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2016年11月30日 (水)

榮太樓×獺祭のかりんとう

1480514624786榮太樓總本鋪と獺祭(旭酒造)とのコラボ商品、『酒粕かりんとう 純米大吟醸獺祭酒粕使用』です。260円+税です。

うーん、何かいわくありげ。確かに「国産酒粕 山田錦100%使用」と書いてあります。食べると、ほのかに酒粕感、日本酒感がありますね。「すっきりとしながらも華やか」なのが獺祭の特徴なのだそうで、言われてみればそんな香りではありました。

いちおうアルコール分1%なのだそうで、「お酒に弱い方は気をつけてください」という注意書きもありました。でもまあ、それ以外は普通の細めの蜜かりんとうでしたけどね。

本当に獺祭の快進撃は留まることを知らぬ勢いですが、こういうコラボも攻めの姿勢と人気の現れなのでしょう。

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2016年11月29日 (火)

セブンイレブンのドーナツ近況

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以前にも何度か紹介したセブンイレブンのドーナツ。ここ数か月のものをまたご覧いただきます。

まずは『ポムドーナツ マロン&ホイップ』。

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ドーナツはもっちもちの生地で、中にマロンクリームとホイップクリームが入っています。思った以上においしかったですよ。やはりセブンのドーナツ、登場当初に較べて、どんどんレベルが上がっています。

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次は(季節はずれ感たっぷりに)ハロウィンの頃に売っていた『ポムドーナツ 北海道えびすかぼちゃ』。

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半分がオレンジ色にコーティングされていて、中にはオレンジ色のかぼちゃクリームとホイップクリーム。結局上のマロンをかぼちゃに変えたって感じですね。良くも悪くもあんまりかぼちゃ感は強くなくて、まあまあのお味でしょうか。

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続いては『ポムドーナツ カフェモカ』。やっぱり好きです、このもっちり感。そして香ばしい大人の香り、カフェモカ。間違いのないおいしさです。

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そしてこちらは、ちょっと見慣れないタイプ。新機軸の揚げない「焼きドーナツ」。その名も『ベイクドリング』です。これは見た目以上のおいしさ! 幸せなタマゴ感がある上に、上質なハチミツ味が最高です。

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そして最後に異色の新製品『あげぽよ』。いやー、あげぽよですよ、あ・げ・ぽ・よ。あーげーぽーよ~。小ぶりなんです(その分カロリーも低め=140kcal)。でもお値段はそんなには安くなく、税込100円。中身のチョコクリームが甘過ぎず、結構なお味でありました。

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2016年11月28日 (月)

「疾風ロンド」:なぜ今こんなコメディーを?

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映画『疾風ロンド』ですが、うーん、なぜ今の時代にこんなプログラム・ピクチャー的なのんびり企画? 2時間ドラマがせいぜいですよね、これ。しかも日本ではこの手のコメディーは難しいのに、見事なまでにハマっちゃってます。ヒット連発で無敵の東宝、チャレンジングな企画でまず質を向上させて興行も健闘し始めた松竹に較べると、東映の病は深いですねえ。

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設定とかはありがちで(犯人がすぐ死亡という変化はつけていますが)、ディテールは穴だらけ、ツッコミ所だらけの無理矢理な話。その上、監督が『サラリーマンNEO』(あの映画版もつまらなかったなあ)や『あまちゃん』の人って・・・適材適所には程遠いんじゃないでしょうか?

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この春には『エヴェレスト 神々の山嶺』で凍っていた阿部寛が、今回はゲレンデで転びまくっています(映画もスベっています)。今や高倉健に代わって、「日本一雪山の似合う男」なのかも知れません。本作のスキーウェアはダサダサですけど。

大島優子と大倉忠義は、明らかに精彩を欠いておりました。

それにしても柄本明さんにあんな学芸会的なオーバー・アクトをさせたのは誰? なぜ?356755_003

GoProを使ったクライマックスの雪上チェイス・シーン(スキー対スノボ)の迫力のみが評価できる点でしょうか。

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PPAP

1480333023429ドライフルーツのパイナップルですけど、何か?

 

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2016年11月27日 (日)

wearer、渋谷Lushでのライヴ

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 渋谷のライヴハウスLushにwearerの本年最後のライヴを見に行きました。

 今日のYKは久々にメガネなし。いつも(熱気で)曇っちゃってましたからねえ。髪を短くしたこともあり、眉毛がやけに整えられていたのがよく見えました。ただ彼がいつもツイッターで語っているように、残業の多さと食生活の乱れからか、ちょっと疲れが見えるような気も致しました。「良いパフォーマンスは、心身を整えることから」であります。ミック・ジャガーもそう思っていることでしょう。

 一方丸メガネの似合うベースのえいちゃんは、オレンジ系のお召し物もかわいかったけど、ベースのストラップがカラフルな色見本みたいでナイスでした。 リードギターの山本氏は、本日フライングVを弾いておりました。 そしてゲスト・ドラマーさん(5月と同じ人=ゲンさんですかね?)は、パワフルで華やかなタイコを叩いておりました。

 『blue album』を出して以降のwearerは、割とバランスの良い音で、しっかりヴォーカルを聴かせながら安定した演奏でまとめていたのですが、今日の音は昔のようにかなり荒々しい感じで、音圧を上げていました。メロウな完成度よりも、ガツンとロックをやりたかったっていうYKの思いを感じたように思いました。あるいは、Lushという場がそうさせたのでしょうか。 曲としては、『ロックンロール・バンドの季節』がとても良かったなあ。心打つものがありました。

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2016年11月26日 (土)

「ジャック・リーチャー NEVER GO BACK」:真っ当な娯楽アクション

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映画『ジャック・リーチャー NEVER GO BACK』は、ジャック・リーチャー・シリーズ第2弾。監督がエドワード・ズウィックに代わったためか、作品やキャラクターのトーンもある程度変化しています。悪い変化ではありません。『フレンチ・コネクション』の1と2の違いに多少似ていると言いましょうか(あそこまで異なってはいませんが)。ズウィック監督って、「職人」と「名匠」の中間ぐらいに位置する人だけに、古典的な面白さを持つ真っ当な娯楽作に仕上げてくれました。

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こういうVFXや超人やロボットに頼らない真っ当なアクション映画って、たまに見るといいもんですね。最近はめっきり無くなりつつあるジャンルの一つですので・・・。ドンパチがあっても、荒唐無稽な弾丸の数やSF的な光線砲ではありませんし、最終的な決着は拳(こぶし)でつけますし。重い格闘をするためなのか、トム・クルーズの肉体もシャープさを捨てて、がっしり方面に寄せています。

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まあ54歳だから当たり前なのですが、トム・クルーズの永遠の若さもついにあるラインを踏み越えたって感じです。もちろんジャック・リーチャー仕様の、武骨なキャラに合わせた顔と肉体ってこともあるのでしょうけれど、前作『アウトロー』や、昨年の『ミッション:インポッシブル ローグ・ネイション』と較べても、急にガクッと来ましたね(「劣化」などという言葉は嫌いなので、使いませんが)。それでも重量感のある生身のアクションで、十分に健闘しております。

