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2016年6月30日 (木)

映画館の怪異

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ひえ~、こわいよー。呪いの競演、貞子vs.伽椰子です!

これ、現在『貞子vs伽椰子』を上映中のヒューマントラストシネマ渋谷のトイレ。8Fと7Fとで担当者が違うようです。

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呪い担当の割にはちゃんとお掃除してくれているようで、何よりです。 

更に、男性用小便器の前に貼ってある「一言」なんて、一つ一つ全部違う文言ですよ。

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売店に行けば、「最強ソーダ」対決ってことで、『伽椰子の呪い』(ピンク)と『貞子の怨念』(ブルー)が売っておりました。

いやー、徹底しておりますね。

こういう手作り感が、大資本のシネコンとは違うところで、嬉しくなっちゃいます。

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                           ばーん! でもコワイといえばこちら。はい、『犬神家の一族』の助清ですね。

場所は新宿角川シネマのロビー。なんでまた、今頃・・・

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と思ったら、はい、来る7月30日~9月2日に、「角川映画祭」を行うのですね。なので、フォトコーナーを設置してるって趣向。

ちゃんとした紋付袴でございます。

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うーん、でもこの座布団に座って一緒に写真を撮るってのは、なかなかですね。

誰か白無垢の花嫁姿で座ったりしないのかしらん。ゾーッ!

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2016年6月29日 (水)

U-23代表、南アに大勝

 サッカーU-23オリンピック代表のリオ出発前の最終マッチ、日本vs.南アフリカをTV観戦。序盤こそ南アフリカの強烈なプレスに押され気味のところもあった日本代表(PKで先制されたりもしました)ですが、とは言え徐々に試合を引き寄せ、前半37分に同点にした後は完全にペースをものにしました。そんな中、前半44分には逆転に成功し、アディショナルタイムにも1点を加え、3-1で折り返しました。 後半3分にも1点を加え、結局4-1で大勝となりました。

得点者が中島翔哉×2、矢島慎也、浅野拓磨ということからも、そのお膳立てに室屋成がことごとく加わっていることからも、活躍してほしい人が活躍しました。特に故障明けで心配された中島と室屋が90分走りぬいて、見事なパフォーマンスだったことは喜ばしく、まあ二人ともメンバー入り確実でしょう。二人とも大江戸が支持している選手なので、嬉しいですね。いやー、室屋ほんと素晴らしかったです。 4点とも流れの中での得点。連係も見事でした。

DFではやはり植田の高さ、強さ、顔の怖さが群を抜いてました。 そして本番ではここにボランチで遠藤航が加わるわけです。さらに、オーバーエイジの3人=塩谷、藤春、興梠が加わるわけです。その時どんなサッカーを展開するのかと夢想した大江戸なのでした。

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2016年6月28日 (火)

「二重生活」:なんか不快な尾行映画

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映画『二重生活』は、一番短く言っちゃえば「尾行映画」。尾行のスリルやハラハラと覗き見的ドキドキ感があります。とはいうものの、決して楽しい作品ではありません。いや、むしろ不快な作品です。その不快さのかなりの部分は、主人公の門脇麦から漂っているのですが・・・(この人には昔っから、イラッと来るようなオーラを感じるのです)。彼女が長谷川博己にとっちめられる場面では、「そうだ! ざまーみろ!」と思いましたもん。 ま、デート・ムービーにはなりませんよね。

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今年は小池真理子原作小説としては『無伴奏』も映画化されました。あれもかなり変な作品でしたが、こっちもそこそこ変ですよ。登場人物の解せない行動とか、怪しい管理人さんの仕掛けた防犯カメラのモノクロ映像の異様にホラーな感じ(貞子でも出て来そうです)とか。管理人さんに扮したのが誰かと思ったら、お久しぶり烏丸せつこだったので、結構驚きました。なかなかの存在感でした。 そして西田尚美さんは、いい感じにお綺麗で結構でした。リリー・フランキーさんと並んで歩くあたり、住宅のCMでの深津絵里さんとリリーさんとの夫婦役に雰囲気が似ておりました。

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それにしても教授、学生にこんな事やらせちゃまずいでしょ。軽犯罪になったりしないのでしょうか?ならなくても、道義的にはいかがなものかと思います。もちろん、やっている主人公が一番良くないことは確かでして・・・尾行がバレてちょっとビビッてからも、かなり身勝手なことばかりおっしゃいますもん(そこらが現代的なのかも知れませんが)。

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この題材で2時間6分は、長過ぎ。あと15分ぐらいは無理なく摘まめるのでは? 門脇が延々とつまんない話をしてる場面とかありますもんね(長谷川が「つまらん話だ」ととっちめますけど)。

でも東京ロケはそれなりに生き生きしてます。表参道や飯田橋あたり。何ヶ所か「ああ、あそこだ」とわかりました。 水族館シーンは八景島シーパラダイスだとエンド・クレジットに出ておりました。

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2016年6月27日 (月)

「ノック・ノック」:心の中は血しぶきだらけ

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映画『ノック・ノック』は、あのイーライ・ロス監督の新作。これまでの血みどろ残虐ホラーとは違って、血はほとんど流れません。でも、心の中は大流血というか、観る者の神経をズタズタにしてくれます。そういう不快さ、意地の悪さにおいては、やっぱりイーライ・ロスなのですね。あー、こわ。

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小生は知らなかったのですが(広告やサイトにも書いてありませんが)、本作は’70年代のアメリカ映画『メイクアップ』(原題は“Death Game”)のリメイク。調べてみたら、かなり前作に忠実なリメイクのようです。ちなみにキアヌ・リーヴスの役はシーモア・カッセルが演じたってことで、イケメン度がだいぶ違いますね。 女性二人の役はソンドラ・ロックとコリーン・キャンプが演じてたってことで、本作よりも豪華なキャスティング。まあ、イーライは女房(ロレンツァ・イッツォ)に演じさせたかったってことなんでしょうけど。 で、本作には太っちょのおばさんになったコリーン・キャンプ(彼女は製作者の一人でもあります)が出演していて、びっくりです。

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それにしてもキアヌの情けないこと。ボロボロです。でも、同情を禁じ得ません。だって、彼はあなたであり私であるのに対して、二人の女の子たちは、ネジが外れて振り切ったクレイジーぶり。刃物も無いのに「キチガイに刃物」って感じに猛毒なのです。でも、これだけの乱暴狼藉を続けていたら、こいつらとっくに逮捕されてるか、返り討ちに遭って殺されてるはずなのに・・・。

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彼女たちの悪行に「なぜ」という理由が伴わないところがミソです。スピルバーグの『激突!』でさえ、「追い抜いた」ことがトリガーを引いてしまったわけなのですが、本作の場合は特段の理由などない「愉快犯」なのです。そこがまた心底怖くて、やりきれないところでもあるのです。

SNSを使ったラストのオチには、引きつりながら笑いました(前作とはラストが違うようですね)。

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2016年6月26日 (日)

「10 クローバーフィールド・レーン」:ヒロインが恩知らずじゃね?

