「マグニフィセント・セブン」:ダイバーシティ西部劇
映画『マグニフィセント・セブン』は、同じ原題の『荒野の七人』のリメイク。ってーことは『七人の侍』の孫的な作品。一昨年はタランティーノの『ヘイトフル・エイト』がございましたが、今年は『マグニフィセント・セブン』でございます。
現代的なアレンジとしては、とにかく多民族。七人のうち白人は3名のみ。あとはアフリカ系にメキシコ人にネイティヴ・アメリカンに韓国人にと多様。おまけに女性も重要な役で登場します。これが今日の西部劇なんですね。ダイバーシティです。 それにしても終盤大変な役割を担うこの女性、蓮佛美沙子にしか見えませんね。
イ・ビョンホンはクールにナイフの達人を演じております。日本の俳優はどうしてこのポジションが取れないんでしょう?と思えてなりませんでした。
アントワーン・フークア監督は硬質な娯楽職人らしく、ガツンとくるアクションをかなり長めに展開しています。これだけ充実した「アクション西部劇」ってのは、実に久々なのではないでしょうか? そして西部劇には強烈な悪役が必要。そうした意味からいうと、ピーター・サースガードの残虐非道なヒールっぷりは、適役好演です。
エンドタイトルには、エルマー・バーンスタインの『荒野の七人』のテーマが流れます。もっともその前から、あの♪ダッダダン ダッダダダダンをモチーフにしたようなジェームズ・ホーナーの書き下ろし曲は何回か流れておりました。オマージュですね。ただやはりご本家の爽快感には全くかないません。できればご本家を、西部の風景を馬が駆け抜けるショットにかぶせてもらいたかったものであります。
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