「闇金ウシジマくん Part3」:教育的効果絶大
映画『闇金ウシジマくん Part3』は、前2作同様やけに面白く、やけに教育的でした。まさに「こんなことすると、悲惨なことになりますよ」「こういう人になっちゃいけませんよ」の世界。いつもながら、そのメッセージが下世話な迫力で感じられるのです。
今回は、メインのストーリーがネズミ講的な「金儲け啓蒙セミナー」詐欺。その悪役を浜野謙太がうさん臭くも気持ち悪く怪演します。それにしてもこういうのに引っかかる人が後を絶たないってのは、どういうことなんでしょうねえ? でも本作では、その仕組みの縮小再生産がどんどん続いていく様を描いたあたりが秀逸です。で、下流に位置するすんごく頭悪い半グレの刈部を演じた「月見草しんちゃん」って人が、えらくぶっ飛んだ芝居! なんだこりゃ?って程の妙ちくりんな違和感と低能感で、強烈なインパクトを残しました。
本郷奏多君もダーティーに活躍する本筋に較べると、脇筋のゲスリーマン=藤森慎吾の方は、いつの世にもある身の滅ぼし方で、まあ事業自得の典型。ここまで無防備で、ここまで懲りない奴なので、死なない程度に火までつけられてちゃうわけですけどね。
本当に毎回「お金のこわさ」を突き付けてくれます。この作品を観て、道を誤らずに済んだ人(あるいは、将来的に道を踏み外さずに済む人)って絶対いますよね。そういった意味では、素晴らしく啓蒙的な人助け映画です。山口雅俊監督、東大卒だけに(下品に見えても)根はマジメなのでありましょう。
そして今回はウシジマが地味だった分、10月22日公開の『ザ・ファイナル』が楽しみなのです。
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