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映画『10 クローバーフィールド・レーン』は、なかなかの異色作。小生は『クローバーフィールド HAKAISHA』が大好きなので、こちらにも期待しておりました。前作がPOV(point of view)ショットにより、「見えない」「何だかわからない」で押し通した作品だったのに対し、こちらは正攻法の映画作りです。でも「見えない」「何だかわからない」ってことに関しては同じ。そこで、サスペンスを盛り上げ、ミステリーを作り出しているところは、かなり巧みな脚本と演出です。

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(以降少々ネタバレあり) なのにですねえ、予告編で随分と重要なものを見せちゃってますよねえ。がっかりです。あれを見せちゃいかんでしょう。ポスターにも出てるし。それがなければ、結末はもっとわからないので、もっと楽しめたのにと思うのです。何しろどんな映画なのか、途中では観てる人にも全くわからないという、かなりトリッキーな展開なのです。そういった意味では、年明けごろにやっていたティーザー予告編は(見せないことにおいて)よく出来ておりましたよね。

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演出的にもコミカルな要素を入れたりしてますし、そもそもジョン・グッドマンの起用自体が、コミカルでもあり恐ろしくもありという玉虫色を見事に体現しております。物語がどう転がるかわからないってことにおいてスリリングで、いやー、面白いです。 だからこそ、終盤はちょっと普通過ぎて残念。ここでもっとぶっ飛んだことやらかしてくれたら、傑作になったのに・・・。

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だいたいヒロインのミシェルさんが、どう見ても恩知らず過ぎて、被害者意識が強すぎて、閉口します。なんで、これほどまでに「逃げる」ことに執着しているのかと思うほど、終始ジョン・グッドマンを騙して逃げようとします(単にデブ嫌いなのか?)。観てて、「ほんとにわからん女だなー」とイライラするほどです。まあ、アメリカでは少年も少女も「自由に向かって脱出すること、冒険することこそが美徳」みたいな教育を刷り込まれて育つので、こうなっちゃうんでしょうかねえ。グッドマンさんは、その名の通りけっこう良い人なのに(まあ悪い人でもあるのですが、この状況下ですからねえ)。終盤の、彼女からグッドマンさんへの行動、さすがにあれはないんじゃないのってぐらい残忍でクレイジーだと思います。困ったもんです。

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2016年6月25日 (土)

最近の良きビール

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最近の良きビール。

まずは「キリン一番搾り」の『東京づくり』です。全47都道府県の缶を作って、嵐が広告してるアレです。「東京の誇りを限定醸造」と謳っています。他県のも、そう言ってるに違いありません(調べたら、案の定そうでした)。まあご当地戦略としては、面白いですね。 

すっきりした味わいで、後から苦みが立ち上がって来ます。悪くは無いけれど、ちょっとスッキリ感が強すぎて、コクが物足りない感じでしょうか。そこが東京っぽいのかなあ?

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続きましてヱビスビールの最高峰という『ヱビス マイスター 匠の逸品』。フルーティーだし、コクもキレもあるし、さすがと言うしかありません。日本のビールの最高峰クラスであると、確かに言えるでしょう。 

缶の表面にも触感に訴える加工が施してありますし、この缶のデザイン自体、文句のない高級感を醸しております。スキなし!お見事!

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で、こちらもゴールド系の缶で、こだわりと趣味性の高い雰囲気をデザインで示しておりますね。サントリーの『クラフトセレクト ゴールデンエール』です。これ、シリーズでいろんな缶の色があるようですね(もちろん味も異なります)。

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しかも缶の裏を見ると、「香り/旨み/苦み/ボディ」と項目別に5段階評価がついておりました。確かに香りは強めでしたが、苦みもしっかりあったと思いますけどね。「エール」の味です。まあ、なかなか悪くない出来ではないでしょうか。

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こちらもサントリーのセブンイレブン限定商品『金のビール』。

「クリーミーな泡」というコピーで、確かにサントリー的なもったりとしたコクが良いです。でも『モルツ』ほどにはもったりしていませんし、適度にスッキリもしていて、バランス良好です。かなりいいと思います。

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2016年6月24日 (金)

CKB、あーあ! 権八、へーえ!

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勘違いというものは恐ろしいものでございます。

楽しみにしていたクレイジーケンバンドのクラブチッタ川崎でのライブ。手帳の6月26日(日)に印をつけて、さあいよいよと思っておりました。

ところが、何ということでしょう。仕事に行く地下鉄車内で、それが間違いだったことに気づいてしまったのです。今日の夜だったのです!

しかしながら、既に今宵は会食の予定を入れてしまい(私抜きというわけにもいかない会でもあり)、万事休す。ちょっと死にました。 日曜だとばかり思っていたのでチケットを持たずに仕事に出たため、どなたかにお譲りすることもできず、アウト!なのでした。

まあ、人生うっかりぽんなことは時々あるものでございます。秋のツアーで取り返しましょう。2倍楽しんじゃいましょう。

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ところで、今日行ったのは西麻布の居酒屋「権八」。そう、小泉&ブッシュが行ってTVなどでも報じられたあの店。つまり、タランティーノが『キル・ビル』の青葉屋のモデルとした店です(タランティーノがと言うよりも、美術の種田陽平が、と言うべきでしょうが)。

入口にはタランティーノやスタローンやレディ・ガガやスティーヴィー・ワンダーやジョニー・デップらの来店時の写真も飾ってありました。

満員の店内の8割が外国人(欧米系がほとんど)。250席ぐらいあるようで、その賑わいやさんざめきが圧巻でありました。 あと、店員さん(日本人の他にアフリカ系の方もいました)が、空いたお皿やグラスを頻繁に片づけてくれます。まるで、ディズニーランドですぐにゴミを掃除するキャストみたいで1466780145678_convert_2016062500503す。

コースではなく単品で注文して、あまり飲まなかったので、非常にリーズナブルなお勘定でありました。

オールド・ジャパンのテーマパークみたいな居酒屋でありました。一見の価値はありますね。

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2016年6月23日 (木)

かっぱえびせん限定版コレクション

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最近カルビーの『かっぱえびせん』が攻めています。期間限定の変則商品の嵐です。

この『韓国のり風味』あたりは、以前からたまに出ていたように思いますけれど・・・。海苔と、ごま油の香りですね。

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こちらは『えび2倍仕込み』。確かにえび風味が濃厚です。なんか満足感がありますね。

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春の桜えびシーズンには、この『桜えび』も出ておりました。ただ、これに関しては「うーん」ってところです。特にあの特徴的な桜えび風味がしません(色はちょっとピンクが入ってましたけど)。大江戸は桜えび大好きなので、ちょっとがっかりぽん。

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で、こちらは『麻辣(マーラー)味』。「オトナ倶楽部」というカテゴリーの商品のようですね。まあピリ辛ではありますが、麻辣というのならもっと花椒(ホワジャオ)を効かせてくれないと。そこが物足りないのです。

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そこいくとこちらはひたすらキムチ的な唐辛子の辛さで、潔い感じ。『辛っぱえびせん』というだけあって、なかなかハードな辛さです。なにしろ袋のエビが汗かいてますもん。

