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2016年5月 5日 (木)

「追憶の森」:妻はキイロ、娘はフユ

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映画『追憶の森』は原題が“The Sea of Trees”。樹海ですね。舞台は青木ケ原樹海です。やたらと過去を振り返る回想シーンの多い映画なので、「追憶」とつけたのも納得ではあります。主要登場人物は3人(マシュー・マコノヒー、渡辺謙、ナオミ・ワッツ)なので、役者としてはたっぷり芝居を見せられる映画です。

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ここ数年の好調を持続して、マシュー・マコノヒーの演技が見事です。抑制が効いて、しかもじわりと感情を滲ませて・・・うまいです。

彼とナオミ・ワッツの夫婦ゲンカ場面の息詰まる冷戦ぶりといい、そこからの仲直り?ぶりといい、かなりリアルに迫って来ました。さすがです。

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(以降ネタバレあり) 終盤に至るや、物語は神秘主義的なファンタジー・ワールドへと移行します。そっちへシフトした当初は、「へ?」と思ったのですが、最後まで観てみれば「まあ、これはこれで」と一応納得できる話だと思いました。あのキイロとフユという変な名前(まあフユは変じゃないのですが)の謎が解ける結末など、あまりにも無理矢理なんですけど、ちょびっとだけ感動できました。

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それにしても「キイロ」って・・・。せめて「きい」だったら、北乃きい という実例もあったのに。ちなみにきいちゃんの芸名は「黄色」のイメージがあるからついたのだそうです。 てか、そもそも「ミドリ」にしとけば極めて自然だったのにねえ(なぜ指摘しなかったのか、日本人スタッフ)。

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コメント

名前が日本人としてありきたりなハルとかナツ、アキ、ミドリじゃまずいでしょう。却って神秘性が伝わらないのでは。キイロとフユじゃないとダメなんです。

投稿: 佐藤秀 | 2016年5月 5日 (木) 23時27分

うーん、あえて珍しい、あるいはほとんど無いような名前にしたということですか。
いずれにせよ、アメリカ人にしてみれば私のような引っ掛かりは何も無いわけですもんね。

佐藤秀さんのブログ、いつもいつもの深読み、裏目読み、卓見に感心しながら楽しませていただいております。今後ともよろしくどうぞ。

投稿: 大江戸時夫 | 2016年5月 6日 (金) 13時17分

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