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2017年1月31日 (火)

「東京ウィンドオーケストラ」:低予算屋久島コメディ

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映画『東京ウィンドオーケストラ』は、『滝を見に行く』(沖田修一監督)、『恋人たち』(橋口亮輔監督)に次ぐ松竹ブロードキャスティングのオリジナル映画製作第3弾。坂下雄一郎監督(30歳)のオリジナル脚本を、ほぼノー・スターの俳優陣で映画化(劇場用デビュー作)しました。そんな低予算の屋久島ご当地ムービーです。上映時間75分ってのも、潔くて好きです。

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オール屋久島ロケです。実は小生、わけあって屋久島には割と詳しいのですが、宮之浦港から紀元杉からいわさきホテルから田代別館前の橋とバス停まで、あまり「観光映画」になり過ぎない範囲でちょこちょことロケを重ねておりましたね。まあ物語の設定上、観光映画には成り得ないのですが・・・。いずれにしても、近頃はやりの「ふるさと創生」で地元が出資する映画とは違うようです。

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「いくらなんでも無理があるでしょ」「それ、ありえないでしょ」っていう展開も多いのですが、そこはまあコメディなんで目をつぶりましょう。キャストが無名で顔なじみ感が無いってのも、この楽団のうさん臭さ&素人臭さをしっかり表現しているってことで、良しとしましょう。でも唯一なじみの俳優=小市慢太郎さんが出て来ると、正直ほっとしました。 主演の中西美帆さんは、不機嫌&無気力なキャラクターをいい感じに演じてました。無表情が悪くないです。

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本筋のストーリーに、主人公と役場の課長の不倫ネタを絡めたあたりが、スパイスとして奏功しています。そこはオーソドックスな脚本の良さ。それ以外にも、随所で笑えました。 一方、ラストはもう一工夫二工夫欲しかった気がいたします。コメディのエンディングとしてはちょっと虚しすぎて、「あれっ?」って感じでした。

観終わって出て来たら、中西美帆さんはじめキャストの数名が「ありがとうございました」とお見送りしてくれました。「毎日イベント」とか書いてありましたもんね。予定以外の上映回でも、そういうことをやってくれているのですね。嬉しかったです。(新宿・武蔵野館にて)

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2017年1月30日 (月)

「ネオン・デーモン」:デーモニッシュな美の衝撃

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映画『ネオン・デーモン』は色々とスゴ過ぎます。ここまで心を鷲掴みにして揺さぶりをかけて来る映画って、10年、20年に1本というレベルです。その圧倒的かつ独創的な美の奔流。そしてニコラス・ウィンディング・レフン作品らしく生々しい血に彩られた変態的グランギニョール趣味。これを問題作と言わずして何を問題作というのか?ってほどの大問題作です。この作品を好きだなんて言うと、人によってはドン引きかも知れません。でも限りなく美しい作品です。ケン・ラッセル的な感覚も混ざってますね。

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『ドライヴ』、『オンリー・ゴッド』、本作と、まさにレフン監督のホップ、ステップ、ジャンプです。開巻の「美しき死体」から始まって、全てのショットが類稀なる美的センスを発散させていて、緊張、興奮し、手に汗をかきながら観ておりました。その映像の完璧なコントロール、天国の悪夢のような美しさは、キューブリック作品以来のクォリティです。色覚障害があるというレフン監督ならではの、エレクトリックな幻想のような、他の誰にもできない色彩のマジックには、ひたすら圧倒されます。タイトル場面の色彩設計からして、トリップしそうなくらいの幻惑感なのです。

358473_003そして主人公役のエル・ファニングとフォトグラファーが二人だけが、スタジオの真っ白な空間に浮かび上がるような場面は、まさに『2001年宇宙の旅』の感覚。そういえば、その後に出て来る三角形を組み合わせたミツウロコ印だって、なんだか『2001年』のスターゲート幻想シーンに出て来る幾何学図形みたいではありませんか。

そしてレフンといえば、もう一つは血と暴力。今回も過激に、disgustingなほどに、やってくれちゃってます。 エキセントリックとインモラルと血と暴力と美と少女とノワール(闇)と変態と・・・ってくれば、これはもう滝本誠さんの大好きな世界じゃないですかぁと思ったら、当然のようにプログラムに評論を書かれてました(ちなみにキラキラ特殊表紙の美しいプログラムでした)。適任です。 そして今野雄二さんが生きていたら、やっぱり大好きだったことでしょうね。

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七変化とでも言えるような変貌を遂げるエル・ファニングなのですが、いわゆるファッションモデル的な美とはちと違いますよねえ。顔も体も「美しい」というよりは「かわいい」感じ(でも輝くサムシングを持っている)なのですが、篇中では周囲の人々がみな「美しい」と評しています。ちょっと違和感。 でも彼女、ここに来て完全にお姉さん(ダコタ)を抜き去りましたねえ。

この衝撃的な終盤には、さしもの大江戸も戸惑いました。ビビリました。ここをもっと高尚に仕上げれば、偉大なる作品になったのになあとも思いました。でも、このようにカルトな方角に持ってっちゃうところが、レフンなのでしょうねえ。最後の1割で自ら嬉々としてぶっ壊しちゃってます。でも観る者の心には大きな爪痕が残ります。やはりデーモニッシュな鬼才なのです。

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2017年1月29日 (日)

今日の点取占い264

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君はやっぱりえらいね   9点

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2017年1月28日 (土)

「未来を花束にして」:テロはダメでしょ?

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映画『未来を花束にして』(それにしても甘々な邦題ですね。原題は“Suffragette”=婦人参政権論者の女性)は、今から100年ほど前のイギリスを舞台に、婦人参政権前夜の人々を描いた作品。スタッフを見てみると、監督のサラ・ガヴロンをはじめ脚本も製作もみんな女性です。まあこの作品なら、そうでなくっちゃね。

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100年前ですから、日本で言えば大正時代なのですけど、主人公たちが酷使されている選択工場はかなり前時代的に思えます。洗濯板で手洗いしてるし。でも、大正時代なら日本だって当然そうですよね。 ただ、さすがはイギリス。女性たちが参政権を求める運動は日に日に活発化しておりました。

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ほぼ出ずっぱりの主人公役キャリー・マリガンですが、あの「イノセントで幸薄そう」な顔が相変わらずいいですね。でもこの主人公、なんとなく引き込まれた運動の中で、どんどん過激になっていく過程がどうも不明瞭で、納得性に欠けました。夫や子供を天秤にかけてでも運動を選んだ理由が、どうも説得力を持ってきちんと描かれていないのです。

夫役のベン・ウィショーは、ユースケ・サンタマリアまぶしの長谷川博己といった趣きでございました。

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(以降ネタバレあり) でも最後まで気になったのが、この人たちの過激派的行動。ショーウインドウへの投石、郵便ポストの爆破、別荘の爆破、ダービーでレース中のコースへの乱入・・・って、ダメでしょ。それじゃテロでしょ。普通に考えれば、そんな暴力を振るっている人たちの唱える事なんて、正しい主張とは思えなくなりますもん。却って運動を不利な状況に追い込むような気がするんですけどねえ。方法の選択が正しくないです。それで命まで落とすなんて、自爆テロです。 結果としては婦人参政権導入に至るわけですけど、この運動のおかげだったのかどうかまでは小生は存じておりません。むしろ落馬した騎手がどうなったかの方が気になった大江戸なのでした。

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2017年1月26日 (木)

「ブラインド・マッサージ」:ラヴ・イズ・ブラインド

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映画『ブラインド・マッサージ』は、南京のマッサージ院を舞台に、ほとんど盲人ばかりが登場する作品。基本的には役者が盲人を演じていますが、中には本物の盲人の方が演じている場合もあるそうです。

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ロウ・イエ監督の視点としては、決して「かわいそうな人たち」とか「けなげに頑張ってる人たち」みたいな偽善方面には寄りません。あなたや私と同じような「清さも汚さも併せ持った人たち」として、リアリズムで描いていきます。テクニックとしては、フォーカスワークや画像の後処理を用いて(たぶん)、ボケボケだったり暗かったりする盲人ビューの映像を見せてくれます。

