「BFG ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」:進撃しない巨人
映画『BFG ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』は、スピルバーグ久々のファンタジー。と言うよりむしろ意外にも「初の児童文学映画化」なのでは?(まあ、’91年の『フック』が児童文学的題材ではありますが、これは40歳になったピーターパンを描くオリジナル作品)
心優しい異人(巨人)と女の子の交流・・・まさにスピルバーグですね。でもなんか違うんですよねー、全盛期とは(悲しいけれど)。
スピルバーグ、今でも『ブリッジ・オブ・スパイ』みたいな作品なら、技の違いを見せつけて十分に良い仕事ができるのですが、ファンタジーやジュヴナイルになっちゃうとねー。もう長いこと、その分野では鳴かず飛ばずです(そもそもあんまり作ってないし)。そういう意味でも今回の挑戦は嬉しいのですけど・・・。
巨人のキャラクターは悪くないし、マーク・ライランス!が巨人だってのも、なかなかに味わいがありました。でも最終的には冴えないやつなんです。 彼が夜の街に隠れる場面や、国土を駆け抜けジャンプする場面などは、見事な腕の冴えとイマジネーションを見せた演出だと思うのですが、最終的には作品全体がどうにもかったるいんですよねー。それは原作のせいなのでしょうか? それとも69歳になったスピルバーグの年齢的なものなのでしょうか?
ただ英国女王の宮殿に関わるパートだけは、やけに面白かったです。オーセンティックなコメディのツボがわかっていらっしゃるって感じで。 それにしてもヨーロッパの王宮だからこそ成り立つわけですよね、これ。日本の建物だったら、天井が低くて巨人が入れません。オナラを描いても下品にならないあたりも、さすがスピルバーグって気がいたしました。
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