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2016年9月30日 (金)

展覧会「伝統の未来」@松屋銀座

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松屋銀座で展覧会『伝統の未来』(~10/3)を観ました。日本デザインコミッティー主催によるデザインを切り口にした展覧会。この松屋銀座会場でもしばらくはこのような展覧会をやっていなかったので、ある種の懐かしさと共に鑑賞しました。実はこれまで同店のデザインギャラリーで連続的に開催してきた小規模展の完結編的な意味合いなのだそうです。

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まずポスターが黒を基調に赤丸、白文字というシンプルかつ堂々たるデザインで、すっきりと美しいです。さすがです。

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展覧会コミッショナー=原研哉氏の言葉にあるように、「日本の工芸を未来資源として見つめ直す」展覧会です。産業の主力が観光へとシフトしつつある今世紀の日本を、ものづくりの観点から展望する試みのようです。

会場内は木工、金工、酒、漆器、陶磁器、刃物、紙、染織、建築、そして旅館というカテゴリーに分かれていて、それぞれのパートをデザインコミッティーのメンバーが監修しています。

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なるほどなるほどとじっくり見ました。展示方法もシンプルかつ美しく、いろんな意味で「ちょうどいい」感じに気が利いておりました。鰹節削り器の刃がむき出しになっていて、ちょっとドキッとしましたが、包丁ズラリのコーナーでは見せ方1475244437620に工夫をしておりましたね。

大江戸が一番好きだったのは「酒」のコーナー。日本酒のラベルと瓶で埋め尽くされた柱を中心に、周囲の壁には永井一正、仲條正義、原研哉、佐藤卓、松永真らによる本展のためのオリジナル・ポスター(B倍・縦位置)がずらり。優秀なグラフィックデザイナーによる同テーマ(酒)の競作。おしなべて上質で、見応えがありました。

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その中に1点さりげなく佐藤晃一氏のポスターがありました。氏はこの5月に71歳で肺炎で急逝したので感慨深いものがありましたが、そのポスターのモノクロームの世界が何か死を暗示しているかのようにも思えました。

展覧会場を出ると、販売催事『銀座手仕事直売所』というのがかなりの規模で展開されており、相性ピッタリの催しなのでした。

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2016年9月29日 (木)

今日の点取占い258

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グッときたね   9点

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2016年9月28日 (水)

「娘・妻・母」:やるせなき成瀬ワールド

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映画『娘・妻・母』を神保町シアターで観ました。本作を観るのも初めてですが、神保町シアターに行くのも初めて。もちろん気になってはいましたが、なんか行きそびれちゃって今に至るなのでした。今回は『キネマ旬報』のプレゼントで招待券が当たったので、行ってみました(小生の好きな成瀬巳喜男作品の中でも、そうそうお目にかかれない作品ですし)。整理券を発行してくれるし、その番号順の入場だし、客席はシネコンばりに傾斜があって、前の人が邪魔にならない設計、スクリーンも結構大きい・・・と良いことずくめ。もっと早く来れば良かったですね。 客層は圧倒的なシニア・ワールドでした。

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作品は成瀬巳喜男としては最良の部類ではないですけれど、それでも興味深く面白かったです。成瀬の映画はとにかくオトナ。そして東京。そして昭和中期の暮らしの資料としても非常に貴重なもの。大江戸も(川本三郎さんも!)そこらに魅了されます。 

本作は成瀬らしい「カネの話」が老母を巡る家族の話にもなっていて、観ていてあれこれと辛い気持ちになる作品です。ずーっと、気の晴れない作品であり、家族って厄介なものだなあっていうお話なのです。『東京物語』などの小津作品を連想させる部分も多々あるのですが、このやるせなさはさすがに「ヤルセナキオ」と異名を取った人ならではです。

それにしても豪華なキャストです。原節子、高峰秀子、森雅之、宝田明、仲代達矢、杉村春子、三益愛子、草笛光子、笠智衆、上原謙etc. それぞれの役どころがいかにもなタイプ・キャスティングだってところも、映画全盛期って感じです(1960年作品)。

三益愛子のおばあちゃんが59-60歳(還暦祝いの場面がある)なのですが、もうすっかりおばあちゃんなことに現代との差を感じ、しばし感嘆してしまいます。よく見ると肌とかは現代の60歳とそう変わらないのですが、すっかり老け込んだ格好(常に和服です)をして、白髪も染めず、話し方もすっかり老婆なので、「今だと80歳ぐらいの感覚だけど、まあ、この時代はそうだったんだろうねえ」と感心してしまったのであります。半世紀以上昔のことですもんね。

 

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2016年9月27日 (火)

「グッバイ、サマー」:14歳の小冒険

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映画『グッバイ、サマー』は、監督・脚本のミシェル・ゴンドリーの自伝的作品なのだとか。14歳の少年二人のバディ・ムービー。大江戸はゴンドリーの前作『ムード・インディゴ うたかたの日々』が大大好きだったので、期待しました(『ムード・インディゴ』のオドレイ・トトゥも出てるし)。確かにみずみずしくラヴリーな作品ですが、あっさりした小品であり、『ムード・インディゴ』や『エターナル・サンシャイン』の見事さにまでは届きませんでした。

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ほんわかと甘酸っぱく、男の子二人のコンビネーションも良く、とにかく安心してこの映画世界に身を浸していればいいって感じ。いい感じに「14歳」ワールドなのです。

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動く家での小冒険にはロード・ムービーの味わいも加わり、「旅が少年を大人にする」とまではいかないけれど、良い体験になったことは確かです。母親も「背が伸びたわね」と言いますが、数日間の話ですから、実際に背が伸びたというよりは雰囲気から何かしらの成長を感じ取っているのでしょう。

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それにしてもあの「サムライ・カット」はショーゲキです! いくら日本人だからって、「短くして」って言われただけで、いきなり頭のてっぺんからバリカンいれたりはしないでしょー(しかもあの状態で10ユーロ取るし)。それって差別? でもどうせなら、サイドと後ろの髪でチョンマゲにしてほしかったところです。

ラストの女の子に関しては、きっとゴンドリーの果たせなかった「願望」なのでありましょう。

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2016年9月26日 (月)

「だれかの木琴」:もやもやと不安&不快

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映画『だれかの木琴』は、久々の東陽一監督作品。何とも嫌な感じが全編にわたって流れておりました。英語で“uneasy”って言葉がぴったり来ます。終始モヤモヤと不安かつ不快です。