358793_003盲人たちの愛と性の問題をかなりナマナマしく描き出します。でもこれは、一つ所に集められた男女の集団を描いているだけって感覚なので、これが学校であっても、シェアハウスであっても、老人ホームであっても成り立つ話だっていう気もいたします。いずれにしてもナマな感情がいたる所で沸騰して、ヒリヒリしているのです。 (以降ネタバレあり)メインの人物(男性)が突然見えるようになったあたりの(台詞を用いない)描写なども見事なものです。

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かなり痛そうなシーンや、血がドバドバなシーンが出て来ます(気の弱い人は要注意と言いたいぐらいに)。あの血によって、人間の生とか死とかについて投げかけているものがあるんでしょうか? それとも「心が血を流している」ことの暗喩なんでしょうか。ちょっと謎です。

シャオマー役のホアン・シュエンは、星野源まぶしの坂口健太郎ってな趣きなのでありました。

 

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2017年1月25日 (水)

「ザ・コンサルタント」:これってコメディ?な終盤

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映画『ザ・コンサルタント』の原題は“The Accountant”(会計士)。まあ、配給会社の苦労はわかります。『ジ・アカウンタント』じゃ日本では何のことかわからないし、『会計士』ってわけにもいかんでしょうからねえ。『勘定奉行』ってわけには、もっといかないですし。表の顔と裏の顔ってことで言えば、『蘇える金狼男アメリカン』ってのはいかがでしょう?

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この人、数字に関しては超人的能力を持つ自閉症ってところがユニークな設定。で、その能力を見せる会計監査シーンもユニーク。ホワイトボードでは足りなくて窓ガラスをどんどん数字で埋め尽くすあたり、いい絵です。でも、(小生は会計にはあまり明るくないので、違っていたらすみませんが)この不正処理って、説明を聞いた限りではかなりシンプルで、普通に監査したら絶対発見されるだろって感じじゃありませんか? まあ娯楽映画だから、いいんですけど。

358340_003オールドタイプの「娯楽映画らしい娯楽映画」と言えましょう。設定や人物の背景やキャラクター描写や物語の進行や語り口や・・・そういったもろもろがハリウッド映画の及第点以上をマークしています。

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(以降ネタバレあり!) ただ終盤に至って、「これ、コメディですかい?」って感じになってしまい、やや戸惑いました。だって、クライマックスで突然弟と再開するや、ストーリーの進行を外れて兄弟ゲンカ始めちゃうし。その後は兄弟で、妙にほっこりしちゃうし。生死を賭けて緊張しながら見守っていた悪の親玉氏は、あまりの展開に唖然としちゃうし。その後の決着があまりにもあっけなくて、笑うしかないし。・・・いやー、ヘンテコで笑えちゃいました。

それにしても、本物のポロックなんかもらったって、他人には「模写だ」とでも説明するしかないでしょうし、表ルートじゃ売るわけにもいかないでしょうし、「個人でお楽しみください」の世界ですよね。あのサイズでも億単位でしょうけど、なんともはやであります。

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2017年1月24日 (火)

明治BEAN to BARの後発2種類

1485263360834_2昨年12月22日にご紹介した明治のチョコレート『BEAN to BAR』シリーズ。遅れて発売された2種類も食べましたので、追加のご報告です。

(昨年の記事はこちら ↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/post-460f.html

まずはライトグリーンに彩られたカカオ51%の「Gianduja」(魅惑の旨味)。ジャンドゥーヤです。つまりヘーゼルナッツですね。大江戸は基本的にジャンドゥーヤ味がそんなに好きではないのですが、やはりこれは別格。見事に深いジャンドゥーヤの香りが生きながら、ややビターなチョコレートと見事に融合しています。オトナな感じです。

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そしてもう一つは鮮やかなピンクで、カカオ44%の「Flamboise」(鮮烈な香り)です。フランボワーズつまりラズベリーですね。チョコレートとラズベリーの相性の良さは、言うまでもありません。シリーズの中ではカカオ含有量が一番低いのですが、それでもなかなかどうしてしっかりとチョコレート感があって、しかもラズベリーとの一体感が見事でたまりません。大江戸の大好きゾーンです。

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相変わらずパッケージも、個包装もステキなデザインで、美しい仕上がりです。カワイイとも言います。

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じゃーん。6種類並ぶと壮観ですね。キレイです。

もうこれ以上種類を増やす必要はないので、これらをキープしてロングセラーとなっていただきたいものです。

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2017年1月23日 (月)

「ミューズ・アカデミー」:アレン作品のシリアス版

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映画『ミューズ・アカデミー』はあの美しく、素晴らしく、新しかった『シルビアのいる街で』のホセ・ルイス・ゲリン監督の新作。でもこれは異色と申しましょうか、ちょっと目ドキュメンタリーのような、でもフィクションっていう作品。映像のルックとしても、『シルビア』みたいに「明らかに美しい」わけではありません。もっと無造作に撮ってる感じ。

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部屋や飲食店の窓越し、車のフロントグラス越しで、映り込みや反射があるようなショットも多いのが印象的。そこらへんが虚実の間(あわい)を感じさせてくれたりもします。全体的に、「知的な監督」だという印象を持ちました。でもちょっとヘンで、ちょっとおかしくもあります。

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だって大学教授が恋愛論の講座を通して、複数の教え子たちといい仲になっちゃうような映画なので、もう少しコメディに寄せてったらウディ・アレン作品になりそうですもん。ってか、この教授を10年前のアレンが演じたとすると・・・ほーら、頭の中で自動的にアレン作品が展開して行くではありませんか(男の恋仇が必要ですけどね)。

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終盤に至って、俄然面白くなってきます。クライマックスの正妻とガールフレンドがカフェで対峙する場面の怖さ--冷静なのでキャット・ファイトにならないが故のコワさときたら・・・。「あわわわわ・・・」ですね。この場面は、映画史に残るものだと思います。

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2017年1月22日 (日)

新しいシューズと都内ラン

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東京マラソンまであと5週間。年明けから2週間ぐらい風邪ひいてしまって、調整が遅れていたのですが、先週日曜に2時間ほど走って、今週は昨日1時間ちょっと走って、今日2時間40分走って、ようやく自分なりの調整ペースに戻って来ました。普段からいっぱい走っている方々には、「え?そんなもんなの?」って思われちゃうぐらいの走行量の大江戸ですが、いいんです。あんまり走り過ぎると体に悪いし、記録を狙うわけでもありませんから。楽しくケガなく完走できれば、いいんです。

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ってわけで、新しいシューズを買いました。何しろ前回(おととし)の東京マラソンでは、ハーフ地点で右のハムストリングス(太もも裏の筋肉)を肉離れしてしまい、そこからが地獄の苦しみだったので、今回は衝撃吸収性を何よりも重視してのチョイスです。色々調べた後に、ショップの店員さんと話し、試し履きもした結果、ちょっと奮発してアシックスのゲルカヤノ23を買いました。アシックスはオシャレじゃないとか、体育会的だとかで敬遠するランナーもいるかと思いますが、小生のように「(練習不足で)脚ができていない」ランナーにとって、背に腹は代えられません。それにデザインもだいぶ良くなってきましたし(色は2色しかないのが不満。ベターなオレンジの方にしました)。 店員さんのお勧めで足のアーチを補正するためのインソールも買ってみました(どうも足の甲のアーチが落ちて=平べったくなっているみたいでした)。更にカカト部には衝撃吸収用のラバーが入っているスグレモノです。

これ、二日連続でもともとのインソールと補正用のインソール(ファンクショナルフィット)を入れ替えて、比較検証してみたのですが、やはり違いますねー。補正用インソールを入れるとフワフワ感はむしろ無くなるのですが、脚や膝へのダメージが少なく、後半の疲労や「落ち」が少ないと感じました。ここらがやっぱりネット販売では味わえないリアル店舗の良さですねえ。長時間走行に耐えるための、足を包み込むようなフィット感にも満足です。

1485079322360さてさて家から表参道~六本木~東京タワーへ。おお、タワーのそばの工事現場のクレーンが、タワーと同じ白とオレンジのカラーリング。何でしょう? 擬態?

