「聖杯たちの騎士」:ただただ美しい映像詩
映画『聖杯たちの騎士』は、テレンス・マリック風味に彩られた映像詩。いや、むしろ切れ切れに、風景の中に心情を映し出すってことで、俳句のような映画であります。だから物語などはまるでありません。そんなものを求めたって、得る物はありません。ただただこの美しい映像に身を任せて、漂うように鑑賞すればいいのです。
観ている間ずっと「21世紀の『コヤニスカッティ』(セレブ版)だなあ」と思っていました。あの都会と自然を、悠久の時間と人類の来し方行く末を見つめながら観察し続ける驚異の映像。本作もまさにそういう映画なのです。(悪口ではなく)BGVにしたい映像とも言えます。完璧な構図と高感度の色彩、そして流麗なカメラワーク。エンドタイトルを見れば、やはりエマニュエル・ルベツキが撮影監督なのでした。スゴイっす! どこまでも彼の天下が続いていきそうです。
海、プール、水族館、海、海、海と「水」が繰り返し出て来ます。洗礼のイメージでしょうか? まあ人類のふるさとでもありますしね。
この作品にクリスチャン・ベールやケイト・ブランシェットやナタリー・ポートマンが要るのか?と言われれば、まあ不要ですよね。でもきっと出てくれちゃうんでしょうね(格安で)。そりゃあ志ある役者なら、一度ぐらいはマリック作品に出てみたいでしょうから。
小生は往年のマリックよりも、最近の『トゥ・ザ・ワンダー』や本作の方が好きです。そういった意味では、近日公開の『ボヤージュ・オブ・タイム』は大いに楽しみなのです(予告編の映像がまた凄かったし)。
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コメント
こんにちは。
TBありがとうございます。
こちらにはTBが反映されないようで残念です。
>ただただ美しい映像詩...
同感です!
投稿: margot2005 | 2017年1月 8日 (日) 16時07分
margot2005さん、コメントありがとうございます。
うーん、すみませんがなぜトラックバックが反映されないのかちょっとわかりません。別にブロックしてたりしないのですが・・・。
いずれにせよ、今後ともよろしくお願いいたします。
投稿: 大江戸時夫 | 2017年1月 8日 (日) 21時52分