「高慢と偏見とゾンビ」:ワン・アイディアでは飽きちゃいます
映画『高慢と偏見とゾンビ』は、そのタイトルを聞いた時から珍作・怪作への期待をふくらませていたのですが、うーん、思ったより普通でした。もっと狂ったはじけ方に期待していたんですけどねえ。
それと、19世紀初頭の貴族社会にゾンビをぶちこむというワン・アイディアだけの映画なので、大真面目に108分もやられちゃうと、正直飽きちゃいます。大した演出力ないんだもん。
2005年のジョー・ライト監督作品『プライドと偏見』は、正統派のジェーン・オースティンものでしたが、同じ原作にインスパイアされた別の原作を持つ本作品では、ジェーン・オースティン的世界は背景として「そこそこ」な上に、ゾンビものとしても中途半端で、もう序盤を過ぎると特に見るべきものもないのでした。メリハリや物語のうねりが無いので、単調なのです。
エリザベスとダーシーと、主役となる男女二人の役名も一緒(まあ、『ブリジット・ジョーンズの日記』もダーシーはかぶってますが)。ダーシーに関しては、この世界にぴったりの、絶対に若き日のヒュー・グラントを意識したキャスティング。でもこの人、声がカッコ悪いです。
エリザベスのリリー・ジェームズは、『シンデレラ』の時にシンデレラっぽくないなーと思って(嘆いて)いたので、こっちの方がましですが、まあ「まし」ってだけです。特段の華も無ければ、面白みもありません。
いっそのことゾンビを異世界にぶち込むオムニバス作品にでもしてくれたら、退屈せずに済んだのですが・・・。 ゾンビ in 西部劇とか、ゾンビ in 戦争映画とか、ゾンビ in ハードボイルド探偵ものちか、ゾンビ in スポーツものとか、ゾンビ in 裁判劇とか・・・。
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