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その主たる要因は、常盤貴子のストーカーぶりにあるわけですが、彼女のみならず夫の勝村正信も相当ヘンです。内臓系の病気を疑いたくなるような顔色の悪さ、眼力の無さ、うわべだけで生きているような個の主張の無さ・・・非常に空虚な、「心の無い」人間にしか見えません。 池松壮亮だって、このストーカー主婦に対してやけに無防備というか煮え切らないというか、対応が拙劣です。

356341_004そして常盤貴子の「能面」を思わせる無表情の中の表情は、静かに怖いです。この何を考えているのか、狂ってるのか正気なのかわからない感じ。

(以降ネタバレあり) ただ、彼女が本当に執着していたのは若い美容師ではなく、夫だったという描き方は、あまり説得力がないなあ。え?何それ?? ウソでしょって感じです。

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電車の中でみんながスマホをいじってる中に一人だけ位牌を撫でている人がいる描写だとか、夫婦が隣あっているのにスマホとケータイのメールで会話する場面とかは、やはり年寄り(=東監督)の(正直な)感覚だと思いました。 そして変な幻想シーンが挿入されるのにも、監督の年齢を感じました。日本の映画監督って、高齢になると変な幻想シーンを入れて、ズレてる感たっぷりに失敗しちゃうってことがよくありますよね。あれはなぜなんでしょうねえ?

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2016年9月25日 (日)

「闇金ウシジマくん Part3」:教育的効果絶大

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映画『闇金ウシジマくん Part3』は、前2作同様やけに面白く、やけに教育的でした。まさに「こんなことすると、悲惨なことになりますよ」「こういう人になっちゃいけませんよ」の世界。いつもながら、そのメッセージが下世話な迫力で感じられるのです。

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今回は、メインのストーリーがネズミ講的な「金儲け啓蒙セミナー」詐欺。その悪役を浜野謙太がうさん臭くも気持ち悪く怪演します。それにしてもこういうのに引っかかる人が後を絶たないってのは、どういうことなんでしょうねえ? でも本作では、その仕組みの縮小再生産がどんどん続いていく様を描いたあたりが秀逸です。で、下流に位置するすんごく頭悪い半グレの刈部を演じた「月見草しんちゃん」って人が、えらくぶっ飛んだ芝居! なんだこりゃ?って程の妙ちくりんな違和感と低能感で、強烈なインパクトを残しました。

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本郷奏多君もダーティーに活躍する本筋に較べると、脇筋のゲスリーマン=藤森慎吾の方は、いつの世にもある身の滅ぼし方で、まあ事業自得の典型。ここまで無防備で、ここまで懲りない奴なので、死なない程度に火までつけられてちゃうわけですけどね。

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本当に毎回「お金のこわさ」を突き付けてくれます。この作品を観て、道を誤らずに済んだ人(あるいは、将来的に道を踏み外さずに済む人)って絶対いますよね。そういった意味では、素晴らしく啓蒙的な人助け映画です。山口雅俊監督、東大卒だけに(下品に見えても)根はマジメなのでありましょう。

そして今回はウシジマが地味だった分、10月22日公開の『ザ・ファイナル』が楽しみなのです。

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2016年9月24日 (土)

「ハドソン川の奇跡」:またしてもクリントの軌跡

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映画『ハドソン川の奇跡』は、まだ記憶に新しい2009年の出来事とその後の日々を描いたクリント・イーストウッドの新作。またしても見事です。というか、大江戸の評価としては、『アメリカン・スナイパー』や『ジャージー・ボーイズ』よりも優れていると思います。

96分とイーストウッドにしては珍しく短尺(彼の監督作で一番短いのだとか)。でも、ふさわしい長さであり、「足りない」ものは無く、逆に必要なものだけが無駄無く残った印象です。シンプルだけど、豊かです。そしていつもながらに、イーストウッドならではの「映画の品格」があるのです。

変にドラマチックになったり、過度に娯楽性を爆発させたりはしないのですが、それでいて良質なエンタテインメントになっているのです。ある意味、かなり淡々とはしています。バード・ストラックから不時着水にいたるまでの「映画的に派手な場面」も、あえて水を差すかのように、回想として何度かに分けて描かれるのです。 終盤からラストにかけての、普通ならもっと感動をあおるように盛り上げちゃう場面も、抑制を効かせて淡々と描き切ります。それでもじわじわと感動します。名人のジャズ演奏のようですね。

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トム・ハンクスも、彼の相棒役のアーロン・エッカートも、オスカー・ノミネート確実ものの演技。とりわけハンクスは、現代の名優としての代表作をまた増やしてしまいました。ハリウッド黄金期なら、ジェームズ・スチュワートとかゲイリー・クーパーが演じた役ですよね。今年還暦のハンクス。年取ってますます味わいが増してきました。

決して英雄譚などではなく、一人の男の「職人的」なプロフェッショナリズムと矜持とを、その行動から描くという、イーストウッドらしい作品。今年86歳だなんて、嘘のようです。間違いなくアメリカの国宝ですよね、この人。

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2016年9月23日 (金)

「レッドタートル ある島の物語」:ミニマムでシンプルだけど・・・

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映画『レッドタートル ある島の物語』は、オランダ人の短編アニメーション監督による初の長編作品にしてスタジオジブリ作品。 なかなかの渋さです。

とにかくセリフ一切なし。数度の叫びのみ。自然を彩る音はあるのですが、基本的に静かな作品です。サイレント映画のようです。登場人物も(あえて申しませんが)極めて少なく、いろんなものがミニマムです。

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そう、ミニマムと言える段階まで、いろんな物事を削ぎ落としてあるので、シンプルです。 でもそういう引き算の美学で作られたこの作品が、日本流のわびさびを生んでいるかというと、実のところそうでもありません。あくまでもヨーロッパ的感性の中でのシンプル・ライフ・・・。

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線画的なキャラクターをはじめ、映像は素朴です。色もかなり渋めの場面が多いのですが、太陽に照らされた青い海は、まさに水色で(少しグリーンがかることも多くて)、その澄んだ水の表現が素敵でした。

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(以降ネタバレあり) ただ、どうしても引っかかってしまうのがこのラスト。これじゃあ、あまりにも救いがないんじゃないでしょうか? 少なくとも小生の尺度からすると、砂を噛むように苦く虚しい終わり方だと思いました。たとえ幻想であっても、幸福な奇跡や、一条の希望の光みたいなものが欲しいと、大江戸は思うのです。