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ジャックと行動を共にするスーザン・ターナー少佐(コビー・スマルダーズ)、日本版を作るとしたら絶対に吉田羊ですね! そうした場合、トムは誰かとなると、・・・いないんですよねー。岡田准一があと10年たったら、こういうことが出来そうな気もいたしますが。 女の子に関しては、日本でやった場合、こういう子じゃなくてもっと一般的にカワイイ子がキャスティングされるでしょうし、それでうまくいったりするんですよね。例えば、広瀬すずがやるとか・・・。

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2016年11月25日 (金)

「ミュージアム」:「セブン」やら何やら

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映画『ミュージアム』は、いろいろと『セブン』です。まあ原作マンガがそうなんでしょうけど、猟奇殺人者と刑事夫妻の話であり、常に雨が降っています。死体描写も結構危険です(でもなぜか「G」指定です)。

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カエル男のビジュアル・インパクトは結構あります。でも、それを生かし切れていないというか、カエルだから何だってんだよーって感じ。ケロヨン君です(←古い)。 それと、カエル男といえば「フロッグマン」ですから、吉田君や総統にも出ていただきたかったところです。

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(以降ネタバレあり) 本作でカエル男に扮したのは妻夫木聡ですが、特殊メイクでスキンヘッドにして、かなりの怪演を見せております。そして伊武雅刀にしても松重豊にしても尾野真千子にしても市川実日子にしても、いつもとは違う顔なんですよ(主に髪型によるのですが)。市川さんなんて最初は「誰?」って思っちゃいましたし、尾野さんは妙にかわいい感じでした。

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これだけハードでダーティーでやさぐれた大人の小栗旬は初めてでしょう。そういった意味では、主役の務めは果たしています。そうは言っても儲け役の妻夫木には負けちゃいます。最後の方で妻夫木は『悪魔の毒々モンスター』のような、『アルタード・ステーツ』のラストの方の変身した姿のような感じでした。

残念ながら、映画全体の出来は今一つなんですよねー。何か過去にあったあれやこれやのツギハギ的ですし、終盤に失速してしまいますし・・・。

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2016年11月24日 (木)

「手紙は憶えている」:手紙じいさまの備忘録

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映画『手紙は憶えている』の原題は“Remember”。はい、確かにそういう映画です。 「認知症のヒットマン」なんて、非常に今日的なネタですよね。しかしながら、ナチスの残党を追って・・・という物語なので、かなりの重みもあるわけです。それでもアトム・エゴヤン監督は、前作『白い沈黙』に次いで、面白さとクォリティを両立させた作品を作り上げてくれました。

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クリストファー・プラマー演じる主人公のゼヴは90歳です。終戦後71年なので、そんなもんですよね。ということは、今を舞台に第2次世界大戦の生き証人のドラマを作る場合、現在がギリギリってことです。あと10年、いや5年たったら、作れなくなってしまうのでしょう。それ以降は舞台となる時代を設定する必要が生じて来ます。いずれにせよ、本作はおじいちゃん映画であり、主人公以外の登場人物も多くはおじいちゃんなのです。

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すぐに記憶をなくしてしまう、自分が何者かすらわからなくなってしまうという設定がサスペンスを生んで、面白いのです。『掟上(おきてがみ)今日子の備忘録』みたいなもんです。主人公ゼヴも今日子さんのように、(備忘のために)腕に文字を書いておりました。ナチス信奉者の家でのサスペンス描写(お手本のようなカット割り)などは、実によくできております。

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(以降ややネタバレあり) そして衝撃のラスト。なるほど、これはお見事です。これによって、作品はぐっとエンタテインメント寄りになりましたが、いいじゃないですか別にエンタテインメントだって。むしろ素晴らしいことです。しかもその中に、口当たりが悪く飲み込ない種のようなものを残してもいるのです。そして、そこがやはりエゴヤンなんですよね。あるいは「カナダ的」と言うこともできるのでしょうか?

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2016年11月23日 (水)

「ティファニー ニューヨーク五番街の秘密」:BORN TO BE BLUE

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映画『ティファニー ニューヨーク五番街の秘密』は、ティファニーの歴史とブランドに迫ったドキュメンタリー。監督・脚本があの『ニューヨーク・バーグドルフ 魔法のデパート』('13)の人なんですね(マシュー・ミーレー)。バーグドルフとティファニーといえば、斜め向かいさんですもんね。ついでながら、ティファニーはトランプ・タワーのお隣りさんでもありますよね。 そしてこの監督、次回作はやはりニューヨークのカーライル・ホテル(これも比較的近くにありますね)を描くってんですから、NYドキュメンタリーの王者であります。

で、やはり面白かったです。ティファニー・ブランドの象徴としてのオードリー・ヘップバーン。そして、ティファニー・ブルー。ブランドの歴史や、ジュエリーのあれこれ、ゆかりのセレブリティなどを、次々と紹介していきます。アカデミー賞関連の話、映画の話、ショー・ウインドウの話・・・と、興味は尽きません。バズ・ラーマンやロブ・マーシャルも出て来て、語っておりました

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6本の立て爪でダイヤモンドを支える方法はティファニーが生み出したとか、ニューヨーク・ヤンキースのNYマークはティファニーのデザインだとか、「へー」と驚く話も多数。。

二人組のローティーンの女の子が出て来て、ああだこうだと言っているのですが、いやー、末恐ろしい感じでした(鼻もちならない金持ち人生を送りそうで)。

まあ、それはさておき、ティファニーのブランディング力は、やはり大したものです。あのティファニ・ブルーは、永遠に魅力的な魔法の色なのです。

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2016年11月22日 (火)

「ジュリエッタ」:ヴィヴィッドで美しい色、色、色

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映画『ジュリエッタ』は、ペドロ・アルモドバルの新作。小生は若き異才としてもてはやされた頃のアルモドバルよりも、ここ十年ぐらい、つまり『ボルベール 帰郷』('06)以降のアルモドバルが好きなので(『アイム・ソー・エキサイテッド!』は除く)、その流れで本作も大いに堪能できました。

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「女の(ほぼ)一生」です。そして母と娘の物語でもあります。 二人の女優に一人の女性の人生の前半と後半を演じさせるというのがミソ。まあ、杉村春子じゃないんだから一人で一生を演じるわけには行きません。そういった意味では極めて真っ当なのですが、なんだか奇策のようにも思えて来て、その最大のポイントは二人の女優のリレー・ポイント(結節点)。風呂から出た彼女が娘たちに頭からタオルをかぶせてもらって、そのタオルを開くと中から違う顔が現れるという手品のような趣向。 おお!でした。

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いつも以上に圧倒的な色彩の乱舞。洋服の色、インテリアの色、自動車の色・・・どれもこれもヴィヴィッドで、キレイな色です。洋服の色のセンスといったら! なかなか普通には売っていないような色が多いんですよ。しかも周囲との関係で、見事に浮き立つような美しい色合い。ブラウスのライトグリーンやパープルが、自動車のカーディナルが、その他にもクリムゾンやらブルーやらが見事に画面を彩って、まったくもって眼福なのです。そして、19歳の誕生日用ケーキの赤!その美しいこと!

