今日の点取占い250
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映画『ディストラクション・ベイビーズ』は、なかなかの問題作として位置づけられるでしょう。主人公の理由なき暴力、理由なき自己破壊。彼の存在に、そして彼をめぐる人々に、現代が匂います。でも小生は、ちょっとあきれちゃった口ですけどね。
とにかくキャスティングが成功してます。主人公は、今の日本では柳楽優弥意外に考えらえません。この得体の知れない、言葉なんか通用しそうにない、リアルなヤバさ。 ああ、『誰も知らない』のシュッとした少年が、なんでこんな怪人になってしまったのでしょうか?と思いますよね。
菅田将暉はいつもながらのチャラい役、を飛び越えてむしろ「ゲスの極み男」。本人とどこまで近いんだか遠いんだかわかりませんが、こういうアタマ悪いサイテー男の役やらせたら日本映画史上ナンバーワン役者でしょう。 (以降ネタバレあり)ブチ切れた小松菜奈の怒りがこいつに向かった時、正直「いいぞ!やっちまえ!」って思いましたもん。この時の小松菜奈の逆上演技は、振り切ってて見事でした。
ただ、本作において肝心の「殴り」に今一つ迫力がないような気がしたのは、小生だけでしょうか?引きの絵が多いからかなあ。 殴る音も「カツン」とか「カポン」とかって感じで(それがリアルなのかも知れませんが)、 普通映画やTVで用いる効果音の方が重厚で迫力があるのです。
何一つまとめないラストを含め、既成の映画的常識をできるだけ破壊(ディストラクション)しようとしているのでしょうけれど、うーん、それが作品のパワーを「カルト」止まりにしている気もいたしました。 たとえば『青春の殺人者』の地点にまでは、遠く及ばないと思うのです。
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開幕以来ホーム勝ち星がまだない湘南ベルマーレ。今日こそはとBMWスタジアムの名古屋戦に行きました。
今までホーム側のメインスタンドやバックスタンドで応援しても勝てなかったので、今日はアウェイ寄りの4ゲートで久々に観戦。また試合前には、大きな海老天が屹立している点むす(品川駅で買って来ました)を食べて、「名古屋を食ってやる」モードで試合に突入です。
それが良かったのか、ついにホームで勝ちました! 2-1で名古屋を下しました。2月27日の開幕以来、長い道のりでありました。もう第1ステージはあと3試合しかありませんし、ホームは1試合しかありませんけど、とりあえず第1ステージのうちに勝てて良かったです。ホッ。
高山キャプテンや菊池大介をはじめ、みんながいつも以上にファイトして、いつも以上に走り回ってました。気合入ってました。前半は名古屋より優勢に試合を進め、遂に41分に先制! 島村のミドルシュートをキーパーが防いだはね返りを端戸が決めました。かなり遠目からの島村弾でしたが、いやー、やっぱりシュートは打ってみるもんです。
後半56分に神谷優太がゴール前なのに、妙に持ち過ぎていたボールを後ろから奪われて、グランパスが同点に。絶対にやってはいけないミスでしたし、ちょっと嫌な空気が漂いました。
しかし今日のベルマーレは違いました。動揺することなくゴールをめざし、遂に81分に下田のクロスを菊池大介が滑り込みながらゴールに叩き込んで2-1! 蹴ろうとした足ではなく、踏ん張った軸足に当たったボールがゴールに突き刺さりました。
その後、坪井を投入して守り切り、嬉しい嬉しいようやくのホーム初勝利に、観客席は優勝したかのような盛り上がり。「1勝」をこれだけ喜ぶことができる--持たざる者の幸せとでも申しましょうか、今年の湘南ならではです。
当然、ホームでの勝利のダンスも今期初(ナビスコカップを除く)。今日はベンチ入りしていない選手たちもブルックスブラザーズのオフホワイトのスーツ姿で、勝利のダンスに加わりました。珍しい光景です。
ベルマーレクイーンもようやく今季初の勝利のダンス。放送部のロンドさん、わかちこさんと喜びを分かち(こ)合いました。今日はクイーン5人中3人しかいなかったのですが、そういう時に勝っちゃうのです。まあ、そんなものかも知れませんね。
さあ、これで潮目が変わりました。これからガンガン勝ち続けてもらいたいものです。今日の勝利で18位から16位にアップしましたので、まずは降格圏を脱出し、そして第2ステージで大暴れしちゃってください!
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毎年初夏の下北沢を彩るイベント『下北沢サウンド・クルージング』に、今年も「wearer」が出場するというので、ライブハウスWAVERに行って来ました。
wearerの出場は3年連続ですが、この2年間はヴォーカル&ベースの「えいちゃん」が産休だったので、彼女は今年が初のお目見えです。
近年メンバーの出入りが激しいwearerですが、今回はYKとえいちゃんとギターの山本志保くんの3人ってことで、ゲスト・ドラマーとしてゲンさんって方が加わってましたが、キーボードは不在。ギターの山本氏が打ち込みなどのサウンドをコントロールしておりました。
「survive」でスタートし、「東京の夜が廻りだす。」でフィニッシュといったいつものテッパン楽曲に加え、新曲の「FORGET ME NOT」「tomorrow never die」「ロックンロール・バンドの季節」も披露してくれました(3曲入りの新CDが出たのです!)。3曲ともwearerらしい、優しいTokyo Centimental Tunesです。ハートにじんと来ます。 このイベントがらみで今日まで期間限定オープンだというタワーレコード下北沢店で、帰りにCD買いました。良いです。
「FORGET ME NOT」って「忘れな草」の英語名じゃないですか(「tomorrow never die」だって007ですけど)。いい感じにセンチメンタルです。で、「ロックンロールバンドの季節」のサウンドって、実は泣けそうにおセンチです。でもそこがいいんです、wearerの場合。いつもの東京ソングだし。
ライブは良かったです。力の入り方と、技術とがいい具合にミックスされて。やっぱりえいちゃんとのツイン・ヴォーカルこそがwearerだなあ。
ゲスト・ドラマー氏、パワフルで派手なタイコだったなあ。
そしてYKは今日もメガネが熱気でくもり続けていました。YK、もう少し平面的な蒸気のこもらないメガネに替えたら?(あるいはレンズ取っちゃうとか) でも、今日のMCはちゃんと色々しゃべって笑いも取っておりました。おととしのぐだぐだぶりとはえらい違いです(成長してる)。 そういえば水色ギターからチェンジした彼のギターは、黒か紺に見えてたけど、今日の光で近くで見ると、パープルのニュアンスが入ったミステリアスなダークブルーだとわかりました。うん、いい色です。
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映画『ランバート・アンド・スタンプ』は、THE WHO成功の裏方以上の存在だったキット・ランバートとクリス・スタンプを中心にしたザ・フーの伝記映画という、ユニークな作品。ビートルズのマネージャー=ブライアン・エプスタインは有名ですが、この二人のことは寡聞にして知りませんでした。
この二人自身がえらくユニークでして、ランバートは著名なオーケストラ指揮者を父に持つ上流階級の出で、フランス語を操るゲイのチェーン・スモーカー。一方のスタンプは労働者階級出身のハンサムであり、なんとあのテレンス・スタンプの弟!