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2016年9月22日 (木)

「ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK The Touring Years」:偉大なバンドのツアー時代

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映画『ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK  The Touring Years』は、本編109分+シェイ・スタジアムのライブ映像31分という上映形式(上映前に出る字幕に、映画館のみの特典とか書いてありました)。もっともこのライブは’80年代に『THE BEATLES  シェアスタジアム』という題名で、『マジカル・ミステリー・ツアー』との2本立てで、丸の内松竹で公開されています(そちらの作品は44分)。てなわけで、たっぷり楽しめるって趣向です。

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本編は監督がロン・ハワードです。しっかりと一流を据えました。なので、ぬかりがありません。ビートルズの「ツアー時代」に的を絞って描き、テンポ良く、引き締まったドキュメンタリーです。

小生実は大のビートルマニアなのですが、考えてみればこういうちゃんとしたビートルズ映画の新作ってのは、『レット・イット・ビー』('70)以来なんですもんね。ちょっと驚きます。しかも描かれた日々から半世紀以上を経て、現在のポールとリンゴが出演しているのですから。

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とにかく音が良くなっていてびっくり。これまで目にした(耳にした)初期のビートルズ映像って-特にライブの場合-音が平板かつ分離が悪く、歓声にかき消されて、それはひどいものでした。ところが本作では、それぞれの楽器が分離良くソリッドに聴こえるし、ヴォーカルもくっきり。歓声、嬌声はあるのだけど、音楽がきっちり聴こえるという見事な仕事。更には、現代のシネコンの音響設備(ちなみにTOHOシネマズ六本木ヒルズで観ました)の良さによって、ここまでのクォリティで耳に届くようになりました。 それにしても当時はPAシステムが無かったので、シェイ・スタジアムで演奏するのに、学芸会みたいなアンプセットしかなくて(演奏者用のモニターもない)、ビートルズ自身も聴こえなかったそうですが、お客さんほとんど聴こえませんよねえ。あのキャーキャー!だし、野球場だから上は全部開いてるし。場内放送用のスピーカーとかも使っていたのかしらん?

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映画のフッテージや日本公演の様子も入っているし、初公開映像も多いそうで、満足度高し。まあ描かれていることは、ファンなら知っていることばかりではありあましたけどね(でも、“ブッチャー・カヴァー”なんて、今でもインパクトありますねえ。いや、今だからか?)。

ゲスト・インタビュイーもエルヴィス・コステロとかウーピー・ゴールドバーグとかシガニー・ウィーヴァー(また! 『ファインディング・ドリー』や『ゴーストバスターズ』と合わせて、ここのところシガニー祭りです)とか、豪華な面々。 我らが浅井慎平先生もいらっしゃいましたが、久々に見て驚いたのが(というか名前を聞くことすら相当久しぶり)、リチャード・レスター監督! おお、生きてたのかぁ。調べたら84歳でした。『A HARD DAYS NIGHT』を撮った32歳の頃から今と同じぐらいハゲてたから、なんだかよくわからないや。

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アメリカ南部のツアーで人種分離に反対を表明して、ブレイクスルーを果たしたエピソードは感動的でした。こうしてみると、野球場コンサートをはじめとして、今は普通に行われているけど初めてやったのはビートルズだったことって、多いですよね。やっぱりその偉大さを再認識せずにはいられない作品でありました。

この作品のプログラムって、LPレコードのような紙ジャケットに入っているのです。凝ってます。ま、26cm四方ぐらいなので、LPよりもだいぶ小さいんですけどね。

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2016年9月21日 (水)

どうでもいいようなこと

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「柿の葉寿し」の表示ラベルに書いてありました--「酢飯(米:国産)」。 「米国産」みたいですね(アメリカ産じゃないっつーの←一人ツッコミ)。

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ところで先日、小生としては珍しく、深夜にまで及ぶ激しい胃痛に襲われ、夜間救急外来に行ったのですが(そもそも小生の場合、何年も医者にかかっていない)、そこでもらった嘔吐袋。

一つ目はすぐその場で使ってしまいました。で、これは使わずに済んだ二つ目。半透明の部分があり、目盛りがついていて、内容物が何mlぐらいあるのかが一目瞭然のスグレ物です。

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少量(100ml以下)の場合は、斜めにすると細かく測れるという、ますますもって行き届いたスグレ物なのです。

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しかしながら、小生が申しあげたいのはそこではなくて、袋にも示されたネーミング。

「オート・バッグ」です。うーむ。 医療業界は、小林製薬ならずとも、こんな感じだったのか・・・。

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2016年9月20日 (火)

「スーサイド・スクワッド」:ハーレイ以外は腹八分目

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映画『スーサイド・スクワッド』は、マーヴェルに負けじと派手にやってみたDCユニヴァース。黒っぽい服の悪人軍団の中に紅一点ハーレイ・クインを置いたことが効いてます。それで全部オッケーになっちゃいますもん。原作コミックに馴染みのない日本では、公開近くになるほど宣伝はもうハーレイ・クインの一本押し。確かにこのキュート&ポップなCawaiiキャラは女の子ウケもしそうですし、ビジュアル的に強いですもんね。

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ただ他のキャラクターはその特技が、炎を自在に操ったり、射撃の達人だったり、仮面の日本刀使いだったりと強烈なのに、ハーレイ・クインってバットでブチのめすだけというシンプルさ(ウォルター・ヒルの『ウォリアーズ』か?)。プラスワン何か欲しいなあ。まあ、あのカラフルでキュート&セクシーなルックスや言動が、七難隠して圧倒的に目立っているのでいいんですけど。彼女主役のスピンオフができるみたいですけど、確かに本作の続編よりもそっちの方が観たいかもです。

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ジョーカーさんもビジュアル的には負けてないんですけど、ちょっと不完全燃焼かなあ。 どうでもいいけど、カタナ(福原かれん)、芝居が大根でありました。

あとエンチャントレスって、魔女風かつセクシー・ダンス系で妙にくねくねと踊っていて、「何かこの感じ、見たことあるなあ」と思ったら、そうそう、『死霊の盆踊り』に通じるものがあるのでした(わかんねえだろうなあ)。

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音楽もアニマルズ『朝日のあたる家』、ザ・ローリングストーンズ『悪魔を憐れむ歌』、クイーン『ボヘミアン・ラプソディ』などの古典的ロックから、エミネムやカニエ・ウェストまで、いい感じにクーーール!(各曲、もう少し長く聴きたかったけどね)

