創作歌舞伎「GOEMON」@新橋演舞場
新橋演舞場で十月花形歌舞伎『GOEMON 石川五右衛門』(水口一夫作・演出)を観ました。ローマ字のタイトルが示すように、歌舞伎と現代劇をミックスさせた演舞場らしい作品。なにしろ石川五右衛門がスペイン人と日本人のハーフっていう設定で、フラメンコはやたらと出て来るし、歌舞伎では考えれれないけど女の踊り手たちも舞台に立っているし・・・と、なんでもアリな感じ。舞台装置も現代劇のそれで、歌舞伎的な背景や幕はありませんでした。
まあ何と言っても主演・片岡愛之助、共演・今井翼ということで、タイムリーな話題性もたっぷり。後で知ったのですが、ロビーには藤原紀香もいたのだとか・・・(気づきませんでした)。
二役の今井翼は、最初スペイン人宣教師役なのですが、全く現代的なセリフ回しで、対峙する歌舞伎役者たちの口跡と全くバランスが取れず(まあ、外国人感をそこで出したってことなんでしょうけど)、かなり変でした。霧隠才蔵役の方は、まあ無難にこなしておりましたが。
愛之助丈は、さすがに主演の格、大きさを出しておりました。1時間ちょっと経ってようやく登場するのですが、大向こうからは「待ってました!」の掛け声。一気に舞台が華やぎ、高揚しました。延々と長い立ち回りのみならず、つづら抜けや宙乗りも披露し、派手で見せ場の多い舞台でした。 その代わりストーリーは荒唐無稽です。スペインがらみの設定からしてそうですが、ラストでは五右衛門が捕われて釜茹でになることなく、大きな鷹(霧隠才蔵が変身したもの!)に乗ってスペインに飛んで行くという、シュールさ。 そこらをはじめ、歌舞やアクションには力を入れましたが、ストーリーの整合性や面白さはほとんど無視しているという、まあ歌舞伎らしいといえばらしいお芝居でありました。
大向こうの掛け声で、松嶋屋!とか成駒屋!とか言ってる中で、スペイン人の歌手とギタリストが登場するフラメンコの場面で「イスパニア(イスパニ屋?)!」って声が掛かったのには笑いました。 ただ、多用されるフラメンコ・シーンは歌舞伎と融合することなく、最後まで無理矢理感たっぷりでした。
今日は千秋楽ということもあったのか、歌舞伎ではやらないカーテンコールで愛之助さんと翼くんが出てきて、結構お話をなさいました。
売店でおみやげに『これでよしなに』ってのを買いました。箱には商人がお代官様に菓子箱を渡している絵が描いてあります。箱の底に小判が敷き詰めてあるのでしょうね。
てなわけで、小判型の瓦せんべいなのでした。ま、特にうまいものではないけれど、洒落っ気ですね。
で、5枚入りの箱だったのですが、もう1枚--ゴージャスな(?)金属製小判も入っておりました。こいつぁー魅力的です。
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