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2017年1月13日 (金)

「幸せなひとりぼっち」:頑固おやじの若き日

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映画『幸せなひとりぼっち』は、スウェーデンの大ヒット作ということですが、うーん、スウェーデン人の琴線に訴えるものがあるのでしょうねえ。『王様のブランチ』でLiLiCoさんも「今年のベストワン」とか言ってたけど、彼女も半分スウェーデン人ですんもねんね。

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一方では、大江戸にはさほど訴えて来ませんでした。これ、特に目新しい所のない、いかにもなお話ですし。自殺を失敗し続けるあたりなんて、相当ベタですよ。 美点としては、この頑固おやじの若き日々の輝き、わけても妻のきらめく笑顔です。この回想のおかげで、なんとか作品が生きました。

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それにしてもこの頑固おやじが59歳だとは!! 70歳ぐらいに見えますよー! 演じるロルフ・ラスゴードは1955年生まれなので、撮影時には59か60歳だったと思われます。なので、「すげー老け顔」ってことなんですね。やれやれ。スウェーデンには彼とかステラン・スカルスガルドとか「じゃがいも顔」が多いんですかねえ。

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欧米系でない異文化ファミリーを最初は嫌いながら、徐々に心の絆が築かれていくってあたりは、イーストウッドの『グラン・トリノ』のようですね。そういえば、グラン・トリノも車の名前ですが、本作においてもサーブとボルボとアウディが、キーワード的に登場しております。

人に歴史あり。そして、頑固おやじにも若き日あり、なのでした。

 

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コメント

お早うございます。
酷くつまらないことで誠に恐縮ですが、冒頭のタイトルが『最高のひとりぼっち』になっています(“最高”でも“幸せ”でも、本作の内容とかけ離れている点は同じでしょうが)。
なお、これで『ニュースの真相』で大江戸時夫様からコメントをいただいたことに対してご恩返しができました!

投稿: クマネズミ | 2017年1月16日 (月) 05時52分

うわわわわ!
何でそんなことに・・・まったく気づきませんでした。
いや、お恥ずかしい限りです。早速訂正させていただきました。
ご指摘ありがとうございました。

投稿: 大江戸時夫 | 2017年1月16日 (月) 08時43分

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