でもお話は特にどうってことないし、アクションも今日びのスタンダードからいくと、むしろ地味めなぐらいなのでありました。何かと腹8分目な作品でした。

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2016年9月19日 (月)

「BFG ビッグ・フレンドリー・ジャイアント」:進撃しない巨人

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映画『BFG ビッグ・フレンドリー・ジャイアント』は、スピルバーグ久々のファンタジー。と言うよりむしろ意外にも「初の児童文学映画化」なのでは?(まあ、’91年の『フック』が児童文学的題材ではありますが、これは40歳になったピーターパンを描くオリジナル作品)

心優しい異人(巨人)と女の子の交流・・・まさにスピルバーグですね。でもなんか違うんですよねー、全盛期とは(悲しいけれど)。

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スピルバーグ、今でも『ブリッジ・オブ・スパイ』みたいな作品なら、技の違いを見せつけて十分に良い仕事ができるのですが、ファンタジーやジュヴナイルになっちゃうとねー。もう長いこと、その分野では鳴かず飛ばずです(そもそもあんまり作ってないし)。そういう意味でも今回の挑戦は嬉しいのですけど・・・。

 

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巨人のキャラクターは悪くないし、マーク・ライランス!が巨人だってのも、なかなかに味わいがありました。でも最終的には冴えないやつなんです。 彼が夜の街に隠れる場面や、国土を駆け抜けジャンプする場面などは、見事な腕の冴えとイマジネーションを見せた演出だと思うのですが、最終的には作品全体がどうにもかったるいんですよねー。それは原作のせいなのでしょうか? それとも69歳になったスピルバーグの年齢的なものなのでしょうか?

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ただ英国女王の宮殿に関わるパートだけは、やけに面白かったです。オーセンティックなコメディのツボがわかっていらっしゃるって感じで。 それにしてもヨーロッパの王宮だからこそ成り立つわけですよね、これ。日本の建物だったら、天井が低くて巨人が入れません。オナラを描いても下品にならないあたりも、さすがスピルバーグって気がいたしました。

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2016年9月18日 (日)

「怒り」:高密度重量級力作

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映画『怒り』は、本年度ベストテン上位を争うであろうヘヴィーな力作。2時間22分が4時間ほどにも感じられる密度の濃さで、圧倒されます。

3つの物語が互い違いに語られて進行します。観ている者としては、この3つの物語とそれぞれの登場人物がどういう形で結びついていくのだろうかと考えるのですが・・・。

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(以降ネタバレあり) ところがなかなか交わらないのです。そして、後半で佳境に突入した時に、「もしかして、時間軸をずらしてあって、あの人とあの人とこの人って、ひょっとして同一人物なの??」という衝撃の誤解を誘うようなミスリード演出もあって、勝手にドキドキしちゃったのですが、そうではありませんでした。それだと映画の語り口やトリックだけの問題になってしまいますが、本作はそれよりも深く重く、現代と、人間と、対峙していきます。その硬質な重量感は、まさに李相日監督作品です。

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役者たちがいくら褒めても良いぐらい、みんな凄過ぎます。中でも宮﨑あおいの、ちょっとバカっぽく演じた感じと、あの慟哭には感嘆を禁じ得ません。30代前半の部では、満島ひかりと並んで一番の名女優であると再確認しました。本作の撮影のために体重を7kg増やしたってことでしたけど、そんなに太ってるようには見えませんでした(まあ、もっさりした空気感をまとったというところでしょう)。

そして、「あれ? 出てたんだ?」って感じに現れた高畑充希にも瞠目させられました。そして『とと姉ちゃん』を見てるうちに忘れかけていた、彼女はとんでもなく演技がうまい人だっていう事実を思い出したのでありました。

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役者の力、演出(&脚本)の力に加えて、撮影(笠松則通)も素晴らしいですね。特に、あの沖縄の海と空の色! そして坂本龍一の(らしい、そして素晴らしい)音楽! 更には、犯人の手配写真やビデオ画像を造ったスタッフの技(微妙に、あの人にもあの人にも見える)にも拍手です。

『シン・ゴジラ』『君の名は。』同様、市川南プロデューサーの名前が。というより、『君の名は。』同様に川村元気プロデューサーがキーとなっているのでしょう。ノッている方々です。興行成績のみならず、作品クォリティの高さが嬉しいではありませんか(川村氏が原作も務めた『世界から猫が消えたなら』に関しては、ちょっとアレでしたが・・・)。

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湘南、裏天王山で痛い敗戦、10連敗

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いよいよ残り6試合のJリーグ。Shonan BMWスタジアムで、湘南ベルマーレvs.アビスパ福岡の「裏天王山」(ブービーと最下位の対決)を観戦。湘南としては、残留のためにここから全勝!との思いです。

 

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でもスタメンから大槻を外したのは良いとして、本当は高山&三竿を外すべきなんじゃないの? キャプテンと副キャプテンだから外さないの?  って感じでしたが、ゲームキャプテンは高山ではなくてアンドレバイヤが務めてました。いずれにせよ、今シーズンで一番「勝たねばならない」試合だということは確かです。

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ところがいきなり試合開始後1分ほどで、相手のクロスがペナルティエリア内にいた下田の手に触れて、まさかの「いきなりPK」! (いきなり団子じゃありませんよ。それは福岡じゃなくて熊本)
もう、のっけから気勢を削がれます。で前半15分にも加点され、0-2のビハインド。まだ時間は十分あるとはいうものの、最低の出だしとなりました。で、その後攻めても決定機作っても点が取れないといういつものパターン。

 

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前半終わった時に湘南サポ席から激しいブーイング。心優しきこの地では、かなり珍しい光景でした。 でも、福岡の方が明らかに良いサッカーしてましたもん。走って走って、気合いの入ったハイプレスで球を奪う・・・って、これベルマーレがやるべきサッカーではないですか! トラッキング・データを見ると、走行距離こそ湘南が少し上回っていたものの、スプリント回数は147対163で福岡の方が上でした。これじゃあ負けます(基本的技術も福岡が上回ってましたもん)。

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てなわけで後半は堅守のアビスパにしっかり守られて、いくらチャンスを積み上げてもゴールマウスは開きませんでした。「なんであれで入らないのー???」って場面の多かったこと。 結局0-2のまま敗戦。うーん、さすがに苦しくなりました。絶体絶命です。10連敗で最下位に沈みました。

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試合後はやはりサポーターからのブーイング。そりゃそうですよね。うーん、哀しいなあ。さすがに心が折れそうです。

今日はバックスタンド(7ゲート)での観戦。いつものようにベルマーレクイーンはメインスタンド下で応援。今日は5人中3人でした。

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で、3人といえば、こちらも。ピッチ際の「暴れん坊シート」に並ぶ黄緑、ピンク、ブルー・ユニの女子3人組を発見。 そう、元ベルマーレクイーンの、あの仲良し3人組ですね。せっかく間近で応援してたのに、ゴールの一つも見られなくて、さぞや残念でありましたでしょう。

 

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2016年9月16日 (金)

次回東京マラソン当選!