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右は芝公園から望む坂の上の東京タワー。青空に映えて、やっぱりいいですねえ。スカイツリーのヤツなんざ、こうはいきません(ヤツ呼ばわり)。

で、その先の虎ノ門ヒルズあたりで折り返して、溜池山王~赤坂見附~青山へ。絵画館前のイチョウ並木は、いつ見ても絵になりますね。

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外苑前のベルコモンズ跡地が工事フェンスに囲まれて、何にもなくなっていました。何ができるのでしょうか。

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そういえば、虎ノ門あたりにも見事に壊されている途中(今日は日曜なので、工事ナシ)のビルがありました。東京は常に新陳代謝していくのでございます。

原宿を通って帰りましたが、人が多過ぎて走れやしませんでした。日曜の午後は迂回しないとダメですね。 代々木公園入口前には、今もまた「ローラー族」が出てるんですね。「ジョニーBグッド」でツイストを踊ってたりしておりました。 また、代々木上原付近では脚本家&映画監督のM.K.さんをお見かけいたしました。

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2017年1月21日 (土)

ペヤングのチョコレートやきそば

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噂のペヤング『ギリ チョコレートやきそば』を食べました。冒険者の大江戸です。

暮れに一平ちゃんの『ショートケーキ味』を食べました(↓)が、それに続くチャレンジです。

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2016/12/post-7bfb.html

まあ「ギリ」ってついてることからもわかるように、明らかなバレンタイン狙い商品です。安いけどインパクトはでかいですよね。パッケージのリボン部分に「I ♥ YOU」って入ってる割には、好かれてるんだか嫌われてるんだかわからないような物ですし。

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麺は普通の焼きそば。で、見た目ソースにしか見えないドロッとした黒いものがチョコレート。それを混ぜてかき回します。最後に後乗せかやくをかけるのですが、紅しょうが風の赤いものは、乾燥イチゴの砕いたものです。クルトンは普通にクルトンなので、いまいちですね。

さてさてお味はやはり不気味。まあお菓子感覚、デザート感覚で行くべしと思ってはおりましたけど、うーん・・・。いっそもっとチョコが強かったら、やわらかポッキーみたいな、チョコレート・モンブランみたいな気分で、かえって食べやすかったかも。でもこいつはねえ・・・ネタとして1回食べれば十二分って感じでありました。 「明星一平ちゃん」でも出してるらしいんですけど、どうしましょうかねえ。

食後にコーヒーを飲んで、歯を磨いてから外出しましたが、それでもマスクの中で呼吸した息がチョコレートの香りだったので、おやまあと驚いたのでありました。

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2017年1月20日 (金)

「皆さま、ごきげんよう」:自由な走馬灯映画

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映画『皆さま、ごきげんよう』は、のんびりとした中にそこはかとないユーモアを湛えたオタール・イオセリアーニ監督作品。イオセリアーニじいさん、ますますもって夢現境を自由に飛び回っています。

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そう、とにかく自由なんです。じいさんがロードローラーにひかれて「のしいか状態」になっちゃって、それをドア下の隙間から入れるなんてこと、誰が大まじめにやるってんでしょうか? この人は、やっちゃってます。しかも脈絡なしに、いろんなエピソードがつながったりつながらなかったりしながら、次から次へと変なことが続いていくのです。

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思えば岩波ホールでは、「自由な」老人監督の自由過ぎるほど奔放な映画が、これまでも上映されて来ました。近年ではアラン・レネ晩年の『風のそよぐ草』や『愛して飲んで歌って』、古くはルイス・ブニュエルの『自由の幻想』。そう、本作オープニングで革命期フランスの処刑広場から始まるあたり、そこからも自由に時と場所とつながりを飛び越えるあたりは、まさに『自由の幻想』のテイストです。壁にドアが現れたり消え去ったりするあたりもそうですね。

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そういった映画の自由さ、心の自由さが心地良くもありますが、一方ではどうにもこうにもつかみ所がなくって、映画がのらりくらりと逃げて行ってしまうような気もいたします。ま、きちんとした物語などありませんからね。始まりもなければ終わりもない、走馬灯のような映画でもあると感じました。

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2017年1月19日 (木)

日本インターネット映画大賞 2016日本映画部門投票

日本インターネット映画大賞」への当ブログからの投票です。先ほどの外国映画投票に引き続き、2016日本映画部門をどうぞ。

日本映画

【作品賞】
1位  「シン・ゴジラ」            5点
2位  「リップヴァンウィンクルの花嫁」 4点
3位  「この世界の片隅に」        3点
4位  「ヒメアノ~ル」            2点
5位  「湯を沸かすほどの熱い愛」    1点
【コメント】 邦画豊作! 作品がバラエティに富んでますし、それぞれの世界を極めています。「海よりもまだ深く」「ピンクとグレー」も入れたかったです。

【監督賞】          
   [岩井俊二]
【コメント】 樋口真嗣を「シン・ゴジラ」の監督と言い切るのはムムム・・・だったし、かといって庵野秀明総監督を監督賞ってのも・・・。なので岩井さん。でも、久々の岩井ワールドが本当に素敵でした。

【最優秀男優賞】
   [ゴジラ] (シン・ゴジラ)
【コメント】 人間の役者が決め手に欠けたので・・・。でも、威厳のある見事なゴジラでした(野村萬斎さんへの賞ってわけじゃないんですよ)。

【最優秀女優賞】
   [杉咲花] (湯を沸かすほどの熱い愛)
【コメント】  主演も女優もひっくるめて、ぶっちぎりで最高の演技でした。嬉しい驚きでした。いくらほめても足りません。

【ニューフェイスブレイク賞】
   [大西利空]  (ぼくのおじさん)
【コメント】  おじさん(松田龍平)よりずっと素晴らしい。実に利発そうなお子さんです。

【音楽賞】
  「怒り」  (坂本龍一)
【コメント】 坂本教授としては、「レヴェナント」よりもこっちが印象に残りました。いい仕事です。

【大江戸時夫が選ぶ最長不倒タイトル(題名)賞】
   [RANMARU 神の舌を持つ男 酒蔵若旦那怪死事件の影に潜むテキサス男とボヘミアン女将、そして美人村医者を追い詰める謎のかごめかごめ老婆軍団と三賢者の村の呪いに2サスマニアwithミヤケンとゴッドタン、ベロンチョアドベンチャー! 略して・・・蘭丸は二度死ぬ 鬼灯デスロード編]
【コメント】  別に小生が選ばなくても、事実としてそうなんですが・・・。 驚愕の130字! ただタイトル場面においても、「酒蔵~」以下はバックの円のまわりにダーッと書かれているだけで、読めやしませんけどね。

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この内容(以上の投票を含む)をWEBに転載することに同意する。
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日本インターネット映画大賞 2016外国映画部門投票

「日本インターネット映画大賞」というのがありまして、投票用テンプレートに記入して各人のブログにアップしたものをトラックバックすることによって投票とするシステムなので、昨日、一昨日のエントリーとダブる部分が多いのですが、お許しください。

ちなみに「日本インターネット映画大賞」のサイトはこちら↓

http://www.movieawards.jp/

外国映画

【作品賞】(3本以上5本まで)
1位  「アイ・イン・ザ・スカイ」    5点
2位  「イレブン・ミニッツ」      4点
3位  「レヴェナント 蘇えりし者」  3点
4位  「ブリッジ・オブ・スパイ」    2点
5位  「ザ・ウォーク」         1点
【コメント】 邦画上位傾向が続く中、1位にふさわしい作品がなくてかなり悩みました。12月23日公開の「アイ・イン・ザ・スカイ」はキネ旬ベストテンだと翌年度の対象になってしまうのです。この投票のように、きっぱり暦年で切ってもらいたいものです。

【監督賞】          
   [イエジー・スコリモフスキ]  (イレブン・ミニッツ)
【コメント】 78歳なのに、この新しいクリエイティビティへの挑戦。この若々しさ。

【最優秀男優賞】
   [トム・ハンクス]  (ハドソン川の奇跡)
【コメント】  またも名演が一つ増えました。「ブリッジ・オブ・スパイ」とどっちか迷いました。

【最優秀女優賞】
   [ライア・コスタ]  (ヴィクトリア)
【コメント】  2時間19分ワンカット長回し映画の中で、どんどん変容していく凄さ!

