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2017年1月31日 (火)

「東京ウィンドオーケストラ」:低予算屋久島コメディ

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映画『東京ウィンドオーケストラ』は、『滝を見に行く』(沖田修一監督)、『恋人たち』(橋口亮輔監督)に次ぐ松竹ブロードキャスティングのオリジナル映画製作第3弾。坂下雄一郎監督(30歳)のオリジナル脚本を、ほぼノー・スターの俳優陣で映画化(劇場用デビュー作)しました。そんな低予算の屋久島ご当地ムービーです。上映時間75分ってのも、潔くて好きです。

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オール屋久島ロケです。実は小生、わけあって屋久島には割と詳しいのですが、宮之浦港から紀元杉からいわさきホテルから田代別館前の橋とバス停まで、あまり「観光映画」になり過ぎない範囲でちょこちょことロケを重ねておりましたね。まあ物語の設定上、観光映画には成り得ないのですが・・・。いずれにしても、近頃はやりの「ふるさと創生」で地元が出資する映画とは違うようです。

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「いくらなんでも無理があるでしょ」「それ、ありえないでしょ」っていう展開も多いのですが、そこはまあコメディなんで目をつぶりましょう。キャストが無名で顔なじみ感が無いってのも、この楽団のうさん臭さ&素人臭さをしっかり表現しているってことで、良しとしましょう。でも唯一なじみの俳優=小市慢太郎さんが出て来ると、正直ほっとしました。 主演の中西美帆さんは、不機嫌&無気力なキャラクターをいい感じに演じてました。無表情が悪くないです。

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本筋のストーリーに、主人公と役場の課長の不倫ネタを絡めたあたりが、スパイスとして奏功しています。そこはオーソドックスな脚本の良さ。それ以外にも、随所で笑えました。 一方、ラストはもう一工夫二工夫欲しかった気がいたします。コメディのエンディングとしてはちょっと虚しすぎて、「あれっ?」って感じでした。

観終わって出て来たら、中西美帆さんはじめキャストの数名が「ありがとうございました」とお見送りしてくれました。「毎日イベント」とか書いてありましたもんね。予定以外の上映回でも、そういうことをやってくれているのですね。嬉しかったです。(新宿・武蔵野館にて)

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