うきゃー! 来年2月26日(日)の第11回「東京マラソン」、当選しました!!!

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倍率は過去最高の12.2倍と聞いていたので、前々回大会(昨年2月)に出てるので、まだ当たらんだろうと思っていたので、びっくりです。2.26事件です。

それにしても我ながら運が強い。これで東京は第1回、第3回、第9回に次ぎ、4度目の出走です。

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しかも今回からコースが変更ってことで、また新しい東京の景色を楽しめるのです!  (新しいコースはこちら↓)

http://www.marathon.tokyo/about/course/

終盤の橋によるアップダウンがなくなり、ゴールは東京駅前。いやー、楽しみです。

相変わらず、いやいつも以上に練習してないので、これから少しは鍛えなきゃ。特に前回レース途中で痛めて、後半痛みと闘いながら激遅になってしまった原因であるハムストリングス(腿の裏の筋肉)をしっかりさせねば、なのです。

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2016年9月15日 (木)

今日の点取占い257

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何か面白い事を言え   7点

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2016年9月14日 (水)

「四月は君の嘘」:天衣無縫荒唐無稽奇想天外

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映画『四月は君の嘘』は、広瀬すずを見る映画。今の彼女をしっかり見ておくってことは、映画史的な意味合いで意義深いことであります。「吉永小百合だからとりあえず押さえておく」みたいな意味で。

その彼女を生かすって意味においては、相手役の山崎賢人の主張の無さは完璧です。「記号としての相手役」を完璧にこなしています。

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いやー、それにしてもほとんど怪作でした。まあコミックスで全11巻の長ーい物語を約2時間にまとめたのですから、ダイジェスト感やコク不足は否めませんが、そんなことではありません。失笑脱力してしまうシーンが、かなり多いのですよ。

なんと言ってもかんと言っても、主人公のすずちゃんのキャラクターがスゴ過ぎます。天真爛漫自由奔放は、まあ『ちはやふる』あたりにも共通するいつものキャラですけど、こちらの場合は天衣無縫荒唐無稽な地点までぶっとんじゃってて、口あんぐりです。

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彼女が突如橋から飛び降りる場面などはその白眉とも言えるシーンで、「えええーーー???」でした。しかも山崎賢人がそれに付き合って飛び降りるという「ええええーーーー????」なダメ押しまで付いていて・・・。これは後世まで語り継がれる奇想天外なシーンでございましょう(飛び降りた山崎のメガネがずれちゃうのも、えらくカッコ悪いし)。 欲を言えば、びしょぬれで帰る二人の様子を描くカットが見たかったです。

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そして檀れいの怪物的な鬼母ぶりが、極端すぎて大笑いでした。ホラーか?! このスパルタぶりから愛情を感じろったって(いくら後から「厳しかったそのわけは」の説明ショットを入れたとしても)無理でしょ。星一徹以上の、わけわからん厳しさでした。

結局サッカー部のワタリ君が、最初のうちこそチャラく見えたものの、一番マトモでいい奴じゃんってお話でした。ちゃんちゃん。

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2016年9月13日 (火)

「家族の基礎 ~大道寺家の人々~」:夏帆好演

1473774208808Bunkamuraのシアターコクーンで、舞台『家族の基礎 ~大道寺家の人々~』(作・演出:倉持裕)を観ました。倉持さんは気鋭のコメディ作家だそうですね。大江戸は不勉強で、知りませんでした。主演は松重豊と鈴木京香、というよりは集団劇であるのでこの横長見開きチラシに出ている10人が主演。もっと広げれば16人の出演者全員が主演みたいな(それは言い過ぎかな)芝居です。

で、夏帆狙いです。ちょうど1年前のケラさんの『グッドバイ』以来、・・・いや今年の1月に、今は無きパルコ劇場で『ラブ・レターズ』の朗読公演を観ておりましたな・・・それ以来のナマ夏帆です。しかも最前列です!! e-plusの先行予約で、普通に取っただけなのに。ラッキー! 最前列なんて、中谷美紀さんの『猟銃』(初演)を、今は無きパルコ劇場で観た時以来。しかもそのときと同じく上手側の端から2席目でした。いや、コクーンの最前列って近い! 役者さんたちがすぐ前に!というドキドキ感でした(松重さんが話しながら飛ばすツバとか汗とかまで見えるし)。

1473774214654で、とにかく面白かったです。休憩15分込みで2時間50分、全く飽きさせません。てゆーか、笑った笑った。実にウェルメイドなコメディでした。終盤はちょっと強引だったり、まあ普通の大団円だったりしましたが、そこまでのノンストップ・ジェットコースター的な展開と、テンポの良い場面展開(回り舞台)は、さすがでした。

豪華な役者陣も皆それぞれにいいですね。松重さん、舞台でこれだけやれるんですねー(10歳の頃まで無理なく演じてました)。と思って調べたら、松重さんってもともと舞台の方だったんですね。失礼しました。それにしてもでかいなあ(188cm)。京香さんは昔から苦手なので、パス。初舞台の林遣都くんが大健闘。黒川芽以も(歌はイマイチ普通でしたが)持ち味出してて、なかなか結構でした。

そして夏帆さんは、最高です。本来の持ち味に加えて、ここ数年(無理やりのようにチャレンジした)ビッチ系、セクシー系の役の蓄積で、幅が広がりました。役の中の振幅が、無理なく魅力的に表現できていました。つまり従来の守備範囲の少し外の打球でも、難なく捕れるようになったって感じなのです。 お得意のびっくりまなこになった時の表情も近くでたっぷり拝めましたが、終盤の「いよいよ舞台の幕が上がる」前のワクワクな表情なんかがいかにも彼女の本来のラインで、素敵でした。カーテンコールで見せた笑顔も良かったなー。

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2016年9月12日 (月)

今日の点取占い256

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おいしい果物を沢山作りたい   7点

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2016年9月11日 (日)

