「マダム・フローレンス! 夢見るふたり」:謎が多いなあ
映画『マダム・フローレンス! 夢見るふたり』の監督はスティーヴン・フリアーズだったのですね。宣伝などではほとんど目立たなかったので、メイン・タイトルで初めて気づいた次第。しかもこれ、ハリウッド映画化と思っていたら、まぎれもないイギリス映画だったのですね。舞台はニューヨークですけど。 しかも昨年のフランス映画『偉大なるマルグリット』を見落としている大江戸ですが、「なんであの作品のリメイクということを全く表に出していないんだろう?」と思っていたのですけれど、これはリメイクと言うよりも、もともと実在したフローレンス・フォスター・ジェンキンスの伝記映画(ま、かなりフィクショナルに仕立ててあるそうですが)なんだそうです。
ことほど左様に予想外なことが頻出した作品でしたが、そして物語はかなりトリッキーなわけですが、映画の作りとしてはオーソドックス&ウェルメイド。平明にプロットを進行させ、キャラクターを立たせ、役者を輝かせ、笑いと感動を塩梅よく配置してあります。
1949年生まれ、現在67歳のメリル・ストリープに対し、ヒュー・グラントは1960年生まれの56歳と11歳年下ですから、だいぶ老けメイクにしております。いつもの軽やかなヒュー様ではなく、押し出しの強いお大尽を老け芝居で演じます。 一方のメリルは、やはりヒューよりも相当おばあちゃんに見えるのですが、これも病気に侵されているという役柄の表現なのでしょうか? まあ、最後の方は76歳を演じたわけなので、それだったら納得ではあるのですけれど・・・。
でも本作は二人よりもむしろ、ピアニスト役のサイモン・ヘルバーグや、夫(ヒュー)の公認愛人役レベッカ・ファーガソンらの芝居の方が、心に残りました。
それにしてもこの旦那は、なんでここまでこんな奥さんを愛して、むしろ甘やかして、多くを捧げていたのかなあ? (メリル嫌いの小生としては)謎です。愛って不思議だなあ。 そして、いくら音痴でも、(自分が歌っている時はまだしも)レコードになったものを聴いたら、自分のヘタさはわかるはずでしょう。あれだけいろんなものを聴いている方なのですから。謎です。
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