【ニューフェイスブレイク賞】
   [マーク・ライランス] (ブリッジ・オブ・スパイ)
【コメント】 フォーマットに助演男優賞がなくなっていたので、「あ、ここに置けるや」と。抑制を効かせながらすべてをかっさらう最高の演技を見せてくれました。

【音楽賞】
  「オデッセイ」でデイヴィッド・ボウイ『スターマン』が流れる場面
【コメント】  ボウイ追悼の意味も込めて。MVみたいで高揚しました。


【大江戸時夫が選ぶ最長不倒ワンカット長回し賞】
   [ヴィクトリア]
【コメント】  驚愕の2時間19分ワンカットの長回し! 2時間あれば何でも起こっちゃって、人生が変わってしまうんですね。

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 この内容(以上の投票を含む)をWEBに転載することに同意する。
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2017年1月18日 (水)

2016洋画トップテン

昨日の日本映画篇に引き続き、今日は外国映画篇です。

1.アイ・イン・ザ・スカイ(ギャヴィン・フッド)  2.イレブン・ミニッツ(イエジー・スコリモフスキ)  3.レヴェナント 蘇えりし者(アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ)   4.ブリッジ・オブ・スパイ(スティーブン・スピルバーグ)  5.ザ・ウォーク(ロバート・ゼメキス)  6.ヴィクトリア(セバスチャン・シッパー)  7.ハドソン川の奇跡(クリント・イーストウッド)  8.トランボ ハリウッドに最も嫌われた男(ジェイ・ローチ)  9.パディントン(ポール・キング)  10.聖杯たちの騎士(テレンス・マリック)  次点.ズートピア(バイロン・ハワード、リッチ・ムーア)

<その他の記憶すべき作品>  ボーダーライン  マジカル・ガール  スティーブ・ジョブズ  ジュリエッタ  コンカッション  オデッセイ  緑はよみがえる  ニュースの真相  マイケル・ムーアの世界侵略のススメ  10 クローバーフィールド・レーン  ドント・ブリーズ  ロスト・バケーション  エクス・マキナ  ペレ 伝説の誕生  ザ・ビートルズ EIGHT DAYS A WEEK  The Touoring Years  手紙は憶えている  奇蹟がくれた数式  ティファニー ニューヨーク五番街の秘密  弁護人

監督賞:イエジー・スコリモフスキ(イレブン・ミニッツ)   脚本賞:ガイ・ヒバート(アイ・イン・ザ・スカイ)   撮影賞:エマニュエル・ルベツキ(レヴェナント 蘇えりし者)   主演女優賞:ライア・コスタ(ヴィクトリア)   主演男優賞:トム・ハンクス(ハドソン川の奇跡)   助演女優賞:ダイアン・レイン(トランボ ハリウッドに最も嫌われた男)   助演男優賞:マーク・ライランス(ブリッジ・オブ・スパイ)   新人賞:ジェイコブ・トレンブレイ(ルーム)

邦画に較べると元気のない洋画ですが、上位に堂々推せる作品が無い一方で、あるレベル以上の作品(トップ20~30ぐらいに入る作品)は結構粒が揃ってるんですよねー。

1位に置いた「アイ・イン・ザ・スカイ」は12月23日公開なので、「キネ旬ベストテン」では来年度扱いになっちゃいます(ちなみに10位も来年度扱いです)。変なの。 でも1位、2位どちらをトップに置くか迷ったけど、どちらも1位を張るには貫禄不足だったりします。 4位はスピルバーグ久々の復活が嬉しかったですね。 6位の2時間19分ワンカット長回し(加工なし)には驚愕します。 9位は笑いのセンス、映画のセンスが良いのです。 そして10位の映像美世界。

個人賞では、撮影賞のルベツキ(どこまで独走するんだ?!)を「レヴェナント」で選ぶか「聖杯たちの騎士」で選ぶか大いに迷いました(更には、「ボーダーライン」のロジャー・ディーキンズもいい仕事をしていて、取らせたかったのですが)。 主演女優賞のライア・コスタは2時間ちょっとの中で(しかも全編長回しという難しさの中で)確実に変容しているのがあっぱれです。 「ブリッジ・オブ・スパイ」におけるマーク・ライランスは、近年の男優演技の中で突出してスゴイと思います。 新人賞ジェイコブ君は、「ルーム」の天才子役です。

テンの中にアメリカ映画が7本。相変わらずの強さでした。監督は全体的に高齢化してるけどね。

(邦画篇はこちら↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2017/01/post-d9fb.html

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2017年1月17日 (火)

2016邦画トップテン

お待たせいたしました! 恒例の大江戸時夫の年間トップテン映画 of 2016年。落穂拾いを終えて、ようやく発表です。今年は邦画篇から。(  )内は監督名です。

1.シン・ゴジラ(樋口真嗣 ※総監督=庵野秀明)  2.リップヴァンウィンクルの花嫁(岩井俊二)  3.この世界の片隅に(片渕須直)  4.ヒメアノ~ル(吉田恵輔)  5.湯を沸かすほどの熱い愛(中野量太)  6.海よりもまだ深く(是枝裕和)  7.ピンクとグレー(行定勲)  8.怒り(李相日)  9.君の名は。(新海誠)  10.聲の形(山田尚子)  次点.淵に立つ(深田晃司)

<その他の記憶すべき作品>  永い言い訳  SCOOP!  64 ロクヨン  築地ワンダーランド  TOO YOUNG YO DIE!若くして死ぬ  FAKE  日本で一番悪い奴ら  聖の青春  ぼくのおじさん

監督賞:岩井俊二(リップヴァンウィンクルの花嫁)   脚本賞:庵野秀明(シン・ゴジラ)   撮影賞:神戸千木(リップヴァンウィンクルの花嫁)   主演女優賞:黒木華(リップヴァンウィンクルの花嫁)  主演男優賞:ゴジラ(シン・ゴジラ)   助演女優賞:杉咲花(湯を沸かすほどの熱い愛)   助演男優賞:リリーフランキー(SCOOP!)   新人賞:大西利空(ぼくのおじさん)  怪演賞:月見草しんちゃん(闇金ウシジマくん Part3)

昨年の邦画は稀に見る大豊作。ここのところ質的充実において、洋画との差が広がる一方です(なのに世界的にはあまり評価されていないのが不思議)。力量のある監督たちがずらりと揃ったトップテン(圏外も含めて)で、頼もしい限り。普通の年ならトップテン級の作品が、5本ぐらいはみだしてしまいました。

監督賞は「樋口真嗣にするのはムムムだよなあ。でも総監督を持ってくるのもなんだしなあ」と思い、漁夫の利的に岩井へ。でも久々のザ・岩井ワールド、素晴らしかったです。 主演男優賞はトリッキーな選考となりましたが、決め手となる人がいなかったもので、ならば・・・と。 主演女優賞も絶対的な人がいなかったのですが、ここは助演女優賞と合わせて「華・花」コンビってことで。それぐらい助演女優賞の杉咲花は圧倒的でした(撮影時まだ18歳だったのに! それ以上に童顔なのに!)。助演女優賞はレベルの高い候補が大勢いたのですが(「怒り」の宮崎あおい、「怒り」「アズミハルコは行方不明」の高畑充希、「ヒメアノ~ル」の佐津川愛美、「シン・ゴジラ」の市川実日子など)、杉咲花がぶっちぎりました。助演男優賞は「日本で一番悪い奴ら」の みのすけ も候補でした。 新人賞の大西君は、利発そうな子役。怪演賞のしんちゃんは、脳みそカラッポの半グレ役です。

振り返ればアニメーションが3本もランクインしているのですね。それぞれに持ち味を発揮した良作でした。 『ヒメアノ~ル』と『ピンクとグレー』は観て、驚いてほしいです。どちらもホントびっくりするから。

明日は洋画篇です!  