この他にもサイズのでかいえびせんとか出てたように思いますが、あまり惹かれるところが無かったので、買いませんでした。

この傾向はまだしばらく続くのでありましょう(コンビニの棚が獲れるしね)。

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2016年6月22日 (水)

「アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち」:エンタテインメントの方には振りません

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映画『アイヒマン・ショー 歴史を映した男たち』は、ナチスの親衛隊将校アドルフ・アイヒマンを裁く1961年の裁判をTV放映した男たちの実話をもとにした作品。そう、『ハンナ・アーレント』で、題材になったあの裁判です。極めてまじめです。それは、映画作りの姿勢においてもまじめということで、エンタテインメントの方には振りません。そうなるのを、良しとしない感じです。

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前半はイスラエルでの裁判までの準備、後半は裁判のTV中継をめぐるあれこれです。TVプロデューサーと、彼が起用した監督を中心に物語は進みます。 それほど圧倒的なドラマがあるわけではなく、生真面目に淡々とファクト(事実)とファクター(要素)を積み重ねていきます。エンタテインメントの方には振りません。

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裁判の場面になると、アイヒマンの実際のTV放映映像やホロコーストの記録映像が、かなりの量使われます。それを見られるという意味において、貴重な映画です。裁判の「撮り方」に関して、プロデューサーと監督の意見が対立するところが、本作随一のドラマティック・シーンです。あとは、ドラマ的な演出を良しとしない覚悟が見て取れます。エンタテインメントの方には振りません。

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この裁判中継の監督が、決して感情を表さないアイヒマンに「なぜだ?なぜだ!」となるのですが、ここだけはちょっとしつこい感じ。『ハンナ・アーレント』でも描かれた「悪の凡庸さ」を知っている我々にしてみれば、「だってあいつは官僚で、上の命令を下に流しただけだと思ってるんだから、つまり自分の罪を認識していないんだから、あんなもんでしょうよ」と思うのですが、彼はそこがどうしてもわからないのでしょうね。

というわけで、本作の予習には『ハンナ・アーレント』やら「悪の凡庸さ」に関する何らかの知識が必要なのに、本作にはそこが欠落しているので、観る者にとっては少々不親切だと思うのです。

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2016年6月21日 (火)

「少女椿」:ライトでポップな当世風

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映画『少女椿』は、伝説のマンガの映像化(小生は未読です)。もろに寺山修司的な世界ですね。この世界は心してやらないと、結構難しいのです。生半可だと、すぐに映像がチープに見えてしまうのです。でも本作は思ったよりも健闘しています。さすがに寺山の域にまでは達しませんが、(たぶん)低予算の中、映像的には結構きちんとしているのです。借り物ではない、ぶれないトーンの美意識があるとでも申しましょうか・・・。

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色彩も、禍々(まがまが)しさを少しだけまぶしたカラフル・ポップ。色彩設計も上出来です。昭和ダーク・ロマン的ってことでいえば、鈴木清順の感覚も多少入ってますよね。

監督のTORICOさんは、ファッション界の方のようですが(短編映画でも評価されています)、いやなかなかの異才ではあります。

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観た後で、主演の中村里砂が中村雅俊・五十嵐淳子夫妻の娘だと知って、びっくりしました。マンガのキャラクターには似ていませんが、演者としての強度があって良かったですよ。 風間俊介は撮影時32歳だったろうに、このヘアスタイルやら何やらで、オッサンにしか見えません。もともと、ジャニーズなのに珍しいお顔ですねと思っていたのですが、これを見ちゃうと、次は実写版バカボンのパパができそうだと思っちゃいます。

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どうも原作はもっともっとエログロで禍々しい代物のようですが、大江戸はそこまでのバッド・テイストを求めていないので、まずまずの塩梅ではないかと思います。このご時世ですから、いろんな表現の規制があるのでしょうね。どうしてもライトに、当世風になってしまいます。とは言え、黒々とした胸のつかえ無しに映画館を去れるのがありがたいってのも事実なのであります。

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2016年6月20日 (月)

「貞子vs伽椰子」:バカバカしさも中ぐらいなり

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映画『貞子vs伽椰子』、いやー、よくぞ作りましたね、こういうキワモノ。でもこんなのが作られるってのは、映画界に活気があるってことだと思います。まあ、その昔から『ゴジラ対モスラ』、『ガメラ対バルゴン』、『サンダ対ガイラ』、『エイリアンvsプレデター』『フレディvsジェイソン』『バットマンvsスーパーマン』etc. と、洋の東西を問わず、強いもんがあれば戦わせたくなるってのが人の性(さが)なんでしょうね。『片腕カンフー対空飛ぶギロチン』なんてのもありますけど。

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『リング』(第1作)は異様に怖かったけど、その後は怖くない。『呪怨』はどの作品も怖くないってのが、大江戸の感想なのですが、本作もちっとも怖くなかったですねー。まあ『リング』第1作を新宿のビレッジ2で観た時には、場内が水を打ったように静かでしたもんねー。それに較べて今は、ポップコーンを食べるカサカサ音がしてて、どうにも場内がユルイ感じ。シネコン化の弊害ですね。むしろアメリカみたいに、声かけたりして盛り上がってくれるのなら、それも良いのですが、まあ日本の場合、そうはなりませんよね。

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話はトントンと進んで行くし、所々に見せ場が用意されているので、飽きることはありません。ただ、人間側のキャラクターは一切深掘りされていかないので、せっかく霊媒師などの絵になるキャラクターが出て来ても、ただ物語を進める要素としてだけなので、ちょっともったいないですね。大江戸としては、都市伝説を研究している大学の先生が、あまりにもあっけなく意外な最期を迎えたのが衝撃でした。

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山本美月は、タレ目系のほんわかフェイスなので、ホラーには向きませんです。彼女の顔で、緊張感が勝手にほぐれちゃうのです(しかも、ひどく大根で・・・)。

両雄登場(雄じゃなくて雌だけど)のクライマックスは、確かにメイン・イベント感が出ておりました。怪獣対決的な(ということはプロレス的な)バトル描写をもう少したっぷりと見たかった気はいたししますが、バカバカしさが悪くありません。まあ小生としては、もっともっとバカバカしいノリに期待をしていたのですけれど・・・。

でもラストを見ると、『貞子vs伽椰子 2』ができてもおかしくない感じでした。呪いはどこまで続くのか!?

