鈴木清順、黄泉の国へ旅立つ
鈴木清順さんが93歳で他界されました。まあ『オペレッタ狸御殿』('05)以降音沙汰なしだったので、そろそろかなあって気はしていたのですが。
あの極彩色でケレン味たっぷりの「清順美学」は、歌舞伎にも例えられたものです。相当ヘンテコな映画も作ってくれましたし、そのため「わけのわからん映画ばかり作る」として日活から解雇されちゃったりもしました。復活作として松竹で撮った『悲愁物語』も、この上なくヘンな映画でした。
また、胸に嫌な感じの残る「気持ち悪さ」も特徴的で、ちょくちょく顔を出したものです(『怪奇大作戦』の「木乃伊の恋」、オムニバス映画『結婚』、『ツィゴイネルワイゼン』など)。あのdisgustingな感じは何なんでしょうねえ。
清順らしさが開花したとされる『野獣の青春』('63)以降の作品はほとんどを観ていますが、大江戸にとっての2トップは『悪太郎』('63)と『陽炎座』('81)。かたやモノクロのピュアな青春映画、こなた絢爛たるフィルム歌舞伎の幻想譚。でもどちらも清順さんの良い持ち味が出ています。
ネットの記事を見ていたら、88歳の時に48歳年下!の女性と再婚していたようですね。さすがは清順師、最後まで驚かせてくれました。
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