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2017年1月16日 (月)

「MILES AHEAD マイルス・デイヴィス 空白の5年間」:チードルさんの個人映画

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映画『MILES AHEAD マイルス・デイヴィス 空白の5年間』は、随所で「ん? う、うーん・・・」と考え込みたくなるような、ちょっと変な作品でした。ドン・チードルが製作・監督・共同脚本・主演と、思い入れたっぷりなのですが、そこまでワンマン映画になっちゃうと色々と弊害が出るってのが世の常であります。

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何と言っても、ドン・チードルがマイルズ・デイヴィスに似ていない。いや、髪型や服装では十分似せる努力をしているので、サングラスをしている時はそっくりさんなのですが、サングラスが無いとドン・チードル以外の何者でもありません。だって、目が違い過ぎます。あのマイルズの鋭い目とチードルの眠そうな目じゃ、致命的に似て無さ過ぎて・・・。ま、声やしゃべり方は凄く似せてるんですけどね。

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更に、後半になると妄想(?)が激化して、マイルズが架空の『ローリング・ストーン』誌記者と一緒に、カー・チェイスあり、銃撃ありのアクションになっちゃいます。ドン・チードルはマイルズの大ファンだからこの映画を作ったのであろうに、いったい何をどうしたいのか? 謎です。

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回想シーンは別として短い期間の出来事なのに、これで「空白の5年間」なんて邦題つけられても困っちゃうってところもありますよねえ。チードルさんは満足したのでしょうか。

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2017年1月15日 (日)

「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」:謎が多いなあ

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映画『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』の監督はスティーヴン・フリアーズだったのですね。宣伝などではほとんど目立たなかったので、メイン・タイトルで初めて気づいた次第。しかもこれ、ハリウッド映画化と思っていたら、まぎれもないイギリス映画だったのですね。舞台はニューヨークですけど。 しかも昨年のフランス映画『偉大なるマルグリット』を見落としている大江戸ですが、「なんであの作品のリメイクということを全く表に出していないんだろう?」と思っていたのですけれど、これはリメイクと言うよりも、もともと実在したフローレンス・フォスター・ジェンキンスの伝記映画(ま、かなりフィクショナルに仕立ててあるそうですが)なんだそうです。

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ことほど左様に予想外なことが頻出した作品でしたが、そして物語はかなりトリッキーなわけですが、映画の作りとしてはオーソドックス&ウェルメイド。平明にプロットを進行させ、キャラクターを立たせ、役者を輝かせ、笑いと感動を塩梅よく配置してあります。

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1949年生まれ、現在67歳のメリル・ストリープに対し、ヒュー・グラントは1960年生まれの56歳と11歳年下ですから、だいぶ老けメイクにしております。いつもの軽やかなヒュー様ではなく、押し出しの強いお大尽を老け芝居で演じます。 一方のメリルは、やはりヒューよりも相当おばあちゃんに見えるのですが、これも病気に侵されているという役柄の表現なのでしょうか? まあ、最後の方は76歳を演じたわけなので、それだったら納得ではあるのですけれど・・・。

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でも本作は二人よりもむしろ、ピアニスト役のサイモン・ヘルバーグや、夫(ヒュー)の公認愛人役レベッカ・ファーガソンらの芝居の方が、心に残りました。

それにしてもこの旦那は、なんでここまでこんな奥さんを愛して、むしろ甘やかして、多くを捧げていたのかなあ? (メリル嫌いの小生としては)謎です。愛って不思議だなあ。 そして、いくら音痴でも、(自分が歌っている時はまだしも)レコードになったものを聴いたら、自分のヘタさはわかるはずでしょう。あれだけいろんなものを聴いている方なのですから。謎です。

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2017年1月14日 (土)

「The NET 網に囚われた男」:心をえぐえる国家の暴力

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映画『The NET 網に囚われた男』は、これまでに無く描写に抑制の効いたキム・ギドク作品。でも観る者の内面をえぐって来る重い球です。

予期せぬ脱北者の理不尽な運命を通して描かれるのは、北と南の物語でありながら、実はもっと普遍的な権力と個人の問題です。

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狂信的な愛国捜査官が確信犯的に生み出す冤罪の構図。信念をもって暴走する者は周囲も止めにくいという普遍の事実。「北=独裁国家だから悪」という考えに染まり過ぎて、結局北と同じことをやってしまうというパラドックス。いつも以上に政治的で、でもいつも通り血の出る所をえぐって来るキム・ギドクです。

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若手警護官が本作中の良心の象徴のようでいながら、彼の親切心が後にあだとなる皮肉さもしっかり描かれるあたりが、さすがです。深いです。 そして、北に戻ってからも、南と同じような取り調べや精神的な拷問(抑圧、叱責、恫喝など)が行われる絶望感こそ、この映画のキモでありましょう。個人を翻弄、弾圧し、抹殺する国家というシステムの闇を描き、強度のある作品となりました。

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暴力の直接描写がないあたり、キム・ギドクも変容しつつあるみたいです。まあ、本作では肉体的な暴力よりも国家という暴力を描いたということなのでしょうし、体の痛みよりも心の痛みを突き詰めたということなのでしょう。

どうでもいいけどこの主人公、「なすび」(芸人)にちょっと似てますよねえ。

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2017年1月13日 (金)

「幸せなひとりぼっち」:頑固おやじの若き日

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映画『幸せなひとりぼっち』は、スウェーデンの大ヒット作ということですが、うーん、スウェーデン人の琴線に訴えるものがあるのでしょうねえ。『王様のブランチ』でLiLiCoさんも「今年のベストワン」とか言ってたけど、彼女も半分スウェーデン人ですんもねんね。

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一方では、大江戸にはさほど訴えて来ませんでした。これ、特に目新しい所のない、いかにもなお話ですし。自殺を失敗し続けるあたりなんて、相当ベタですよ。 美点としては、この頑固おやじの若き日々の輝き、わけても妻のきらめく笑顔です。この回想のおかげで、なんとか作品が生きました。

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それにしてもこの頑固おやじが59歳だとは!! 70歳ぐらいに見えますよー! 演じるロルフ・ラスゴードは1955年生まれなので、撮影時には59か60歳だったと思われます。なので、「すげー老け顔」ってことなんですね。やれやれ。スウェーデンには彼とかステラン・スカルスガルドとか「じゃがいも顔」が多いんですかねえ。

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欧米系でない異文化ファミリーを最初は嫌いながら、徐々に心の絆が築かれていくってあたりは、イーストウッドの『グラン・トリノ』のようですね。そういえば、グラン・トリノも車の名前ですが、本作においてもサーブとボルボとアウディが、キーワード的に登場しております。

人に歴史あり。そして、頑固おやじにも若き日あり、なのでした。

 

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2017年1月12日 (木)

「アラビアの女王 愛と宿命の日々」:ニコールの若々しさ

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試写会で映画『アラビアの女王 愛と宿命の日々』を観ました。なんと久々の(ですよね?)ヴェルナー・ヘルツォーク監督作品。女性版『アラビアのロレンス』って触れ込みですけど(実際、作中にT.E.ロレンスも登場します)、公開劇場は地味なので、興行的には広がらなさそうな作品なんだろなーって感じです。実際、エンタテインメントとしてはあまり良く出来ていないので、なかなか興行的には難しいでしょうね。