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2016年6月19日 (日)

「マネーモンスター」:ジョディの「クリントへの道」

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映画『マネーモンスター』は、ハリウッドらしい構えの社会派エンタテインメントであり、スター映画であります。まあ、社会派と言っても追及の刃はそれほどシャープなわけではありません。TV局モノとしては、シドニー・ルメットの『ネットワーク』あたりの方がよほど社会派然としております。同じルメットでも、犯人との駆け引きや中継のライブ感ということにおいて、『狼たちの午後』の方に近いテイストです。

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ジョディ・フォスター監督は、これまでの監督作品『リトルマン・テイト』や『ホーム・フォー・ザ・ホリデイ』とは違って、テーマ性よりもがっちりしたエンタテインメントを造り上げることに集中しています。だから「社会派」の衣も、実は面白い映画を転がすための道具立てなのだと思います。こうして、手堅く娯楽作を作れることを証明しておいて、大きな作品で実績を作って行こうという作戦かも知れません。これからは女優業を続けながらも、監督に軸足を移して、娯楽と芸術を両立させた作品を撮り続ける・・・そう、「次のクリント・イーストウッドになろう」作戦です。

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本当はジュリア・ロバーツの役とか、女性広報官の役とかをジョディがやることもできたはずです。でも出なかったということは、彼女は今さら女優としての実績や名声や現役感にこだわってはいないのでしょう。それよりもジュリアを使って華やかなハリウッド映画に仕立てて、ヒットさせたかったのでしょう。 だから日本にプロモーションでやって来て、熱心にTVに出たりしてたのかあ。ま、小生はジョディイストだから、いいんですけど(とはいえ、出演してくれた方がもっと嬉しいけど)。

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そういうわけで、作品の深みは少々物足りない気がいたします。でも派手なVFXに頼らず、リメイクではない、アイディア勝負の真っ当な「大人の映画」が少ない昨今、評価したい作品であることも確かです。

犯人の彼女が連れて来られて、TV越しに犯人を罵倒する、その容赦ない徹底的な激しさには笑いました。

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2016年6月18日 (土)

湘南、磐田を破りホーム連勝!

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スタジアム・ビールがおいしい季節になってまいりました。BMWスタジアムで6月唯一のJホームゲーム、湘南vs.磐田を観戦しました。前々節の名古屋戦で今季ようやくホーム初勝利を挙げたベルマーレ。その時見てたのが4ゲート(メインスタンドのアウェイ寄り)だったので、ゲンを担いで今日も4ゲートです。

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それが良かったのか、試合は1-0で湘南が勝ちました。前半17分に、CKから端戸仁が蹴り込んだ先制点を守り切っての勝利。端戸は3戦連続ゴールです!(今のベルマーレらしからぬストライカーぶり)。

前半(特に序盤)はジュビロの技術の高さにやられっぱなしで、いつものプレスも効かず、主導権を握られていました。終盤は、いつもの全員守備でなんとか守り通しました。打ち合いもベルマーレらしいのですが、こういうのもまたベルマーレらしい勝利の一つなのです。

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ボランチの石川俊輝が運動量といい、ボール奪取能力といい、攻撃参加といい、気の利いたパスといい、素晴らしかったです。この人、どんどん成長してます。

故障した島村に代わって62分から入った坪井は、やはり安心感抜群。アンドレバイアや村山と共に、今日の零封勝利に貢献しました。ツボさんって、歩き方やステップが美しいので、大江戸は好きですね。

1466255743674本日のマン・オブ・ザ・マッチは端戸。前節アウェイでのガンバ戦で見せたスーパー・シュートに次いで、見事なシュートでした。チームにフィットして、前からのプレスもしっかりかけたり、守りに戻ったりする動きもしっかりできるようになったところで、このゴール量産は、頼もしい限りです。

まあ、でも今日の試合でベルマーレのシュートはたった4本なので、そこは大いに問題ですね(ちなみにジュビロは9本)。

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ファースト・ステージのホームゲーム、最後の2試合を勝ちで終われて良かったですね。セカンド・ステージに期待できるってもんです。でもまだ降格圏の16位(18チーム中)ですから、次のアウェイ柏戦で勝利して、1stステージ有終の美といきたいものであります。

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この前のホームゲームに引き継いで、ベルマーレクイーンは(5人中)3人だけでした。でも、ここに来てようやく「勝利の女神」になってきたみたいで、試合後の「勝利のダンス」でも、いつも通り選手たちの後方で一緒に踊って、大喜びでした(写真はボケボケで、すみません)。

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それはそうと、ジュビロのスターティング・メンバーって、ご覧の通りFW登録の選手がいないんです。最終的には3人目の交代で入った斉藤選手がFWでしたが、そういうスタイルなんですかね。不勉強にして知らなかったので、驚きました。

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2016年6月17日 (金)

今クールのドラマの感想

やたらと魅かれる期待作が多くて困った今クールのTVドラマ。初回は5本を見てみたのですが、まず月9史上最低視聴率となった『ラヴソング』(フジ)は1回でやーめた、となりました。続いてクドカンさんの社会派『ゆとりですがなにか』(日テレ)は3回でやめちゃいました。で、最後まで見たのは3本。一番視聴率の高い『99.9』(TBS)は見てませんでしたー。

『重版出来!』(TBS)は一番面白かったです。毎回、苦労とやりがいの「お仕事讃歌」として、平明な気持ちの良い仕上がりになっていました。出版業界、マンガ業界、書店の裏側が興味深く描かれておりました。いつもと違うコミカルでポジティブな黒木華が新鮮でしたし、彼女の衣装が毎回ユニークで可愛かったです。能年玲奈にオファーしたけど実現に至らなかった役と聞いてからは、黒木さんが能年ちゃんんい見えました(表情とかそっくりなことも多くて)。そして、オダギリジョーの先輩編集者がカッコ良かったなあ。

『世界一難しい恋』(日テレ)は、波瑠さん目当てでしたが、彼女の魅力はまあ中ぐらいかな。お話と大野君の社長キャラは、まあバカバカしいと思いつつも、一応楽しめました。北村一輝、小池栄子、小堺一機ら脇役たちが健闘しておりました。

『私結婚できないんじゃなくて、しないんです』(TBS)はさっき終わりましたが、ラストがなかなか異色。え?こんな終わり方ってアリなんですかい?? ってぐらいの変化球。こちらは中谷(美紀)さん目当てで見てましたけど、恋愛指南、婚活指南の物語がなかなか面白かったですよ。中谷さんも達者なコメディ演技で、結構でした。

世評の高い『トットテレビ』(NHK)は、見逃した回が多かった上に、小生にはどうもフィットしませんでした。確かに満島さんの黒柳さんは感じ出てましたけど・・・。

でもNHKさんに関しては、朝ドラ(『とと姉ちゃん』)と大河(『真田丸』)が安定の面白さです。

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2016年6月16日 (木)

「マイケル・ムーアの世界侵略のススメ」:北風から太陽への変化

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映画『マイケル・ムーアの世界侵略のススメ』は、久々のマイケル・ムーア監督のドキュメンタリー。久々なので、メガネも変わって少しやせて、「マイケル・ムーアじゃねーよ!」の近藤春菜とは似てなくなったし、作風もちょっと変わりました。今までのように、アポなしの突撃インタビューでアメリカの恥部をえぐるラディカルさは消えて、穏健なインタビューで他国(主にヨーロッパ)の素晴らしい制度を伝える手法を持ちています。まるで『北風と太陽』の、太陽みたいなやり方です。

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軽めで、それこそTV番組的ではありますが、軽い面白さがあることも確かです。それでも最後にはきっちりと考えさせる作品です。

