「嫌な女」:松竹マークが良く似合うけど・・
映画『嫌な女』は、黒木瞳の第1回監督作品。トーンはベタ過ぎるほど松竹映画。黒木が撮るんならもっと東宝風のものを想像していただけに(宝塚出身ですしね)、そのギャップに戸惑いました。だって、どうにもこうにも垢抜けなくって・・・。
そう、昨日紹介した『日本で一番悪い奴ら』が’70年代の東映映画みたいだとしたら、こっちは’70年代の松竹映画そのものです。構図も芝居も編集も音楽も、みんな松竹映画らしさに満ち満ちているのです。
ちょっと困っちゃったのは、肝心の主役二人が魅力的に見えないこと。吉田羊はいくらなんでも、抑えて抑えて地味すぎて、芝居の見せ場がありませんでした(1ヶ所を除いては)。対する木村佳乃は、「私、私・・・」と騒々しいだけのひどいキャラクターで、イタくて参りました。女優監督なればこそ、彼女たちをいつも以上に輝かせて欲しかったのですが、全くそうはなりませんでした。でも久々に見た永島瑛子だけは、かなりの儲け役でもあり、ただ一人魅力を放っていました(黒木監督とはどういう関係だったのでしょう?)。
敵対していた二人(吉田、木村)がなんだかんだで仲良くなっちゃうあたりに説得力がないのが致命的です。無理があります。 この映画に先立ってNHKのBSプレミアムで放送されたドラマ版では、吉田の役を黒木瞳が、木村の役を鈴木保奈美が演じたそうですが、そっちの方が良かったのでは・・・と思っちゃいました。本作の方は、そんな出来だったのです。エンディングの竹内まりやがもったいないような・・・。
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