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カラーのみならず、美術のセンスの良さもアルモドバルならでは。椅子やテーブルをはじめとするインテリア・デザインのセンス。バッグや靴や小物のセンス。ガウンの紐一つとっても、上質感をはっきり認識できます。さすがです。

序盤は少々かったるかったのですが、中盤以降ぐっと面白くなっていきました。ラストは拍子抜けするほどあっさりしておりますが、あれはあれでアリだと思っております。

往年のアルモドバル映画の常連、(鼻の)ロッシ・デ・パルマも家政婦役で出ております。まだ52歳なんですが、60過ぎに見えました。なかなか怖かったですよ。

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2016年11月21日 (月)

「溺れるナイフ」:俺様と姫の中途半端な神話

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映画『溺れるナイフ』は、期待の新鋭・山戸結希監督の商業映画デビュー作。確かに個性のきらめきを感じさせつつ、少女マンガ原作のエンタテインメントとしても一応成立させています。でも、そんなに好きな作品とは言えないかなあ。

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本作の小松菜奈と菅田将暉を輝いていると見るかナマクラと見るかで、作品評価は大きく違ってくるでしょうね。大江戸は後者だったので、なんだかイマイチでした。この二人だったら、『ディストラクション・ベイビーズ』の方がそれぞれ良いと思ったのが小生なのです。まあ、金髪の菅田くんのアルビノ的な白さや細さはあたかも妖精のようで、なかなか得難い個性だというのはわかりますが、この人あまり好きじゃないもんで。しかも、この主人公の俺様キャラ(神様キャラ?)もキライなので・・・。 一方、お姫様キャラ的な小松さんにしても、『渇き。』の得体の知れない神秘感に較べると、なんだか「作った」芝居でねえ・・・。ナレーションなどのエロキューションも素人っぽいですし。

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重岡大毅の大友君は、少女マンガ定番の「いいやつキャラ」。ホントにハートのある、いいやつなんです。でも主人公女子は、結局だめんずである主人公男子の方に行ってしまうってのも、少女マンガの定番。困ったもんです。

上白石萌音のキャラも相当わからんやつです。原作マンガにはもっと丁寧に描かれているのかと思いますが、この映画を見た限りでは、変に思わせぶりなだけで、なんだか危ない人になっちゃってます。困ったもんです。

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最近の山戸結希監督のインタビューやアンケートへの回答を『キネマ旬報』で読んだ時には、その知的でユニークな言語感覚に目を見張ったものですが、まあ作品の方は「そこそこ」に留まってしまったように思えます。どうせなら、もっと徹底的に「神話」を志向してくれた方が良かったのかも知れませんが・・・。でも、随所で見せるロングショットの長回しとかは、悪くなかったですよ(相米を持ち出したりはしませんけどね)。

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2016年11月20日 (日)

「この世界の片隅に」:多くの人に観てほしい秀作

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映画『この世界の片隅に』は各方面で絶賛の嵐ですが、確かに大いなる称賛に価する素晴らしさでした。市井の人々の暮らしの視点から戦争を描くというと昨年の『この国の空』を思い出しますが、アニメーションだってことによって、よりリアルでより普遍的な、大きな作品となっています。脚本・監督の片渕須直さんの前作『マイマイ新子と千年の魔法』は未見でしたが、こうの史代の原作マンガを得て、本当に素晴らしく意義深い作品を作ってくれました(クラウド・ファンディングで支援した方々と共に)。

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本作の主人公の声を務めた「のん」の声優演技が各方面で絶賛の嵐ですが、確かに大いなる称賛に価する素晴らしさでした。あの、ゆったりほんわかした感じ。そのトーンが何ヶ所かで崩れることがあり(もちろん意図的に)、その感情こそが聞かせ所になっています。いずれにしても、あの声によってこの主人公に魂が吹き込まれました。同じく戦時下生活アニメの傑作『火垂るの墓』の節子ちゃんの声のように。

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泣けるから良い映画だとは全く思いませんが、本作はとにかく泣けてしまいます。と言うか、深く感情を揺さぶられます。泣かせようとなどしていないんですよ。いや、むしろ笑わせようとしています。でも主人公や周りの人々の暮らしが丁寧に細やかに描かれることによって、彼女たちが自分の身内ででもあるかのように愛おしくなるので、フィクションや他人事ではない心情になってしまうのでしょうね。

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予告編で見た段階では、この絵柄があまり好みではありませんでした。しかし、実際に本編を観ると、広島の繁華街の再現だとか、家庭内の生活描写だとか、空襲場面のリアルさだとか、人物のやわらかさだとか、これまた称賛に値するものでした。 

できるだけ多くの人々に、特に若い世代と子供たちに観てほしい作品です。そういった意味でも、アニメーションで作られたことの意味は大きいと思います。 そして、のんさん、次は実写映画での活躍をお祈り申し上げます。

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2016年11月19日 (土)

「奇蹟がくれた数式」:数に溺れて

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映画『奇蹟がくれた数式』は、実在した天才インド人数学者の物語。過不足のない上質な作品です。ケンブリッジ大学でのロケも美と荘重さを漂わせていますし、演出、脚本はもとより撮影、美術、衣装、役者・・・と、映画の各パートが水準以上の出来だと思います。 大江戸は数学が大の苦手ですが、『神様がくれた数式』といい本作といい、「数式」タイトルの映画は大好きです。

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まあ役者に関しては、相変わらずカッコいいジェレミー・アイアンズ(今、「ジェレミー・アイ杏」と誤変換されました)に尽きますね。先日観た『ある天文学者の恋文』でもカッコいい初老の学者役でしたが、今回の数学者は輪をかけて素晴らしいのです。アンビバレントな心理で揺れ動く複雑微妙な心情とその推移を、きちんと表現しています。

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(以降ややネタバレあり) それにしてもデヴ・パテル演じるこの主人公くん、パイオニアとして色々大変だったのはわかるけど、いくら(母親のエゴイスティックな行為により)妻からの手紙が届かなかったからって、自分から手紙ぐらい書けよ! まあ、結核の件を含め、天才数学者なんて普通の常識人じゃないいからしょうがないのかも知れませんが・・・。

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本作のメンズ・ファッション、素晴らしいですね。1910年代の英国の大学が舞台ですから、’20年代を舞台にした『炎のランナー』の少し前。でも、このスリーピーススーツのカッコよさ、シャツの襟型の美しさ、帽子やメガネや靴も含めて、誰も彼もみんなダンディーです。上質です。 現在のようにノータイ、軽装になっても、いいことなんてあまりありませんよ。メンズ・ファッションはやはり伝統とやせ我慢なのですから。

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2016年11月18日 (金)