アメリカのことを言っているわけですが、当然のごとく日本にもその矛先を向けることができます。いや、テーマによっては日本の方がアメリカよりもひどいものだってあるのです。休日と労働時間の問題だとか、女性登用の問題だとか・・・。

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驚くべき事実が次々と出て来るのですが、小生が一番感心したのはフィンランドの学校です。 どこの学校に入るかを選んだり悩んだりすることがない。ただ単に近い学校に行く。なぜなら、どの学校でもレベルが同じだから(私立学校を作ることは法律で禁じられている)。 うーん、なるほどねえ。そして出て来る先生方が、皆さん本当に素晴らしいのです。

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ムーアの作品って、いつも最終的にはリベラルでポジティブなので、大江戸は好きです。今回の結論も「忘れていた良きものを取り戻そう」ってことで、うん、良いではありませんか。 学びましょう。もちろん、我々も。

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2016年6月15日 (水)

「ヴィクトリア」:全編1カットの衝撃

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映画『ヴィクトリア』は、2時間19分全編を1カットで撮影した劇映画(クレジットを除くと2時間14分だそうですが)ってことで、画期的。ヒッチコックの『ロープ』はフィルムロールの切れ目をうまいことごまかしてますが、実際にはカットが切れています。ソクーロフの『エルミタージュ幻想』は現実と幻想が入り交じるセミ・ドキュメンタリー。『バードマン』はCG合成でカット割りなしに見せかけた作品。でも、こいつは一切ごまかしナシの1カット。上映時間=撮影時間なのです。フィルムからデジタルになって長時間の連続撮影が可能になり、カメラが小型化して移動が容易になり、暗所でもクリアな絵が撮れるようになったからこそ可能になった作品です。

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全編長回しの効果というのは、主人公との一体化。リアルタイムで行動を共にしているような気分になれるところ。かなりハラハラし、絶望の雲に覆われ、息苦しくなり、と感情移入してしまいました。 そもそもこのヒロインが行っちゃいけない方にばかり行ってしまうので、こちらとしては終始「やめとけ!」「行くな!」と思っておりました。だって、あんなヤバそうな4人の男たちに、よくひょこひょこと着いていっちゃうなんて! そこにリアリティがないといえばないのですが、そうしないと物語が転がっていきませんからねえ。355538_003

でも、童顔なこの女性がどうしようもなく冒険や禁を犯すことが好きな性格で、心のうちで悪いことに魅かれている人物だということが、小出しにわかってくるあたり、なかなか巧みなのです。けっこう可愛い娘なのに、あんなオッサン顔の男に惹かれてしまうあたりも、まあ世の中にはありがちなことですから。 ヴィクトリア役のライア・コスタは、全編を通しての奮闘と変化が圧巻です。

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本作を観て思うのは、「2時間あれば、何でも起きちゃう」「人生はたったの2時間で、まったく別の地点に行ってしまう」ということです。恐るべきほどに。 そしてラスト・シーンの後に関しても、あれやこれやと想像してしまいました。

それにしてもチンピラの一人が、狭いエレベーター内で平気でタバコを吸うのには驚きあきれましたね(食料品店の店内でも吸ってましたし)。ヴィクトリアも(ノン・スモーカーなのに)それを全く意に介さない風でしたし。へんなの。

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2016年6月14日 (火)

「殿、利息でござる!」:コメディじゃなくて残念

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映画『殿、利息でござる!』は、広告のトーンや予告編の感じからして『超高速!参勤交代』のようなコメディなのかと思っていたら(阿部サダヲ主演だし)、意外と真っ当なドラマなのでした。でも正直小生はコメディに期待しておりました。

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まあ多少のくすぐりはあるのですが、基本的にはマジメなお話。そもそも阿部サダヲが主役ってわけでもないじゃん! だけどビリング(クレジットの序列)は阿部が瑛太や妻夫木聡を差し置いてトップ。阿部って、そこまで人気ありましたっけねえ(阿部寛でもないのに)?

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そもそも映画の中で聞いてるだけだと、なんでこんな大金をかき集めた上で殿様に貸し付けて利子だけもらう方法が名案なのかが、今一つよくわかりませんでした。素人目には、そんな金があるんならそれ自体を生かせばいいじゃんと思ったのですが・・・。まあ、それだと商店主たちも拠出しないってことなんでしょうかねえ。

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まあ、「ちょっといい話」なのですが、それ以上のものではありませんし、中村義洋演出は相変わらず切れ味がよろしくないのです。クライマックスもそう盛り上がるわけではありませんし。

山﨑努さんはさすがに良い味。一方で、ポーカーフェイスの松田龍平は、幅の無い一本調子で、意外とつまらなかったです。 そして、羽生くんを出演させようとした人は、なかなかの商売人だよなあと思いました。

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2016年6月13日 (月)

「教授のおかしな妄想殺人」:落語のような味わい

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映画『教授のおかしな妄想殺人』の原題は“Irrational Man”=理性を失った男。まさにそういう映画なのでして、逆にこの邦題っていかがなものか? 「内容違うでしょ」って感じです。予告編をはじめ宣伝の方も、ラブコメにミスリードするようなトーンで作っておりますが、実際はだいぶ違うんですよねー。

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教授、女子大生、哲学、恋愛、殺人etc.といった、アレン作品を彩るキー・ワードが今回もたっぷり。それらを料理する手さばきは、迷いのない名人芸。なんか落語みたいな味わいの映画です。実際、落語にできるでしょうね、この話。まあアレン作品群の中では特に傑作とは言えないけれど、十分に楽しませてもらいました。

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アレン作品の最新ミューズであるエマ・ストーンはやはり魅力的ですが、ホアキン・フェニックスっていつ見ても好きになれません。あのアクの強い(QTのような)顔を受け付けないと言いましょうか・・・、本作では腹まで出てるし。ロシアン・ルーレットの場面なんて、嫌な感じに異常性が出てるし(まあ、巧いってことなんでしょうけど)。でも顔がキライだあ。

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(以降多少ネタバレあり) エレベーター前のクライマックスは、その結末のあっけなさや小道具の使い方を含めてヒッチコック映画のようでした。そもそも本作の設定自体に『見知らぬ乗客』との共通性がありますしね。 でも同じようにヒッチコック・タッチ満載の『マッチポイント』に較べると、だいぶ物足りないことも事実なのです(面白いけどね)。

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2016年6月12日 (日)

「海よりもまだ深く」:円熟の人間喜劇

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映画『海よりもまだ深く』は、『海街diary』に続いて、素晴らしい出来。『そして父になる』も含めて、是枝裕和の絶頂期と言っていいのでしょう。しかも3作とも見事なホームドラマです。

ですけれど、本作はコメディ要素が一番色濃く出ております。真面目だったり、不真面目だったり、飄々としていたり、そんな人々からにじみ出てくるおかしみの人間喜劇。

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なかなかこういう地味な映画を作りにくい時代なのに、しかもTV局が制作してる映画なのに、これだけのクォリティのものを創り上げて、評価と共にある程度の観客数もきっちり取る是枝監督は、やっぱり凄いと思います。全てのシーンが面白いし、そくそくとした情感が湛えられてますもん。

