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2016年6月 2日 (木)

「ヒメアノ~ル」:全編が不穏な衝撃作

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映画『ヒメアノ~ル』、いやー、いろんな意味で凄かったです! 素晴らしい衝撃作です。ジェイストームなのに、よくこれにGoを出しましたね、ってGO森田を出してるわけですけど・・・。

『純喫茶磯部』も『さんかく』も大好きだったんですけど、吉田恵輔監督、遂に決定打を放ちましたね。予備知識少なく観たのですが、ノックアウトされました。

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原作マンガについては知りませんでしたが、とにかく99分の映画として見事。ほぼ半分過ぎた所で出るタイトル(『山河ノスタルジア』同様に50分ぐらい経ってから出ました)を境に、前半/後半のトーンが違って来ますし、どちらも嫌な感じであり、どちらも惹き込むのです。とにかく全編が不穏で、一時も目を離せません。そして怖いです。次にどんなヤバイことが起きるのだろうというこの怖さは、園子温の『冷たい熱帯魚』に通じるものがありますね。

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その怖さの中心にいる狂気が森田剛なのです。善悪の尺度など意味をなさない、映画史上稀に見る過激な怪物です。演技的には彼自身も評価すべきでしょうが、それよりも彼を取り巻く人々の濃さが凄いです。 濱田岳は変わらぬいつもの濱田岳(でも存在自体が特殊に強い)。ムロツヨシはイッちゃってる怖さをかなりの不気味レベルで表現しておりました。そして駒木根隆介(ホテルで働く和草役)って、なんなんすか?この(素人にも近いように見える)マジヤバ感。

で、最強なのが佐津川愛美! 今までも数々の「曲者(くせもの)」を演じてきた彼女ですが、今回は基本的にえら354629_003く可愛くて、曲者揃いのこの映画の中で、意外にもストレートな役です。でも女子がまとう演技性を、演技の中に絶妙のバランスで表現しており、そこがスリリングかつハートに響く不可思議なゆらぎとなっていて、それはそれは見事な女優演技なのです。

数ある暴力シーン、殺人シーンの数々がかなり生々しく、さすがはR-15指定なのですけど、それもこの作品の魅力には違いありません。耐性の無い無い人が見たら、トラウマになりそうです(森田ファンの女性は大丈夫なのでしょうか?)。でも、その過激さや不穏さこそが、本作の悪魔的な魅力となっているのです。

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