のんを応援します

 昨日の夕刊フジに「のん、クドカンの東京オリンピックで大河主役に浮上」とかいう見出しが出てました(まあ、駅売りのビラで見ただけなんですけど)。数日前にNHKの正規の情報で「2019年の大河ドラマは宮藤官九郎が脚本を担当し、33年ぶりの現代ものとして東京オリンピックを題材にしたものになる」という報道が出ておりましたが、その流れです。確かにクドカン脚本で、演出も『あまちゃん』を手掛けた人がやるようなことが書いてありましたので、のんを主役というのはあり得るこ とではないでしょうか? まあ、夕刊紙なので、そんなにあてにはできませ んが(でも「東スポ」よりは信頼できますけど)・・・。

 申し遅れましたが(と書こうとしたら「孟子遅れましたが」と変換されました) 「のん」とはご存じの通り、能年玲奈さんの新しい芸名です(もっとも能年 玲奈は本名なのですが)。芸能事務所レプロとのトラブルで、本名である「能年玲奈」が使えなくなったので、「のん」の名で活動を再開し始めたところです。まずは独立系の小さな映画(『この世界の片隅に』)の声優とし てようやく活動できたわけで、メジャー系の映画会社やTV局は一番手に なるのを怖れていたわけですね。ただ、この映画の取材記事が各方面に出たり、のんが週刊マンガ誌の表紙やグラビアを飾っているのは、喜ばしい限りです。また、この声の演技に対しても絶賛の声が多く聞こえます。ここから一歩一歩ですね。

 この夏、芸能界に関与している友人に「能年玲奈はそろそろ復 活できないのだろうか?」と尋ねたところ、「(事務所との契約不履行だし) 無理だね」とつれない返事だったのですが、私などは「でもなあ・・・」と思ってしまうのです。日本の芸能界の常識としては、女優やタレントをデビューさせ て売れるようにするために芸能事務所が多額の投資をするので、「さあ、これから回収だ」という段階で、やめれらたりよそに移ったりされてはたまらないってことなのですが、でもそんなのって、マネージメントの問題なのでは? それにこれ以上つなぎとめていたって、解決せずに貴重な時間ばかりが過ぎて行ってしまいそうです。そうなれば、彼女の女優人生の(もしかしたら)一番いい時が無駄になってしまうわけで、そんなのって誰にとっても良いことナシです。大きな損失です。 今だって、『あまちゃん』では脇役の一人だった有村架純の八面六臂の大活躍を見るにつけ、悔しくももったいない気がしてならないってのに(一方では、のんさんは有村さんほ ど器用ではない、特異な才能だというのはわかってますが)。

 一般の会社員が退職・転職するのとはわけが違うってのはわかりますが、でもサッカー選手だって野球選手だって、契約の縛りがあっても本人の希望や意思がメチャメチャ強い場合は、移籍させますよねえ。 海外にはほとんどないという日本型芸能ビジネスの特殊性なのですかねえ。

 いずれにせよ、大人の事情によって若く伸び行く才能がつぶされるようなことがあってはならないと思いますし、小生は何があってものんさんを応援してまいる所存なのであります。

             

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2016年11月17日 (木)

「湯を沸かすほどの熱い愛」:脚本の技量・演出の力量・演技の熱量

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 映画『湯を沸かすほどの熱い愛』には感動しました。泣けました。死病映画ではあるのですが、いわゆる死病映画のような「泣かせ」ではなく、もっと骨太でもっと上質な情感の揺さぶり方をしてくれて、そのたびに涙腺が決壊するという寸法なのです。商業映画デビューとなった中野量太監督(オリジナル脚本も)、素晴らしい力量です。堂々としています。こういうのを「演出力」と言うのです。もちろん脚本も精緻で、よく練られていると思います。今後にも要注目の監督です。

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映画やドラマでさんざん目にしてきた「末期ガンの話」「いじめられている娘の話」「逃げたダメ夫の話」「連れ子の話」などなどを組み合わせて、とんでもなく新鮮な映画を作っています。一つ一つの表現のコクや、それ以上に役者たちの演技が、この味を出しているのです。それぐらいどの役者も魅力的です。それってやっぱり「演出力」でもありますよね。

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宮沢りえは、相変わらず名女優と呼ぶにふさわしい見事な深みを湛えた芝居です。 そして杉咲花!! 今回の彼女の演技、特に表情は圧巻です。助演女優賞ものだと思います。クックドゥのCMのせいもあり幼く見える彼女(本作では高校生役なんですが、中学生ぐらいに見えます。一方、『とと姉ちゃん』では結婚後まで演じていたのですが)ですが、もう19歳になったのですね。 びっくりです。とにかく観ていて感動を禁じ得ない、魂のこもった演技でした。 あと、探偵役の駿河太郎さん、初めていい役者だと思いました。

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プログラムを買ったら、「想像もつかない驚きのラスト」って書いてありましたが、小生はむしろ想像通りでした。 (以降ややネタバレあり) ああ、煙突からの赤い煙といえば、黒澤明の『天国と地獄』。そして『天国と地獄』にオマージュを捧げた映画版『踊る大捜査線』第1作。まあ、宮沢りえの主人公が赤に彩られた人だったので、マジック・リアリズム的表現として、これもあれもアリって気がしますし、あそこで釜の火にかぶせて本作のメインタイトルが出るのには、何だか「ひえ~っ」と笑ってしまいました。ポジティヴで力強いエンディングです。

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2016年11月16日 (水)

「オシム語録」を読んで

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文藝春秋から出た『オシム語録 人を導く126の教え』(監修:田村修一)を買いました。もともとは『Number』およびメルマガに載せられた2006年以降のインタビューの中から印象的な言葉をひろったものだそうです。

「部下を動かす言葉」「リーダーシップに必要な言葉」「組織を構築する言葉」「人生に効く言葉」「日本人に告ぐ」の5章に計126の言葉が、その解説とともに掲載されています。基本的にサッカーの事を語っていますが、それが仕事や人生の金言にも置き換えられるのが、実にオシム流なのです。

ハッキリ言って、一つ一つの言葉はそんなにアッと言わせるものではないし、大好きな言葉を一つ選べと言われても難しいのですが、全体として迫ってくるのがオシムならでは。同じことを手を変え品を変え、繰り返し伝えているように思います。それがじんわりとしみて来るのです。

先日旭日小綬章を受章したオシムさんですが、そうそう日本はそれぐらいしてあげるべき日本サッカーの恩人だと思います。毎度の繰り言ですが、本当にあそこで倒れなかったらなあ・・・。一番見たかったパラレル・ワールドです。

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2016年11月15日 (火)

日本、サウジを破りグループ2位浮上

2018ワールドカップ・ロシア大会 アジア最終予選の日本vs.サウジアラビアをTV観戦。なにしろ現時点でグループ3位の日本とグループ首位のサウジとの直接対決ということで、まさに「絶対に負けられない戦い」だったのですが、2-1の勝利という喜ばしい結果。しかもオーストラリアがタイとまさかの引き分けだったので、日本がグループ2位(しかも首位サウジと勝ち点で並ぶ)に浮上しました。