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阿部寛も真木よう子も樹木希林も息子役の吉澤太陽も、みんな圧倒的に素晴らしくて、わくわくしちゃいます。脇の小林聡美や池松壮亮やリリー・フランキーや中村ゆりも、いつも通り素晴らしいし。やはり、是枝作品の俳優たちは、見事に輝きますね。その上、真木さんにしても中村さんにしても、他の作品では見せない顔を見せてまして(やってることは普通なんですけど)、それが抜群に魅力的。映画の中で高橋和也が真木よう子見たさに居残ろうとする気持ち、リアルにわかりますねえ。

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多くの登場人物が「アレして」「アレする」的な言い方をやけに多用しておりました。かと思えば人生訓的な名台詞(これを樹木さんが言うと、嫌味が無いのです)もありますし、この「小さな話」に普遍性を持たせる技は、脚本(こちらも是枝さんのオリジナル)も演出もまさに名人芸の領域なのでありました。 好きです、こういう映画。

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2016年6月11日 (土)

「64 ロクヨン 後編」:健闘の後編

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前編を観てから心待ちにしていた映画『64 ロクヨン 後編』を、さっそく公開初日に観ました。最近の前・後編分割作品が、ほとんど後編で失速していることを考えれば、大いに健闘しています。面白いと思いますし、前編同様その熱量に圧倒される場面も多々あります。でも、あの前編を受けて、発展させて、見事に締めくくる作業が100%できたかというと、ちょっと足りないんじゃないかなあ。いい線まで言ってるだけに、残念です。特に「原作とラストを変えた」とか聞くと、(原作は未読ですが)そうしない方が良かったんじゃないの?などと思えてしまうのです。

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そうなると、やっぱり長くても1本の映画にした方が良かったんじゃないの?との思いも頭をもたげて来て、どうにもスッキリしないのであります。2009年の『沈まぬ太陽』は3時間22分あっても、途中休憩入りの1本で上映してくれたものでしたけどねえ(あの作品も、「組織内で辛い立場に立たされた男の、苦闘の物語でした)。

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役者陣では、佐藤浩市が前半ほどには目立たなく、ますますもって群像劇の様相を呈しておりますが、三浦友和が良かったですね。あの押し出しというか、企業の役員みたいな貫録って、今の日本映画界においては貴重です。滝藤賢一もほんの2-3年の間に、日本映画界に欠かすことのできないポジションを獲得しましたね。  でも小生が一番印象に残ったのは、(後編は回想場面と写真でしか登場しませんが)、永瀬正敏の亡妻役の小橋めぐみさんの美しさと佇まいなんですけど。

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なんだかんだ言いましたが、この時代に本作のような堂々たる大人向けの骨太シリアス・エンタテインメントを作った方々には、敬意を表したいと思います。パチパチ。 願わくはヒットして、同様の企画を考えている人を勇気づけ、後押しする力となりますように。

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2016年6月10日 (金)

「高台家の人々」:いろいろと赤面レベル

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映画『高台家の人々』は、かなりドイヒーな出来ですね。これ、真っ当な「映画」とは呼び難いものがあります。なんかマーケティング的な「製品」と言うか、TV局主導映画の悪い所と言うか・・・。綾瀬はるかの主演映画って、『ホタルノヒカリ』とか『ひみつのアッコちゃん』とか『万能鑑定士Q モナ・リザの瞳』とか、どうもそのようになる傾向がありますよね。困ったもんです。でも『海街diary』でやたらと評価された後だけに、「自分のホームはこっちだ!」と立ち位置の確認をしてるのだったら、大したものです。

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なんか、観客がバカだと思われてるっていうか、いやいやこういう作品に目くじら立てるのもアレですけど、でもレベル低すぎませんか? 妄想にしたって、もう少し面白いものをいくらでもクリエイトできるだろうに・・・と言っても、これは原作マンガのあることなので、しょうがないのでしょうねえ。でも、観てて赤面してしまいます。

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妄想シーンにアメリカン・コミック的な擬音を描き文字で入れる手法や、静止画像をマンガと絡ませて少しずつ動かす手法ってのも、今やもう古いんで、やめてーー!

役者陣も、「どうしたもんじゃろのー」(どの程度コミカルに、どの程度シリアスに演じればいいのか?)と迷っている感じがしましたが、水原希子だけは、さらりといい感じ。いつもとは違う、水洗いしたような薄味感がかえって魅力になっていました。 354092_009

実は夏帆ちゃん目当てで観たのですが、まあ女子としての魅力はかなり薄味な役でした。でも随所に見せる、昔ながらの「びっくり顔」は良かったけどね。

とってつけたような(何も考えていないような)ラストも、なんだかなーなのでした。二人の将来が思いやられます・・・。

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2016年6月 9日 (木)

「ヘイル、シーザー!」:映画趣味が暴走する失敗作

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映画『ヘイル、シーザー!』は、コーエン兄弟が“やっちまった”失敗作。映画好きな人が、映画への愛を題材に、映画や映画館が題材の映画を作ると、結構な確率で失敗する--その見本みたいな映画になってしまいました(その点、トリュフォーは偉かったなあ)。映画館でも、終映後に明らかに期待外れだったという白けた空気が観客から漂っておりました。コーエン兄弟としては、『レディ・キラーズ』に並ぶ“やっちまった”作品でしょう。

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ハリウッド黄金時代の映画へのオマージュなんでしょうけれど、今観ると、「で?」って感じ。水中レビューや水兵ダンスや史劇や西部劇や探偵ものの中の1場面だけ再現してくれても、特段の感興は湧きませんよねえ。

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出演スターたちも(ジョシュ・ブローリン以外は)ちょこっとずつの登場で、まあ「顔見世興行」ですね。こういう贅沢ができる監督が、この世に3人(4人だけど)います。ウディ・アレンとスコセッシとコーエン兄弟です。今回は、スカーレット・ヨハンソン、レイフ・ファインズあたりが良くって、誘拐されたジョージ・クルーニーは、ちょっと情けな過ぎて精彩を欠きました(こんなクルーニー、見たくない)。

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『シリアスマン』『トゥルーグリット』『インサイド・ルーウィン・デイヴィス』と、近作は大江戸好みだったコーエン兄弟ですが、3年ぶりのこの新作は、ちょっと擁護できませんねえ。趣味に走り過ぎると、ろくなことは無いようで・・・。

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2016年6月 8日 (水)

「団地」:THE EXTREME 怪作

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映画『団地』は、驚くべき怪作ですね。阪本順治監督の映画を知っている人が観たら、あっけに取られてひっくり返ってしまいそうです。そして「阪本監督、頭がおかしくなったんじゃないか??」と思ってしまうような作品です。

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変でも何でも面白ければ、結構小生の好みなんですけど、この作品は合いませんでした。まあ大江戸の場合、阪本作品で面白いと思ったのって『魂萌え!』ぐらいなので、よっぽど相性が悪いのでしょうね。なにしろつまらなくて呆れていた『大鹿村騒動記』が「キネ旬」2位になって、ぶっとんだのが小生ですから。

