「光りの墓」:最強の睡眠誘導映画
映画『光りの墓』(なんで「光」じゃなくて「光り」なんだろう?)は、『ブンミおじさんの森』のアピチャッポン・ウィーラセタクン監督の新作。今回もゆったりとした時間の流れの中に、あの神秘主義的な香りが健在です。
とにかく最強の睡眠誘導映画です。観てる間ずっと睡魔と格闘していたというか、気がつくとちょっとの間目をつぶって(落ちて)いました。これは、画面や映画のテンポが落ち着いていて、気持ちいいからなんですよねー。不眠症の人には是非お勧めしたい作品です。タルコフスキー以上に眠れます。
作中にも眠り病の方々が出て来るのですが、その人たちが眠るベッドが並ぶ病室を彩る逆「し」の字型の不思議な照明装置が印象的(チンアナゴのような形とも言えます)。徐々に色が移り変わって行くのですが、その違和感と主張が、なんだか気持ち良いのです。
なんだか気持ちいいものがもう一つあって、それは水上(池ですかね?)で羽が回転している謎の機械。あれは酸素を水に溶かしこんで、微生物をどうのこうのして水質を向上させる装置なんじゃないかと大江戸は思いますが、そういう説明は一切ありません。でもあの動きとかを見てると、不思議と気持ちいいんです。 あと巨大なゾウリムシみたいなものが空に突然現れるシュールな絵も、自由かつ気持ちの良いものなのでした。
まあ大江戸的にはそんなに好きな部類の作品ではありませんが、BGV的に流しておく分にはかなり良い作品かも知れませんね(例えば『バグダッ・ドカフェ』みたいにね)。
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