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2017年3月15日 (水)

「バンコクナイツ」:長編ドキュメンタリー風フィクション

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映画『バンコクナイツ』は、2011年に『サウダーヂ』でキネ旬ベストテンの第6位に輝いた富田克也監督と製作集団「空族」による3時間2分の大作(タイ作?)。とは言え、いかにも低予算で、でも時間をかけて、粘って撮っているって印象がします。

だけど大江戸の場合『サウダーヂ』にもあまりノれなかったのと同様、本作にもさほど惹かれるところはありませんでした。バンコクってこんな所なのかあという勉強にはなりましたが・・・。

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オープニングで、いきなり“Bangkok, sh*t!”と出て来て、「おお、これは『地獄の黙示録』かしらん?」と思いました(あちらは“Saigon, sh*t!”でした)。まあ「東南アジアでの、戦争を背景にした異界巡り」ってことにおいてはそう言えなくもないけれど、テイストは随分違いますし、カーツ大佐は出て来ません。

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あえて時間をたっぷり使って、ダラダラ撮っています。ドキュメンタリー風フィクションとも言えます。そこから浮かび上がって来るものもあれば、ダラダラの中に埋もれていくものもあります。タイの「沈没組」と言われる日本人男性たちが中心的に描かれるのですが、何ともはやな人たちです。

その一方でタイ人の女性たちはやはりたくましいのです。彼女たちから出ているエネルギーは、歴代の様々な娼婦ものの系譜に連なっています。

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でも、彼女たちの行動の中に「猥雑の中の宝石=瓦礫の中のゴールデンリング」的な輝きが描かれていなかったのが残念。映画としては、フィクションとしては、やはりそこが勝負どころではないかと思うのです(西鶴だって溝口だって清順だってそうですもんね)。

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