湘南、FC東京に敗れ9連敗

1473513067065昨日は味の素スタジアムでFC東京vs.湘南ベルマーレの一戦を見ました。一昨年はJ2優勝を決め、昨年はJ1残留を決めたスタジアムですもん。秋のここでは何かが起こる!と信じて(でも3年前にはJ2降格が決まった場所でもありますけど)。

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試合前には曺監督がサポーター前にやって来て、メガホンで何か語りかけていました。私の席からは聞こえなかったのですが、こんな状況だがしっかり応援を頼むという内容だったようです。

前半は(いつものように序盤は湘南が押し気味に進めていたものの)まずまず慎重な試合運び。互いに決定的チャンスはなく、このままスコアレスで折り返しかと思った44分に、FC東京・中島翔哉が個のドリブルで打開して、東京が先制。

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後半に入ると、時間の経過とともに湘南のミスが増え、ペナ内での最後をどうしても決められないという、これまたいつもの展開。で、2点目も東京・河野のシュート力にやられて追加点を許してしまいました。またしても個のクォリティです。その前まで、湘南が押しまくっていて、いつ1-1になるだろう?そろそろだよね?というタイミングでの失点に、イケイケだったサポーター席にもかなりの気落ち感が漂いました。

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そして前田遼一の頭で3点目。まいりました。今日は最低でも勝ち点1を取れるような予感があったのですが・・・。 言いたくはないけれど、結局戦術や作戦でできることの限界が見えてしまっている、対策を取られると打開できない、最後は個の能力の差がやはり大きい--そんなことは初めからわかっているのですが、それを突き付けれれているようなリーグ戦9連敗です。

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この試合もみんなミスが多く、しかも消極的で(縦に速く、人数をかけてはどうした??)、両サイドからのクロスの質が悪く、FWの決定力がなく・・・と散々。 今日は3バックの左に坪井を持ってきて、三竿をボランチで使っていましたが、そこまでして使いたいか三竿? 案の定ひどい出来でした。 後半途中から坪井を下げて三竿を左SBにしましたが、、三竿と菊池大介の左サイドがあまりにお粗末で、フラストレーションがたまりました。

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「奇跡の残留」を目指すもう一つのチーム名古屋は、闘莉王が復帰したとたん気合が入って、19試合ぶりの勝利を手にしました。やっぱりこういう頼りになるリーダーが必要なんですよね。

でも次節からの残り6試合は、なぜか下位のチームばかりとの対戦。(日本代表じゃないけれど)残りを全勝する! ってことでお願いします!

 

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2016年9月 9日 (金)

「グレース・ケリー展」@松屋銀座

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松屋銀座で『グレース・ケリー展』(~9/26)を観ました。女優関係の展覧会というと、オードリー・ヘップバーンやマリリン・モンローがありましたが、それらはあくまでも写真展。衣装を中心にした総合展ということでは、なかなか良い企画だと思っておりました。ま、大江戸はグレースさまには特段の思い入れはないのですけどね。

で、会場を観てみると、いやー、キュレーションにおいても、表現においても、しっかりしたクォリティの展覧会でした。 キュレーションでは、グレース・ケリーをどう捉えて何を見せるかという企画力や編集力が優秀だと思いました。また表現というのは、展覧会場の作りや見せ方の工夫やデザイン力に関してで、これまた良い仕事だと思いました。

服飾関係ではウェディングドレスからイヴニングドレスまで、シャネル、サンローラン、ディオール、ジヴァンシーなどなどのファッションが華やかに揃い、圧巻です。帽子、靴、手袋などや宝飾類もあります。そしてもちろん「ケリーバッグ」も。

彼女の手になる押し花コレクションがあったのにも、へーっていう感じでした。でも一番驚いたのは、『喝采』でアカデミー賞を受賞した時のオスカー像がさりげなく展示してあったこと! 大仰にではなく、あまりにもさらっとしれっと展示してあった(まあ、専用の展示ケースには入っていましたが)ことに、「えっ、本物??」と思ってしまいました。名前や作品名も刻まれた本物なのでした。

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会場内に何か所かモニターがありましたが、そこに流れる動画がすべて1分程度なのが素晴らしいと思いました。展覧会場内のモニターで、5分とか10分とかの動画をやられると、見たいけど見るべきなのかどうか考えながらも、一部だけを見て済ますこともしばしばあります。それによる混雑や滞留も気になるし。だけど1分なら流れの中で無理なく見られます。ノー・ストレスで、良い手法でした。

しかしながら、映画からのフッテージが『裏窓』『上流社会』しかなかったのがちと残念。権利の問題とかいろいろあるのかも知れませんが、やはり『真昼の決闘』『泥棒成金』あたりは欲しかったですねえ。ま、映画ファンとしての希望ですが。 それと、雑誌『LIFE』を「ファッション誌」と表記してあったのには、違和感を覚えました。

生涯を追ってチャプターが設けられていましたが、彼女の死に関する部分だけはぽっかり抜け落ちていました(年表に記述があったのみ)。あえてなのでしょうね。

会場を出た所の物販コーナーが、これまた充実。よくもグレース・ケリーでこれだけ多くの商品を作ったよなあと感心するバリエーション。そして価格帯はさすがに高いというか、質が良くて高いものが多かったです。まあ、展覧会であのゴージャスな世界を覗いて来た後ですから、安っぽい物なんて見たくありませんもんね。正しいあり方でしょう。

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2016年9月 8日 (木)

ベルマーレの2015イヤーDVDを今更

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ほんとにほんとに今更なんですけど、昨シーズンの軌跡を追った湘南ベルマーレのイヤーDVD『NONSTOP FOOTBALLの真実 第2章 ~2015 証明~』をようやく見ました。

昨年中から予約しておいて、今年の1月末には配送されて受け取っているのに、なんていうことでしょう! まあ、それだけ大江戸の生活の中には「家でDVDを見る」って習慣がないんですよねー。映画なんかも手に入れても観ずにラックに並ぶだけだったりして。 これも121分(本編が108分ぐらいで、「全ゴール集」が13分ぐらい)なのを2日に分けてやっと見ました。

今シーズンの湘南の苦闘(現在17位)と昨シーズン(8位)の映像を較べるにつけ、やっぱり戦術と共に「個の力」も大事だよなあとの思いを強くせざるを得ません。いくら目指すサッカーができていても(まあ、できていないことも多いのですが)、最後に1点取るところとか取られるところってのは、クォリティの高い選手のアイディアとか強さとか、もっといえばトラップやシュートがうまいか下手か、パスが正確かアバウトかってなことになっちゃうんですよねー。

