« 「後妻業の女」:悪くて見苦しい奴ら | トップページ | 「君の名は。」:こちらも3.11後の日本ならでは »

2016年9月 4日 (日)

「ディアスポリス DIRTY YELLOW BOYS」:竜頭蛇尾

355762_004
映画『ディアスポリス DIRTY YELLOW BOYS』は、深夜ドラマの映画化だそうですが、元のドラマは(大元のマンガも)全く見ておりませんでした。冒頭に、TVドラマの場面集的な紹介がちょこっと付くのですが、まあ映画よりそっちの方が面白そうに見えました。映画の方は、この題材ならもっと猥雑なパワーで面白くなったろうになーって感じで、ちょっと残念でした。

355762_005

序盤から中盤にかけてはテンポ良く進行し、スプリット・スクリーンの使用など結構効いていたのですが、後半は妙にじっくりたっぷり撮り過ぎて、失速してしまいました。この題材なら、最後まで疾走系で行かなきゃ。 確かに須賀健太演じる周(ジョウ)のキャラクターは強烈で面白いのですが、それに引っ張られ過ぎちゃったように思います。

355762_003

久々に見た真木蔵人演じるヤクザの若頭が、貫禄あって、スタイリッシュで、カッコ良かったです。まだ43歳なのに老けメイクも似合ってました。こういう感じって、今の日本映画界には貴重です。「日本のデニス・ホッパー」になれそうで・・・。 でもこの人、DVで今年また逮捕されたりしてるんですよねー。惜しいよなあ。

355762_002

序盤に松田翔太が犯人を追って爆走するシークェンス(この撮影はスゴイ)で、新宿・想いで横丁から、次のカットで中央区明石町のカトリック築地教会に飛んでました。ま、映画ではよくあることですが。

その躍動感、スピード感に較べると、この竜頭蛇尾的なラストは何なんでしょうねえ。静かに終えたって、虚しさやペーソスなんて漂ってきませんでした。

|

« 「後妻業の女」:悪くて見苦しい奴ら | トップページ | 「君の名は。」:こちらも3.11後の日本ならでは »

コメント

コメントを書く



(ウェブ上には掲載しません)




トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: 「ディアスポリス DIRTY YELLOW BOYS」:竜頭蛇尾:

» ディアスポリス -DIRTY YELLOW BOYS- [佐藤秀の徒然幻視録]
異邦人化した散漫な日本の風景 公式サイト。リチャード・ウー、すぎむらしんいち原作、熊切和嘉監督。松田翔太、浜野謙太、須賀健太、木原勝利、NOZOMU、真木蔵人、康芳夫、政岡泰志 ...... [続きを読む]

受信: 2016年9月 4日 (日) 23時47分

» ディアスポリス DIRTY YELLOW BOYS [象のロケット]
東京で暮らしている密入国異邦人・不法就労外国人、約15万人の自衛のための秘密組織・裏都庁。 その中にある異邦警察「ディアスポリス」の警察官・久保塚早紀は、裏都民たちから厚い信頼を得ている。 ある日、マリアという女性が殺害された。 久保塚と相棒の鈴木は、犯人が留学生崩れのアジア人犯罪組織「ダーティ・イエロー・ボーイズ」のメンバーであることを突き止めるが…。 人気TVドラマ劇場版。... [続きを読む]

受信: 2016年9月 6日 (火) 16時55分

» ディアスポリス DIRTY YELLOW BOYS ★★★ [パピとママ映画のblog]
リチャード・ウーとすぎむらしんいちによるコミックを原作とする、『ライアーゲーム』シリーズなどの松田翔太が秘密組織の警官を演じたテレビドラマの劇場版。密入国外国人が作った秘密組織・裏都庁の警官が誘拐殺人事件をめぐり、アジア人犯罪組織や、ヤクザとのデッドヒ...... [続きを読む]

受信: 2016年9月 7日 (水) 16時28分

» ディアスポリス DIRTY YELLOW BOYS [映画好きパパの鑑賞日記]
 TBSテレビの深夜ドラマの劇場版ですが、主役コンビがドラマ版をみていないと良く分からない上、一種の狂言回しになっており、映画版だけみても、今一つ。熊切監督らしいドライで70年ちっくな感じは悪くないのだけど。  作品情報 2016年日本映画 監督:熊切和嘉 出演…... [続きを読む]

受信: 2016年9月15日 (木) 06時49分

« 「後妻業の女」:悪くて見苦しい奴ら | トップページ | 「君の名は。」:こちらも3.11後の日本ならでは »