「ボヤージュ・オブ・タイム」:理科の授業で見せましょう
映画『ボヤージュ・オブ・タイム』は、テレンス・マリック監督による地球と人類の壮大な歴史絵巻。なんせ宇宙のビッグバンから始まって、地球が生まれ、海から生命が誕生し、分化、進化し、陸地や空でも活動し、人間が登場し…そして現代、という何とも気宇壮大な映画です。これこそはIMAXの巨きなスクリーンで観たい作品ですよねえ。なのに、都内ではTOHOシネマズ・シャンテの小さなスクリーンのみでの公開です。
ついでにそのシャンテでの公開は日本語版のみ。別に中谷美紀さんのナレーションは悪くありませんが(むしろ適任だと思います)、本来のケイト・ブランシェット版で観たかったですねえ。ナレーションの分量がそんなに多くはないので、字幕が映像の邪魔になるほどではないと思いますし・・・。
映像のルックとしては、「ナショナル・ジオグラフィック」
とか「BBCドキュメンタリー」とかのようです。宇宙の絵も、地理的な絵も、生物的な絵も、みんなセンス・オブ・ワンダーかつ教科書的なな映像です。これ小学校の理科の授業で観せるといいんじゃないかなあ。
一方で原始人の男女は、妙にスラっとしていて、ジムで鍛えたような筋肉を持っていて、現代感アリアリでした。この人たちが、槍みたいな道具を手にしたとたん現代にリープしてしまうのは、あたかも『2001年宇宙の旅』みたいですよね(争いの描写もあったし)。そもそも本作の冒頭の原初の宇宙映像も、ほとんど『2001』のスター・ゲイトみたいなのでありました。
不満なのは、現代の映像。これ、あまり良くないですねー。これならマリックの近作『聖杯たちの騎士』の映像の方が、大いに魅力的でした(『コヤニスカッティ』的で)。
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