で、今更言うまでもありませんが、遠藤、永木、秋元、小林という「クォリティ高い方から4人」がいなくなっちゃったことは、さすがに辛かったということです。大江戸はまだ残留をあきらめてはおりませんが、今シーズン4人中1人でも残っていたら・・・との思いが頭をかすめないわけには行きませんでした。 収入に限りのある貧乏クラブの経営の難しさはわかっているつもりですが・・・。はい、ファンの繰り言です。

でも清水戦と横浜FM戦における、永木亮太のビューティフルな直接フリーキックからの2本のゴール。それを何度も見られるってだけでも、このDVD(3,704円+消費税)を買った意味があるってものなのです。

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2016年9月 7日 (水)

ベルマーレ・スマホケース:坪井

2016はい、最近買った(っていうか受注生産の通販なんすけど)ベルマーレのスマホ用ハードシェル・ケース。

上部には「NON STOP FOOTBALL」の文字。下部にはエンブレム。その上の3つの星は、1995年元日の天皇杯優勝、1995-96年のアジア・カップ・ウィナーズ・カップ優勝、そして2014年のJ2リーグ優勝を示しているのです。

ナンバーはどうしようかと思ったのですが、サポーター・ナンバーの「12」にしちゃうと名前が入らなくてつまらないので、ちょっと考えて「20 TSUBOI(坪井慶介)」にしました。 やっぱり今の湘南ではツボさんが一番好きだなあ(去年なら永木亮太だったように思います)。プレイする姿の美しさが際立っているのです。大人の落ち着きもなんともカッコイイですし。出場機会が少ないことは残念なのですが・・・。

というわけで、来シーズンも湘南で活躍してくださいね、ツボさん!

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2016年9月 6日 (火)

日本、タイに(当然の)勝利で一安心

判定とかいろいろありましたが、黒星スタートとなったW杯ロシア大会最終予選の日本代表。2戦目の対タイ戦をTVで応援しました(なんだか「対タイ戦隊タイセンジャー」って感じですね)。

確かにタイも随分うまくなりましたけど、基本的には実力差通りの勝負となり、日本が2-0で大過なく勝利を挙げました。 ただ、もっと点取れたよねーーーー。よくもまあ外し続けました。今日のハリルホジッチは、先発から岡崎を外して浅野をセンター・フォワードにしたことと原口を左ウイングに入れたことが奏功しましたけど、相変わらず香川がねえ・・・。この2試合で、以前よりも更に「足を引っ張る選手になってしまいました。それを言ったら、長谷部もこの2試合、ミスの多さにかけては人後に落ちません。老化なのか、新婚ボケなのか、かなり残念なパフォーマンスでした。 酒井高徳もねえ・・・。左SBなら、太田宏介を試してもらいたかったですね。

その代わりに、先発した原口、浅野が結果を出したし、全体的に他の選手よりも効いていました。しかし一番効いていたのは、これまたボランチで先発の山口蛍。今日失点0で終えられたのは、かなりの部分を彼に負っています。危険な所には必ず顔を出して、つぶしてました。攻撃面でも結構気の利いたパスを出したりしていましたし、奪われませんし、やはり対戦相手が強くなるほどボランチに一人置いときたいプレイヤーです。次代のダブルボランチは、山口&大島僚太で決まりでは(守り軸足型と攻撃軸足型というバランスも良いし)?

交代選手の投入がかなり遅め遅めだったのも不満。あの暑さなのに。もう5~10分ずつ早い投入だったら、3人(武藤嘉紀、小林悠、宇佐美貴史)だって点取れたんじゃないの? まあ、たらればですけど。

それにしてもボールの空気圧チェックを申し入れた森重がイエローもらった場面は、相当不可解。そんなバカな話ってないですよ。まあこの主審の判定は、後半などタイ側に厳しい場面もあったのですが、いずれにしてもアジアの審判レベルっていつまでたっても進歩しませんねえ。今日も、普通の国際基準のプレイにナーバスすぎるファウルを取ったりして、ちょっと恥ずかしい限りでした。

ま、勝てたのは良かったですけど、来月のイラク、オーストラリアにも今日みたいな、いや今日の課題を改善した試合を期待したいと思います。

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2016年9月 5日 (月)

「君の名は。」:こちらも3.11後の日本ならでは

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映画『君の名は。』が予想を超えた大ヒットをしているようですが、『シン・ゴジラ』といい本作といい、(期待以上の)素晴らしいクォリティの作品が多くの人を集め支持されるという状況は、まったくもって望むべきものです。 その2作とも東宝の市川南プロデューサーが手がけているという共通項が。さらに、両作品を貫く重要な共通項は、「3.11とのつながり」。本作のキーとなっているロマンティックで美しい彗星の接近は、なんとゴジラの襲来とニアイコールだったのです。

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(以降ネタバレあり) よもやまさかです。誰一人として危機を認識していませんでした。それが一瞬にして、多くの人の命を断ち切ったり、関係を断ち切ったりのディザスターになろうとは。そして、その禍々しい災厄から人々を救おうとする人間がいる・・・。まさに『シン・ゴジラ』同様の、「3.11後の日本だから描けた作品」になっているのです。

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前半を観ている限り、まさかこんな展開になろうとは思いませんでした。みずみずしい青春ラブコメとして良質な作品だなと思って観ているうちに、どんどん巨きな世界へとドライヴがかかっていき、時を超えた宇宙規模の愛とか人間とかの物語に変容していきました。なるほど、これを嘘っぱちに見せないために、実写ではなくてアニメーションである必然性があったというわけですね。

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時間を巻き戻す展開ってことでは、『時をかける少女』、特にアニメ版と同種の感動を覚えたりもします。時間と人間の生の不可逆性を扱ったロマンってものは、いつでも我々に感銘を与えてくれますね。ラストも「反則だ」ってぐらい、絶対グッと来るコースに投げたボールでした。

不満はRADWIMPSの曲が高鳴り過ぎること。本作の映画音楽としてはどうなんでしょうか? 歌詞を含め、あまりにも主張し過ぎていて、本来この映画が持つひそやかな情感を押し流してしまったような気がしてなりませんでした。

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2016年9月 4日 (日)