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どうにもこうにも、この主人公=ガートルード・ベルの根本がよくわかりません。なぜこの時代に、女一人アラビアくんだりで??、何が彼女を駆り立てたのか?ってあたりの最重要ポイントが、最初から最後まではっきりしないのです。まあ実在の人物ですから、「とにかくそうだった」って言えば許されるのかも知れませんが、映画の脚本としてはそれじゃダメですよね。かつて『アギーレ 神の怒り』や『フィツカラルド』で、妄執に駆り立てられた人間を描いたヘルツォークらしからぬ淡白さです。

映像的にも(4K撮影だそうですが)どうってことなくて、映画全体のあっさり感からして、「老いたりヘルツォーク」って感じです。それに、この題材だとどうしても『アラビアのロレンス』と比較されちゃうわけで、そうなるともう月とスッポンですから・・・。

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でも本作はとにかくニコール・キッドマンを見る映画。現在49歳のニコちゃんですが、画面ではお肌すべすべつやつやで、シワ一つありません。特殊なデジタル加工?なんて思っちゃうほどでした。20代の頃からのガートルードを、違和感なく演じています。ハリウッド最高峰の美魔女と言っても過言ではありますまい。

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それにしても本作に登場するアラビアのロレンスがロバート・パティンソンだってのが、あまりにもダメダメでした。この人、クローネンバーグの『コズモポリス』あたりでは、それなりに雰囲気もあってクールだったのですが、このロレンスは眉毛が太いボンクラ兄ちゃんって感じでアウトです。ピーター・オトゥールとの落差があまりに大きいので、ある意味衝撃的なロレンス像でありました。

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2017年1月11日 (水)

「キネマ旬報」ベストテン発表

 昨日、恒例の『キネマ旬報』ベストテン2016が発表されましたね ↓

http://www.kinenote.com/sp/kinejun_best10/

 今年は邦洋とも順当な結果だったので、「うん、なるほど」「まあ、そうだよね」って感じ。計20本の中で、未見の作品が一つも無かったってことも、順当さを示しております。

 毎年読者選出ベストテンを投票している立場で言いたいことがあるとすれば、今年もまた12月半ば(12/15)までの1年間の公開作が対象だってこと。以前のようにというか、アカデミー賞のようにというか、1/1~12/31の公開作というシンプルな形にしていただきたいものです。決算号を遅らせてでも、そうしてほしいのです(もちろん年末の公開作を観る都合上、投票締め切りもせめて1/10頃にしていただきたいですが)。なぜなら、その年(暦年)の公開作と対象作が異なるってのは、後から調べる時に何かと面倒ですから。更に、自分でその年のベストテンを作ってブログにも発表している立場とすれば、同じ年に2種類のベストテンが存在してしまい、ややこしいのです。今回も、12/23公開の『アイ・イン・ザ・スカイ』を片方では入れ、片方では入れないために、ベストテン上位が大きく変わってしまうのです。

 それはさておき、日本映画では、『この世界の片隅に』が1位、『シン・ゴジラ』が2位と、ある意味一番想定しやすかったパターン。3位『淵に立つ』と4位『ディストラクション・ベイビーズ』は、入るとしてももう少し下位だと思っていたんですけどね。以下秀作、力作が並びますが、新聞によると『海よりもまだ深く』と『64 ロクヨン』が次点だったとか。普通の年なら当然テンに入る作品でしょう。自分で選ぶ時も難しかったのですが、本当に昨年は類例がないほど優秀な作品が多い年でした。そう、『君の名は。』も入ってませんしね。

 一方、外国映画は1位『ハドソン川の奇跡』は予想できたものの、『キャロル』が2位にまでなるとは思っていませんでした。これも自分で1位を選ぶことが難しかった(群を抜いて秀でた作品が無かった)のと同様、皆さん選ぶのに苦労したのではないでしょうかねえ? そんな中、スピルバーグ久々の秀作『ブリッジ・オブ・スパイ』が3位に入ったのは嬉しかったなあ。4位『トランボ』も頑張りました。1~4位をはじめ、10作中7作がハリウッド映画でした。

 個人賞では、宮沢りえ・杉咲花の『湯を沸かすほどの熱い愛』コンビが主演&助演女優賞を獲得したのには、大いに納得。花ちゃん、あの若さで助演賞ってのは珍しいけど、小生も1票!です。 柳楽優弥の主演男優賞には、ちょっとびっくり。佐藤浩市や本木雅弘や岡田准一らを差し置いて・・・ですからねえ。

 2/3発売のベストテン号で明らかになる読者選出のテンも楽しみです。 そして皆様ご期待の大江戸時夫のベストテンも近日中に発表しますので、もうしばらくお待ちください。

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2017年1月10日 (火)

展覧会「DAVID BOWIE is」:さすがに充実の内容

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天王洲アイルの寺田倉庫G1ビルで8日からスタートした話題のデヴィッド・ボウイ大回顧展『DAVID BOWIE is』(~4/9)に早速行って来ました。

昨年1月10日に69歳でに逝去したボウイ(図らずも一周忌にあたる日だったわけです)の生前から世界各地で行われていた展覧会です。記録映画にもなりましたね(その時の当ブログの記事はこちら↓)。

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2016/02/post-9cb9.html

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’73年のアルバム『アラジン・セイン』のジャケ写が本展のメイン・ビジュアル。もう3か月ぐらい毎日のように朝日新聞紙上でお目にかかっておりました(朝日が一枚嚙んでいるとはいえ、スゴイ広告量です)。アジアでは唯一の開催となるそうです。

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原則ネットによる時間指定の前売り制です。10~12時に始まり、入場時間を1日5回に分けてあり、どれかを選んで日時指定するのです。小生は仕事帰りに18時~20時ってことで、18時ちょうどに着いたのですが、入場までに10分近く並ばねばなりませんでした。ただ人数制限をしてるだけあって、ひどく見にくいってことはなく、まああまり短気を起こさなければ、何とか流し見していけるぐらいの状態でした。

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会場内には、写真、映像、メモ、絵画、ポスター、衣装、レコード、MV、などなどがあり、総合的にデイヴィッド・ボウイの人生と業績を追っていけます。また会場入り口で全員にヘッドフォーンセットを渡してくれて、それをしてると会場内の要所要所で音楽や音声が流れて来るという趣向。

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日本仕様の、坂本龍一、ビートたけしをフィーチャーした『戦場のメリークリスマス』を振り返る映像もありました。

ボウイは何と言ってもかんと言ってもファッションがカッコイイです。派手系のみならずクラシカルなブラック&ホワイトも実にスタイリッシュで素敵ですし、アレクサンダー・マックイーンのロング・ジャケットなんて、もう最高!なのです。

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出口付近にはグッズ・コーナーも設けてあり、展覧会オリジナルのオレンジ色グッズの数々をはじめ、幅広いものが揃ってました。例の山本寛斎の黒白縞の衣装と同素材(?)のバッグや、同じ柄の高級Tシャツ(29,000円)が小生の目を引きました。

古典的な展覧会らしさをベースにしながら新しいテクノロジーも取り入れた、質の高いショウとなっておりました。2時間近くみっちり観ましたが、それでも足りないぐらいです。映像類は後ろ髪引かれながらも、随分はしょって進みました。でも、特にボウイの大ファンというほどでもない小生ですが、十分に満足しました。 チケット(一般前売2,200円)は展覧会としては高額ですが、それに見合う量と質(さらに予約定員制なので、メチャ混みはしないはず)で、納得できるものなのでありました。ま、解説キャプションの文字が小さく位置も低くて、読みにくいったらありゃしないっていう瑕疵はありますけどね。

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2017年1月 9日 (月)

「NERVE ナーヴ 世界で一番危険なゲーム」:蛮勇はダメよ

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映画『NERVE ナーヴ 世界で一番危険なゲーム』は、今日的な(ユーチューバー的な)ネット動画の危険な世界を扱った娯楽作。過激な有料動画のチャレンジが、顔のない数多くの視聴者たちによって、どんどんエスカレートしていくさまとその結末を描いていきます。当然SNSとその拡散についても扱われております。

