「騎士団長殺し」ようやく読了
はい、ようやくです。ようやく読み終えました、村上春樹の『騎士団長殺し』第1部「顕れるイデア編」・第2部「遷ろうメタファー編」。発売日の朝に買った割には、長い道のりでした。ま、大江戸の場合、通勤等の電車内でしか本を読まないし、本だけじゃなくてフリーペーパーやフリーマガジンを読んだり、スマホを触ったりもしているので、しかもそんなに長い通勤時間でもないので、2巻1,000ページ以上の長編となると、随分かかってしまうのです。
でもそれは取りようによっては、「長く楽しめた」「値段のもとは十分取った」とも言えるので、悪いことじゃあありませんやね。
それにしてもこのブックデザイン、渋い色調とは言え緑系と赤系なんて、『ノルウェイの森』を連想しないわけにはいかないじゃないですか。
で、作品は素直に面白かったです。特に第1部の後半から第2部の前半にかけて、加速度的にぐんぐん面白くなっていき、本当に「小説の面白さ」を堪能させてくれます。 でも第2部の後半になって、妙にスローダウンしてしまいます。そしてクライマックスがないままに終幕。この感じは・・・、そして決着のつかないあれやこれやから考えると、また『ねじまき鳥クロニクル』や『1Q84』の時と同じように、最初に2巻を出して、翌年あたりにもう1巻追加するというパターンなのかも。だって、そうでなければ「終わり」になってませんもん、これ(「第1部おわり」「第2部おわり」としか記されていませんし)。
いつも通りの(現代社会を彩る)固有名詞の嵐、いつも通りの比喩の嵐、そしてしばらく離れていた「ムラカミらしい物語」(夢が出て来たり、穴があったり、壁があったり、セクシャルな描写が冴えてたり、シュールな展開があったり、ファンタジーの世界が出現したり、邪悪の影があったり、イノセンスが危機に瀕したり・・・)です。いつも通り「こんなこと言う奴いねーよ!」な会話が繰り広げられます。絵描きというクリエイティブな職業の主人公を登場させたのが、新しいところでしょうか。
たっぷり楽しませてもらいはしましたが、読み終えて宙ぶらりんな気分になってしまったことも事実です。うーむ、早く第3部(出ますよね??)を読みたいものです。「第3部はあらない」(←読めばわかる)なんて言わないでくださいね。
| 固定リンク
コメント
あると思います‼…ちがった…
時間を味方につけて「顔のない男」描かなくちゃ
投稿: R江 | 2017年3月23日 (木) 09時29分