「ディアスポリス DIRTY YELLOW BOYS」:竜頭蛇尾

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映画『ディアスポリス DIRTY YELLOW BOYS』は、深夜ドラマの映画化だそうですが、元のドラマは(大元のマンガも)全く見ておりませんでした。冒頭に、TVドラマの場面集的な紹介がちょこっと付くのですが、まあ映画よりそっちの方が面白そうに見えました。映画の方は、この題材ならもっと猥雑なパワーで面白くなったろうになーって感じで、ちょっと残念でした。

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序盤から中盤にかけてはテンポ良く進行し、スプリット・スクリーンの使用など結構効いていたのですが、後半は妙にじっくりたっぷり撮り過ぎて、失速してしまいました。この題材なら、最後まで疾走系で行かなきゃ。 確かに須賀健太演じる周(ジョウ)のキャラクターは強烈で面白いのですが、それに引っ張られ過ぎちゃったように思います。

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久々に見た真木蔵人演じるヤクザの若頭が、貫禄あって、スタイリッシュで、カッコ良かったです。まだ43歳なのに老けメイクも似合ってました。こういう感じって、今の日本映画界には貴重です。「日本のデニス・ホッパー」になれそうで・・・。 でもこの人、DVで今年また逮捕されたりしてるんですよねー。惜しいよなあ。

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序盤に松田翔太が犯人を追って爆走するシークェンス(この撮影はスゴイ)で、新宿・想いで横丁から、次のカットで中央区明石町のカトリック築地教会に飛んでました。ま、映画ではよくあることですが。

その躍動感、スピード感に較べると、この竜頭蛇尾的なラストは何なんでしょうねえ。静かに終えたって、虚しさやペーソスなんて漂ってきませんでした。

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2016年9月 3日 (土)

「後妻業の女」:悪くて見苦しい奴ら

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映画『後妻業の女』は、かなりアクの強い作品。まあ、「辟易する」と言える作風です。大阪が舞台で全編大阪弁が飛び交うので、東京人としては一層その感じに拍車がかかります。でもまあ基本的には悪い奴らが多くて、しかも悪くてもカッコイイなら別ですけど「悪くて見苦しい」人ばっかりなので、どうにも愛すべき所のない作品なのですね(『闇金ウシジマくん』とか『日本で一番悪い奴ら』とかなら愛すべき所があるのですが)。

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まあ大竹しのぶを中心に映画が回ってるのですが、いくら年寄りばかりとはいえ、この女がかくも多くの男を惹きつけるのかなあ?ってのが疑問でした。例えば風吹ジュンとか黒木瞳とか森尾由美とかなら、かなり納得性が高いんですけどねえ。あ、大胆に吉永小百合だったらベスト・キャスティングかも知れませんです。

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大江戸は結構単細胞的に勧善懲悪派なので、こういう悪い奴らに天誅が下るような映画が好きなのですが、まあ昔から「憎まれっ子世にはばかる」などと申しますからねえ。 しかも映画の序盤は軽犯罪的なトーンでスタートしながら、中盤以降だんだん重い話になってまいります。 (以降ネタバレあり) なんだ、こいつら殺人犯じゃん。そこらへんのシリアスさと、映画のコメディータッチが吊り合わず、破綻しているように思えるのですけれど・・・。あのスーツケースが動く場面なんか、まさに破綻してますよねえ。

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てなわけでラストの遺言状にはホッとします。でも主人公たちもぬけぬけと生き延びちゃうんですもんねえ。ま、そういう作品といえば、そうなんでしょうけど。

往年の日活映画に『若くて、悪くて、凄いこいつら』(中平康監督)って作品がありましたけど、こちらはさしづめ「年取ってて、悪くて、見苦しいこいつら」ですよね。 

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2016年9月 2日 (金)

日本代表の最終予選黒星発進を生観戦

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昨日は埼玉スタジアムで、W杯ロシア大会最終予選の初戦:日本vs.UAEを観戦しました。理由あってメインスタンドのかなり良い席で見ることができました。

試合前にはサポーター席に、おお、日本とロシアの国旗が! (+ウルトラス・ジャパンの旗ね)

そして選手入場時には、スタジアム1周をブルー地に赤ラインのコレオグラフィーで。

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1日経ってしまったので、試合は皆さまご存じの通りです。清武のFKから本田の頭で見事に先制したものの、UAEが前半はFKから直接のゴール。そして後半はPKで逆転。結局1-2でホーム日本の苦い苦い敗戦と相成りました。

試合後にハリルホジッチ監督が「受け入れ難い」と語った通りの内容でした。

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そしてともかくカタール人の主審にやられました。あまりに露骨におかしな判定が多過ぎました。久々に「中東の笛」って言葉を使いたくなりましたね。 

浅野のゴールが認められなかった場面は(ゴールライン審判やGLTを採用していない以上)「サッカーでは時々あること」と我慢もできますが、大島がPK取られた場面や宇佐美がPKを与えられなかった場面などは、 ちょっとひどすぎます。

1472739086735ただ、日本にミスが多過ぎたのも事実。長谷部どうした?? 香川も何度決め損なったことか&ボールも奪われてるし。岡崎、本田(前半は良かったけど)らも含めて、総じて海外組(って、ほとんどですけど)のプレイがよろしくなかったです。

確かに(いつも見ている)Jリーグに較べると、みんな格段にうまいんですが、相手もうまいからねえ。やけに無駄なうまさに見えちゃって。 そこ行くと、UAEはやることがハッキリしていました。それを見事に遂行して、勝ちました。

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大島僚太の先発には驚きましたが、攻撃面ではかなり健闘していたと思います。でも、(体も小さく)守備が今一つ弱くて、あと何回もスピードの弱い危ないパスがあったのが減点でした。

日本、あれだけポゼッションして、後半なんか嫌というほどゴール前の攻めを続けながら、打開策の工夫がいつも以上にありませんでした。何度も何度も精度の低いクロスを上げては、はじき返されてました。

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やはり、両サイドの剣があまり機能しませんでしたよね。長友のケガがうらめしいところ。というか、内田、長友が揃って絶好調だった頃が懐かしいです。はあ。

これ、ハリルホジッチじゃなくても悩んじゃいますよねえ。もう、あとは戦術を超えた「個の力」しかないんですもん。

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かなり虚しいけど、まあ最終予選は残り9試合ありますので・・・。

それよりも、応援しているチームの勝ち試合ってもんを、随分長いこと見ておりません(スタジアムで)。 調べてみたら、ベルマーレが6/18のジュビロ戦に勝って以来二月半にもなるのでした。嗚呼。

 

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