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2016年10月15日 (土)

「少女」:リアルな少女世代が演じるべき

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映画『少女』の原作である湊かなえの同名小説は出版時に読んだのですが、どんな話なのかもうすっかり忘れておりました。

(以降少々ネタバレあり) 設定などになかなか無理矢理なことも持って来ておりまして(山本美月の脚の件など)、ちょっと疑問が生じてしまいます。しかもそれを脚色や演出力でねじ伏せて納得させるってことも出来ていないので、ちょっと辛いですね。三島有紀子監督って、どうも絵作りはしっかりしているのですけど、語り口や演出力においては堅実ではないしモタつく人なので・・・。

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それにしても、今年24歳の本田翼と25歳の山本美月が高校生役ですもんねー。ここはリアルに高校生年代の人が演じた方が、リアルで切実な絶望感や懸命感や闇やきらめきが出せたのではないでしょうか? 本田さんは、いつになく大きな(大仰すぎる)芝居をやっていて、さすがにちょっと興ざめでした。過ぎたるは及ばざるがごとしです(監督の指示がああいうことだったのでしょうか?)。  山本さんはいつもよりは良い演技でしたが、もともとのレベルにかなり問題がありますのでねえ・・・。

ラストはかなりポジティブに人間を信じるような光明を見せながら、ラスト1秒で微妙に嫌な感じにざわつかせるあたりは、湊かなえのニュアンスをちゃんと出していると思いました。

ところで、『四月は君の嘘』、『聲の形』に続いて、本作でも制服姿の女子高生が突然水に飛び込みます(前2作は川で、こちらは海ですが)。流行ってますねー。一緒に男子高校生がいるのも同じですが、こちらは前2作とは違って後を追って飛び込んだりはしませんでした。

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