彼らを通して、デビュー前から現在までのザ・フーが語られていくという趣向。生き残っている二人、ピート・タウンゼントとロジャー・ダルトリーも、インタビューに答える形で出演しています。今だから言えるって事も語ってますし、「恩讐の彼方に」って雰囲気も流れております。
大江戸はザ・フーの大ファンでして、武道館の日本公演にも行きましたが(ついでにロジャー・ダルトリーの単独公演も行きましたし、ミュージカル版『トミー』もNYブロードウェイと東京で観ました)、入口はケン・ラッセルの映画『Tommy トミー』でした。その作品のフッテージも編中に出て来ます。それ以外にも見たことのある映像の数々や見たことの無い映像の数々が出て来るのですが、残念なことに断片的に使われているだけで、ファンとしてはフラストレーションやがっかり感が否めません。
まあ、ザ・フーのライヴ映画じゃなくて、こういうドキュメンタリーなのだから、しょうがないと言えばしょうがないのですが、演奏をもっと見たかった、聴きたかったよお!なのです。
それでいてインタビューは結構延々としゃべらせて、あまり切らないので、120分あります。この内容にしては、ちょっと長いですねえ。
(あ、モノクロ画面多いですけど、カラー作品です。)
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きゃりーぱみゅぱみゅ初のベストアルバムにしてデビュー5周年記念盤2枚組『KPP BEST[』がおととい25日に発売されました。大江戸は通常盤先着お買い得パッケージ(2,500円+税)を予約してあったのですが、確かにお買い得です。「初回限定盤 お顔パッケージ」とかいうLPぐらいの大きさのジャケットで、きゃりーの顔がついてるやつは確かに魅力的でしたが、5,555円+税ですからね。
Disc1と2に12曲ずつの24曲入り。これまでのシングルを網羅した上で、その他の有名ナンバー&おすすめナンバーを収録しています。
こうしてまとめて聴くと、改めてきゃりーちゃんは偉大ですね。まあ中田ヤスタカが偉大だってことかも知れませんが、でもやっぱりきゃりーぱみゅぱみゅみたいなアーティストはこれまでいませんでしたから。変な人でありながら超メジャーな存在になってしまったスゴさ。声もいいですよね。
大江戸が5曲選ぶとすれば、『つけまつける』『ファッションモンスター』『ゆめのはじまりんりん』『もんだいガール』『きゃりーANAN』といったところでしょうか。
表ジャケットはきゃりーちゃんだらけで、ベッドカバーの柄まできゃりーちゃんのお顔になってるのがスゴイっすね。 裏ジャケットは顔の下すぐ脚という変ないきものになってるのが笑えるっすね。
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講談社+α新書『銀座資本論』を読みました。1年ちょっと前に刊行された本で、著者の渡辺新さんは銀座の高級紳士オーダースーツ店「壱番館洋服店」の社長さん('66年生まれ)。強い個性を持ちながら、日本の伝統、銀座の伝統を大切にする方です。
「資本論」というタイトルとは必ずしも合致しない内容で、銀座で商売をしている各分野の代表的人物に渡辺さんがインタビューを行うという本なのです。複数の方にインタビューを行っている章もあるので、計12人へのインタビュー集です。
サンモトヤマの茂登山長市郎さん、虎屋の黒川光博さん、ハツコエンドウの遠藤彬さん、ナイルレストランのG.M.ナイルさんあたりは小生も存じ上げているのですが、不勉強にして知らない方もいらっしゃいます。寿司屋さんも喫茶店主も不動産屋さんも呉服屋さんも・・・。
海外高級ブランドのショップが林立する一方で、この本に出て来るような個人商店が長年生き残っているのが、銀座の「銀座ならでは」の部分です。これは新宿も渋谷も表参道も六本木も真似できないところ(比較的近い日本橋ともちょっと違ったりします)。
みんな銀座の特殊性とその良さについて語っています。当たり前だけど、みんな銀座が大好きなんですね。守るべきものはいつまでたっても同じように守り通す、新しい時代感覚を常に取り入れる、あまり商売を広げない--ここらが銀座で長く商売を続けていくコツのようです。
銀座には末永く、頑固かつしなやかに、この街の個性を守り通してほしいものです。こういう人たちがいなくなっちゃったら、銀座じゃないもの。
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映画『ひそひそ星』は、「ひそひそぼし」か「ひそひそせい」かちょっと迷いましたが、「ひそひそぼし」が正解のようですね。公式サイトが「hisohisoboshi.jp」になっておりましたから。
昭和後期の日本の住宅がスペースシップとなって、宇宙を航行します。流しの蛇口はポタポタと水漏れしていて、蛍光灯のカバーには蛾が入っています。このイメージ、そして終盤の影絵のイメージを見せたかったのでしょうね。そういうところから入るあたり、やっぱり園子温は詩人なのですね。
作品の雰囲気からすると、ダグラス・トランブル監督の『サイレント・ランニング』('72)に近いかも知れません。特にあのラストの植物ドームが宇宙空間を静かに漂っていく感じに似て・・・。サイレント≒ひそひそ ですし。
昭和な家族の影絵ってのも、詩人の世界ですね。谷川俊太郎さんや谷内六郎さんの世界のような。 でも、そういう狙った試みがことごとく生きてないんですよねー。なんか意味不明にヘンテコなだけに終わってしまっています。園子温幼少期のノスタルジーなのかも知れませんが、そういう思念が実体化して現われるって・・・『惑星ソラリス』ですか!?
