリー・プロット』で使った技の拡大版です。

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続く森の中でのグリズリーとの死闘場面も凄過ぎます。森のくまさん、こわいー! 熊に襲われて死んだ写真家の星野道夫さんのことが頭をかすめたりしました。

動物がらみで言えば、馬の場面も印象的。寒さをしのいで野営するために、死んだ馬の内臓を取り出して、腹の中に潜り込んで暖を取るというサバイバル術。おととし公開された『馬々と人間たち』にも出てきた方法です(馬じゃないけど『スター・ウォーズ 帝国の逆襲』にも)。↓

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2014/11/post-bf48.html

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レベツキの撮影は、大自然の捉え方も見事で、雪原が、森が、他の人が捉えた絵とは全く違います。中でも急流の大河の描写は圧倒的でした。まさに「大自然」。新時代のデイヴィッド・リーン作品のような格調と畏怖の念に満ちた映像です。

2時間37分の長さを感じさせない力作。痛さと寒さと辛さにも満ち満ちていて、それをディカプリオが渾身の力演で表現したことも、きっちり評価せねばいけないと思います。激痛を越えて生きることが、生の何たるかに迫るほどの迫力なのです。

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