« 今年も海ラン | トップページ | 「ペレ 伝説の誕生」:ブラジルサッカー万歳!の娯楽映画 »

2016年7月17日 (日)

「FAKE」:嘘と真、善と悪・・・

355945_004
映画『FAKE』は、森達也監督があの事件後の佐村河内守氏とその奥さん(と愛猫)を追ったドキュメンタリー。単純に面白く目が離せませんし、メディアやら人間やら嘘と真実やら、多くのことを考えさせれれます。

355945_001

マイケル・ムーアのドキュメンタリーと違って、作者のオピニオンをはっきり示す作品ではありません。森達也は戦略的にポーカー・フェイスを貫き、時には共感するふりをしたり、時にはわざと相手を挑発したりしながら、被写体の表層をはぎ取ろうと努めます。

355945_005
そうは言っても、森達也にとっては表層の下の真実とやらもどうでもいいことのようです。それよりももっと、人間の心の中の分からなさとか、善悪入り混ざった曖昧さとかに興味があるみたいです。我々も見ている間中、佐村河内氏の印象が善へ、悪へ、また善へ・・・と振り子のように移ろっていきます。奥さんの存在が、更にその印象を複雑化させます。そして、猫だけが全てを知っている、みたいな・・・。

355945_002

ラストのクレジット後のシーンを含めて、佐村河内氏が何か嘘をついていることは明らかなのですが、その範囲がどこまでなのかはわかりません。それは、あの人にしてもこの人にしてもあなたにしても私にしても・・・という、不可思議を突き付けて映画は終わります。でも映画の外側には、まだまだ違った嘘や違った真実が隠れているわけです。メディア論以上に、そんな人間の謎を考えさせる作品になっているのです。

|

« 今年も海ラン | トップページ | 「ペレ 伝説の誕生」:ブラジルサッカー万歳!の娯楽映画 »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.f.cocolog-nifty.com/t/trackback/42098/66556558

この記事へのトラックバック一覧です: 「FAKE」:嘘と真、善と悪・・・:

» ドキュメンタリーは平気で嘘をつく。〜佐村河内守 主演/映画「FAKE」 [エンターテイメント日誌 ]
映像が生まれた時からドキュメンタリーはある人々の主張を通すために利用されてきた。 [続きを読む]

受信: 2016年7月18日 (月) 07時35分

» 「FAKE」 [お楽しみはココからだ~ 映画をもっと楽しむ方法 ]
2016年・日本/ドキュメンタリー・ジャパン配給:東風 監督:森達也プロデューサー:橋本佳子 撮影:森達也、山崎裕 2014年にゴーストライター騒動で日本中の注目を集めた、佐村河内守氏に密着したドキュ... [続きを読む]

受信: 2016年7月19日 (火) 05時34分

» ショートレビュー「FAKE・・・・・評価額1700円」 [ノラネコの呑んで観るシネマ]
FAKE/REALの境界とは? 
オウム真理教を描いた「A」「A2」から15年。 ドキュメンタリスト森達也が、2014年のゴーストライター騒動以来、世間から姿を消した“現代のベートーベン”こと佐村河内守のその後を追ったドキュメンタリー。 週間文春の記事が出た後、一方の当事者である新垣氏が一躍脚光を浴びてテレビに出まくっていたのに対し、佐村河内氏は謝罪会見の後はほとんど見た記憶がない...... [続きを読む]

受信: 2016年7月23日 (土) 22時51分

« 今年も海ラン | トップページ | 「ペレ 伝説の誕生」:ブラジルサッカー万歳!の娯楽映画 »