福島の浪江で撮ったりしてるわけですが、結局最後まで詩人の映画であり、映画の詩なのです。けれど、小生にはあまり響いて来ませんでした。相性はあまり良くないようです。
新宿のシネマカリテで観たのですが、ロビーには主演の神楽坂恵さんが着たツナギの配達服(モノクロ映像ではわからなかったけど、ブルーだったんだ、あれ)と宅配便の箱が展示されておりました。
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映画『ファブリックの女王』は、あの北欧ファッションの代表ブランド「マリメッコ」の創業者アルミ・ラティアの一風変わった伝記映画。
何が一風変わっているかというと、彼女の伝記を演劇として上演しようとする演出家や女優を通して、舞台劇のドキュメンタリーみたいな形で描いていること。確かにこれだと、製作費をかなり抑制できます。ちょっとした発明では?
ただこういう珍しいスタイルにした効果があまり出ていなかったように思います(製作費の面は別として)。いや、むしろ違和感が多く、素直に彼女のヒストリーに没入できないというか・・・。題材であるアルミさんがすっごい個性を持っているので、普通に作ってくれた方がきっと良い作品に仕上がったろうなーという気がしてなりませんでした。いわゆるピンクやブルーの花のマリメッコ柄など、マリメッコのデザインや商品も、見足りないです。そこを期待して行くと、肩すかしを食らいます。
アルミを演じた女優(ミンナ・ハープキュラ)はなかなかの熱演。このエキセントリックな猛女を毒気たっぷりに演じています。見てると、絶対お近づきになりたくないアクの強い人物です。彼女が殴られる場面がありますが、これだけ自己チューな方だと刺されたり撃たれたりしていてもおかしくはなかったような気がしてしまいます。こんな人の映画を作って、マリメッコ大丈夫なんでしょうか? 自ブランドへのネガティブ・プロモーションになってしまわないのでしょうか?いや、小生が心配するようなことではありませんけれど。
本作の監督ヨールン・ドンネルさんって1933年生まれですから、今83歳ぐらい。ベルイマンの『ファニーとアレクサンデル』('82)をプロデュースした人だってことで、まずそこにびっくり。同作でアカデミー外国映画賞を獲ったので、フィンランド人でただ一人のオスカー受賞者ってことにもびっくり。そして、'67~74年にマリメッコの役員を務めていたってことに一番驚きました。なるほど、彼女への愛憎が本作を作らせたってところなのでしょうか。
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映画『緑はよみがえる』は、タイトルから受ける印象とは全く違う、渋い渋い苦渋に満ちた作品。作家の個人的思いが前編を貫く低予算作品の反戦映画ってことにおいて、塚本晋也の『野火』を連想しないわけにはいきませんでした。両作とも戦争の怖さを(違う方法で)見事に表現していることにおいても共通しています。
序盤はあまりに静謐で、台詞もささやくようで、間合いもやけに長くて、催眠効果十分でした。しかし、雪山に一発の銃声が轟いた瞬間、スクリーンの中の空気が一気に変わりました。ぞっとするほどリアルな戦場の空気へと一変したのです。 (以降ネタバレあり) 自分の目の前で人が撃たれて死んだという生々しい感覚と、次は自分かもという恐怖。『野火』の対極にあるミニマムな描写と音響で、戦争の恐ろしさ、残酷さを表現して見事です。
みんなが身を潜めている塹壕が爆撃される場面の恐怖も、これまでのどんな映画でも味わったことの無い種類のもの。砲撃の爆発音がリアルにリアルに迫って、しかもそれがだんだんと近づいてくる絶望的な恐怖感。待ってるしかない怖さ。いやー、これは凄いです。『プライベート・ライアン』とは180度違うやり方で、戦場の迫真の恐怖を味あわせてくれるのです(何回「恐怖」という言葉を使ったかな)。
また、自然の造形美を代表するようなカラマツの木が爆撃で炎に包まれる場面は、美しいものを全て壊してしまう戦争、神の作りし人間をも破壊し尽してしまう戦争の悪を示しているようでした。
こんな戦争映画(反戦映画)って、これまでありませんでしたね。鎮魂歌のような、祈りのような映画。しかも「敵」は最後まで見えません。それが暗示することもありそうですね。
76分という短さも、無駄が無くて素晴らしいです。1-0の勝利を最も美しいとするイタリアのサッカーみたいで・・・。
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銀座の泰明小学校そばの薬局の店頭で見かけたサトウのサトちゃんやサトコちゃん。ファミリーです。いっぱいいます。
左上を見ていただくと、ほら店内にもいるではありませんか。
外にいるだけで5頭もいます。
えっ、4頭? いやいや、ちゃんと5頭います。
ほら、ちゃんと小さいのが頭の上に乗っております。
そこからほど近い日比谷シャンテ前では巨きなビルディングを建築中(しばらく前の写真ですが)。
あの日比谷三信ビルとお隣の日比谷三井ビルの跡地の一体開発です。三井不動産による「新日比谷プロジェクト」という名称だそうです。
中にはTOHOシネマズの11スクリーンのシネコンも入るのだとか。日比谷・銀座・有楽町界隈で初のシネマ・コンプレックス誕生となるのですね。
2018年1月末の竣工予定です。
「いかのおすし」・・・これ、一部では有名なんでしょうね。
小生は「いかのおすし」にも「いかのおさしみ」にもさしたる興味はありません。
でも知らない人から「へい、いかのおすし食べに行かない?」って誘われたらどうしましょう。
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まずは丸の内の三菱一号館美術館の『PARIS オートクチュール 世界に一つだけの服』(~5/22)。
19世紀半ばのパリ・オートクチュールの誕生(ウォルトですね)から始まり、各年代の代表的デザイナーによる作品の数々を展示してあります。
おお、シャネル! おお、ディオール! おお、サンローラン! (中略) おお、ラガーフェルド! おお、ラフ・シモンズ!って感じなのです。
ディオールのドレスで、何千(何万?)というビーズが縫い付けてある細かい細かい手仕事の作品など、やはり生で見ると圧巻ですね。
会場内には1室だけ撮影OKの部屋がありました。
ファッション史を概観する上で、お勉強になる展覧会なのでありました。
で、もう一つは『MIIYAKE ISSEY展 三宅一生の仕事』@国立新美術館(~6/13)。
このタイトル、「三宅 一生(いっしょう)の仕事」と掛け言葉なのでしょうね。イッセイさんの初期から直近までの一生分の仕事を網羅した回顧展になっています。
会場は3つのルームに分けてあって、ルームA&Bは吉岡徳仁さん、ルームCは佐藤卓さんによるデザインです。
展覧会として隅々にまで注意、目配りが行き届いています。つまり、どんな部分のデザインにも手抜きが無いのです。イッセイの世界を表現するためのこだわりは、監視員のユニフォームや椅子にまで及びます。衣服を着せる各種のボディも、ほとんどアートですね。
こうしてまとめて見ると、そのパワーに、そのクリエイティヴィティに、圧倒されます。素材と平面性/立体性へのこだわり。いやー、やっぱり凄いですねイッセイ(まあ、川久保さんもヨージも、別の凄さがあるわけですけど)!
