「アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲」:生涯同じ歌を・・・
映画『アンナとアントワーヌ 愛の前奏曲(プレリュード)』は、原題が“Un + Une”。まさにもう一つの『男と女』(Un Homme et Une Femme)です。クロード・ルルーシュ(79歳)とフランシス・レイ(84歳)の名コンビによる久々の作品です(『男と女、嘘つきな関係』以来20年ぶり)。まあ二人とも結局、同じ歌を歌い続ける人なのですね。おじいちゃんになってもラヴ・ストーリーです。フランス人ですから。
それにしても『男と女』('66)から半世紀がたつのですね。それでもなお二人とも現役。考えてみればスゴイ話です。
エキゾチックで神秘的なインドの地が、本作の仕掛け。そこにフランス人の男と女を置いた時にどうなるか?という実験で、ラヴ・ストーリーを1本作りました!って感じです。
劇中で男が言われるように、何とも「能天気」な二人なのですが、まあそういうところも含めて20世紀的なフランスの伝統を感じさせる作品ではあります。日本で言うなら、晩年の黒澤明が、『夢 DREAMS』とか『まあだだよ』を撮ったみたいな感覚でしょうか。
なので、ちょっとかったるい所があっても憎めないし、後半の展開などはなかなかに面白かったです。
あの『グレイストーク』でターザンを演じた肉体派クリストファー・ランバートが、こんな渋い白髪の大使役を演じるなんて、いやー、人間は歳月を経て変わるものなのですね。
興行的にはあまり当たってはいないようですが、まあ、現在ルルーシュの名前には何の集客力もないってことに加えて、この邦題がねえ・・・。まったくどうでもいいような、というか、印象に残らないタイトルですよね(むしろ覚えられなかった)。
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