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2016年9月19日 (月)

「BFG ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」:進撃しない巨人

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映画『BFG ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』は、スピルバーグ久々のファンタジー。と言うよりむしろ意外にも「初の児童文学映画化」なのでは?(まあ、’91年の『フック』が児童文学的題材ではありますが、これは40歳になったピーターパンを描くオリジナル作品)

心優しい異人(巨人)と女の子の交流・・・まさにスピルバーグですね。でもなんか違うんですよねー、全盛期とは(悲しいけれど)。

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スピルバーグ、今でも『ブリッジ・オブ・スパイ』みたいな作品なら、技の違いを見せつけて十分に良い仕事ができるのですが、ファンタジーやジュヴナイルになっちゃうとねー。もう長いこと、その分野では鳴かず飛ばずです(そもそもあんまり作ってないし)。そういう意味でも今回の挑戦は嬉しいのですけど・・・。

 

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巨人のキャラクターは悪くないし、マーク・ライランス!が巨人だってのも、なかなかに味わいがありました。でも最終的には冴えないやつなんです。 彼が夜の街に隠れる場面や、国土を駆け抜けジャンプする場面などは、見事な腕の冴えとイマジネーションを見せた演出だと思うのですが、最終的には作品全体がどうにもかったるいんですよねー。それは原作のせいなのでしょうか? それとも69歳になったスピルバーグの年齢的なものなのでしょうか?

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ただ英国女王の宮殿に関わるパートだけは、やけに面白かったです。オーセンティックなコメディのツボがわかっていらっしゃるって感じで。 それにしてもヨーロッパの王宮だからこそ成り立つわけですよね、これ。日本の建物だったら、天井が低くて巨人が入れません。オナラを描いても下品にならないあたりも、さすがスピルバーグって気がいたしました。

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 【ネタバレ注意】  さすがはスピルバーグだ。無駄のないショット、無駄のない展開、滑らかなカメラワークに身を任せれば充実のうちに二時間が過ぎている。映画鑑賞時のこの安心感は、スティーヴン・スピルバーグ監督ならではだ。  そして、スピルバーグ監督らしい心優しさに溢れた映画『BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』を観ながら、スピルバーグも今年、2016年で70歳になるのだなぁと...... [続きを読む]

受信: 2016年9月19日 (月) 21時27分

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受信: 2016年9月22日 (木) 09時21分

» BFG:ビッグ・フレンドリー・ジャイアント [映画好きパパの鑑賞日記]
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受信: 2016年9月25日 (日) 06時30分

» BFG ビッグ・フレンドリー・ジャイアント [とりあえず、コメントです]
ロアルド・ダール原作の児童文学をスティーヴン・スピルバーグ監督が映像化したファンタジーです。 予告編を観て、この巨人と少女のめぐり合いの行方が気になっていました。 不器用だけど心優しい巨人と気丈だけど寂しがりな少女の友情は大きな事件を解決へと導いていきました。 ... [続きを読む]

受信: 2016年9月29日 (木) 23時48分

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