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京橋の東京国立近代美術館フィルムセンターで、写真展『映画館 映写技師/写真家 中馬聰の仕事』(~7/10)を観ました。
関西の映画館で映写技師を勤めながら、2007年から全国各地の映画館の写真を撮り続けている中馬聰氏の作品約100点を展示し、加えてフィルムセンターが所蔵している戦前期の映画館の写真も展示しています。すべてモノクロです。
大江戸は数年前から「映画館を語る時代」が来たと言ってまして、そういう流れで昨年キネマ旬報社から『東京映画館』なんて本も刊行されたりしています。
でも展覧会場に掲げてある中馬氏の言葉に「撮影に行った映画館の方から『(こういうことを始めるには)10年遅かった』と言われた」とありました。うーん、確かにそうですよね。されど2007年ならまだギリギリあった映画館が都内近郊にも多くあり、会場内にもミラノ座や銀座シネパトスや新橋文化や吉祥寺バウスシアターなどの写真がありました。
またシネパトスの座席が展示されていたり、浅草中映と西尾東映劇場(愛知県)の写真パネル(この2点の前だけ写真撮影OK)があったり、スライドショー映写コーナーがあったりしました。
いやー、個性ある映画館って、本当にいいもんですね。まあ、その個性の大部分は一戸建て建築だからこそなんですけど。現代にそれを言っても、詮無いことではあります。わかっちゃいるけどのノスタルジアです。
小生も、今は無き映画館の写真をいくつも撮りためております。
やっぱり大江戸は映画館が好きなのです。こんな時代ではありますが、TVディスプレイで見るものを映画とは思っておりません(極端に言えばね)ので、映画館以外ではほとんど映画と接しません。ましてやスマートフォンで映画を見るだなんていう、あまりの暴挙、愚挙がまかり通っている事実に、世も末だと嘆いております。そんなもんで見るための映像設計じゃないはずです。アホか!
というわけで、皆様、もっともっと映画館に行きましょう! とは言え、そうすると混み過ぎて困っちゃうんですけどね。
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今年の頭あたりからいろんな所で見つけるんですけど、こんな感じの「のぼり用おもし」?
パチンコ屋の前で、のぼりを持ってたりするカワイイやつです(渋谷にて)。でもこういうのって今まで無かったですよね。あったとしても、ヨーロッパの街角とかで・・・。
こちらは黄色いタイプ(銀座にて)。
ピンクの方は女の子っぽくて、黄色い方は男の子っぽく見えるのは、なぜなんでしょう。
こちらのピンクは一瞬クマかと思いましたが、この耳の形と顔の周囲のアミアミは・・・、どうやらタテガミのあるオスライオンを表しているようです(と大江戸は思いました)。でもやっぱりクマだったりして?
そもそもこれ何かというと、工事用の柵のポールの端っこを止めて固定させる道具みたいです(新宿の工事現場にて)。ですよね?
で、こちらはやはり新宿の工事現場。ハローキティです!
殺伐とした工事現場が、幼稚園のような趣きに変身です。日本のカワイイ文化も、ここまで来ましたか。
でもまあ、街角に癒しを、工事現場にやさしくかわいい雰囲気をってことにおいては、良い試みですよね。働く人にも良い影響があるかも。 うん、楽しい楽しい。
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映画『ズートピア』は併映短編なしにスタートしました。近年のディズニー・アニメでは珍しいことなのでは?
いやー、全てにわたって質が高いです。題材、テーマの深さ、重層的な物語、構成の盤石さ、練られたダイアローグの巧みさ、ウィットに富んだギャグとお遊び、ポップな美術(プロダクション・デザイン)、美しさ以上を表現する色彩設計、そして圧倒的な画力と動き。ここまでハイ・クォリティを突き詰めるとは!
さすが『アナ雪』に次いで絶好調なディズニー・アニメです。現代のの視覚表現の最高峰かも知れないなどと思ってしまいます。
ウサギのジュディがポジティブで明るくて、真っすぐな正義キャラで、主人公にぴったり。そこにちょっとワルくて、ちょっとねじ曲がった(ウサギの天敵である)キツネを相棒として配したあたり、やはりうまいものです。それだけでドラマが転がります。
人間になぞらえた多種多様な動物たちも、いちいち気が利いてます。トゲネズミ?の『ゴッドファーザー』(マーロン・ブランドのしゃべり方!)も面白かったですが、何と言ってもナマケモノの件りが圧巻! いやー、面白いです・笑えます。よく出来てます。もともと面白いネタを、思いつきレベルでちょっと笑わせるだけではなく、あれを加えこれを足して、練りに練って、圧倒的に面白い名場面に仕立て上げる映画屋としての腕と頭。しかもそれを最高品質の絵で見事に表現しています(あのナマケモノの表情の変化!)。ここがディズニーの底知れぬ凄さなんです。
あと忘れちゃいけないのが、アクション演出のダイナミズムと切れ味。序盤の犯人追跡シークェンスをはじめ、中盤のジュディとキツネのインディ・ジョーンズばりの大冒険、そして電車暴走~爆発のスペクタクルと、見事です。活動写真をわかっていらっしゃいます。
エンディングの洒落っ気もまた最高なのでした。
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映画『64 ロクヨン 前編』は、近年数少ない「大人が楽しめる良質の骨太日本映画」。緊迫感あふれる力作です。役者が揃ってます。原田眞人とか平山秀幸あたりが撮りそうな作品ですが、本作の監督は瀬々敬久。『感染列島』で見せたぐいぐい押す力と、『ヘブンズ ストーリー』で見せたシリアスな深さと大きさが両立しています。
とにかく佐藤浩市ワンマンショーでして、あまり好きな役者さんではないのですが、この力演は認めざるを得ません。ザ・主役です。そしてそしてこの男優陣の顔ぶれの凄さ。その上、みんな違ってみんないい(金子みすゞか?)のです。中でも滝藤賢一の嫌ったらしさときたら! でも、坂口健太郎くんはミスキャストじゃないかなー。
男社会の人間関係やしがらみや力関係を描いて、中間管理職としての広報官=佐藤浩市が上からも下からも前からも後ろからも横からも無理難題やプレッシャーを受けて、苦労して耐えて耐えて・・・というサラリーマン忍耐物語。「あー、いやだねえ」なんですけど、その部分が前編の中心であり、えらく力が入っている部分でもあります。お仕事物語として、強く訴えかけて来るものがあります。つまり大人のエンタテインメントのキモなのです。
前編では序盤を除いては、事件は後景に追いやられていました。この調子では、本当に後編で事件が解決するのかどうか心配になってしまうぐらいです。 でも早く後編観たいなー。今度こそは「(前/後編公開作の)後編の失速」が当てはまらない作品になることを祈るばかりです。