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ネタは最初から想像できるように作ってありますが、本当にそのような「まさか」の展開になるので、あっけにとられます。いわゆる「四畳半SF」にがっぷり取り組んでおりますが、ぎくしゃくと異物感たっぷり。ヘンテコな笑いの要素も、あまり笑えなかったなあ。 終盤に主要登場人物2人+2人が大声で話し続ける場面などは、「もう勘弁してくれ」って感じに虚しかったです。撮影現場の光景を想像すると、さらに虚しくって・・・。

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(以降ネタバレあり) でも『キネマ旬報』見ても、映画サイトをみても、本作の評判が良いんですよねー。またしても、です。阪本順治の支持され具合に、こっちにしてみれば、「えーー??」って気持ちです。もしかして、良い評価を書いた人って、みんな地球に潜入している宇宙人だったりして。

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2016年6月 7日 (火)

キリン杯、1勝1敗(でも準優勝w)

サッカー・キリンカップ決勝(と言っても2戦目ですが)の日本vs.ボスニア・ヘルツェゴビナ@吹田スタジアムをTV観戦。故障の本田・香川を最後までベンチに置くという「飛車角落ち」ながら、日本はトップ下の清武を中心に互角のサッカーをしていたと思います(特に前半)。宇佐美→清武という技術の高い見事な得点シーン以外にも、完璧に崩して後は決めるだけのところを外してしまった場面もありましたし。

ただBHはやっぱり「サッカー巧者」。対応の仕方。押されていても、隙を逃さずに決めきる力。リードを守り切る試合の進め方。それらを全員がわかっていて、きっちり遂行していきます。そのベースにあるのは、やはり堅い守備力です。

今日の柏木は消えてました。スペースを与えられると生きるけれど、プレッシャーのきつい相手には機能しなくなるのが、いつものこの人。後半アタマから交代で入った遠藤航の方が、対人の強さや気の利いたパスを見せていました。 初戦良かった選手は、吉田にしても長友にしても岡崎にしても、今日は今一つ二つ。むしろ酒井高徳が、酒井宏樹への対抗心からか、かなり良いパフォーマンスでした。

本田か香川、どっちかでもいてくれたら勝負の結果は違っていたかも知れませんが、まあ勝負事で「たられば」を言ってもしょうがありませんね。これで気を引き締めて、秋のW杯最終予選を勝ち抜いてもらいたいものです。

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2016年6月 6日 (月)

「山河ノスタルジア」:ある女の半生記

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映画『山河ノスタルジア』は、平明でポピュラーになったジャ・ジャンクーだと評判。中国でもヒットしたそうです。ビターズエンドとオフィス北野の配給で、制作スタッフにも多くの日本人の名前があります。確かに難しいところのない、「女の半生」的な娯楽作ではありました。

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過去・現在・未来の三部構成で描く人生ドラマでして、だんだんスクリーン比率が横長になっていく技を使っていたそうですが、恥ずかしながら観ていて全然気づきませんでした(←バカ?)。それだけ、物語に集中させる作りだったと言えましょうか(←言い訳?)。

どうでもいいけど、「過去」パートにおける金持ちのぼんぼん(結局主人公タオと結婚する)が、さまぁ~ず三村にTHEBOOMの宮沢をまぶしたような顔でした。それにしても「過去」パートでチャオ・タオ(現在39歳)が20代の瑞々しい娘を演じるのはちょっと辛かったですね(男二人もおっさん顔だし)。未来パートの老け演技は、無理なくハマっていましたが・・・。

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それにしても未来パートで出て来るITガジェット(透明なタブレットとか)のプロダクション・デザインが、なかなか良く出来ておりましたね。

映画が始まってから50分ほど過ぎて(つまり過去から現代のパートになった時に)出て来るメインタイトルには驚きました。でも『ヒメアノ~ル』もそれぐらい経ってから出て来ましたよ(しかも本作125分に対して、『ヒメアノ~ル』は99分なので、比率的にはそっちの方が凄い)。

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象徴的に使われているのがペット・ショップ・ボーイズ版の『GO WEST』なのですが、この曲、TV『ポンキッキーズ』では『LET'S GO いいことあるさ』という曲名で使われていました。その時の日本語詞がこちら↓ 

http://www.kget.jp/lyric/20425/LET'S+GO!+%E3%81%84%E3%81%84%E3%81%93%E3%81%A8%E3%81%82%E3%82%8B%E3%81%95+(Go+West)_SUPER+P-kies

この詞の方が本作には合ってますよねえ。

(おまけ) 『サンガ・ノスタルジア』=京都サンガF.C.がJ1にいたのも2010年までだったなあ。懐かしいなあ・・・ってことでしょうか?

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2016年6月 5日 (日)

「デッドプール」:ようやくMX4Dを初体験

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映画『デッドプール』は、えらく高評価を得ているようですが、うーん、そこまで面白かったかなあ。面白さの多くの部分が主人公がグダグダとしゃべり続けるギャグやらマーヴェル・コミックスや映画界などの内輪ネタだったりするので、字幕での理解に限界がある気もします。そもそもマーヴェルだってこと自体がびっくりの、軽薄お下劣ヒーローです。殺しまくっちゃうし。

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この主人公=デッドプールって、テイストが何に近いかっていうと、トロマの『悪魔の毒々モンスター』ではないでしょうか。ゲスで過激すぎるヒーロー。顔がひどいことになっちゃったってのも一緒ですし。'80年代にはマイナー会社のキワモノだったのですが、今はメジャー大作で堂々のナンバーワン・ヒットとは、いやー、時代は変わりましたね。

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展開もアクションもVFXも特に目新しいものは無く、やはりキャラ受け・下ネタ受けがヒットの要因なのでしょうけれど、大江戸は根が上品なのであまり面白くも思えませんでした。まあ、この「赤忍者」みたいなコスチューム姿は、それなりにカワイイですけどね。

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それよりも何よりも、TOHOシネマズ新宿でMX4Dがデビューしてから約1年にして、ようやく小生も体験しちゃいました(いつも売り切れが続いてたしー。こっちもそんなに気合入ってなかったしー)。通常料金+1,200円です。予告編の段階から、ちゃんと本編同様の効果をつけてあるんですね。まず、それにびっくり。 座席が揺れたり、背中を押されたり、足を触られたり、風が吹いたり、ミストが顔にかかったり、フラッシュが光ったり・・・と、あれこれのギミックで、確かにアトラクション気分でした(まあ遊園地のアトラクションほど暴力的な揺れではありませんけどね)。あと酒場の場面などで、柑橘+何かの変なカクテルみたいな匂いがするのですが、ウィスキーだろうが何だろうがみんな同じ匂いなのはいかがなものか(ガソリンの時もそうだったような)。

まあ、確かに「わーい。面白ーい!なるほどー!」って感じではありましたが、だんだん飽きてくるし、1回体験したらもういいかな・・・。ま、デートなんかには、盛り上がるからいいんでしょうね。