 今日の前の方のダイアモンドは1トップに大迫、左に原口、右に久保裕也、トップ下に清武というメンバー。先発メンバーから本田、香川、岡崎を外して、現在好調な選手を選ぶという、至極真っ当な選択をハリルホジッチ監督が行ったことにより、日本の攻撃が劇的に活性化しました。 4日前のキリンチャレンジカップ(オマーン戦)で実力を見せた大迫が、今日も絶好調。ポストプレイでのキープ力がハンパないです。前線からの守備、後ろに下がっての守備も含めて、素晴らしい貢献度です。 2点目を決めた原口も、大迫以上と言っていいほど走り回って攻守に活躍。そのご褒美に、最終予選4戦連続ゴールをもらったようなものです。 久保裕也も積極的なプレイで、悪くなかったですよ。 そして清武は相変わらず一番頼りになる男。今日もすべてのプレイが輝いていました。

 スタメンを外れて危機感を持ったためか、本田も香川もいつもより走りの多い必死のプレイのように見えました(岡崎はアディショナルタイムになってからの交代だったので、よくわかりません)。というか、この半年ぐらいのこの二人はブレーキにしかなっていなかったのに、なんでハリルが使い続けるのかって感じでしたもん。やっと決断してくれたのかってところですが、それでもまあ成すべき決断をしてくれて良かったですよ。 そして中盤から前の選手全員がいつもより多く走っていました。やはり走ることと、複数名でボール奪取することが日本サッカーの生命線だと改めて思いました。以前からこの二つがおろそかになっていると、チームが機能せずろくでもない結果になっていましたから。

 素晴らしい試合だったのですが、90分にサウジアラビアに1点取られてしまったのはちと残念。なんか集中力が途切れてましたね。これが無ければ最高にビューティフルな試合だったのですが・・・。 でも最終予選10試合のうち5試合を終えて折り返すところで、W杯出場ラインのグループ2位に上がったというのは、心理的にも大変結構なことです。ハリルホジッチの首もつながったことですし、これからは調子のよい選手を使う原則で、大胆かつ細心に采配をふるっていただきたいと思います。監督だって、予選を重ねる中で成長するのだと思いたいです。

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2016年11月14日 (月)

「ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ」:芸術を生むためのバトル

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映画『ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ』って、コリン・ファースやジュード・ロウやニコール・キッドマンが主演で、ローラ・リニーやガイ・ピアースまで出てるんですね。大江戸はほとんど前情報を入れずに観たので、観ながらこの豪華キャストを知ってびっくりでした。だって、そこらがあまりアピールされてないというか、そもそもの公開規模が小さ過ぎて・・・。世が世なら、(大きい劇場だった頃の)みゆき座あたりで公開した作品なんでしょうけど。

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編集者パーキンズを演じるのがコリン・ファース。この人、職場のデスクだろうが自宅の食卓だろうが、常にソフト帽をかぶっています。なぜ室内で? カツラ代わり? へんなの。でも安定の演技を見せてくれます。

対する天才作家トマス・ウルフにはジュード・ロウ。こちらはヅラをかぶっています。で、このウルフ氏が相当な人格破綻者なもんですから、もう見ていてイヤになります。まあ古典的な天才的作家像って感じではありますが、友達にも仕事仲間にもなりたくないタイプの男です。

357156_004トマス・ウルフって昔、名前は知っていましたが作品は読んだことがありませんでした(今では、日本国内では古本以外は入手できないのだとか)。こんな横暴で破滅的で、実際ある意味破滅しちゃった人だったのですね。

1930年代アメリカの風景や衣装や美術の再現がしっかりしていますが、これイギリス映画で、監督がイギリス人なら主役二人もイギリス人なのです。ソフト帽とロングコートの男たちの時代を、スタイリッシュに描き出します。光と影の渋い映像に、品格があります。

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芸術を生み、世に問うための苦闘(バトル)の物語--嫌いではありませんです。

そして時折、作家と編集者、この男二人の関係にホモ・セクシャルが匂い立ちます。淀川さんなら何と評したことでしょうか。

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2016年11月13日 (日)

「エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に」:バカですねー

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映画『エブリバディ・ウォンツ・サム!! 世界はボクらの手の中に』は、リチャード・リンクレイター監督の新作。1980年夏のアメリカのおバカな青春を描きました。『アニマル・ハウス』とかそういったノリですね。若年版『ハングオーバー』みたいでもあります。

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バカなのはともかく、いくらなんでもトウが立ちすぎですよね、こいつら。物語の中では実は30歳だった奴なんかも出て来ますが、それ以外の連中もねえ・・・。とても大学生や、高校出たてには見えません(それ言ったら『クローズ』あたりだって、高校生には見えないけど)。

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’80年なので、ケータイなどは影も形もありませんし、CDすらありません。Tシャツだって、パンツ・インで着ています。そんな時代の描写に力点を置いてはいますけれど、あまりにおバカで体育会系過ぎて、上品で文化系の大江戸としてはノレませんでした。オープニングにザ・ナックの『マイ・シャローナ』がカー・ステレオから高鳴った時には、おっ!と思ったのですけどね。

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ところで、新宿武蔵野館が今年の年初からの長ーい耐震工事期間を終えて、11月5日にリニューアル・オープンしました。

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建物1FのZARAとかはまだ工事中なのですが、先駆けてオープンしております。 黒ベースに白木を多用したりして、サイン類も良いデザインで、かなりオシャレな感じに生まれ変わりました。

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ただ3つのスクリーンの座席配置やら何やらはそのままなので、相変わらず前の席に座高の高い人が来たらアウトという欠点はそのままなのがちょっと残念です。ま、建物の構造上、しょうがないとは思いますけれど・・・。

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2016年11月12日 (土)

ベルマーレ、柏を撃破し準々決勝へ

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天皇杯のラウンド16、柏日立サッカー場バックスタンドで柏レイソルvs.湘南ベルマーレを観戦しました。いやー、久々に来ましたが、サッカー専用でピッチが近くて、いいですねー。安普請だけど必要十分です。(多くは望まないので、湘南地区にもこういうの欲しいです!)

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J2降格が決まったベルマーレですが、決定後は吹っ切れたのかシーズン最後は2連勝。そして、今日この試合を見事に3-1と快勝しました!

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両チームとも気合の入った攻防を見せる中、前半25分に輪湖の個人技でレイソルが先制します。それ以降は一進一退だったものの、柏の自力もあり、「ここまでか」という空気が何となく漂っておりました。

しかし後半になって、52分にFKからの混戦でジネイが先制ゴールを決めると、ムードは一変。湘南行ける!という雰囲気の中で、68分に細かいパス回しで揺さぶって崩し、高山がゴール! 2-1と逆転しました。こうなるとますますノッちゃうのがベルマーレ。逃げ切りを図りながらも、相手が前係になっているところを85分に大槻が抜け出してゴールを決め、勝負あり。

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久々に試合終了前(アディショナルタイム)からサポーターたちがマフラーを広げて「ベルマーレ。ビッグ・ウェイヴ~」を歌う光景を目撃しました。

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そして勝利のダンス。今日は久々に大江戸もダンスの列に加わったので、写真ナシです。アウェイの勝利のダンスって、また格別なんですよねー。

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これで次はクリスマス・イヴ(12/24)の準々決勝。大宮との対戦になります。なんとかそれを勝ち抜いてベスト4に残りたい! そうすると賞金が出るのです。お金が必要なチームとしては、何としても!です。 そして願わくは元日まで!