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上野の東京都美術館で開催中の展覧会『生誕三〇〇年記念 若冲』。ネットで見ると猛烈な混雑が伝えられ、平日でも3時間待ちとか、朝6時からかなりの人数が並んでるとか色々と信じられないような情報が並んでました。普段は午後5時30分閉館だけど金曜日だけは夜8時までやっていて、そこが比較的狙い目という情報を聞き付けて、仕事帰りに行ってみました。
ところがびっくりぽん! 上野駅公園口を出ると、プラカードを持った人たちがいて、そこには「若冲展 入場140分待ち」の表示が! 「え、今6時40分なんで、そうすると並んでも入れるのは9時ってことですかい?ゲーーーッ!!!」と、一気に心が折れました。
でもまあ一応現場の状況を見て、グッズだけでも買えたら買おうか・・などと都美に向かいます。
人の列、というよりはこんもりとした人人人のかたまりが見えました。こんな凄い行列、展覧会以外でだって見たことありません。いやー、皆さん根性ありますねー。やっぱり140分待ちってことで、大江戸は完全に萎えました(待つの嫌いだし)。
長蛇の列を横目にずんずん進んで、中庭の特設売場で図録(税込3,000円)だけ買って(それも5分並んだけど)帰りました。グッズ売場には近づけない感じだったので、あきらめました。トホホです。
地上波、BSのいくつもの特集番組でNHKがあおりまくってましたし、民放も特集したりして、宣伝行きわたり過ぎ、あおり過ぎでしたもん。会期1カ月(4/22~5/24)しかないのに。でも、美術館の人は連日朝早くから夜までこの状態で、苦情やルーティン以外の対応も多くて、地獄の日々だろうなあと思った次第。
なんでもっと長期間やらないんだろうなあ?と思った皆さん、それは無理なんです。江戸期の掛け軸や屏風ですから、長期間の展示は変色や劣化につながるのです。 それにしても大ヒットした2000年の京都国立博物館での『若冲展』でも9万人だったのに、今回の入場者は5月10日で既に20万人突破ということですから、最終的には40万人突破は確実で、更に上へってところでしょう。これは毎日夜8時までやるしかないんじゃないかとも思いますが、そうすると美術館の人々や関係者もバタバタと倒れていきそうですね。いくら興行的には只ならぬ大儲けと言っても(図録やグッズの収入も凄いことになっていそうです)、のっぴきならない状況ではありますね。
ああ、もっと早く4月のGW前に行っておくべきでした。20数年前からの若冲ファンとしては、無念です(その頃は若冲の名がようやく世に広まり始めた頃でした)。それにしても海外ではこんなことって考えられませんよね。そう考えると、日本人って民度が高いのやら我慢強いのやら真っ当な判断ができないのやら、わからなくなるのであります。
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紀尾井町(麹町近く)の特設会場で開催中のルイ・ヴィトンの大回顧展『VOLEZ VOGUEZ VOYAGEZ(空へ、海へ、彼方へ) 旅するルイ・ヴィトン展 』(~6/19 入場無料)に行って来ました。
夜8時までやっていて、松屋銀座前からシャトルバスが出ているというので、それに乗って(20分ほど)会場に向かいました。1978年にオープンしたルイヴィトンの日本1号店が紀尾井町にあったということで、この地で開催しているのです。
会場は平屋建ての仮設ですが、中は天井が高くて(5~6mあります)、しっかりとした空間です。会場デザインの力でしっかりとゴージャス感を出しています。
会場内は撮影OK。19世紀のヴィトン創設期から今日までの歴史や名品を、充実した内容で展示しています。これで入場無料とは、ヴィトンさん太っ腹過ぎます。
ただこれはおそらく一昨年の『ディオール展』@銀座に触発されたのでしょうね。あちらも入場無料でしたし。
ブランド価値を高めるための広告と考えれば、実に効果的で費用対効果も高い手法なのではないでしょうか。ファンのブランド・ロイヤリティもますます高まるというものです。
言っても今さらですが、スーツケースやバッグを生業としているルイ・ヴィトンにとって、「旅」は切っても切れないもの。お金持ちの旅、移動ということにフォーカスした自慢の製品の数々が、誇らしげに展示してあります。古い年代の製品や資料も、しっかりと取ってあります。こういうアーカイヴ性こそが、企業文化というものなのです。
旅は陸、海、空とあり、それぞれに旅の持つロマンと機能美が感じられます。
本展のメインビジュアルになっている複葉機も、展示の一部として壁から突き出ておりました。翼にバッグを載せて。
もちろん我らが村上隆や草間彌生とのコラボ作品もあります。
さらにはハリウッド女優のバッグやケースに衣装を合わせたコーナーや、近年のプレタポルテ・ラインのクロージングを紹介するコーナーもありました。
極め付けは最後の日本コーナー。障子に畳に枯山水と、これでもかのジャポニズム。板垣退助や白洲次郎の鞄もありましたが、川久保玲とのアナーキーなコラボ「穴あきバッグ」にはやはり驚かされました。
老舗ってものは、こういう斬新さにも常に度量が広いのですよね。時代を取り入れ進化していくからこそ、長く生き残れるのです。
畳のへりにモノグラムが入っていたのも、しゃれておりました。素敵な遊び心です。
会場出口前ではフランス女性の職人さんが製品造りの実演をしておりました。そして出口ではなぜか展覧会のB1ポスターをプレゼントしてくれました。
そうそう、バスの中や会場入り口に展覧会パンフレットの冊子(これも無料)が置いてあるのですが、日本語、英語のみならず、フランス語、中国語、そして「子ども用」まであったのには、またも驚きました。
見応え十分のブランド展でありました。この手法はますます広がっていくような気がいたします。
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U-23日本代表の強化試合、対ガーナA代表戦(ベアスタ)をTV観戦。ガーナはA代表と言っても、海外組は招集せず国内組のみの編成だそうで、結果ちょろかったです。3-0で日本の快勝。とは言え前半30分で3-0にしてるので、残りの60分は0-0。ちょっと物足りなさも残りました。
日本はオリンピック行きのメンバーを決めるために、新戦力を含め色々と試して見極める試合でもあります。そんなわけで、キャプテン遠藤航や欧州組は敢えて選ばれていなかったりします。今日の先発もマリノスの富樫敬真やアルビレックスの野津田など気になる選手を使っています。
試合は終始日本が主導権を握って攻撃を仕掛けます。で、11分、15分の矢島、30分の富樫と流れからのきれいなゴールが生まれ、勝負ありとしました。だって、ガーナ弱いんだもん。苦も無くボールが奪えるし、DFゆるいし、ボール回せないし、攻撃陣には迫力が無いし・・・。
