「グレース・ケリー展」@松屋銀座
松屋銀座で『グレース・ケリー展』(~9/26)を観ました。女優関係の展覧会というと、オードリー・ヘップバーンやマリリン・モンローがありましたが、それらはあくまでも写真展。衣装を中心にした総合展ということでは、なかなか良い企画だと思っておりました。ま、大江戸はグレースさまには特段の思い入れはないのですけどね。
で、会場を観てみると、いやー、キュレーションにおいても、表現においても、しっかりしたクォリティの展覧会でした。 キュレーションでは、グレース・ケリーをどう捉えて何を見せるかという企画力や編集力が優秀だと思いました。また表現というのは、展覧会場の作りや見せ方の工夫やデザイン力に関してで、これまた良い仕事だと思いました。
服飾関係ではウェディングドレスからイヴニングドレスまで、シャネル、サンローラン、ディオール、ジヴァンシーなどなどのファッションが華やかに揃い、圧巻です。帽子、靴、手袋などや宝飾類もあります。そしてもちろん「ケリーバッグ」も。
彼女の手になる押し花コレクションがあったのにも、へーっていう感じでした。でも一番驚いたのは、『喝采』でアカデミー賞を受賞した時のオスカー像がさりげなく展示してあったこと! 大仰にではなく、あまりにもさらっとしれっと展示してあった(まあ、専用の展示ケースには入っていましたが)ことに、「えっ、本物??」と思ってしまいました。名前や作品名も刻まれた本物なのでした。
会場内に何か所かモニターがありましたが、そこに流れる動画がすべて1分程度なのが素晴らしいと思いました。展覧会場内のモニターで、5分とか10分とかの動画をやられると、見たいけど見るべきなのかどうか考えながらも、一部だけを見て済ますこともしばしばあります。それによる混雑や滞留も気になるし。だけど1分なら流れの中で無理なく見られます。ノー・ストレスで、良い手法でした。
しかしながら、映画からのフッテージが『裏窓』『上流社会』しかなかったのがちと残念。権利の問題とかいろいろあるのかも知れませんが、やはり『真昼の決闘』『泥棒成金』あたりは欲しかったですねえ。ま、映画ファンとしての希望ですが。 それと、雑誌『LIFE』を「ファッション誌」と表記してあったのには、違和感を覚えました。
生涯を追ってチャプターが設けられていましたが、彼女の死に関する部分だけはぽっかり抜け落ちていました(年表に記述があったのみ)。あえてなのでしょうね。
会場を出た所の物販コーナーが、これまた充実。よくもグレース・ケリーでこれだけ多くの商品を作ったよなあと感心するバリエーション。そして価格帯はさすがに高いというか、質が良くて高いものが多かったです。まあ、展覧会であのゴージャスな世界を覗いて来た後ですから、安っぽい物なんて見たくありませんもんね。正しいあり方でしょう。
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