(おまけ) 夜TVで見た同じく天皇杯の川崎-浦和戦が、とにかくスゴイ試合でした。故障で中村憲剛、小林悠、大島僚太を欠く川崎が、代表戦で西川、槙野を欠く浦和を相手にがっぷり四つの戦い。3度先行されたフロンターレが、3度追いつくという展開(3度目は延長戦で)。3-3で決着がつかず、PK戦でレッズが敗れたという激戦でした。よくやった、川崎!(三好選手が素晴らしかったです) でもフロンターレが次のFC東京戦に勝つと、準決勝で湘南と当たるんですよねー。

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2016年11月11日 (金)

日本代表のオマーン戦と永木のデビュー

日本代表のキリンチャレンジカップ、vs.オマーン戦をTV観戦。今日は大事なW杯予選のサウジアラビア戦を前に、新戦力を見定める親善試合ということで、大迫、久保学、永木、丸山が先発しました。あの永木亮太(鹿島)が先発です! 1年前はベルマーレのキャプテンだった亮太が、ブルーの代表ユニ。しかも背番号7といえば、遠藤保仁の番号を受け継いだわけじゃないですか。なんか感無量です。昨年暮れの「ベルマーレ感謝の集い」で小生と2ショット写真を撮ったあの亮太が・・・。願わくは1年以上前に、こうなってほしかったなあ。

試合が始まっても永木のプレイばかり追ってしまいます。ほんと地味でした。でも、いい仕事してました。相変わらずボール奪取能力がハンパないです。大迫の先制点だって、永木のボール奪取からですし。もう一人のボランチ=山口蛍のダイナミズムとは対照的に、地味に効いてました。後半22分に小林祐希との交代でピッチを去りましたが、これからも更に活躍してもらいたいものです。もう湘南の選手じゃないのがシャクですが・・・。

ベルマーレOBということでいえば、丸山祐市(FC東京)も初先発しました。こちらも(あまりピンチが無かったこともあり)前線へのパスなど、まずまずの出来だったのでは。

Jリーグでキレキレの久保学が今一つだったのに対して、ドイツでキレキレの大迫は見事にストライカーとしての才能を見せつけて2得点。 そして2アシスト、1ゴール(PK)の清武も完全に「香川より本田より頼りになる男」の地位を固めました。

後半アディショナルタイムに小林祐希が決めて、結局4-0の完勝。まあ、ホームですしね。 問題は4日後のサウジアラビア戦。ぜひ、従来の枠に縛られずイキのいい選手を先発させてもらいたいものです。

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2016年11月10日 (木)

「コンカッション」:公開規模が小さ過ぎ!

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映画『コンカッション』は、ハリウッド伝統の上出来な告発ドラマでした。ソニー/コロンビア映画作品ですし、リドリー・スコット製作でウィル・スミス、アレック・ボールドウィン主演ですし、世が世ならかなりの話題作たり得たはずです。ところが公開規模が異常に小さくて、東京地区では第1週は角川シネマ新宿のみで、1日1回のみの上映。2週目に池袋HUMAXシネマズのレイトショーが加わり、角川新宿も1日2回の上映になったもののそこまでで終了。3週目以降は池袋HUMAXのレイトのみです。洋画ドラマ不振の時代の象徴のようです。それともNFLから手が回ったのか・・・(まさか)。

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(以降多少ネタバレあり) 実話に基づく物語ですが、確かにこのタブーを相手にするのは大変なことです。アメリカ人の「聖域」に真っ向から切り込むわけですから、普通無事ではすみません。あらゆる手を使ってつぶされますし、警察からFBIからマスコミからあらゆる所にいるフットボール・ファンが攻撃してくることでしょう。大江戸だって、サッカーでヘディング禁止だなんて言ってくる輩がいたら、ムムムと思ってしまいますもん(でも当然ヘディングも少なからずこれに近い危険性があるわけですよね)。

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ただ「大きな組織の横暴に立ち向かう個人」の(正義の)物語が好きな小生としては、主人公の勇気とこの映画を支持したいです。そしてハリウッド・メジャーでこの作品を作った関係者の勇気にも敬意を表したいと思います。だからこんな「DVDスルーにしないためだけの公開」じゃなくて、ちゃんとした規模で公開して多くの人に観てもらいたかったと思うのです。悔しいです。

本作中でもタバコと健康被害の問題が例示されますが、確かにこのリスクを知っていて、「でも大金を稼ぎたい」ということでやる分には自己責任(ボクシングのように)かも知れません。まずは真実を、科学を表に出すこと--それが主人公たちの戦いでした。

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ナイジェリア人に扮したウィル・スミスも静かに説得力がある演技ですが、本作では共演者を輝かせる達人=アレック・ボールドウィンが(役柄の良さもあって)素晴らしいです。物語においても、この人の存在で主人公がどれだけ助けられたことか(一人ではきっと無理だったことでしょう)。

それでもNFLはルールを変えるでもなく、今まで通り続いています。ま、大衆にとって「ローラーボール」みたいなものなんでしょうね。

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2016年11月 9日 (水)

「逃げ恥」(ガッキー)最高!

いやー、火曜TBSの『逃げるは恥だが役に立つ』、毎週面白いですねー。大江戸は新垣さん大好きなので、もう嬉しい嬉しい。ガッキーってば、『リーガルハイ』『掟上今日子の備忘録』ときてコレですもん。ほとんど無敵です。どれもこれも、かーいーです。

『逃げ恥』の原作はマンガですが、脚本は『掟上今日子の備忘録』『重版出来!』も手掛けた野木亜紀子さんなので、パロディー的なお遊びや小ネタへのこだわりが実に楽しいのです。突然『情熱大陸』や『政見放送』や教育番組のパロディーになったり、次週予告が『サザエさん』風になったり(「さーて、来週の『みくりさん』は・・・」ってのは、いつまでも耳に残ります)。

そして何よりも(PPAP並みにネットで話題の)「恋ダンス」! ガッキーがメチャメチャかわいいのですが、かなり複雑な振り付けです。でもそれを素人が制覇することに驚きと喜びがあるのでしょうね。大江戸もYoutubeを見ながら、挑戦しています。最終回までに完コピできるのでしょうか?!