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近年はスマホ画面を映画の映像に反映させている作品もしばしば見られますが、本作はモチーフがモチーフなだけに、それら諸作の中でも最もスマホ(風)映像利用度の多い作品となっています。

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アンディ・ウォーホルが言っていた「将来、誰でも15分間は世界的有名人になれるだろう」という時代になったのだなあという感慨を抱かせる映画でもあります。それにしてもアメリア低予算映画の若者の例に漏れず、あさはかでございます。アメリカ人の中には、ムチャであっても冒険することが推奨されるDNAがあるみたいなんですよね。でなきゃトランプが当選したりしませんもん(それこそ「世界で一番危険なゲーム」では?)。でも蛮勇はダメですよ。

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(以降多少ネタバレあり) ヘタすれば下品で軽薄なバカ映画になりそうでいて、一応踏み止まっております(ま、上品ではないですけどね)。とってつけたようではありますが、一応教育的な結末が用意されていたりもします。 大江戸としては、終盤にさりげなく用意されていた『スティング』へのオマージュ(鼻をこするサインと、あのトリック)に、「なぜ?」と思いながらも嬉しかったですね。

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2017年1月 8日 (日)

歌舞伎座ギャラリー

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東銀座の歌舞伎座が2013年に新しくなった時に歌舞伎ギャラリーができたのは知っていたのですが、これまで行ったことはありませんでした。

歌舞伎座地下の「木挽町広場」(おみやげものゾーン)奥からエレベーターで5Fへ。おお、こんなところに空中庭園もあるのですね。

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歌舞伎座の瓦屋根を上から眺めることもできます。甍(いらか)の黒と階段手摺の赤がステキなコントラスト。

14838572629321483857254269雨が降っていたので、この赤と緑の色彩の中、外光と暗がりのコントラスト、芝生と砂利のコントラスト、そして廂(ひさし)から滴り落ちる雨水の風情が実にいい感じでした。考えてみると、歌舞伎ビルの設計って隈研吾さんですもんねえ。

この先の扉を開けると、歌舞伎座一幕見席に新設した展示ゾーンにはいれるという趣向。歴代名優の写真パネルとか、歴代歌舞伎座の模型とかがありました。

さて本格的に「歌舞伎座ギャラリー」に入ってみます(実は新聞販売店の懸賞で招待券が当たったのです)。

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開催中なのは『歌舞伎にタッチ』という企画。でもこれ、会期が書いてないじゃない・・・と調べてみたら、2015年5月からやってるって、いやー随分とロングランの展示です。

歌舞伎で使う馬とか狐とかネズミとかの作り物があるかと思えば、駕籠や舟などにも乗れますし、雨の音や波の音などを出す道具にチャレンジすることもできます。

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次のコーナーには揚巻の衣装(伊勢海老や水引がついていて、おめでたいですね)や映像などもありまして・・・。

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で、舞台のようなコーナーがありまして、靴を脱いで上がることができるのです。

一応下手側には短い花道があったりもしまして、そこで番傘や藤の枝を手に写真を撮ったりもできるって寸法です。

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上手側の清元の台に座って、三味線を手にすることもできます。 また下手側の御簾の裏に入って、太鼓や鉦(かね)を鳴らしてみることもできます。うーん、楽しい楽しい。

入場料は一般600円のようです。歌舞伎好きの人は、一度ご覧あれ。

同フロアには歌舞伎グッズのショップもありましたが、歌舞伎衣装を着て写真撮影をしてもらえる写真館「スタジオアリス」もあって、化粧や隈取までやってもらえるので、ご興味のある向きはそちらもどうぞ(って、別に金もらって宣伝してるわけじゃあないんですけどね)。

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2017年1月 7日 (土)

「聖杯たちの騎士」:ただただ美しい映像詩

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映画『聖杯たちの騎士』は、テレンス・マリック風味に彩られた映像詩。いや、むしろ切れ切れに、風景の中に心情を映し出すってことで、俳句のような映画であります。だから物語などはまるでありません。そんなものを求めたって、得る物はありません。ただただこの美しい映像に身を任せて、漂うように鑑賞すればいいのです。

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観ている間ずっと「21世紀の『コヤニスカッティ』(セレブ版)だなあ」と思っていました。あの都会と自然を、悠久の時間と人類の来し方行く末を見つめながら観察し続ける驚異の映像。本作もまさにそういう映画なのです。(悪口ではなく)BGVにしたい映像とも言えます。完璧な構図と高感度の色彩、そして流麗なカメラワーク。エンドタイトルを見れば、やはりエマニュエル・ルベツキが撮影監督なのでした。スゴイっす! どこまでも彼の天下が続いていきそうです。

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海、プール、水族館、海、海、海と「水」が繰り返し出て来ます。洗礼のイメージでしょうか? まあ人類のふるさとでもありますしね。

この作品にクリスチャン・ベールやケイト・ブランシェットやナタリー・ポートマンが要るのか?と言われれば、まあ不要ですよね。でもきっと出てくれちゃうんでしょうね(格安で)。そりゃあ志ある役者なら、一度ぐらいはマリック作品に出てみたいでしょうから。

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小生は往年のマリックよりも、最近の『トゥ・ザ・ワンダー』や本作の方が好きです。そういった意味では、近日公開の『ボヤージュ・オブ・タイム』は大いに楽しみなのです(予告編の映像がまた凄かったし)。

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2017年1月 6日 (金)

「アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場」:現代の戦争と多面的な正義の考察

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映画『アイ・イン・ザ・スカイ 世界一安全な戦場』は、思っていたよりずっと質の高い傑作でした。現代の「新しい」戦争映画として、エポックメイキングですし、とにかく脚本がよく出来ています。ある程度限定した場所を扱いながら、非常に多面的であり、その投げかける問題が深く重いのです。

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誰にも簡単には答の出せない「究極の選択」を扱っています。この問題に絶対の正解なんて存在しません。イコール「この世に絶対の正義なんて存在しない」のです。立場が変われば、居場所が変われば、正義なんてひっくり返るものなのです。 それでも究極の解答を必ず選ばねばならないという状況。しかもそこには「個人の正義感や道義」だけではなく、「組織」「手続き」という問題が絡みます。その官僚的な面倒臭さを真っ正面から描いているのも、この映画の凄さの一つ。『踊る大走査線』が風刺的にコミカルに描いた組織の問題(それはそれで有効な方法でしたが)を、正面切って力強く描いているのです。

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軍人の中でもそれぞれの役職やパーソナリティにより考えは異なりますし、法律家、大臣、大使らそれぞれの立場によって、また国の違いによっても思考の位相は全く違うのです。

それにしても、これ確かに決められませんよねー。サラリーマン的に、官僚的に、次々と「上司の判断を仰ぐ」展開には、「まあそうだろうなあ」と妙に納得しましたし、映画を観ながら、自分の見解もあちらこちらへと揺らぎ続けました。結局は誰だって、平和と正義のためにベストの選択をしようとしているのでしょう。けれどもこうなってしまうことを映画として描いた、その意義深さと出来の素晴らしさに敬意を表したいと思います。

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作中に登場する最新のハチドリ型ドローンや昆虫型ドローン(カナブンみたいなやつ)に驚愕。ハチドリはニセモノっぽいんですけど、カナブンの方は本物の虫にしか見えなさそうです。こんな小さなドローンで、あそこまでの精度で操縦ができて映像を得られるというのには感心しました。戦争の形が、ここまで変容して来ているのですね。 また、映像を介しての死体確認場面のリアルさにも絶句し驚嘆しました。

こんなに傑作なのに年末12/23公開なので、この作品は本年度『キネ旬ベストテン』(対象期間=12/15公開まで)の対象外=翌年まわしなんですよねー。残念です。大江戸は以前のように年内公開作が対象(アカデミー賞方式)というシンプルな規定にしてほしいと言い続けているのですが・・・。

 

 

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2017年1月 4日 (水)

「土竜の唄 香港狂騒曲」:ますますハチャメチャ下品です

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映画『土竜の唄 香港狂騒曲』は、第1作に引き続き三池崇史のハチャメチャお下品パワーが炸裂する雑な映画。まさに狂騒曲なのです。モグラとして潜入しているスリルはほとんど失せておりますが、よりバカバカしく、よりエロく、より派手になっております。

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それにしても本田翼、よくこんな役やりましたねー。事務所的にはOKだったんでしょうか? マスコミが「体当たりの・・・」とか書きそうな感じに、けっこうエロ方面に振り切っちゃってます。 また菜々緒はえらくカッコイイ悪女役なのですが、アホなお笑い部分にも果敢にチャレンジしております。 やはり三池さんが乗せ上手なのでしょうか?

