「雪女」:男は女の虜として・・・
映画『雪女』は、監督・脚本・主演をこなした杉野希妃のほとんどワン・ウーマン映画。でも、なんだかなあです。映像はジャパネスクでエキゾチックなのですが、とにかく間延びしてて、つまらないのです。海外の映画祭での賞を意識してのジャパネスクか?なんて悪口を言いたくはないのですが・・・。
この題材で長編映画にするのはかなりしんどいですよねえ。暗く静謐です。 あえてそうしたのでしょうが、時代設定がはっきりしないので、違和感が生じることもあります。昔話の世界なのに、後半に14年後の工場の場面とか洋服の人々とか出て来ると「あれっ?」って感じがしました。
また、娘(山口まゆ)が台湾みたいな小学校の校庭で体操着を着て行う変な体操も相当奇妙でした。なんだか太極拳みたいでもあり、とにかく変な振り付けで・・・。 何なんでしょう、あれ? 何かのCMに使えそうでした。
杉野監督&主演の前作『マンガ肉と僕』も、実のところ安部公房の『砂の女』ならぬ『肉の女』といった趣きの作品でした。この『雪女』も含めて、男が女に囚われるような物語です。男は常に女の虜(とりこ)。そこらへんがオブセッション的に暗い澱(よど)みとなっているところが、杉野さんらしさなのです。
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