矢沢も位置取りとかシュートの精度とか良かったですけど、富樫が得点シーンのみならず見事でした。(故障者も多いのことだし)この1試合だけで五輪当確を出したいぐらいの堂々たるパフォーマンスでした。さすがにマリノスで試合に出てるだけのことはあります。
でもやはりまだまだ足りない所の多いチームだってことも明らかでした。今日は右サイドに入った伊東がなかなか良かったとは言え、故障者の多い両サイドバック、そしてFWには一人ずつ必要でしょう(できればGKも)。てなわけで大江戸はオーバーエイジ賛成派であります。
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六本木の俳優座劇場で、内野聖陽と波瑠のリーディング公演『ふたりものがたり 乳房 ~天上の花となった君へ~』(合津直枝演出)を観ました。ええ、もちろん波瑠さん目当てです。
これ、伊集院静の短編小説『乳房』が原作。それを全面的に生かしながら、二人芝居に適した台本を作り、二人とも本を手に持って読みながら演じるという趣向。ただし、あまり読んでいないというか、台詞は頭に入ってる感じ。少な目ながら動きもありますし、リーディングと言いつつも、かなり演劇に近い印象でした。
『乳房』は伊集院さんと夏目雅子との馴れ初めから死別までの日々を描いたお話で、小生も以前読んで感銘を受けた覚えがありますが、いやー、改めて文芸作品としての素晴らしさを確認しました。通俗であり、私小説的であるわけですが、実話に裏打ちされた強度があり、男と女の普遍性があり、照れくさい程のロマンティシズムもあります。
これまでも夏目雅子に似ていると言われ続けた波瑠さんが、夏目本人がモデルの役を演じる面白さ。透明感にあふれ、可愛いく、はかなく、見事にハマってました。舞台の波瑠さん、思った以上に巧かったです。モデルの出自も含め、そんなに巧い人ではない印象ですが、映画『BUNGO』の中の1篇『幸福の彼方』だとか『みなさん、さようなら』だとか、役がハマった時には素晴らしい魅力を発揮する女優なのです。この芝居では、中盤で『鬼龍院花子の生涯』の夏目雅子の名台詞「なめたらいかんぜよ!」を言う場面もありましたが、うーん、ちょっとやり過ぎの脚色ではないかなあ。気恥ずかしいです。波瑠さんも、ちょっとドスが利かなかったし・・・。
内野さんは堂々と無頼派の「いい男」(伊集院さん)を演じて、さすがの安定感。大人の余裕ですね。内野さんといえば、小生にとっては森田芳光の『(ハル)』の人。おお、ここで波瑠と結びつきましたね!
舞台セットもシンプル。衣装もシンプル。かなりの部分は「本を読む」行為同様、観客の想像力に委ねられるというところが、「リーディング公演」なのですね。 正味1時間40分ほどの上演でした(休憩なし)。
終盤はやはり泣けてしまいますね。美しいラブストーリーでもあります。でも本作のテーマ曲のように繰り返し使われる矢沢永吉の『時間よ止まれ』が高鳴るエンディングにはムムム・・・。やっぱりヘンですよぉ。どうしてそうなっちゃうのか疑問でした(「時間よ止まれ」と言いたい気持ちだったってのはわかりますが、ベタですし、この曲が強すぎますし・・・)。
まあいずれにしても、「ナマ波瑠」(生春巻みたいですね)はステキでありました!
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映画『さざなみ』は、なんともじわーっと怖い映画。淀川長治さんだったら、「まあー何とも知れんこの老夫婦の心の奥底の描き方」とか「怖いねえ」とか言いそうですね。 確かに長年夫婦業やってる人たちにとっては(特に男性には)ホラーですよね、これ。夫婦は結局他人なんだけども、愛が介在するので、愛があるからこそのめんどくささを抱えているって話。
シャーロット・ランプリングもトム・コートネイもさすがとしか言いようがないので、よけいにじわりとホラーが迫ります。台詞の行間や描かれていることの裏側を、心の奥の感情の動きを、ニュアンスとしてきっちりと観る者にわからせる芝居。いやー、見事です。
『さざなみ』っていう邦題にしてから、巧みに内容を語っております。ランプリングの無表情の下にさざなみが立っている、その様子を見事に表した日本語タイトルです。で、原題はというと“45 Years”なんですよね。これはこれで年月の重みとその長さゆえの恐怖をずっしり伝える良いタイトルなんですけどね。
(以降ネタバレあり) ラストのパーティーで妻への愛と感謝を伝える見事なスピーチを口にする夫(ありゃあ日本の男では、照れてちょっと言えませんよね)。でも、その時、その後のランプリングの表情は・・・。こわいですねー。重いですねー。何とも救われないラスト。 どうにも好きになれない映画です。
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GW3連戦をアウェイ連勝でホームBMWスタジアムに戻って来た湘南ベルマーレ。そう、「なんとかホーム初勝利を!」でもあるのです。
今日の相手はFC東京。そう、秋元や丸山がいるチーム。そしてこちらには長谷川アーリアジャスールや大竹がいるという、ある意味因縁の対戦。ぎっしりのサポ席も、試合前からヒートアップしておりました。
また、FC東京は4日に猛暑のベトナムで戦ってから飛行機で戻って来ているので、きっと後半には運動量が落ちるはず・・・と思っていたのですが・・・。
試合が始まってみると、コンパクト・フィールドの中で競い合い、しっかりと守り、互いに攻め手に苦労する展開。そんな中、なんだか隙があったベルマーレが失点してしまいます。本来湘南がやりたかったような攻撃で、FC東京が前半20分に先制。
そして結局はこの1点を守り通す形で、FC東京の勝利となりました。
それにしても1点取った後の東京は守備ブロックをしっかりと敷いて、手堅く守り抜きました。だから攻撃の脅威はほとんど感じなかったのですが、それ以上にベルマーレが攻撃の形を作れず、いやパスすら回し切れずにブツ切れ状態。この試合のシュート数がなんと「1」なんですから、これは負けます(まあ東京のシュート数もたったの6なんですけど)。FC東京の運動量も、意外と最後まで落ちませんでしたし。
とにかく非常に魅力に乏しい試合。特にホームチーム湘南としては、GWの13,000人以上のお客さんの前でこういう試合をやっちゃあいけませんや。負けたって魅力的なサッカーを標榜しているはずなのに、今日は「湘南スタイル」の良さを全て封じ込まれてしまいました。城福さん、こういう所きっちりと研究してくるんだよなー。
そもそも(前半の)菊池大介のボランチってのが、機能しませんでした。持ち過ぎちゃあ奪われて、ブレーキになっちゃってました。でも今日はいい選手っていなかったのでは? 両サイドも蓋をされちゃってたし、みんなきっちりと抑え込まれて、調子が出ませんでした。 結果論ですが、こういう試合こそ(ベンチ入りしていなかった)パウリーニョが効いたのでは?