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ただ主役の生田斗真の血管切れそうな「ぐうぉおおおお!!!」って感じの演技にはもう正直食傷気味。対する瑛太も今一つパンチ不足。そこいくと古田新太は、さすがに安定の悪役ぶりでした。

(以降ネタバレあり) 本田翼演じる娘の父親にして大組長役の岩城滉一さん、やはりカッコイイし、大物感漂ってます。ただ、この人が娘の臍の緒を食べちゃうってシーンには、かなりの違和感が・・・。女子ならドン引きだったのではないでしょうか?(おなかこわしそうだしね)

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全体的にやり過ぎ、ふざけ過ぎ、長過ぎ(2時間8分)なのでありました。 もう3作目は結構です(どうも3までできそうな流れだと感じましたが・・・)。

*今年もまだジャニーズ関係の人の写真は提供されないようですので、この映画に生田斗真の画像がなかったり、『海賊といわれた男』に岡田准一の画像がないというバカな事態が起きるのですが、ご了承くださいませ。

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2017年1月 3日 (火)

「富士ファミリー2017」:またもゆるりとほっこりと

NHKの新年単発ドラマは昨年やった『富士ファミリー』の続編。題して『富士ファミリー2017』。脚本は前作と同じく木皿泉が務めます。というわけで、そんなにどえらい傑作ではありませんが、ゆるりと軽く楽しめる作品です。

(2016版についてはこちら ↓)

http://oedo-tokio.cocolog-nifty.com/blog/2016/01/post-3115.html

 薬師丸ひろ子、小泉今日子、ミムラ、吉岡秀隆、仲里依紗ら前作のファミリーはもちろん、プラスして東出昌大や鹿賀丈史やYOUが脇を固めます。でも今回もやはり片桐はいりのおばあちゃんが暴れまくります。かっさらって行っちゃいます。本当にこのおばあちゃんが当たり役だと言っていいでしょう。

 薬師丸と高橋克実のエピソードや、薬師丸とYOUのエピソードや、小倉一郎と筒井真理子のエピソードなどがほっこりものです。木皿泉の良さが出ているところです。 ただ前作のマツコロイドのエピソードに代わる羽田圭介起用のエピソードなどは、またもハズしちまった感がありまけどすね。

 おはぎが食べたくなりました。 そしてこのエンディングだと、『富士ファミリー2018』もありそうですね。あるに違いありませんです。

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2017年1月 2日 (月)

新宿とかおみくじとかのこと

1483348450942 大みそかのエントリーに書いたように、TOHOシネマズの1ヶ月フリーパスポートをゲットしたので、それを使うべく新宿のTOHOシネマズへ。おお、ゴジラさんも「賀正~ん」とおっしゃってます(むしろミラ・ジョヴォヴィッチさんか?)。

 

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そこからランニング練習を兼ねて走って帰りました(今日は時間の関係で、行きは電車を利用。ランニングウェアだったけど、最近はそういう人もたまにいるので)。箱根駅伝の最中なのですが、小生は駅伝に全く興味がないので、気にせずに活動しております。 西新宿のパブリック・アート「LOVE」(by ロバート・インディアナ)の前を通ります。

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都庁前。2.26の東京マラソンではまたお世話になるスタート地点です。そうか、小池さんが号砲を鳴らすことになるのですね。

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快晴のお正月。静かな新宿副都心。イーネ! 好きな眺めです。ピースフルです。

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新宿ワシントンホテルの脇にある韋駄天尊に初詣(地元の神社には昨日行っておりますが)。東京マラソン、無事に(一昨年のように途中で故障しないように)完走できますようにと、韋駄天様にお願いしました。

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で、おみくじを引いたのですが、これが5か国語対応(日本語、英語、韓国語、中国語簡体字、中国語繁体字)。時代を感じますね。ま、ホテルの敷地ってこともあるのでしょう。

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小吉でしたが、驚くべきはその文面! これが昨日地元で引いたおみくじ(末吉)の文面と、内容的にかなり似ているのでした。 「最初のうちは困難でうまく行かないけど、耐えていけばそのうちうまくいく」みたいなお告げでして・・・。こういうcoincidence(偶然の一致)があると、おみくじってのも結構信じられるものなのかなあなどと思ってしまいますよねえ。

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2017年1月 1日 (日)

フロンターレ、またも栄冠に届かず

 1月1日は毎年恒例のサッカー天皇杯決勝のTV観戦。鹿島vs.川崎ですよ。あのレアルにひょっとしたら勝っていた鹿島と、Jチャンピオンシップで小林悠がいたら鹿島に勝っていたかも知れない川崎との決戦ですよ。通算19冠目を狙う鹿島と、初のタイトルを狙う川崎ですよ。しかも吹田スタジアムでの開催(56大会ぶりの大阪開催)。なかなか興味は尽きません。

 結果はご存じの通り、延長の末アントラーズが2-1の勝利で19冠目を手中に収めました。うーん、やはり鹿島は勝負強かったです。 大江戸はフロンターレに初タイトルを!という気持ちで観ていたのですが、川崎はまたも「シルバー・コレクター」の上書きとなってしまいました。金崎が出られないと聞いて、川崎のチャンスだと思ったんですけどねえ。

 いずれにせよ緊迫したガチの真剣勝負で、見応えがありました。終始がっぷり四つに組んで、どちらに転んでもおかしくない展開。日本トップレベルの高い技術を持った選手たちが、目いっぱいハードに戦っておりました。 川崎は前半、後半ともに押し込んでいた時間帯にゴールを奪いきれなかった(小林悠の1点のみ)のが敗因。延長になったら、(連戦疲れ及び早めに交代カードを切らざるを得なかった)鹿島よりも足が止まってしまいました。ファブリシオに決勝ゴールを決められたあたりも、なんだかバタバタしちゃってて。あの前のプレイで、もっとシンプルにはっきりクリアーすれば良かったのに・・・。

 一方のアントラーズは、小笠原のパフォーマンスをはじめ、とにかく勝ち方を知っているチームに、最近ますます磨きがかかった感じです。石井采配も相変わらず的確ですし、永木も相変わらず地味に効いておりましたし(ホントに1対1で絶対負けないですよねー)。

 観終わってかなり疲れましたってぐらいの熱戦。表彰式では、従来の国立競技場ですとメインスタンドで天皇杯を掲げていたのですが、今回の表彰台はピッチ内に仮設したものでした(W杯や五輪のスタイル)。その際、中央にいたキャプテン小笠原がカップを掲げるのかと思いきや、彼が石井監督に無理矢理カップを持たせて、石井監督が内また気味に自信なさげにカップを頭上に掲げるという珍しい光景となりました。うーん、さすがですね小笠原。今シーズン色々あった監督に花を持たせました(小笠原自身も交代させられた時に、しばしば不満そうな顔をしておりましたのに)。

 今年のJ1開幕は早くて、2月25日(土)。割とすぐ来ちゃいますね。 そしてJ2開幕は2月26日(日)なのですが、その日開催の東京マラソンに当選した小生は、行けないことに気づいてしまいました。だからベルマーレの開幕戦は、どうせ行けない遠方のアウェイ戦になってほしいと思っているのであります。

 

 

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