もう1本期待していた日テレの『地味にスゴイ! 校閲ガール 河野悦子』は、第5回まで見たのですが、今日から見るのをやめました。だって、毎回石原さとみの主人公に呆れて、ムカついて、精神衛生上よろしくなかったものですから。校閲という地味なプロフェッショナルにスポットを当てて、出版業界のお仕事讃歌にするってことなら、『舟を編む』とか『重版出来!』みたいに小生の好物かと思ったのですが、本当にこの主人公がドイヒーなキャラでねえ。仕事をナメてるし・・・。もう『シン・ゴジラ』以来ずっと石原さとみ(の演じるキャラ)にムカついてます。

でもそれを補って余りある今回の新垣さんなのでありました(本当は黛さんや掟上さんの方が好きなんですけども)。それにしても新垣さんは何歳まで「ガッキー」と言われるのでしょうか?

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2016年11月 8日 (火)

ゴジラ・ストアやら何やら

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新宿のマルイ・アネックス(バルト9のビル)1Fに期間限定(11/2~30)の「ゴジラ・ストア」がオープンしたというので、行ってみました。

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まずは入口正面にゴジラさん。お出迎えしてくれてます。

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かっけーです。撮影OKです。

で、肝心のストアの方なんですが、うーん、売り切れ欠品続出って感じで、既に品薄感満載。 おそるべし、ゴジラ・ファンの購買力!

Tシャツとかパンツとかスマホケースとか木製酒器セットとか記念メダルとか「エヴァ」タイアップのクリアファイルとかがありましたが、ちょっと物足りないですねー。結局何も買いませんでした。

1478615527785これなら11月3日にTOHOシネマズ新宿で見かけたシン・ゴジラ関連グッズ、特に白地に黒文字(庵野字体)で、『シン・ゴジラ』名セリフを記した缶バッジの方が欲しかったです(それさえも2日後に再訪した際には、3種類ぐらいしか残っていなかったのですが)。だって、「蒲田」とか「まずは、君が落ち着け」とか「ヤシオリ作戦」とか「無人在来線爆弾」とか「巨災対」とか「さっすがおばあちゃんの国 仕事が速い」とか書いてあるだけなんですよ。ファンとしては萌えます。

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こちらはゴジラ・ストアOPENやら何やらを告げるチラシなのですが、これ見ると、いやー、192㎝のゴジラ受注生産415万円とかまで載ってます。

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ほかにも「まずは君が落ち着け」Tシャツとか、西陣織タペストリー(486,000円)とかテーブルこたつとか、もうマニアックな品だらけで、楽しくてしょうがありません。

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新宿西口では京王の「ゴジラ・バス」も見かけました。

いやー、今年は時ならぬゴジラ・イヤーになりましたたねえ。

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2016年11月 7日 (月)

渋谷のシマウマ、代々木上原のサンバ

1478426861213昨日おとといと渋谷駅では銀座線の線路を数メートル横のものとチェンジする作業をやっていました。銀座線の渋谷ー表参道間を終日運休×2日しての大工事です。

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ヒカリエ前の現場付近を見やると、・・・ん??

何やら変なものが視界に入りました。

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横断歩道とコーディネートしたかのような縞柄。まぎれもなくシマウマ男です。でも、なぜ今? ゼブラーマンでもあるまいし。セリエAのユベントスのユニフォームを着ているので、単に熱烈なサポーターなんでしょか?

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一方こちらは、去る10月31日の代々木上原駅前。ハロウィンなのに、なぜかサンバです。寒そうでした。

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しかも人数的には今一つ物寂しいし、皆様の平均年齢は結構高めに見えましたし、うーん、なかなかです。ちょっと「見てはいけないものを見た」感を醸し出しておりました。くわばら、くわばら。

「渋谷のシマウマ、代々木上原のサンバ」・・・なんだか小説のタイトルみたいです。

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2016年11月 6日 (日)

「ぼくのおじさん」:平成寅さん、シリーズ化希望!

356464_002映画『ぼくのおじさん』は、山下敦弘監督この秋2本目の公開作(『オーバー・フェンス』に次ぐ)。でもガラリと作風が変わって、こちらは児童文学的世界。のどかで、罪が無くて、ほんわか楽しい作品。多少世界の似通った子供&家族ものってことで言えば、是枝裕和の『奇跡』や行定勲の『円卓 こっこ、ひと夏のイマジン』よりも小生の好みです。

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誰が見てもすぐ思うことでしょうが、まさに平成版『男はつらいよ』です。僕とおじさんの関係が、満男と寅さんですし、ちゃんとマドンナも出て来て、おじさんはちゃんとフラれます。 おじさんのキャラクターが「子供っぽい」ところとか「ぬけている」ところとか「迷惑なところ」とか「惚れっぽいところ」とか、まさに寅さん。松田龍平は長身の二枚目半なので、ルックス的には渥美清と大違いなのですが、それでもやることなすこと寅さん的です。哲学者の大学講師だから、本物の寅さんからは「おまえ、さしずめインテリだな」って言われちゃうような人なんですけどね。 あと、この人なんだか庵野秀明に似てるような気がしてなりませんでした(庵野版も観てみたかった)。

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子役の大西利空くんが素晴らしく魅力的です。この子で作品が成功ゾーンに入ったようなものです。オーディションでこの役を手に入れたそうですが、松田龍平と渡り合って、同等の魅力を放っています。生き生きとして、聡明そうで、しかもユーモアがあって・・・。今後も要注目でしょう。 真木よう子さんは、あくまでも「マドンナ」として設定されていて、血を通わせるのが難しいキャラクターだったのでしょう。精彩を欠いておりました(あまり美しくも撮られていなかったし)。

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むしろ学校の先生役の戸田恵梨香が、気取らないナチュラルな感じで素敵でした。彼女が活躍するはずの「続編」が観たいです。この作品がヒットするのはかなり難しいかと思いますが(確かに観客も少なかったし)、それでも絶対に続編が観たい作品なのです。東映さん(って言うより、製作委員会さん、か)、どうかシリーズ化をお願いいたします! 『男はつらいよ』みたいに48本とは言わないので、1/10の4~5本だけでも・・・。

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2016年11月 5日 (土)

「デスノート Light up the NEW world」:面白さダウンの新作

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映画『デスノート Light up the NEW world』、なんとあの2部作からもう10年もたっていたのですね! まあ、その後にスピンオフの『L change the WorLd』('08)があったとはいえ、びっくりです。そりゃー、ミサミサ(戸田恵梨香)だってすっかり大人になるわけです。

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今回の見どころは、旬の若手男優3人の演技バトル。でも本作の東出昌大は『聖の青春』(試写会で観ました)と違って大根のままですし、菅田将暉もなぜかいつもの精彩を欠いていて、結果として池松壮亮の一人勝ちになっておりました。池松の芝居は、マンガ原作の世界にフィットさせるためか、いつもより「大きい」カリカチュアライズしたものを心掛けているように見えました。いつもはボソボソしゃべる彼が、相当大仰に話して芝居を作っておりました。 でも松山ケンイチのLほど魅力的かと言えば、決してそうではないわけです。

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それにしてもデスノート6冊の争奪戦とやらで、本来この作品が持っているはずの設定の面白さやらサスペンスやらがふっとんでおりまして、ハッキリ言って面白さダウンなのです。争奪戦としてのスポーツ的面白さも全然感じられませんし、結構眠い展開なのでありました。そもそも10年もたってるんで、こっちはいろんな設定を忘れちゃってるし・・・。

