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2016年6月13日 (月)

「教授のおかしな妄想殺人」:落語のような味わい

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映画『教授のおかしな妄想殺人』の原題は“Irrational Man”=理性を失った男。まさにそういう映画なのでして、逆にこの邦題っていかがなものか? 「内容違うでしょ」って感じです。予告編をはじめ宣伝の方も、ラブコメにミスリードするようなトーンで作っておりますが、実際はだいぶ違うんですよねー。

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教授、女子大生、哲学、恋愛、殺人etc.といった、アレン作品を彩るキー・ワードが今回もたっぷり。それらを料理する手さばきは、迷いのない名人芸。なんか落語みたいな味わいの映画です。実際、落語にできるでしょうね、この話。まあアレン作品群の中では特に傑作とは言えないけれど、十分に楽しませてもらいました。

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アレン作品の最新ミューズであるエマ・ストーンはやはり魅力的ですが、ホアキン・フェニックスっていつ見ても好きになれません。あのアクの強い(QTのような)顔を受け付けないと言いましょうか・・・、本作では腹まで出てるし。ロシアン・ルーレットの場面なんて、嫌な感じに異常性が出てるし(まあ、巧いってことなんでしょうけど)。でも顔がキライだあ。

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(以降多少ネタバレあり) エレベーター前のクライマックスは、その結末のあっけなさや小道具の使い方を含めてヒッチコック映画のようでした。そもそも本作の設定自体に『見知らぬ乗客』との共通性がありますしね。 でも同じようにヒッチコック・タッチ満載の『マッチポイント』に較べると、だいぶ物足りないことも事実なのです(面白いけどね)。

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