ベルマーレクイーンの5人は、またもリーグ戦の初「勝利のダンス」お預けです。 で、試合前にたまたま通りかかったら、なんと’13年ベルマーレクイーンのみっさちゃんが一緒に記念撮影のシーン!
さらに、今日は大江戸の席(メイン側自由席)の一つ前に’13年クイーンのみっさちゃん、かすみん、ゆきちが勢揃いして応援というオドロキの偶然。「あ、いる」と気づいた時には、かなり焦りました。いや、3人ともおキレイで輝いてました。
プライベートなのでお声掛けは控えましたが、皆さん最後まで熱心に応援なさってました。
(トラックのロンドさんとわかちこを見つめる3人↑)
ああ、早くホームで勝ちたいです!
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映画『グランドフィナーレ』は、映像が素敵。ただ、監督がいろいろと狙っていることはわかるのですが、映画の映像としては不足。「目に気持ちの良い映像」以上のものにはなり得ていないのです。フェリーニを狙いながら、届いてないんですよねー。映像のコクやパワーが全然違うんですよねー。
思えばパオロ・ソレンティーノ監督の前作『グレート・ビューティー 追憶のローマ』も、フェリーニ狙い(何しろローマですし)でありながら、妙に整った小ぎれいな映像が、むしろフェリーニとの差を明白にしていました。大江戸は、こういう「絵造り命」の監督って結構好きなんですけど、ソレンティーノに関してはどうもねえ・・・。なんかミュージック・ヴィデオ風というか(実際、本作中にもMVを模した場面がありました)、映像が関西で言うところの「ええかっこしい」なんですよね。
でも水にまつわる夢の映像とか、緑の斜面に過去作品の女優たちが勢揃いシーンの映像とか、それなりに楽しめるんですけどね(でも突き抜け切らないんです)。
年寄りたちで“YOUTH”を描こうとしているのだから、もっと「エロスとタナトス」に振り切っていただきたかったなあ。でもきっと「振り切らない」監督なんでしょうね。
マラドーナを思わせるデブ男には、なんか笑えました。マラドーナ本人は、さすがに一番太ってる時でもあそこまでは行きませんでしたけど(あれじゃあ相撲取りです)。 それよりもジェーン・フォンダにびっくり。エンド・タイトルを見て、「あっ、そうかー!」と愕然としました。女の人はなかなかしんどいですね。 それに較べると、マイケル・ケインやハーヴェイ・カイテルはカッコイイですもんね。
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映画『シビル・ウォー キャプテン・アメリカ』は、マーヴェルの中で「オールスター戦」の後の「チーム対抗戦」ってところ。『怪獣総進撃』『オール怪獣第進撃』の後で、『ゴジラ対ガイガン』が怪獣たちのチーム戦だったようなものでしょうか。
そろそろマーヴェル・シネマティック・ユニヴァースなるものに付き合いきれない気持ちになって来ている大江戸にとっては、どうでもいいやって感じの退屈なストーリーなのでした。 キャプテン・アメリカって、まさにアメリカの今を体現しちゃってるわけね・・・ってところですが、別にだから何なのよって思っちゃいます。この程度の作品に延々2時間28分もかけないでよと言いたくもなります。まあ、TOHOシネマズのマイレージが多めにたまるからいいんですけど。
(以降ネタバレあり) 飛行場での両軍のバトル・シークェンスだけが見ものでした。スパイダーマンはかなりコミカルな扱い。いいよね、スパイディーって。 そしてアントマンがあんなにでっかくなっちゃうとは! 全篇をタイトにして、この場面ぐらい頭カラッポで楽しめるようにしといてくれればいいのに、妙に理屈をこねまわしてしんねりむっつりさせちゃうもんだから、かなりかったるいのです。
それにしても「ヴィジョン」さんって、「ブルーマン」ショーの人の副業みたいですよねえ。
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映画『追憶の森』は原題が“The Sea of Trees”。樹海ですね。舞台は青木ケ原樹海です。やたらと過去を振り返る回想シーンの多い映画なので、「追憶」とつけたのも納得ではあります。主要登場人物は3人(マシュー・マコノヒー、渡辺謙、ナオミ・ワッツ)なので、役者としてはたっぷり芝居を見せられる映画です。
ここ数年の好調を持続して、マシュー・マコノヒーの演技が見事です。抑制が効いて、しかもじわりと感情を滲ませて・・・うまいです。
彼とナオミ・ワッツの夫婦ゲンカ場面の息詰まる冷戦ぶりといい、そこからの仲直り?ぶりといい、かなりリアルに迫って来ました。さすがです。
(以降ネタバレあり) 終盤に至るや、物語は神秘主義的なファンタジー・ワールドへと移行します。そっちへシフトした当初は、「へ?」と思ったのですが、最後まで観てみれば「まあ、これはこれで」と一応納得できる話だと思いました。あのキイロとフユという変な名前(まあフユは変じゃないのですが)の謎が解ける結末など、あまりにも無理矢理なんですけど、ちょびっとだけ感動できました。
それにしても「キイロ」って・・・。せめて「きい」だったら、北乃きい という実例もあったのに。ちなみにきいちゃんの芸名は「黄色」のイメージがあるからついたのだそうです。 てか、そもそも「ミドリ」にしとけば極めて自然だったのにねえ(なぜ指摘しなかったのか、日本人スタッフ)。
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昨日、渋谷ハチ公前にまたマック赤坂さんがいました。
スーパーマンの扮装で、いつものようにゆるりとした舞を披露していらっしゃいました。
さて話変わって、4月28日に新宿にオープンしたBEAMS JAPANに行って来ました。あのBEAMSがビルをリニューアルして、日本を切り口にした衣服や雑貨でフロアを埋め尽くしました。
正面口の上には家紋風のちょうちんがずらり。
「和」とは言っても、かなりポップに現代の和を追究しています。だから面白くて、見飽きない商品が多いですね。浮世絵のスケートボードとかね。
当然内装も凝っておりまして、和モダンに目を奪われます。階段なんかも、時代劇のようなお江戸の世界です。
1Fの入口上なんて、「一富士二鷹三茄子」の錦絵ですもん。
まさにクール・ジャパンの館ですね。バイヤーの目利き力が、今後も試されていくことでしょう。