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2016年6月 4日 (土)

「世界から猫が消えたなら」:なんとマーケティング的な

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映画『世界から猫が消えたなら』は、うーん、ピュアな外見なのですけれど、観てみたらまさにマーケティングの産物みたいな作品でした。まあメジャーな娯楽作品ですから、それが悪いってことは全然ありませんけど、・・・でも、あまりにもクリシェの積み重ねで、薄くてコクがないんですよねー。原作は川村元気プロデューサー自身の書いたベストセラー小説。岡田惠和脚本だってのに、こうなっちゃうという悲しさ。

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(以降ネタバレあり) 脳腫瘍・・・もう、これを使って泣かせる映画作るのってやめましょうよ。法律で取り締まってほしいくらいの禁じ手です。まあ、そこにもう一技からませてはいるのですが、結局は死病映画ですもんねえ。しかも、母親の死病までからませているんですから。さらに、死神のような、メフィストのようなドッペルゲンガーを出すってのも、さんざん使われてきた手ですし・・・。

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そもそも悪魔との取り引きで何かを世界から消していくことによって、その記憶や存在が無かったことになってしまうなんて、それを繰り返して虚しい世界で行き永らえてもしょうがないことぐらい、最初の段階で気づきそうなものなのに。大江戸だったら、「映画」の段階でもうギブアップですね。世界から映画が消えたなら・・・いや、それはあり得ません。このエピソードを通じて、「映画なんて無くても困らないけど、でもそんな世界ってどうなのよ?」って訴えかけているあたりは嫌いじゃありませんけどね。

佐藤健のたたずまいは、(じれったいところも含めて)ちゃんと本作の354944_007主役にふさわしいものであり、「悪魔」との二役も含めて、過不足のない演技です。 『バンクーバーの朝日』以来映画はちょっと久々の宮﨑あおいは、やっぱり良いですねえ。『あさが来た』のはつも良かったけれど、こちらも現在の等身大のあおいちゃんで、地味に素敵です。彼女、30歳になったんですねえ(しみじみ)。

それにしても、『ファイト・クラブ』と『花とアリス』の2本立てって、どういう映画館ですか!?

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2016年6月 3日 (金)

日本、3戦連続の大量得点勝ち!

復活したサッカー・キリンカップ(その間は「キリン・チャレンジ・カップ」でした)の日本vs.ブルガリア@豊田スタジアムをTV観戦。アナウンサー氏は「日本は準決勝に進出」的な言い方をしてましたが、これ4チームが2戦ずつ戦うので、確かに初戦が準決勝扱いなんですけど・・・。へんなの。

結果は日本が7-2(前半4-0)の圧勝。今年に入ってからの代表戦は、3月のアフガニスタン戦が5-0、シリア戦も5-0、そして今日が7-2と、3試合で17-2というオドロキのスコア。サッカーのスコアではありませんね。「決定力不足」なんて、いつの話だ?って感じです。

気持ちの良いゴールが続きました。個人の技とチームの連係がどちらも素晴らしい、ビューティフル・ゴールの数々。ハリルホジッチも終始余裕の表情でした。そりゃー、こういう試合やってくれたら、監督は78364悩み無用ですもんね。 まあ2失点はいただけなかったけど、3点目かと思わせたPKは横っ飛びの川島が見事に止めましたから。今日の川島は、ちょっと反応が鈍いシーンもあっただけに(腕一本で掻き出したシーンもありましたが)、あのシュート・ストップで、監督の信頼を大きく引き寄せましたよね。

清竹のクォリティの高さ、香川のキレキレの動き(あの反転からのシュート!)、酒井宏樹の攻守にわたる積極性、吉田麻也驚きの2得点、宇佐美の必至の守りによる貢献(+1得点)、ジャガー浅野の速さと積極性、そして喜びのアモーレ愛梨・・・と、見るべきポイントの多い試合でした。PKを与えた原口のプレイはダメだったなあ(あの場所であのプレイは意味ないっす)。

ブルガリアも時差ボケだったかもしれませんが、まあ基本的に日本にとっては「相性の良い」チームだったってことでしょう。がっちり守られたら、相変わらず苦戦することと思います。でも前半などは、「これが見たかった」って感じにワンタッチパスが続き、攻めも守りも見事に連動していました。ハリル・ジャパンが完成してきたのでしょうか? まあ、親善試合なので、これで判断はできませんけどね。先週のトゥーロン国際大会におけるU-23代表の、あまりのパスの回らなさ、ミスの多さに目が慣れていたので、よけいうまく見えたのかも知れません。

来週火曜は、ハリルホジッチ監督の故郷ボスニア・ヘルツェゴビナが決勝の相手となるので、楽しみですよね。

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2016年6月 2日 (木)

「ヒメアノ~ル」:全編が不穏な衝撃作

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映画『ヒメアノ~ル』、いやー、いろんな意味で凄かったです! 素晴らしい衝撃作です。ジェイストームなのに、よくこれにGoを出しましたね、ってGO森田を出してるわけですけど・・・。

『純喫茶磯部』も『さんかく』も大好きだったんですけど、吉田恵輔監督、遂に決定打を放ちましたね。予備知識少なく観たのですが、ノックアウトされました。

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原作マンガについては知りませんでしたが、とにかく99分の映画として見事。ほぼ半分過ぎた所で出るタイトル(『山河ノスタルジア』同様に50分ぐらい経ってから出ました)を境に、前半/後半のトーンが違って来ますし、どちらも嫌な感じであり、どちらも惹き込むのです。とにかく全編が不穏で、一時も目を離せません。そして怖いです。次にどんなヤバイことが起きるのだろうというこの怖さは、園子温の『冷たい熱帯魚』に通じるものがありますね。

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その怖さの中心にいる狂気が森田剛なのです。善悪の尺度など意味をなさない、映画史上稀に見る過激な怪物です。演技的には彼自身も評価すべきでしょうが、それよりも彼を取り巻く人々の濃さが凄いです。 濱田岳は変わらぬいつもの濱田岳(でも存在自体が特殊に強い)。ムロツヨシはイッちゃってる怖さをかなりの不気味レベルで表現しておりました。そして駒木根隆介(ホテルで働く和草役)って、なんなんすか?この(素人にも近いように見える)マジヤバ感。

で、最強なのが佐津川愛美! 今までも数々の「曲者(くせもの)」を演じてきた彼女ですが、今回は基本的にえら354629_003く可愛くて、曲者揃いのこの映画の中で、意外にもストレートな役です。でも女子がまとう演技性を、演技の中に絶妙のバランスで表現しており、そこがスリリングかつハートに響く不可思議なゆらぎとなっていて、それはそれは見事な女優演技なのです。

数ある暴力シーン、殺人シーンの数々がかなり生々しく、さすがはR-15指定なのですけど、それもこの作品の魅力には違いありません。耐性の無い無い人が見たら、トラウマになりそうです(森田ファンの女性は大丈夫なのでしょうか?)。でも、その過激さや不穏さこそが、本作の悪魔的な魅力となっているのです。

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