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死神リュークにはお仲間ができておりました。この人たちもちょっと出過ぎじゃないのかなあ、今回。もっと抑えておきつつ、エンディングのタイトルロールでPPAPでも踊ってくれた方が良かったのにねえ。

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2016年11月 4日 (金)

「インフェルノ」:きっと小説用のネタなんでしょうね

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映画『インフェルノ』は、ダン・ブラウン原作×ロン・ハワード監督×トム・ハンクス主演のラングドン教授シリーズ第3弾。 と言っても、『ダ・ヴィンチ・コード』も『天使と悪魔』もさして楽しめなかった大江戸としては、さしたる期待も出来ず・・・で、案の定つまらなかったです。

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それを言っちゃあおしまいなんですけど、このペダンティックな世界はやはり小説でじっくり楽しんでなんぼ、なのではないでしょうか。 おまけに本作は過去2作に比べても、謎解きがどうでもいいような扱いになっていて、実際見ていても何がどう解かれたんだかよくわからない感じ。むしろアクションやサスペンスの方に重心がかかっていて、でもそこらも特にどうってことない描写なので、何を見せたいの??とイライラするばかりです。

355752_004(以降少々ネタバレあり) クライマックスでのウィルスの扱いも雑というか都合良すぎというか、あれで大丈夫だったんすか? あれ、漏れ出てません??

随所にちょこっと挿入される「地獄」幻想場面ばかりが、見ものではありました。ここらの悪夢的イマジネーションをたっぷりと見せてもらいたかった気がいたします。

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で、こちらは先月台湾に行った時に見た看板。『地獄』って・・・。 まあ、直訳ですけど、なんだか中川信夫みたいで・・・。

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2016年11月 3日 (木)

「闇金ウシジマくん ザ・ファイナル」:ゲスなパワーと面白さがダウン

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映画『闇金ウシジマくん ザ・ファイナル』は、映画第4弾にして最終章。スタイル的にも、これまでで最もハードです。ただ、それによってゲスで猥雑で下品なまでのパワーと面白さが、減じてしまったのではないでしょうか。ユーモアも少ないし。そこらへん、大江戸的には遺憾であります。

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今回は貧困ビジネスっていうか、地獄のタコ部屋みたいなエピソードが柱。そこに、ウシジマの中学生時代のエピソードが回想としてからんでくるのですが、ウシジマという人物の種明かしをしちゃうみたいで、それもありきたりな設定なので、「こんなのいらない」感がにじんできます。サブ・エピソードである八嶋智人の悪徳弁護士も小物過ぎてねえ・・・。

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そもそも凶悪な鰐戸三兄弟がやってることって、いくら何でも明らかに犯罪過ぎて、何年も続かないだろって感じ。中学(高校?)時代からチェーンソーぶん回して、人の腹の皮切ったりしてて、その時点から完全にアウトですが・・・。 

ウシジマに対する竹本君=永山絢斗が、偽善者というよりもあまりにも常人離れしてて、ウザイです。役柄もそうですが、この人『ふがいない僕は空を見た』とか『アンフェア the end』とかTVの『ごめんね青春!』とか『重版出来!』とか何をやってもウザイ気がしてならないのです。スゴイ個性と言えるかもしれません。

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(以降ネタバレあり) ラスト・カットのウシジマの横顔:考えて、考えて、考えて・・・の長いこと! 緊張感あふれる沈黙場面があれだけ(もう耐えられないほど)長く続くってのには、『椿三十郎』のラストを想起させられました。しかも『椿』の場合は、ある種のカタルシス(=ショック)があるのですが、本作の場合は微かに動いたところで溶暗というラストです。何を感じるか、その先をどう考えるかは観客に委ねられるのです。最後の最後ぐらいは「映画」らしいことをちょこっとやってみたかったってところかも知れません。

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2016年11月 2日 (水)

近頃のポテチ類×3

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しばらく前に出ていたコイケヤの「期間限定」ポテトチップス『濃く(コク)深いのり塩』。のり塩ポテチといえばコイケヤですから、こういったものは一応押さえます。青のり・焼のり・あおさを使用し、更に伯方の藻塩も使っております。 まあ、パッケージに書かれたそれを読むと、確かにそんな気がいたします。でも、何も知らされなかったら普通の『のり塩』との違いがわかるのかなあ。自信ありません。とはいえ、しっかりとおいしい製品ではあります。

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で、こっちは同じコイケヤでも「地域限定」ポテトチップスの『のりとごま油』。のりとごま油と聞けば、「なーんだ。韓国のりってことじゃん」と思うんですけど、食べてみると違うんです。深い香りののり(国内産)とごま油がそれぞれ別に主張するというか、分離してしっかり存在している感じなのです。正統派の上等な製品だと思いますよ。

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それに比べると、実にチープな企画モノといった印象なのはこちら。ハウス食品の『オーザック 香ばし揚げ ハムカツ味』。 ホントかよ?!と思ったのですが、なんと、確かにハムカツの風味がします。まあ、味はハムのフレイバーで、オーザックの「揚げもの感」が相まってハムカツっぽく感じられるという趣向。まあ、話のネタ(ブログのネタ?)にって感じですね。何度も食べたい気はいたしません。

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2016年11月 1日 (火)

「バースデーカード」:本気出すの遅くね?

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映画『バースデーカード』は、宮﨑あおいと橋本愛の共演作ですが、二人が顔を合わせるのは最後の方の1場面だけ。でも二人とも確かにこの作品を一緒になって支えています。

橋本愛は17歳の時からの登場で、その前に年齢に合わせて3人の子役が使われているのですが、中学生の彼女を演じる中村ひなのちゃんが、実に橋本そっくりでびっくり。ハリウッド映画だと「よくぞこんなに似た子を!」ってことがあるのですが、日本映画ではなかなかないことなので(下手すると無理矢理中学生役までやらせてしまう!)感心しました。

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中盤まではいかにも「ちょっといい話」で、よくある展開に終始します。演出もくせがないというか、やや「ぬるい」感じなので、ちょっと物足りないかなーって感じでした。 

また、橋本愛が突然遅れて来た反抗期(?)でプンスカ反撥するとこころなどは、あまりにも唐突で何の伏線も説明もないため、明らかな構成上のミスとしか思えませんでした。

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ところが終盤になって、突如『パネルクイズ アタック25』がらみの流れになったとたん、映画が生き生きと走り出します。そこからラストまで一気に面白くなりました。なんだこれ? 「まだ本気出してないだけ」だったんだー。ってか、本気出すの遅過ぎません?

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決して「泣かせ」を狙った作品ではないのですが、それでも最後の方の「花嫁のベール」には、涙腺をやられます。まあ、それもこれもあおいちゃんの存在あったればこそですよね。

弟訳・須賀健太も最近の不気味な役どころとはうって変わった健康的な役柄ながら、いい味出しておりました。

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