さてさて、日本って言う切り口で言えば、3月31日にオープンした銀座東急プラザだって、負けてはいません。
(以前紹介した記事はこちら ↓)
http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2016/04/post-32db.html
もともとガラスの外観は江戸切子をイメージしたものですし、上の方には桜の植わったガーデンがあったりします。
天井の高いキリコラウンジに吊るされている照明器具は、番傘や鼓をイメージさせる意匠。
こんなジャパンきもののアートも展示されておりました。
その他にも和の意匠はそこかしこにありますし、上層階の和の雑貨コーナーはこちゃこちゃと面白い物が集まっています。海外からの旅行者の気の利いたお土産物は、バッチリって感じです。
そもそもここのコンセプトって、「Creative Japan」って言うんですって。
時代は今・・・、いや、2020年に向けてますます「日本」アピールがあちこちで勃興していくのでしょうね。
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映画『フィフス・ウェイブ』は、予告編や広告で受けたこちらのイメージを随分と裏切ってくれましたねえ。いや、オープニングの15分ほどに限れば、予想通りなのですが、VFX満載の地球崩壊場面はそこまで。そこから後は、「えっ? こういう感じの映画だったの??」って調子で進んで行きます。少々面食らいます。
津波場面などは、なかなか見せるのですけれど、そこでもう「予算使い果たしちゃいましたー」感が出て(ま、それは冗談ですが)、それ以降は地味な展開。地味な中に、時々ツッコミ所が現われるという本作は、十年ぐらいたつとカルト・ムービーになる可能性をも秘めております(これは結構本気です)。
黒江、いやクロエちゃん、ますますもって顔が横長だあ。小生としてはクロエちゃん目当てで観た作品なので、全編にわたって彼女が出ずっぱりなのをもって良しとすべきなのでしょうね。
またも出てきたリーヴ・シュレイバーは、こちらが彼の本筋と言うべき軍人役。無理なくハマってます。以前に較べると「知性」のスパイスが漂ってますね。
(以降少々ネタバレあり) 顔の濃いイケメンくんの水浴びシーンのサービスカットぶりとか、正体を現したイケメンくんの高速ヘンな動きとか、若イケメンくんの前でのクロエちゃんと濃い顔イケメンくんのいきなりなキスシーンの「え?彼の目の前でいきなりですかい?」って感じとか、なかなかに意表を突いた描写も多くて、笑えちゃいます。
なんか「つづく・・・」的なエンディングなのですが、これは続篇できんでしょう。 ですよね?
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映画『テラフォーマーズ』は、三池崇史らしいdisgustingなエンタテインメント。原作ものではありますが、終始ゴキブリとか昆虫とかで攻めて来るので、特に苦手ではない大江戸でさえもだんだん胸クソが悪くなって来ます(こういうバッド・テイストは三池作品にありがちですね)。「ジャポニカ学習帳」の表紙からも(気持ち悪いと言う、虫が苦手な子供が増えたので)昆虫が消えるというご時世なのに、こんなのアリなんでしょうか(いや、蟻じゃなくてですね)? 宣伝的にはほとんど「ゴキブリ」を出さないようにしているので、間違えてデート・ムービーに選んでしまったカップルとかは、かなり悲劇ですね。いやー、そっちの顛末の方が恐ろしいです。好事家のカップルだったら、まあいいんですけど。
(←新宿バルト9にあったテラフォーマーの像)
タイトル・シーンで画面に出る文字は“TERRAFORMARS”。“Transfomer”のように“-mers”とはならず、“mars”(火星)となっているのは、原作コミックスの段階からなのですね。
各人が昆虫人間に変身する時に、その昆虫の特徴が映像と共に説明されるのが、図鑑感覚でご愛敬。なんか観ていて、小学生になったような気分です。 でも一人また一人と変身してるよりは、みんな一気に変身した方が、敵に圧勝できるのでは・・・?
まあ、VFXとか結構がんばっているのですが、最終的にそんなに面白い代物でもなく、観たらすぐ忘れてしまうような映画。ま、三池さんはそれでいいと思ってるんでしょうけれど。
続篇を意識したようなエンディングなんですけど、うーん、どうなんでしょうねえ? 大江戸は別になくていいです。
バルト9で観たのですが、新宿ピカデリーの1Fホールにも宇宙船のコックピットや隊員たちの特殊スーツの展示がありました。
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映画『ちはやふる 下の句』は、楽しみにしていた後篇なのですが、やはり「前後篇に分けると、後編で必ず失速」の鉄則には抗えませんでした。 肝心の主役=千早のダメな部分が(前篇では許せたのですが)炸裂しちゃって、その葛藤が作品を停滞させました。
小泉徳宏監督って、どうも主人公(たち)の葛藤を描くと、たっぷり撮っちゃってテンポが悪くなるんですよねー。なんか、これなら前後篇まとめて2時間半ぐらいの1本にしてほしかったと思っちゃうのも、いつもの通りです。
広瀬すずは「上の句」での溌剌たる魅力が薄れていましたねえ。そして、後半に自信を取り戻してのっしのっしと歩く後姿や凄い形相などは、ゴジラ化しておりました。まあ、そういった芝居ができるのは頼もしいかも知れませんが・・・。
でも、すずちゃんが全体的に精彩を欠いた分、松岡茉優が素晴らしかったです。この若さ(21才)で、この貫禄。見事にクイーンの強さと威厳のオーラを発していました。しかも変なキャラクター(ダディーベアとかスノー丸とか)に萌えるところの落差が笑えました(彼女も千早もそこらの趣味が悪すぎませんか?)。二人が試合で対峙した場面で、松岡が圧巻の「怖い笑顔」を見せてくれましたが、このカットはあと0.5秒長くあって欲しかったなあ。
上下で完結かと思ったら、続篇の制作が決定したとか。まさか続篇も二部作じゃあないでしょうね。でも1本だったら、そのタイトルはどうするのでしょう? 「結句」かなあ・・・?
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