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2016年9月28日 (水)

「娘・妻・母」:やるせなき成瀬ワールド

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映画『娘・妻・母』を神保町シアターで観ました。本作を観るのも初めてですが、神保町シアターに行くのも初めて。もちろん気になってはいましたが、なんか行きそびれちゃって今に至るなのでした。今回は『キネマ旬報』のプレゼントで招待券が当たったので、行ってみました(小生の好きな成瀬巳喜男作品の中でも、そうそうお目にかかれない作品ですし)。整理券を発行してくれるし、その番号順の入場だし、客席はシネコンばりに傾斜があって、前の人が邪魔にならない設計、スクリーンも結構大きい・・・と良いことずくめ。もっと早く来れば良かったですね。 客層は圧倒的なシニア・ワールドでした。

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作品は成瀬巳喜男としては最良の部類ではないですけれど、それでも興味深く面白かったです。成瀬の映画はとにかくオトナ。そして東京。そして昭和中期の暮らしの資料としても非常に貴重なもの。大江戸も(川本三郎さんも!)そこらに魅了されます。 

本作は成瀬らしい「カネの話」が老母を巡る家族の話にもなっていて、観ていてあれこれと辛い気持ちになる作品です。ずーっと、気の晴れない作品であり、家族って厄介なものだなあっていうお話なのです。『東京物語』などの小津作品を連想させる部分も多々あるのですが、このやるせなさはさすがに「ヤルセナキオ」と異名を取った人ならではです。

それにしても豪華なキャストです。原節子、高峰秀子、森雅之、宝田明、仲代達矢、杉村春子、三益愛子、草笛光子、笠智衆、上原謙etc. それぞれの役どころがいかにもなタイプ・キャスティングだってところも、映画全盛期って感じです(1960年作品)。

三益愛子のおばあちゃんが59-60歳(還暦祝いの場面がある)なのですが、もうすっかりおばあちゃんなことに現代との差を感じ、しばし感嘆してしまいます。よく見ると肌とかは現代の60歳とそう変わらないのですが、すっかり老け込んだ格好(常に和服です)をして、白髪も染めず、話し方もすっかり老婆なので、「今だと80歳ぐらいの感覚だけど、まあ、この時代はそうだったんだろうねえ」と感心してしまったのであります。半世紀以上昔のことですもんね。

 

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