「ディアスポリス DIRTY YELLOW BOYS」:竜頭蛇尾
映画『ディアスポリス DIRTY YELLOW BOYS』は、深夜ドラマの映画化だそうですが、元のドラマは(大元のマンガも)全く見ておりませんでした。冒頭に、TVドラマの場面集的な紹介がちょこっと付くのですが、まあ映画よりそっちの方が面白そうに見えました。映画の方は、この題材ならもっと猥雑なパワーで面白くなったろうになーって感じで、ちょっと残念でした。
序盤から中盤にかけてはテンポ良く進行し、スプリット・スクリーンの使用など結構効いていたのですが、後半は妙にじっくりたっぷり撮り過ぎて、失速してしまいました。この題材なら、最後まで疾走系で行かなきゃ。 確かに須賀健太演じる周(ジョウ)のキャラクターは強烈で面白いのですが、それに引っ張られ過ぎちゃったように思います。
久々に見た真木蔵人演じるヤクザの若頭が、貫禄あって、スタイリッシュで、カッコ良かったです。まだ43歳なのに老けメイクも似合ってました。こういう感じって、今の日本映画界には貴重です。「日本のデニス・ホッパー」になれそうで・・・。 でもこの人、DVで今年また逮捕されたりしてるんですよねー。惜しいよなあ。
序盤に松田翔太が犯人を追って爆走するシークェンス(この撮影はスゴイ)で、新宿・想いで横丁から、次のカットで中央区明石町のカトリック築地教会に飛んでました。ま、映画ではよくあることですが。
その躍動感、スピード感に較べると、この竜頭蛇尾的なラストは何なんでしょうねえ。静かに終えたって、虚しさやペーソスなんて漂ってきませんでした。
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